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更新日:2003年10月26日 | |||
「時計回り」って言葉、ありますね。 時計って、どうして右回りなんでしょう? 同じように、よく「お箸を持つ方の手」とか「お茶碗持つ方の手」なんて言い方をしますね。 左利きの人には申し訳ないのですが、右利きの人が一般的だから、“箸を持つのは右手”という暗黙の了解になっているわけです。 自動車教習所で、ぶっきらぼうな教官に「さっさとハンドル切って! 右! 右!! 箸持つ手の方だよ!」と言われて慌てた左利きの人が、思わず左に曲がってしまったという笑い話がありますが、「時計回り」と言われてどっち回りか悩む人というのはあまりいないようです。 デジタル時計が流行りはじめた頃、「時計回り」という言葉の意味が分からない新人類が発生するのではないかと心配する声もあったようですが、幸いそういう事態には陥りはしませんでした。 デジタル時計が数百円で売られるようになっても、アナログ時計も決して廃れず、逆に何万円もするような高級時計は全てアナログという現実は、人間の感覚が相変わらずアナログ的なものであることを示しているのかもしれません。 デジタル時計を見ながらだと「今2時40分だから、3時20分まであと40分」という計算をしづらいというのも1つの証拠ですね。 1つの盤面に針とデジタル画面の両方が付いている「デジアナ」「アナデジ」といったものもありますし、わざわざ液晶で針を描いている時計まであるくらいですから、やはり人間は、針で時間を示す方が視覚的に実感しやすくて好きなのでしょう。 話を戻しますが、どうして時計は右回りなのかというと、実は、「箸を持つ手」と同じレベルの話だったりします。 世界で最も古い形式の時計を思い出せば分かります。 いや、そこでお腹を見ないでください。 腹時計じゃなくて日時計です。 日時計は、太陽の運行による影の角度で時間を読むものなので、北半球では右回りになります。 時計が右回りなのは、これが理由です。 南半球の日時計は左回りですが、時計を作った文明は北半球で発達したので、右回りが世界標準になったそうです。 これは、世界地図が北極を上に作られているのと同じ理由です。 なんでも、オーストラリアでは南極が上にある世界地図が売られているとか。 ただし、どこにでもへそ曲がりはいるもので、腕時計の世界でも、左回りの逆回転時計というのがあります。 普通に市販されてはいないようですが、オリジナル時計の注文ができるようなHPを探すと、左回りする時計なども作れたりしますので、話の種に作ってみるのも面白いかもしれません。 鷹羽は、多分時間が読めなくなると思うので、作りませんが。 → NEXT COLUM |
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