SECRET 第36回 ■ FineScenery スーパーブラックジャック「Rio -リオ-とらのあな版」
2006年12月7日 更新
2010年12月7日 テクモショップ限定版画像追加
ここでは、タイトル画像に利用したフィギュアをご紹介。
今回は、テクモの人気パチスロ「スーパーブラックジャック」のイメージガール・Rioのフィギュア。
Rioといえば本来は過激なディーラー服がトレードマークですが、今回の物はジョーカーコスチュームバージョン。
ジョーカーコスチュームというと、過去にもバンダイの「スーパーブラックジャックコレクション2」というブラインドボックスフィギュアで立体化していますが、今回のような大型完成品フィギュアでは確か初の立体化だった筈(間違っていたら失礼)。
あ、今回時間切迫しているので、やむなく背景処理オミットしてます。
少し画面汚いけど、勘弁してね!
発売日は、2006年11月23日。
定価は7,140円(税込)。
メーカーは大手同人ショップ「とらのあな」。
とらのあな製品は、これまであまり良い評価を得なかった物ばかりでしたが、今回はなかなかの逸品に仕上がっている模様。
なお、テクモオンラインショップ限定版として赤いコスチュームバージョンも発売。
そちらには、金色の仮面(アイマスク)が付属。
高さは約26センチ(台座含む)、台座直径12センチ。
結構大型。
顔アップ。
ちょっと憎たらしげな小悪魔的フェイスの特徴を良く掴んだ、なかなかの造形。
口元の表情がいい感じです。
正直を言うと、もう一味何か足りない気もしなくはないのですが、これはこれで充分魅力的。
単なる太腿・腹露出というだけでなく、ここそこに色っぽいポイントが配されているのがよろしいかと。
胸元のこういう見せ方は、個人的にナイス。
デッカイ鎌が特徴で、全体のスタイルも程よく整っています。
身体のしならせ方と脚の表情が良いバランスになってます。
個人的には、イラストの立体化(こういうイラストが存在するか否かではなく、そういった雰囲気という意)のように感じさせる細かく凝ったディテールとバランスがお気に入り。
一番の注目点は、右手の表情と背中から腰のライン。
いやね、イラストを描く時にこーいう細かい所が妙に難しいものなんですよ。
以下は、定番の旋回撮影。
鎌を持ったままだと隠れてしまう部分が出てしまうので、ここではわざと外しました。
アップだと胸元だけど、全体を見るとやっぱり下半身に目が行ってしまいますな。
で、上半身ですが。
残念ながら、キャストオフギミックはなし。
右乳房が露出しているので脱がせそうに見えますが、実際はベストとかみ合っているので外せません。
試してはいませんが、もし強引に剥いたら多分デコボコ状態の胸が出てくるのでは…マックスファクトリーの霞のように。
というわけで、このチラリズムはこのまま楽しみましょう、という趣向で。
なんでもかんでもキャストオフすりゃいいってもんじゃないっす。
今更ながら真正面。
このフィギュアは、左斜め前方辺りから見るのがスタンダードなスタイルですが、正面から見るとまた変わった風情があります。
意外と可愛げのあるポージングだったという事を、再認識させられたりとかね。
しかし、担いでいるのが物騒な大鎌だから、やっぱりあんまり可愛くないか。
で、今回のお約束なんですが…
なんだかもんのすごくきわどくなってます!
「スーパーブラックジャックコレクション2」版では、スカート自体を下にずらし、お尻の上半分を露出させているというものでしたが、今回はそれはない代わりに「紐」になっちゃいました。
この画像がネット上で広まった途端に人気出始めたんだもんなあ。
世の中現金に出来てるわ。
角度を変えて下半身。
こんな調子で、なかなかにボリュームのあるナイスな張りのボディになってます。
後にちょっとだけ紹介する「和風堂玩具店版Rio」でもそうでしたが、Rioのフィギュアに求められるのは「ナイスな下半身」なんでしょうか。
いずれの商品にも妙に魂を感じてしまいます。
――もちろん、中には例外もありますが。
Tバック&マイクロミニスカートは、男の浪漫です。
誰にも文句は言わせません。
ベストの隙間からだけではなく、上から見てもすごい胸。
Rioって細めの体格の割に暴力的なバストカップを持っているわけですが、ここでも本領発揮。
よく見たらベストのボタンを閉じた事で肉が僅かに持ち上げられているんですね。
芸が細かいなあ。
さて、本商品最大の特徴ともいえる大鎌ですが。
実はこれ、飾り方を気をつけていないとえらい事になってしまいます。
画像は、筆者が撮影開始まで待機させていた時の飾り方。
左前腕と右脚すねで鎌を支えています。
もちろんものすごくアンバランスでヘタすると鎌がすぐ傾いたり落ちたりするんですが、なぜこんな風にする必要があるのか…?
