なりきり玩具から見た『仮面ライダー555』 鷹羽飛鳥
更新日:2004年3月7日
 この前「欲しかったアイテムあれこれ」でも書きましたが、鷹羽はなりきり系のオモチャが好きです。
 その後、結局カイザドライバーも買ってしまいました。
 まだバッテンボーは買ってませんが、勢いで買ってしまいそうです。
DXカイザドライバー

 で、ちょっと思ったんですが、最近の変身ベルトとかって結構プレイバリューを考慮してありますよね。
 今回は、その辺のお話をば。


 『仮面ライダー555』では、ライダーシリーズで初めて変身ベルトを“変身用のアイテム”と割り切りました。
 これまで取り外せる変身ベルトを持っていたのは『仮面ライダー龍騎』のライダーだけで、それも“モンスターとの契約の枷”的な意味合いがあり、手にしたら最後、捨てるわけにはいかない代物でした。
 対して『555』では、ベルトはあくまで一定の要件を満たす者が使用できる変身用具であり、ゴミ捨て場に捨てても決して呪われたりしない品物でした。
 まぁ番組中では、普段から携帯していないといざというときに変身できず、しかも敵に奪われれば直ちに変身して襲いかかられてしまうという諸刃の剣として、非常に価値の高いものだったわけですが。
 わざわざ持ち運び用にアタッシュケース状のファイズギアボックスまで用意してあることからも、ベルトが不便な道具だということをアピールしていることが分かります。
 では、どうしてそうなったのでしょうか。


 基本的に、なりきり系玩具は変身アイテム武器通信機などの周辺品ヘルメットや服に大別されます。
 スーパー戦隊などのように、変身アイテムが通信機を兼ねていたりする場合もありますし、ウルトラ系のようにヒーロー系と防衛軍系が混在している場合もありますが、基本的にライダーの場合、ごく初期からなりきり系は変身ベルトとヘルメットが主体でした。
 まぁ、ドレミサイクロン乗用バトルホッパーなどもなりきり系と言えなくもないですが、あれは一応自転車とバイク型の乗り物オモチャという実用品ですからねぇ、除外しておきましょう。

 変身ベルトの話に戻りますが、あれは、基本的に変身ごっこ以外には使えないアイテムでした。
 昭和時代のライダーの戦闘は基本が徒手空拳での格闘なので、ベルト付けてヘルメットかぶればなりきれたってのも重要なポイントですね。
 この辺が変わり始めたのは、本格的に武器を持ち始めた『仮面ライダーBLACK RX』からだと思います。
 もっともRXの剣:リボルケインは、ベルト:サンライザーの風車部(本当は風車じゃないけど)から生えてくる設定でしたけど、オモチャでは当然再現できませんでした。
 また、RXの別形態であるロボライダー・バイオライダーのベルトと武器もそれぞれ発売されましたが、いずれもDX系の「光る! 回る!」系の商品ではありませんでしたし、
 この後、10年以上にわたってテレビ版のライダーは途絶えていますが、次のライダーにおけるマーチャンダイジング面での課題は、ベルトと武器の連携だったことでしょう。

 ライダーシリーズ復活作である『仮面ライダークウガ』では、4つの形態を持ちながらいずれも胸部・肩部・上腕部以外のパーツは色違い程度の変化に留め、それぞれの形態に応じて武器と風車部の色が異なるという新機軸を打ち出し、1つのベルトを買えば4形態全てを再現できるようにしました。
 このベルトは、予め4つの形態に応じたスイッチを押しておくことで、回転スイッチを入れたときに風車部の光る色が変わるというシステムで、色に応じて変身音も変わりました。
 また、パワーアップ用に第5の色が予め用意されており、ベルト自体にパワーアップパーツを取り付けることで隠しスイッチが押されて発動する、意表を突いたシステムになっていました。
 このシステムは、本編中でも各フォームごとに変身音が違うこと、各フォームの能力の違いなどが徹底されていたりしたため、かなりの好評を博しました。
 ただし、ベルトのオモチャと武器のオモチャには、やはり連動性はありませんでした。

 続く『仮面ライダーアギト』では、3色+隠し1色に減らしただけで『クウガ』のシステムをそのまま継承しましたが、あまりにそのまま過ぎたため目新しさがなかったことと、本編中でフォームの違いが明確に描かれていなかったことなどから、少々つまらない物になりました。

