SECRET 第56回 ■グッドスマイルカンパニー「ToHeart2 向坂環 20th Anniversary Ver.」

2025年12月27日 更新

 人生に玩具あり2式SECRET、9年と7か月ぶりの更新!
 なんか今年2025年は、そんなんばっかりだった気が……

 

 さて小学五年生が成人してしまうくらい間を空けてしまった久々の美少女フィギュアレビューですが、今回は四度目のタマ姉!
 「To heart2」ニ十周年を記念して、同作のメインヒロイン(もはやそう言っても支障はあるまい)・向坂環を令和の技術で立体化! という謳い文句です。
 個人的に、2014年以来となる非可動スケールフィギュア、どのくらい進歩したのか興味深いものがあったので、この度レビューしてみたいと思います。

 ――それにしても、高くなったもんだなぁ。

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■ToHeart2 向坂環 20th Anniversary Ver.

 

 グッドスマイルカンパニー公式ショップにて受注販売。

 配送日:2025年12月25日
 予約受付期間:2025年2月7日〜3月19日
 価格:21,800円(税込)
 円形台座、取扱い説明書、アンケートはがきが付属。
 特典でテレカ風カードが付属。
 原型師:九品仏致志氏。
 彩色:吉野展弘氏。

 

 以降、この商品は「20thタマ姉」と統一呼称します。

 2024年12月より、グッドスマイルカンパニー公式サイト上で後ろ姿の画像と共に思わせぶりな紹介が行われ(背景がWindowsXPのデスクトップ画面を思わせるデザイン!)、2025年2月7日より特設サイト等で案内が開始。
 2月9日に開催された「ワンダーフェスティバル2025冬」にて彩色見本が展示されました。

 当初は久々のタマ姉フィギュア発売という話題だけでなく、細身なのにむっちり感がハンパない造形も話題になりました。
 特に下半身!
 長い間忘れられていたタマ姉のエロさを思い返させられる、実に素敵で魅力的な魅惑の誘惑なニュースでした。

 

 ちなみに本商品は、ガレージキット版も存在します。
 同年6月7日、東京流通センターにて開催の「となりのモケイフェスティバル」に出展したグッドスマイルカンパニーのブースにて発売されました(価格は20,000円)。
 また同年11月30日開催「となりのモケイフェスティバル8」では再販の販売がありました。

 

 さて商品を見て行きましょう。
 本商品はパッケージが凄く特徴的なので、いつもなら最後にまとめるのですが今回は最初に見て行きましょう。

 

 パッケージ正面。
 高さ約29.5センチ、横幅約19.5センチ、奥行約16.5センチ。
 大人が小脇に抱えられるくらいの大きさで、結構でっかいです。

 

 パッケージ裏面。
 かなり頑丈な造りで表面は上品なマット加工が施されています。
 ただし蓋を固定している丸型のテープを剥がす際、注意しないと貼り付いていた部分が若干浮いてしまうので注意が必要です。

 ちなみにこの面の写真、お尻部分のアングルがどんなに頑張っても撮れない(どの角度でも後ろ髪が割り込んでしまう)ので、いったいどうやったんだろうと悩んでしまいました。
 まあそのおかげで、とあるギミック(?)にも気付けたんですけど。

 

 パッケージ側面。
 この反対側も、同じデザインです。

 

 パッケージ上面&底面。
 お馴染みのロゴ。

 

 今回は横開きの合わせ箱方式なのですが、蓋を開けると……

 やってくれたな、オイ!!www

 合わせ箱にしたの、絶対コレやりたかったからだろ!!wwwww

 

 パッケージの中身。
 ブリスターの中に、癒着防止用のビニールが各部に付けられた状態のタマ姉が収められています。
 脇に置かれているのはアンケートはがきと取扱い説明書。
 説明書は、表面が日本語、裏面が英語表記です。

 癒着防止ビニールは首、手首、腰、スカート内部などにも挟まれていて、それぞれ取り外し用のミシン目が付いています。

 

 特典の「テレカ風カード」は、こんな状態で添付されています。
 具体的には、スリーブに入れられた状態で紙テープでダンボールの板に固定されています。
 これがパッケージの上に置かれています。
 カードは上面を向いた状態で置かれており、その上には何もない状態でダンボールの蓋が閉じられているので、開封時のカッター使用は要注意です。

  

 付属の台座。
 直径12センチで厚みは約6ミリ。
 透明なベースの底面に塗装、更に上面にも花びらの部分塗装が施されています。
 これにより、手前と奥に花びらが舞っているような綺麗なデザインに見えるようになっています。

 左側に飛び出ている二本の棒は鉄製の支柱で、これをタマ姉の右足裏に差し込んで固定します。

 

 そしてようやく本体を取り出します。

 大きさは、台座なしの状態で約23センチ(頭のお団子先端まで)。
 最大幅は約15センチ、奥行きは約11センチ。
 ただし台座に載せた場合は約11.6センチに拡大します。
 総重量は約321グラム(台座込み)。

 

 頭部アップ。
 甘露樹氏の特徴が良く出ていますが、程好くアレンジが効いています。
 個人的には、前髪などのシャープさに感心させられます。

 

 別角度。
 乳袋構造の制服の張りが素晴らしい。
 髪の毛のグラデーションもいい感じですが、今風の「関連性のない色によるグラデ」は結構好き嫌い分かれそう?