実はこの鎌、ものすごく「重い」んです。
一番大きい刃部分はABS製ですが、軸棒部分はなんと亜鉛合金製!
ち、超合金ですぜ超合金!!
鎌を持っているのは、たまたま手元にあった名もしれぬTF。
実際には、写真のような持たせ方はとてもできません(当たり前)。
柄の長さは約22.5センチ、刃さはそれぞれの末端部間の長さがだいたい19.5センチ。
刃の最大幅部は約3.3センチほど。
刃に接している金色のモールド部はPVC製で、茶色い棒部分だけが金属パーツなのですが、これの重さは(フィギュアに持たせるにしては)なかなかの重量感で、別な意味で迫力を出しています。
ついでに重さを量ってみたら、約60グラムもありました。
――が。
という事は、PVC製のフィギュア本体にえらく負担をかけるわけです。
ただでさえ、今回のRioは右脚を上げている片足立ち。
大鎌の刃はデカいものの自立を補助するものではありません。
結果的に、どんどん後方へ倒れてくるのです!
「でも、それは当分先の話でしょ? 夏場ならともかく今の寒い時期なら…」と思った貴方は甘い。
これを書いている時点で発売後二週間目ですが、すでにフィギュアが傾いてしまったという報告例が見られます。
という事は、実質たったの一週間程度で傾いてしまうという事ですね。
もちろん、メガハウスやマックスファクトリー製品のように、軸足をABS製にして加重湾曲を防ごうなどという心配りは あ り ま せ ん 。
工夫なしに飾ったら最後、どんどん傾いていくだけです。
無論、片足ですから鎌がなくても傾くでしょう。
ただでさえ傾きやすいものなのに、普通より重い鎌を持たせる事で加速をつける。
ある意味、嫌がらせのような仕様ですな。
さすがはとらのあな、別な意味で抜け目ない。
どーでもいいけど、正しいスペルは「Heaven」ね。
これより少し前(2006年9月8日)に発売された、「和風堂玩具店 スーパーブラックジャックRio」との比較。
こちらは定価7,980円(税込)。
えらい身長差。
両方ともデカイから、実際に並べるとかなりの迫力。
和風堂版は、スタンダードなディーラー服姿で立体化。
高さ約30センチ(右袖最頂部から台座底面まで)、台座直径は7.6センチ。
カードは別パーツ。
胸元の肉厚と極上の脚線美で、発売前はかなりの注目を集めたのですが…
ついでに、パッケージは縦36センチ×横12センチ×奥行9センチという、妙に細長い形状。
コンパクトだからいいんだけどね。
顔がものすごく好き嫌い分かれる出来になってしまい…。
感覚的に見ると、とらのあな版はイラストのイメージを優先させつつ、ちょっと肉感的な雰囲気を優先させた、いわゆる「エロティシズム強調」タイプの造りで、和風堂版は全体のバランスとラインの美しさを強調した「総合美」タイプのように感じます。
決して悪くはないんですけどね、和風堂版も。
でも、この個性的すぎる顔と、かなり多く混入している「衣服部分に付着した謎の指紋(塗料面に固まっているので拭き取り不可)」がね…。
あと、台座の穴の位置と足の裏の凸ジョイントの位置があってないもんだから、足を無理に捻らないと立たせられないという仕様はご勘弁…(筆者は一度交換してもらいましたが、台座の仕様は変わらずでした。多分個体差じゃないと思う)
パッケージサイズは、縦31センチ×横20センチ×奥行15センチ。
一応ウインドウパッケージなのですが、透明箇所が部分的にしかないので、中がほとんど見えません。
商品の概要は、パッケージ部の写真を見るしかないという。
サイズはともかくとして、こういったデザインだと中の様子がまるでわからないという困った仕様。
これでは、塗りや汚れの事前確認も困難です。
画面下に少し映ってる「赤いRio」が、先述のテクモオンラインショップ限定版です。
箱側面。
イラストイメージはこんな感じ。
ちなみに箱の中ですが、相変わらずブリスター入りなのはいいんですけど、一部針金巻き付け固定があります。
「和風堂玩具店 ぱにぽにだっしゅ!橘玲」ほどではないですが、ちょっとだけやっかいかと。
また、癒着防止用ビニールもかなり複雑に巻いてあるので、箱に戻す際は注意を。
以下は、2010年12月追記。
こちらが、テクモオンラインショップ限定版現物。
「人生に玩具あり2式」リニューアルに伴い色々再撮影したのですが、その際倉庫の中から出て来ました。
偶然にも、ぴったり4年後の更新で本人も驚き。
基本仕様はほとんど通常版と同じで、カラーリングが変更されている程度です。
唯一大きな違いがありますが、それは後述。
背面。
通常版と変わらず過激な下半身ですが、個人的には青の方が肌との釣り合いがいいかも、と思ったり。
ほとんど通常版と同じ限定版ですが、唯一異なっているのは「ピエロマスク」が付属する点です。
個別にビニールに包まれて、ブリスターの裏面に貼り付けられていました。
装着方法は、前髪と額の隙間にマスクを滑り込ませるように行いますが、正直ものすごくハメ辛い!