 続く『仮面ライダー龍騎』では、「光る! 回る!」系のベルトではなく、ベルトのバックル部にカードデッキを差し込むことで変身音が鳴るというシステムが採用されました。
 これには、恐らく武器とベルトを本格的に連動させようという意図があったものと思われます。

 これは、ベルトから引き抜いたカードをバイザーに挿入することで、挿入したカードに応じてバイザーから「ソードベント」「ファイナルベント」などの音声が発せられるというシステムで、明確にベルトと武器が一体化しました。
 また、これには一部の人が“子供っぽい”と拒否反応を示す「ライダーキック!」などの叫びの代わりに「ファイナルベント」などのクールな機械的音声でこれから必殺技を出すぞということを示すわけで、見ている側のボルテージを上げる手段としても有効でした。
 そして、バイザーとカードデッキ、ベルトの3つが揃わないと一通りの再現ができないわけで、各商品を買わないと遊びが連動しないという販促効果を生んでいました。
 
 
 かなり理想的な連動だったのですが、これには実際に「○○ベント」といくつも言葉を発することができるのは、龍騎のドラグバイザーと色違いのブラックドラグバイザー、龍騎サバイブのドラグバイザーツバイの3つしかないという大きな欠点がありました。
 ナイトのダークバイザー、王蛇のベノバイザーなどは電子音が鳴るだけです。
 それでもバイザーが発売されたライダーはまだましで、ガイやライアなどはバイザーすら発売されていません。
 これは、バイザーにカードを装填することで武器が出現するソードベントやストライクベントといったカードのせいです。
 このため、龍騎だけでベルト・ドラグバイザー・ドラグセイバーと3つも商品が出てしまいます。

 また、各バイザーにはカードを装填できるだけの大きさと可動部分を持たせなければならないので、必然的に大きく複雑な作りになってしまい、値段も高くなってしまいます。
 『龍騎』の場合、各ライダーが武器召還のカードを持っており、例えばソードベントの場合、
 
1. 剣召還のカードをバイザーに装填する
2. バイザーから「ソードベント」と声がする
3. 剣が手元にやってくる

という流れになっていますが、オモチャを使って再現できるのは、龍騎のソードベントだけです。
 肝心の召還される武器がドラグセイバーしか発売されていないからですが、それって、せっかく「ガードベント」と声が出てもドラグシールドは“あるつもり”で遊ぶしかないってことで、オモチャを買う意味が薄くないですか?
 ダークバイザー・マグナバイザーや、ドラグバイザーツバイ・ダークバイザーツバイがそのまま武器になっているのはその辺のフォローですが、それでも商品数はふくれあがり、そのため他のライダーの武器は全く発売されないというバランスの悪いことになってしまいました。
 これは、『龍騎』の商品展開が、モンスターが武器になるR&Mシリーズを中心に企画されていたためで、なりきり系オモチャの側からすると、出し切れないほどの数の武器が番組に登場してしまったことによります。
 また、ライダーの数を多く設定しすぎてテレビ本編に10人しか登場していないという困った事態を発生させてしまいました。


 恐らく、『555』の商品展開はその反省に立って企画されたものと思われます。
 思うに商品展開の方向性としては、ライダーの数を減らし、それぞれの武器を小型化すると共に機能を単純化し単価を抑えてラインナップを充実させることだったのではないでしょうか。
 最初にベルトの数を3本と明言したのは、商品対象になるライダーが最初から3人と予定されていたからでしょうね。

 さて実際に発売された商品ですが、タイトルの「ファイズ」が数字で表記されていることも合わせて考えると、数字入力による変身システムが最初から企画されていたのではないかと思われます。

 余談ですが、『龍騎』のバイザーのときには、カードの穴の位置関係で喋る言葉が決まっていたため、ダミーのカードを作って“どんな言葉が出るのか”実験した強者がかなりいたようです。
 『555』では、3桁の数字を押す形であるため、実験は非常に楽だったでしょう。
 なにしろ、たった1000通りしかありませんから。
 と思っていたら、番組中でファイズが「3、8、2、1」と入力してジェットスライガーを呼び出してしまいました。
 これは4桁の数字であり、もしこれがオモチャで再現できたなら、最高に意表を突いたフェイクだったと言えます。
 この放送の後、ファイズフォンで同じように入力した人の数はバルタン星人Jr.の数の数百倍に及んだといいます。
 結果としては、ファイズフォンは4桁の入力にはまるで対応していなかったそうで、残念ながらどんなに大きな声で呼んでもバロム1もルンルンも来なかったそうです。
 ただ、ファイズブラスターの方には、いくつか隠しコードがあったそうで、「1、2、2、4」で「メリークリスマス」、「2、0、0、4」で「ハッピーニューイヤー」と言ってくれるそうです。

