玩具ありMINI! 第8回 |
後藤夕貴 |
更新日:2004年3月4日
今回は、シリーズ中一番の注目を集めたのではないかと思われる、ライダーシリーズ初のサイドカーマシン:サイドバッシャー!
S-RHF3「仮面ライダーカイザ&サイドバッシャー」 定価:\4,980
- カイザフィギュア
- サイドバッシャー・バイク本体
- サイドバッシャー・サイドカー部分
- フォンブラスター
- カイザショット
- カイザショット用ホルスター
- カイザブレイガン
- 取扱説明書
●評判:
本商品は、最初から最後までほぼ一定ラインの好評を維持し続けていた玩具ではないかと思える。これは筆者の勝手な想像なのだが、少なくとも商品に対する極端な否定意見は少なく、また前評判も上々だった。
とはいえ、当然いくつか不満も出てきたし、そのいくつかは解決策もなく諦めるしかないものではあるけれど、それを含めても「名作玩具」だったのではないだろうか?
仮面ライダーカイザ登場の情報は、実は番組開始直後にはかなり広まっていた。
と言っても、第一話冒頭でベルトが三つ出てきたからという意味ではない。
はっきりと、カイザという名称とそのデザインが知れ渡っていたという事。
ファイズ同様の丸いゴーグルデザインで、その上に“バッテン”が重なるものすごさ…○×ライダーとは良く言ったもので、最初の頃には「なんだこのダッサイライダーは」という罵倒意見も多かった。
そんな風に顔のデザインは賛否あったものの、首から下のデザインは概ね好評で、またパッと見では用途がよくわからない武器「カイザブレイガン」の異質さも手伝って、独特のイメージを築き上げていたのも事実だ。
もちろん、本編内ではもっと独特だったんだけど(笑)。
そして、そのデザインが公表されたのとほぼ同時に公開された専用バイク・サイドバッシャーのデザインは、ファンの度肝を抜く事になる。
しかも、かなり大型の。
サイドカーを持つ仮面ライダーは過去には一人もおらず、それどころか特撮全体を見渡してみても、キカイダーブラザースやメタルダー、スーパー戦隊の一部くらいしか該当がない。
宇宙刑事ギャバンのサイバリアンも、よくよく考えればサイドカー形状だなあ。
とにかく、サイドカーというだけで圧倒的な斬新さを感じさせたのだ。
さらに、黒いボディにゴールドのラインが入り、さらに丸みと直線が違和感なく共存しているという素晴らしいデザインも目を引く要因だった。
これで萌えるなって方がどうかしてる。
まだ実車写真も発表されていない段階から、サイドバッシャーの注目は大変高まっていた訳だ。
ところが、しばらくしてこのサイドバッシャーが「変形する」という情報が入って来た。
オートバジンがロボットに変形するというのは、かなり早い時期から知られていた事だったが、サイドバッシャーにもそれがあるという可能性に頭が回らなかった人も多かったのかもしれない(筆者もその一人)。
もちろん、人によっては初めてサイドバッシャーを見た時点から情報を得ていたかもしれないが、ブランクを置いて後から変形情報を得た人も多かった筈。
変形後のデザインは当初明確になっていなかったが、とにかく「オートバジンのように意外な変形ギミックがあるに違いない」という期待感は確実に存在し、ファンをわくわくさせた。
結果的に、変形ギミックそのものに大した意外性はなかった。
だが、そのスタイルの強烈な変化は、視聴者の意表を突きまくるものだった!
だがしかし、ここに到って意外な情報が届いた。
なんと、この商品の発売は8月上旬になるというものだった。
カイザ初登場が3/30(第10話)、草加雅人初登場が4/20(第13話)、そしてサイドバッシャー初登場が5/4(第15話)。
それに対して、8月上旬に発売というのはあまりにも遅い!