慣れないうちは、相当手間取るのではないかと思います。
また、マスクの裏側にも金色が塗られているため、このまま放置すると色移りしてしまいそうでとても怖いです。
っていうか、ぶっちゃけなくても良かったかな、これは……
【買ってみて一言】
なかなか良い買い物になりました。
商品の出来そのものについては、さほど大きな文句のない良品だと感じます。
ただ、よくよく見ると腹や太腿側面部などにバリ削り取り時に発生したと思われる粗い処理跡や、素材に混入した汚れとおぼしきもの、また接着剤の付着が見て取れるため、100%完璧とは評価できません。
これと同時期にメガハウス・エクセレントモデルCORE「司弾 MIZUKI」も購入したのですが、肌部分の処理の差は歴然でした(当然MIZUKIのがレベルが高い)。
こういうのは工場の技術の問題なのかな、それとも製品監修のレベル差?
ともかく、全体的には高評価になりえても細かなところで難点が見られるので、これから購入する人はあらかじめ覚悟しておく必要があるかと思います。
また、ほとんど製品仕様とも言えるレベルの大問題「傾き」も深刻です。
先に触れた片足立ち・大鎌による傾きはシャレになってません。
記憶に間違いがなげば、ネット上でもっとも早く傾き報告が出たフィギュアではないかと感じました(かなり主観による判断ではありますが)。
また、鎌を持たせる時に柄の部分を帽子の尾の隙間に差すのですが、この時棒と帽子の尾が強く擦れてしまうため、結構神経を使います。
つか、極論を言うと「我慢できるなら持たせない方がいいかも」という感じ。
せっかく良い出来のアイテムなのにもったいないですが、傾く速度を高めるというならしょうがありません。
傾かないように持ち方を工夫させる手もあるのですが、このようにバランス最悪の形状なのでそれも難しく、意外に応用が利きません。
まったく困ったもんであります。
で、片足立ちなんですが、ひょっとしたらこれを使えば…という補助アイテムを発見しました。
制汗スプレー「Ag+(資生堂)」のキャップです。
あの「銀の力で臭いを消す」って宣伝している、外人のオバチャンのイラスト付きのアレですね。
個人的には、これがベストのように感じます。
白い半円状のキャップは高さが丁度よく、さらに中心部に小さなくぼみがあるため、ここでRioの右つま先をある程度安定させられます。
理屈の上では、これでかなり後方への傾きが防げるのではないかと思います。
「Ag+」利用者の人、或いはそんな人が身近に居る場合、使用済みのキャップだけ利用してみてはいかがでしょう。
あのスプレーは思ったよりすぐになくなってしまうので、その気になれば結構頻繁に手に入ると思いますよ。
商品評判としては、可もなく不可もなくといった感じです。
しかし、決して評価が低かったわけではなく、「見本のまま劣化が少なかったらすぐにでも買いたい」という意見はよく目にしました。
過去のとらのあな製品で苦い思いをした人は、発売後の評判が出るまで買い控えをしていたらしいと聞きますが。
出来そのものは認められつつも、どこぞの商品のように瞬殺にはならず。
しかして、実売後はコンスタントに評価を高め、じわりじわりと売れていく。
近年のフィギュアブームの中において、実に真っ当かつ理想的な売れ方をしている商品かもしれません。
…いえ、現実の販売数は知らないので、あくまでネット上の評判からの推察なんですけどね。
テクモの版権があるせいか、やや高めの価格の商品ではありますが、そんなに大きな損失は感じない価格に見合った商品ではないかと。
これが最終評価ですね。
今のところ入手も容易のようなので、気に入ったら買ってみるのもいいかも?