 話を戻しましょう。
 ファイズのベルトに装備されているのは、それぞれデジカメ・懐中電灯と一見戦闘と関係ない物ばかりで、それがミッションメモリーを装着することでロックが外れて武器に変形できるというのがウリだったようです。
 なんか、単に“武器じゃないように見える変形でしかない”って話もあるらしいですが、テレビ朝日の公式HPによれば、デジカメなどのアイテム形状の時にはそれなりの機能を発揮するとのことなので、一応それを信用して話をします。
 これは“変身前はアイテムとして使用し、変身後は武器として使う”というコンセプトに基づくものでしょう。
 上で書いた“ファイズギアボックスまで用意してベルトを持ち運ばせる”というのは、変身前からベルトを使用させようという意図があったものと思われます。
 ですから、変身アイテムが携帯電話というのも、それが変身後に銃として使用できるのも一連の流れなんですね。

 ところが、このシステムはあまり機能しませんでした。
 というのも、スパイアクション的なストーリー展開ならいざしらず、「敵に渡すな大事なリモコン」状態のベルト争奪戦と日常ドタバタコメディが主体だった『555』では、懐中電灯やデジカメを使う場面などどこにもないからです。
 当然オモチャを買ってもらった子供達も、ファイズショットでデジカメごっこなどしなかったことでしょう。

 では、この商品がどうして受けたのでしょうか。

 それは、変身アイテム:ファイズフォンの数字入力システムと、ミッションメモリー装着による変形と、エクシードチャージしての必殺技アクションが再現できるからにほかなりません。

 本編での必殺技シーンは
 
1. ファイズフォンからミッションメモリーを外してアイテムに装着する
2. 変形したアイテムを装備する
3. ファイズフォンを操作すると「エクシードチャージ」と声がする
4. フォトンストリームを光が走る
5. 武器を使用して必殺技を放つ

…という5つの動作からなっていますが、ベルトと武器1つを持っていると、4以外の動作がほぼ完璧に再現できるのですから、随分と遊び甲斐のあるオモチャだと言えます。
 これは、喋るパーツをファイズフォンのみにして、ほかの周辺武器は「変形」と「発光」「電子音」だけに集中したことによります。
 これにより、ファイズフォンは『龍騎』でのカードデッキとバイザーの機能を併せ持つこととなって、ベルトの操作イコール技の発動という流れを作りました。
 喋る言葉も、「スタンディング・バイ」「コンプリート」「シングルモード」「バーストモード」「チャージモード」「エクシードチャージ」「エラー」の7種類だけで、よりシンプルなものとなっていて、どの武器を装備しても同じ「エクシードチャージ」の使い回しが利くため、一度に全部揃えず徐々に集めていくという財布に優しい買い方ができます。

 各種アイテムはミッションメモリーを装着されることで機能を変化させて武器となるわけですが、これは、ミッションメモリーを媒介としてベルトと一体感を持っているということでもあります。
 一方で、武器の方にも一応のミッションメモリー(簡易バージョン)が付属しているので、武器だけ買った人もそれなりに遊べますし、ベルトの方でもファイズフォンがフォンブラスターという銃に変形しますから、やはりそれなりに遊べます。
 こうして、“単体でも遊べるが、揃えるとよりプレイバリューが増す”という非常に出来のいい連携ができたわけです。
 強化用アイテムのファイズアクセルは、逆にファイズフォンにファイズアクセルのミッションメモリーをセットする形のパワーアップですし、後半登場のファイズブラスターもファイズフォンを装着して使用するという型式になっており、やはりファイズフォンを核とした構成になっています。
 これらのことから、やはり1つのアイテムを中心に、その他のアイテム群を結合させていくシステムを狙っていたことが分かります。


 実は、バンダイの方では、武器が日用品に変形することに意味がないことくらい、かなり早い時期から理解していたようです。

 というのは、その後に発売になったカイザの武装が、当初右腰のカイザブレイガンと左腰のカイザショットだけだったからです。
 カイザブレイガンは、「ブレイド」+「ガン」の名のとおり、剣と銃を合体させた武器で、通常は銃として使用し、ミッションメモリーを装着することで刃が生成されて剣になるという変形方式です。
 本編中でも、変身前からぶら下がっている腰のブレイガンが邪魔そうでしたが、オモチャの方では、刃が光るというギミックの都合上、刃を引っ込めることも外すこともできず、ばかでかいアイテムになってしまったのです。