つか、なんで3ヶ月も遅らせる必要があるのか? という率直な疑問は、あらゆるファンの胸中に広がった。
そしてこの情報は現実となり、ファン各位はさらにやきもきさせられる事になっていったのだ。
●概要:
という訳で、日本全国の健全な男子をハアハアさせまくった、ある意味エッチな玩具・カイザ&サイドバッシャーを早速見てみよう。まず、カイザから。
黒地に黄色いラインが走る異形の戦士は、妙に情報がまとまっていてとても興味深い出来になっている。
フォトンストリームが二本線になっているため、黒地に警戒色が強く浮かぶという、本来あまり相性の良くない筈の色同士の組み合わせが、実に見事に融合している。
さらに、上半身のフルメタルラング部分は暗めのメタリックシルバー(ガンメタル…というにはちょっと違うような気がする)で、益々黄色い部分との差異が目立つ。
にも関わらず、それらが反発しあっていないのだから、カイザは本当に良く考えられたデザインなんだなとあらためて感動させられる。
基本的な造型ラインはS-RHFファイズと同様なのだが、なぜかファイズの時のような「不必要なマッチョ風味」を感じない。
横に伸びたショルダーアーマーのせいか、あるいは全体のカラーリングのせいで均等に膨らんで見えるせいか、部分的な違和感を感じずに済むのだろうか。
赤や黄色って、本来その物を太めに見せてしまうという特徴があるんだけどね。
さてこのカイザ、フォトンブラッドの黄色の塗装が大きくはみ出しているケースが結構あるようで、物によっては「うそでしょ」というくらいべろんちょなものがあるとも聞く。
実は今回、筆者はそういう極端なものにお目にかかっていない。
だが、元々塗りが丁寧とは言えないS-RHFシリーズだから、これまで以上に細かい部分を見られていたのかも。
そういう意味では、僅かな塗装のはみ出しも大きな問題と捉えられやすかったのかもしれない。
カイザの付属武器は、「フォンブラスター」「カイザショット」「カイザブレイガン」の3種類。
ここで「へっ?」と思う人もいるだろうが、それは後で触れる事にして、まずこの3つを見てみよう。
フォンブラスターは、ファイズのコンパクトタイプからの変形とは異なり、リボルバータイプ携帯からの変形スタイルのため、パッと見はよく似ているが実際はかなり違う印象を与える。
本体の折れ曲がり方の関係で、銃口をスマートに前方に向けられないという問題は、そのまま継承されてしまっているが。
さらに、サイズもデカい。
当然、カイザドライバー部分のカイザフォンも外れないため、これを装備するとなんか言いたくなってしまう訳だ(笑)。
ただ個人的には、ファイズのものよりこちらの方が好きだったりする。
あまり持たせる機会もなさそうだが。
カイザショットは、その造型や色がちゃんと別物に変わっているものの、やっぱりファイズショットと同様の問題点を抱えているため、カイザフィギュアに携帯させるとものすごく不恰好になってしまう(S-RHFファイズ&オートバジン参照)。
ただ武器として持たせた場合、その色合いからかファイズショットのような「安っぽさ」がなくなり、その分ちょっとだけ良い感じもしなくもない。
不恰好なのは否定できないままだけどね。
ある意味大きな問題に感じるのは、カイザの主力武器「カイザブレイガン」だろうか。
カイザブレイガンとは通常は「×」字型の銃で、まずミッションメモリーを装着してから敵を撃ち、特殊な光弾で拘束した後、本体下部から伸びてきたフォトンエッジを使って高速で切り付ける…という使い方をするものだ。
これを使用したカイザの一連の動きは、ファイズとはまったく異なるスタイルで大変カッコイイのだが、大方の予想通り(笑)、この玩具では完全再現できない。
なぜか…それはカイザブレイガンのフォトンエッジ部分が伸びたままになっているからだ。
実はこのページで提示している画像のカイザブレイガンは、撮影用に「エッジを切り離した物」を別に用意し、使用している。
なので、決して「これと同じ物が同梱されている」とは思わないでいただきたい。
実際の商品は、べろーんと黄色い棒が垂れ下がっているわけだ。
この状態で腰に装着しろったって、そりゃあまりにも悲しいよ(泣)。
R&M「ナイトサバイブ」では、ダークバイザーツヴァイがちゃんと2形態分付属していたというのに。
もっとも、なりきり系玩具の「DXカイザブレイガン」もエッジの取り外しができないものだから、みんな文句言ってたなあ。
あちらは簡単な改造で取り外し可能にできたそうだけど…ホント?