 

 さらにアップ。
 良く見ると、最近結構見かける「大きくて長い」系の巨乳だコレ!
 ちなみにこの角度だと分かりづらいですが、制服を押し上げる先端部分もしっかり造形されています。

 

 手の自然さ、ネイル、カバンを持つ仕草の違和感のなさ、さすがです。
 実はカバンの隙間から覗く教科書やノートのようなものまで再現されている細かさです。
 側面のごく小さな留め具までしっかり金属的な塗装を施しているのも素晴らしいです。

 

 そして本商品最大の注目ポイント。
 やや食い込んだむっちり感の表現もさることながら、下着の細かなレースのモールドも素晴らしいです。
 良く見ると、スカートの裾の折り返しまでしっかり再現されています。

  

 皆が一番観たかったお宝アングル連発。
 白いニーハイと、太ももに挟んだカバンが実にエロイですなぁ。

 

 ただし、広がる髪の毛のせいで特定の角度からだとお宝が見えにくくなってしまう難点(?)もw

 これが、先で触れた「パッケージ裏の写真」をどうやって撮ったのかという件に関わります。
 まあ別に重大な問題ってわけじゃないんですけど、どんな角度で見てもああはならないんだよなぁとw

 あらためて良く見ると、どうやらサンプルと製品とで後ろ髪の拡がり方が若干違うように思えますね。

 

 というわけで、無理矢理撮ってみたのがこの画像。

 あれ、髪の毛は? とお思いの方もおられると思いますが、それは後述。

 

 久しぶりに、全身を旋回撮影。

 
 
 
 
 
 

 かなり傾いているので将来の傾きが心配ですが、案の定脚はABS製のようで、簡単には歪まないようになっています。
 とはいえ、ABS対策をされても結局は歪んでしまうので、あまり長期間立たせっ放しにするのは得策ではないかもしれません。

 

 さて、今から二十年くらい前。
 具体的には「仮面ライダーカブト」が放送開始された頃の話ですが、美少女フィギュア界隈で「キャストオフ」という単語が広まりました。

 本来なら「仮面ライダーカブト」に登場する各仮面ライダーが、マスクドフォームからライダーフォームにチェンジする際の用語なのですが、外装をパージしてその中から本体が出て来るというシチュエーションが“脱衣可能”なフィギュアにも適用され……ということです。

 その為、一時期は玩具好きの間で「キャストオフ=美少女フィギュアの専門用語」のように曲解されるケースもあったとかなかったとか?
 とはいえ、そんな脱衣可能なフィギュアもなりを潜めた感があり、今となっては過去の話となりつつあります。

 

 んで、なんで今更そんな話をするかというと。

 

 あらやだ、えっちねぇ。

 

 実はこの20thタマ姉、各部位ごとに分解することが可能です。
 無論、接着はされていないので気軽にバラせます。
 これは本来、癒着防止用のビニールを取り付けやすく、尚且つ取り外しやすくするための処置なんでしょうけど。

 表向きだよなあ、そんなもんはwwww

 

 そんなわけで、本来スカートで見えない筈の部分も、これでじっくり鑑賞することができるようになります。
 当然、前面部もしっかりモールドや塗装が施されているので、そっちも楽しめます(アングル的に困難だったので撮影はしてませんが)。

 背中から腰にかけての肉の盛り上がり表現がイイですねぇ。

 

 大きさ比較。
 何と比べるのか悩みましたが、近々公開予定の“ネタ画像集”ページで大活躍する予定の「figmaアクア」と比べてみます。
 標準的な1/12サイズの可動フィギュアと比べた場合、どのくらい大きいかが伝われば幸いです。

 

 以上、20thタマ姉でした!

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【総括】

 出来に関しては文句なし、パッケージのお遊びも思わずニヤリの楽しさで、素晴らしい造形、細部まで手を抜かない細かな仕上がり、そして塗装の素晴らしさ。
 工業量産品とは思えない程の出来栄えで、確かに「令和の技術」を思い知れる完成度です。

 平成から令和に移ったことで、いきなり技術が進歩したわけでは当然ないのですが、個人的に十年以上のブランクがあったこともあって、最新の美少女フィギュアの凄みを実感出来た気がします。
 とはいえ、開封直後はそこまで強烈なインパクトはなく、むしろ懐かしさを覚えました。

 しかし、今回のレビュー撮影でじっくり見て行くと、次々に驚きのポイントが発見され、思わず唸ったという流れでした。

 

 ただまあ、もう一点ブランクを感じた事として、やはり「価格」があります。
 さすがに十年前と同じ基準で語ることはナンセンスですが、それでもやっぱり「この大きさで二万円越えはなぁ……」という感想はどうしても出てしまいます。
 そうは言いつつも、単純な定価比較の場合他の商品と比べるとまだ安い方ではあるんですけどね。

 材料費とか、輸送費、人件費の高騰化……金型製作も、昨今は爆発的に相場値段が高まっていますからねえ。
 これは仕方ないことだってのはわかりますし、決して製品そのものに対する問題点ではないのですけど。

 現在、三万台とか四万台のフィギュアなども色々あり、本当に(別な意味で)凄い事になっています。
 造形(&量産)技術、塗装技術は更に高まり、せっかく素晴らしいものが沢山出ているのに、価格が障害になって昔のように広まっていないのは惜しいなあ、という気が個人的にしています。


 そんな愚痴めいた話はともあれ。

 本商品はある意味決定版とも云えそうなレベルの出来なのは間違いないので、タマ姉好きには是非とも押さえて欲しいところで、その気持ちは変わりません。

 最大の問題は、既に予約終了しているために再販を待つか、或いはネットフリマ等で探すしかないわけなんですが……

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