 しかし冷静に考えてみると、そもそも剣を腰に携帯する必要などないはずです。
 ファイズだってオートバジンのハンドルを剣にしているんですから、ブレイガンだってサイドバッシャーのシートの下からでも取り出せばいいわけです。
 にもかかわらず、敢えて変形不能なものを腰に下げたのは、一重にファイズと違う部分を持たせて特徴付けたかったからでしょう。

 ちょっと横道に逸れますが、カイザの設定はあらゆる面でファイズと変化を付けて作られています。
 カイザの顔は、ファイズの顔が「Φ(ファイ)」を象っているのを「○」に見立て、それに対する「×」を使ったデザインになっており、「カイザ」という名前も「×(ばつ)」と「X(エックス)」をひっかけて「KAIXA」となっています。
 そして折り畳み式のファイズフォンに対し、カイザフォンはリボルバースタイルで、「スタンディング・バイ」などの音声もくぐもった悪役っぽいものです。
カイザフォン→フォンブラスター

 ほかにも、フォトンストリームや後ろ頭の線もファイズの1本に対して2本になっているなど、変化を付けているのがよく分かります。
 こうして考えると、必殺技もファイズのキックに対して別の形にしようとしたのではないかと考えられるのです。

 ファイズのメイン必殺技であるキック:クリムゾンスマッシュに使用されるファイズポインターは、普段はベルトの右腰に付けてあります。
 そして、カイザの右腰にはカイザブレイガンが付いていることからすると、メイン必殺技を剣にしようとしたのではないでしょうか。
 そして、ギミックの都合上どうせ変形させられないのだからと、「X」字型の武器にしてしまったのでしょう。
 つまり、武器がデジカメなどに変形するのは武器になる前の形に意味が必要だからであり、デジカメになろうが電磁調理器になろうが構わなかったのです。
 カイザブレイガンは、「X」字型の銃が剣に変形するだけで十分意味があったということなのでしょう。

 では、どうしてカイザポインターが発売されたのでしょうか。

 それは、恐らくその後の展開の中で「やっぱりキックも欲しい」という意見が出たからではないかと思われます。
 こう考える最大の根拠は、カイザの足が左右対称であることです。
 ファイズの足をよく見ると、右足にポインター装着用のパーツがあり、左右非対称になっています。
 カイザにも最初からポインターが予定されていたのなら、当然このパーツが付いているはずなのです。
 ところが、劇中で入手したポインターを初使用する際、カイザの右足にはまるで最初からそこにあったかのようにポインター装着用のパーツが生えていました。

 2つ目の根拠はオモチャの付属品です。
 カイザドライバーのオモチャには武器用のアタッチメントパーツが2つしか付属していません。
 どのみち武器は全て別売りで、カイザブレイガンとカイザショットのためのアタッチメントはカイザドライバーに付属しているというのに、カイザポインター用のアタッチメントだけがカイザポインターの方に付属しているのです。
 しかも、カイザポインターの装着位置は腰の後ろという、オモチャでは留め具の関係でどうしてもベルトが二重になる位置です。
 アタッチメントを背後にはめる場合、普通は先に片方のベルトに通しておいて留めた後に真ん中にずらすことになりますが、ベルトの最大幅ではめている人の場合、アタッチメントをずらすだけでかなりの手間です。
 しかも、アタッチメントへのポインターの付け外しも真後ろでは相当面倒です。
 左腰に付けているのがファイズショットの色違いのカイザショットであることには、「まぁ左側が空いてるから、色違いのアイテム持たせとこう」という程度の意図しか感じられませんし、最初からポインターを追加発売する気があったならその時左腰を開けておけばいいんですから、やはりポインターは後から発売が決まったのでしょう。