なお、このS-RHFは手の形状からか武器の保持力が大変悪く、このカイザブレイガンもしっかり手に持たせる事が出来ず、どこかグラついたままになってしまう。
これだけでも何とかなっていればなあ…。
さて、先ほどカイザの付属武器の説明で疑問符が浮かんだ人がいたと思う。
カイザのもう一つ主力武器「カイザポインター」はどうなったのかと。
「カイザポインター」とは双眼鏡型の武器で、ファイズポインター同様ミッションメモリー装着後に右足に接続し、超高度のドロップキックで敵を仕留めるという使い方をする。
番組中盤頃から登場したもので、普段はカイザの腰の後ろにホールドされている。
ファイズと違い、フォトンストリーム(ライダーのエネルギーを身体中に走らせているサーキットラインだと思いねえ)が二重になっているカイザは、ターゲットロックのためのスコープ部分もダブルになっているのだ。
後半、カイザのキックによる決めも多かったので、このカイザポインターも大変意味のあるアイテムなのだが、ご覧の通り本商品にはまったく同梱されていない。
しかも、カイザフィギュアの右足を見てみてもまったく「付ける気がない」としか思えない構造だ。
無論、これは相当な不満点として捉えられたようで、商品発売当時は文句を唱える人がかなり多かった。
実は、S-RHFのフィギュアはその関節構造の関係でドロップキック型のスタイルが全然決まらないんだけど、だからってポインターがなくてもいいという言い訳にはならないし、その人達の気持ちは大変よくわかる。
とはいえ、この「カイザポインターがない」という不満意見は、実際にはもっと別な理由で煽られていたような感もあるのだ。
カイザポインターの初登場は、7/20放送の第25話だった。
そう、わずかではあるものの、「S-RHFカイザ&サイドバッシャー」が発売されるよりも前なのだ。
こうなってくると、多くのファンが「そうか、S-RHFカイザ&Sバッシャーの発売がこんなに遅れたのは、カイザポインターをあらたに付けるからなのか!」と考えてしまうのも自然な流れとなってくる。
実際には、そううまく行く筈がないのはミエミエだったのだが…。
事実、このように信じこんでいた人は相当いたらしく、その結果、実際の商品を見て「ふざけるな!」と毒を吐くようになってしまったという顛末だ。
8月に発売決定している商品の場合、その金型が直前で大きく改修される事はまずありえない。
マニア向けの小規模生産品ならともかく、大御所バンダイの主力商品だから、もしそんな事をすれば発売日がさらに遅延するのは確実だろう。
個人的には、カイザポインターがいつ頃の時期に設定アップされたのかが気になる所だが(一番最初に設定を決める時点では存在していなかったのか?)、最初からポインターを同梱しておき、ネタバレを避ける目的で「カイザポインター初登場」以降の発売日になるように時期を調整するべきなのではなかろうか。
…と考えては見るものの、実は玩具商品の発売タイミングと本編内でのアイテム登場は、必ずしも確固たる約束事が守られているわけではないらしい。
新ヒーローまたは新ロボット登場のその回で、OP終了後のCMでそれら新要素の玩具宣伝が流れたり、さりげなく本編よりも前にパワーアップアイテムが発売されていたりもする。
そう考えてみると、このカイザポインターはいったいどういう経緯から登場が決定し、S-RHFに同梱されないように決定したのかがわからなくなってくる。
つーか、これ、ホントに最初から考えてあったアイテムなのか?!
さりげに筆者と鷹羽氏は、「実は完全な後付けアイテムだったからこうなったんじゃないか」と考えている。
もしそうだったとしたら、一番納得できるからなんだけど。
後に説明する「装着変身版」では、どうやらポインターが付属しそうな雰囲気なのでちょっと安心だが、少なくともS-RHF版カイザにポインターを装備させる事は、改造でもしない限りは今後絶対に叶う事はないのだ。
次に、目玉である「サイドバッシャー」に行こう。
バイク本体とサイドカー部分が分離し、バイクが上半身、サイドカーが下半身に変形して合体。
基本はこれだけだ。
実は、さりげに本編と合体方式が異なっているのだが、気にしちゃいけない(笑)。
前輪と後輪を引っ張って伸ばし、バイク本体上部と下部をずらして変形完了する上半身はちょっとチープなイメージがなくもないが、踵部分から爪が飛び出たり、全体の関節を折り曲げていく事で徐々に足らしく変わっていくサイドカーのインパクトはなかなかだ。
そして、それらが合体すると…あまりのインパクトの凄まじさに、チープさなんかこれっぽっちも感じなくなってしまう。
とにかく、しのごの言う必要はない。
大迫力! …ただこの一言に尽きる。
細かな問題点など、瞬時に払拭してしまうだろう圧倒的な存在感は、サイドバッシャーファンに猛烈な感動を与えてくれるだろう。
変形後のサイドバッシャーは、「デカイ!」の一言に尽きる。
初登場時、妙に巨大な姿を晒したバッシャーに「対比狂ってるじゃん!」という意見が多数出ていたが、実はそんなに極端に対比が狂っていたわけではなかったという事が、これで証明されている。
さすがにオートバジンをわしづかみするというほどではないけれど、ライダーにとっては見上げるほどの背の高さになるのは間違いない。
これには、見事に騙されたと言えるだろう。
サイドバッシャー・バトルモードは移動砲台という触れ込みになっており、そのためオートバジンとは大きく異なるスタイルになっているが、人間で言う所の四肢部分ははっきりしている。
両腕に相当する部分は、回転・肘可動が可能で、ごっつい割には意外に細かい表情付けが可能だ。
変形の都合で、右手のクローもフレキシブルに可動してくれるのが嬉しい。
某大徳寺コンツェルンの令嬢を思わせるような、無数のホーミングミサイルを吐き出す左手も、マフラー(ミサイル発射口)が個別に開いてくれるので、迫力を損なわない。
また、最上部にカイザを搭乗させる場合、専用のフットレストが必要になってくる(バイク本来のフットレストは別な位置にずれてしまうため)のだが、なんと、テールランプ下部が下方に折れ曲がり、さらに末端部が八の字型に展開して、カイザの足を受け止めるスタイルに変形する。
筆者は、これには感動の涙を禁じえなかった。
フットレストをオミットされてしまうと、股関節だけでバイクに乗る事になってしまうカイザは両足ブラリン状態になってしまい、大変しまらない。
そういう事で、地味ではあるが重要なパーツでもあるフットレストまできちんと再現してくれた本商品は、「よくわかってらっしゃる」と言えるだろう。
…さて、ベタボメのサイドバッシャーだが、実はこれには致命的な問題点がある。
なんと、両足の間にぶっといシャフトが通っていて、カッチリと固定してしまっているのだ!
どういう事かというと、サイドカー後部…つまりバトルモード時のふくらはぎにあたる部分に、足がズレないようにするためのガイド&強度確保のため、直径1センチくらいの太い棒がまたがっているのだ。
これがあるため、バトルモードは足を交互に動かす事が出来ず、可動に大変な制約を受けてしまう。
変形の都合とはいえ、せっかく膝や爪の付け根部分がフレキシブルに動くというのにそれが活かせなくなるというのは大変もったいない。
そのため、わざわざ分解してこの軸をカットしてしまう人達が結構いたようだ。
果たして、軸を外しただけでそんなに大きく変わるものなのか?
そうしたら、バトルモード全体の表情付けが途端に多彩になり、一気に躍動感が増した。
もちろん、本編での動きと比較するとかなり違う動きになるように思えるが、とにかくガシガシいじって色々なポーズで飾りたいという人には、それなりにオススメの対策だ。
サイドカーの右側(バイクと接合する方)から順番にねじを外し、パーツをなくさないように気を付けながらどんどんバラしていく。
すると、サイドカー本体左半身側からぶっとい軸が伸びているのがわかる筈。
今度は左半身側を分解して、軸の根元のネジを外す。
面倒なら、右半身を分解した時点で軸をカットしてしまってもいい。
軸そのものに付いていたねじと、軸カバーのようなパーツは、もう完全に不要。
後は、めちゃくちゃ強いバネの張力に負けないように、しっかり丁寧にパーツとねじを戻していけばいい。
軸がなくなってしまっても、バトルモードの足やサイドカー変形にはほとんど支障がない。
まあ、多分何かの基準で確実な強度と耐久性を確保しなければならないとか、そんな類の理由があるんだとは思うが、本当に不要極まりないパーツと言わざるを得ない。
改造の場合は自己責任、失敗しても当方は責任を持たないので、挑戦する人はくれぐれもご注意を。
もっとも、改造といえないほど簡単なんだけどね。
理由は二つあり、一つはS-RHFフィギュアの足首が前後に曲がらない構造になっている事。
もう一つは、サイドカーの底が後方に向かって斜めになっているため、フィギュアをまっすぐ立たせる事ができないというもの。
さらに言えば、さすがにこのフィギュアを立たせるには利用できるスペースが狭過ぎて、話にならない。
結果的に、よほど大胆なアレンジをしない限り再現は不可能のようだ。
大変残念。