 なお、カイザの足裏にはファイズの「Φ」に対する「×」のモールドがありますから、「最初からキックを必殺技にする予定があったんじゃないのか!?」という反論もあるかもしれません。
 ですが、鷹羽は足裏のモールドはあくまでファイズの足裏に合わせただけで、商品展開や劇中演出とリンクしていない可能性が高いと思っています。
 なぜなら、3人目であるデルタの手足にはフォトンストリームが3本ありますが、足のフォトンストリームを使う技や武器は存在しないからです
 デルタのキックは最初からデルタムーバーを使用していましたから、ポインターを後付けで出す予定が潰れたとは考えられません。
 つまり、カイザにせよデルタにせよ、足にフォトンストリームがあったり足裏にモールドがあったりするのは、あくまでファイズとのデザイン上の統一でしかないと思うわけです。


 さてそのデルタは、ファイズの「○」、カイザの「×」に続いて、「」を基調にしています。
 名前からしてギリシャ文字の「Δ」ですし、顔面の「○」上部に「▽」の切れ込みが入っており、また足裏に「△」のモールドがあります。
 ただし、変身アイテムは携帯電話ではなくガングリップへの音声入力方式に変更されました。
 これは恐らく、商品展開上の理由が主体だと思います。
 カイザポインターが登場した25話時点で、ファイズのなりきりアイテムが5つ、カイザが3つ。
 劇場版で登場となるファイズブラスターを数えると、メイン2人だけで既に9個の商品が確定していました。
 この上、中盤登場でメインライダーになりにくいデルタにいくつもアイテムを出せないため、ベルトの付属品だけで全て賄うことにしたのでしょう。
 軽く説明しておくと、デルタ登場の頃の撮影時期は、劇場版「パラダイス・ロスト」の撮影時期と重なっており、主役である巧達を出しにくい状態になっていました。
 そこで、流星塾生達によるデルタのベルト争奪戦で穴埋め作業をしていたのですが、そういう、いわば“変身する人間が一定しない”という状況は、ライダーのキャラクター付や人気構成を阻害しますので、あまり大規模な商品展開はできないわけですね。
 こうなると、オールインワン型のベルトを1つだけ発売するのが理想です。
DXデルタドライバー

 更に、変身アイテムとしての携帯電話も、既に折り畳み式も回転式も使われているため、無変形の棒形しかありませんが、エクシードチャージのボタン位置とミッションメモリーのことを考え併せるとバックル部に装着するのは難しいところです。
 結局、音声入力型のガングリップにして、ホルスター兼銃本体兼ポインターであるデルタムーバーを付けて、ベルト一式という形の販売になったのでしょう。
デルタムーバー

 公式HPでのデルタフォンの項に「SB-333P」と書かれていることからして、本編中の変身コードを「3、3、3」にして、ジェットスライガーを呼ぶときのように音声入力した後「変身!」と叫びつつデルタムーバーに刺すことも考えていたのではないかと思われます。
 恐らく、実際に使用された入力音声が「変身!」だったのは、オモチャのデルタフォンの音センサーが、「3、3、3」では音的に弱くて感知できなかったせいではないかと思います。
 いや、鷹羽が試したところでは、一応反応しましたけどね。


 そういや、調子に乗ったバンダイは、大きいお友達向けのファイズギアセットを3万円で出すとか…。
 バックルにダイキャストを使ったり、ベルトの接続を車のシートベルトみたいな方式にしたりと、色々豪華版になっているそうな。
 とりあえず、オモチャシリーズの欠点であるウエストサイズ問題がクリアされたのは素晴らしいけど、ファイズポインターとファイズショットは光らない鳴らないなんだそうで。
 それってどうなんでしょ? なんか商品詳細を知って予約取消したがる人がかなり出たとか…。

 
 ともあれ、放送中に発売された『555』のベルト達は、大変遊び甲斐のあるオモチャでした。
 最終的には、トイザらス限定で、ファイズフォンの型を流用したサイガ、オーガといった劇場版ライダー達のベルトも出ましたが、やはりメイン3人のベルトはそれぞれ少しずつ作りに違いがあって、非常にバラエティ豊かに感じます。
 ともかく、ベルト単体でも武器単体でも遊べて両方持っていると相乗効果があるというのは、非常においしい話でした。
 今年の『仮面ライダーブレイド』のラウザーもなりきり系でベルトと連携させているようですが、ベルトのシステムとラウザーの連携が右腰のラウズボックスだけだったり、何だか点数表示みたいなのが入ったりする分、ちょっと違う気がするんですよね。

 鷹羽的に、『555』のベルトシリーズは、なりきりアイテムの1つの頂点だったのではないかと思います。

 欠点は、全部集めたら、結局お財布に優しくなくなってしまうこと…。


 うーん…ファイズドライバーも買っとけばよかったかしら。


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