●総評:
さて、部分的な難点は抱えるもののかなりの人気を誇っていた「S-RHF03 カイザ&サイドバッシャー」だが、発売後の状況はどうだっただろう。先に「カイザポインターがない」などの根本的問題があるとは書いたものの、実際はそれによって人気が大きく揺らぐという事もなく、コンスタントに売れていたようだ。
番組終盤辺りには、トイザらスなどで2000円台で売られていたという話だが(筆者未確認)、それもほんのわずかの事だったようで、番組終了間際にはすっかり見かけなくなってしまった。
サイドバッシャーに限らず、ファイズの商品も終了後には安売りに出されるケースが多々あった訳だが、そんな中でもこの商品の競争率は高く、最終的には「残っていれば定価でも問題なし」という人達が多くいたという。
まあ、ちょっと前まで安売りされていたのを知っている商品を、わざわざ定価で買おうとするのには、それなりの勇気が必要だからなあ。
とにかく、結局はそれだけ需要があり、その人気も最後まで持続したと言う事だ。
サイドバッシャーは、15話と46話のたった2回しか変形シーンを見せておらず、ここに加えて劇場版で+1回バトルモードになっている。
全50話に対してたった2回きりというアンバランスさも凄まじいが、その登場場面が出る事で確実に販促効果を高めてきた事は、もはや驚嘆に値するのではないだろうか。
デザイン、ギミック、インパクト…すべてにおいて過去のシリーズにない物を提示してきた「S-RHFカイザ&サイドバッシャー」は、まったく独自の魅力を作り上げたと言っても過言ではないだろう。
その前には、武器が足りないとか、足の軸固定とか、たった2回の変形とかは、些細な問題に過ぎなかったのかもしれない。
なんてダイナミックなんでしょ☆
ちなみに現在、ヤフオクなど見ている限りだと、懸命に「プレミア付加合戦」が行われているようだ。
もはや、定価より安く購入する事は至難の業と化している感があり、これからはさらに状況も際どくなり始め、「持っているだけマシ」みたいな状態になっていくのかもしれない。
それは「仮面ライダーファイズ」という作品の認知度がどこまで持続するかにもよるのだが、だいたいシリーズ中の一本番組の場合、終了後の2年目以降から急激に認知度が低下する傾向がある。
しかし、中にはそれを乗り越えていまだにファンがアイテムをかき集めている物も存在するので、多分この商品も、その仲間入りをするのではないだろうか。
そうなったら、全体的に評価の低い「ファイズのフィギュア関連玩具」の中でも、これはそれだけ突出した例外だったという事になるのだろう。
●装着変身:
2004年2月初旬頃、とんでもないニュースが舞い込んで来た。「平成仮面ライダーシリーズ」が香港で放送開始される影響で、日本では発売されなかった商品が香港バンダイによって制作・発売されるようになって久しいが、クウガのアメイジングフォーム・アギトの3大ライダーに続いて、ついに「仮面ライダー龍騎」の関連も発売が決定した。
R&Mではなく「装着変身」のカテゴリで発売される龍騎シリーズは、なんと13ライダーすべてが商品化するという事でファンの注目を集めており、さらには国内での販売も決定したという(あくまで現時点での情報なので、変更される可能性はあるが)。
これは5月からスタートし、3ヶ月毎に一体2000円/2体ずつリリースしていくというロングペース販売のようだ。
だが、実はこの話は「龍騎」シリーズだけでは終わらず、なんと「仮面ライダーファイズ」と「同・カイザ」も商品化するようなのだ。
すでに原型写真は各所で公開されており、筆者も、未着色ながら装着変身然としている二大ライダーの姿に感動を覚えた。
さらりと見た限りでは、アギトのG3-X的な装着方式のようで、腕とすねの部分にも(恐らく亜鉛合金パーツになるだろうと思われる)装甲が付いている。
最初に筆者が見た画像では、どう見てもすねの装甲の蝶番部分が邪魔になって、各ポインターが着けられないような形状になっていたが、二度目に見たものはきちんとポインター接続用のアタッチメントと思われるものが設定されており、いやがうえにも期待させられてしまう。
さらに、装備を収納するためのギアボックスまで付属するそうなので、この時点でS-RHFとはまったく違う期待を寄せたくなってしまう。
デルタやアクセル、ブラスターや、サイガ&オーガがどうなるのか注目したい所ではあるが、こちらも希望を持っていたい所だ。
何はともあれ、意外な方向からのアプローチで、まだまだファイズ系アクションフィギュアへの注目は続いて行きそうだ。