SECRET 第10回 ■ CM'S 「To Heart Remember my memories」カプセルフィギュア

2005年4月18日 更新

 ここでは、タイトル画像に利用したフィギュアをご紹介しています。

 今回は、2005年4月中旬発売の300円ガシャポン「To Heart Remember my memories」カプセルフィギュア
 これは、95年に発売されたWINDOWS版や、99年発売のプレステ版&初代アニメ版の関連商品ではなく、最近放送された新作アニメ「To Heart Remember my memories」のものだったりします。
 ToHeart人気全盛期の頃のファンの人でも、このアニメの存在自体知らなかったりするようなので、念のため。
 どちらにしても、このアニメの影響で非常にレベルの高いアイテムが発売されるというのは、本当に良い事です。
 以前紹介した、コトブキヤの保科智子も、その一環だったんですけどね。

 というわけで、一体目はメインヒロインの神岸あかり
 実は新作アニメまだ見てないんだけど(CS待ち)、今回はメインじゃないんだっけ?
 今回はごく普通の立ちポーズだけど、なかなか出来が良くて見所も多く、とても嬉しいアイテムに仕上がっています。
 さりげに脚が綺麗。このむちっとした感じ、妙にこだわりを感じるなあ。

 なお、黒い飾り台(姿勢補助用パーツ)がありますが、これは全然役に立ちません。
 使っても身体が斜めになってしまうので。

 顔部分のアップ。
 ちょっと写真写りが悪いような気がします。
 実物は、特別秀でているわけではないですが、素朴にいい感じ。
 ほわ〜んとした、あかりの表情を良くとらえています。
 角度によっては、ダンゴっ鼻に見えてしまうのが残念。

 今回のこのシリーズは、今までにない特殊なパーツ分割が特徴です。
 見た通り、なんと制服の下までいちいち作り込んでます!
 これについては、どうやら面白い目論みがある様子…(後述)

 制服上半身部分を取り除くと、こんな感じ。
 肩部分の穴は、ただ開いてるだけで現状は何もはまりません。
 腕パーツは制服部分にくっついているので。
 これは恐らく、二台目ロボ合体用の隠しジョイントであろうと、筆者は鋭く睨んでおります。

 この特殊なパーツ分割は、姫川琴音と松原葵以外すべてにあります。

 メインヒロイン!!(<違)委員長こと保科智子
 これが本来のお姿。
 以前紹介したものと比べてみましょう!
 なんだかチラシ配りを避けながら急いでいるような、面白いポージング。
 こやつも、さりげに美脚担当です。

 やや困った表情がいい感じ。
 なお、見ての通りメガネは「顔面同化式」。
 これは大変残念ではありますが、それを含めても決して出来が悪い訳ではないです。
 つか、同化式の中ではかなり上位に食い込むのではないかと。

 なお、智子はミニブックや雑誌紹介の写真と比べると、顔の造形が著しく異なっています。
 つまりは改良されたわけですが、これは実に嬉しい。

 ヒロインの中でも、トップクラスに位置する巨乳も、当然再現。
 とはいえ…う〜ん、これだけではあんまり嬉しくないかなあ。

 合体フォーメーション。
 実は、写真右側にある肌色の保持パーツがないと、こやつは立ってくれません。
 しかも、これを使ってもすぐに倒れてしまうというていたらく。
 ユージン「ToHeart2」みたいに、ボディ自体を掴むタイプの飾り台じゃないと、厳しいんじゃないかな。

 おとなし系担当の来栖川芹香
 唯一の先輩キャラでしたな。
 今回は唯一の私服姿。ゲームで見た記憶ないけど、アニメ版デザイン?!
 ものすごく地味な上、なぜか大量に出てくるので、やっかいアイテムと化しています。
 筆者は、これだけ6個くらい持ってる…

 小首をかしげたいい感じの表情…なのですが、実はこれ、かなり角度美人。
 両目が不自然に平坦なため、斜め横からみるとものすごく平べったい顔になってしまいます。
 でも、この顔も修正されたもののようで、ミニブックと比べると凄く向上しているのがわかります。

 上半身のパーツ構成はこうなっており、唯一の前後分割式。
 そこまでして脱がせたいのかと。
 胸の再現は、これに限らずいずれも異様な執念を感じさせます。

 パーツ分割。なぜか左腕だけ胴体に直接続。
 それ以外はこんな風にパラけます。
 脱いだら突然すごくなるのは芹香嬢のお約束ですが、そこは忠実に。
 ただし、個人的には左足の途中分割だけは勘弁して欲しかった…

 なお、この芹香は、立ちポーズの中で唯一長時間自立が可能。

 変なのがやたらと多い一年生代表・サイキックソルジャーの姫川琴音
 今回は大きな台座に座ったポーズ。
 最初はあまり期待してなかったんだけど、いざ組んでみたらなかなか。
 台座は中空で、底ブタは接着されています。

 アップ。
 この顔はかなり絶妙な造りで、見る角度によって様々な変化が
あります。
 ちょっとふさぎ込んでいるような表情に見えたり、ボーッとしたり、ハッとしたような顔になったり。
 顔に影がかかると、また違った雰囲気に見えたりするので、真面目に味わい深いものがあります。

 ちなみにこの腹出しは、わざとです。
 実際は、パーツをしっかりハメると腹は露出しません。
 髪の毛の色が濃すぎる上、妙に肉感的になってしまって無駄にお色気アップ。
 でも、本来の病的な細さよりは、こっちの方が見栄えがいいかな?

 台座には、琴音のお尻と脚、スカートを受けとめるための浮き彫りがほどこされていて、ガッチリフィットします。
 なんと、ちゃんとハメれば逆さまにしても落ちません!
 これで、両足が一体化してなければ文句なかったんだけどなあ。
 私、脚がくっついてしまっている造形って無条件でイヤなの。

 パーツ分割は、こんな感じ。
 制服なのに、なぜか唯一「制服の下パーツ」が存在してません。
 ま…あってもあんまり嬉しくないけどさ。
 でも、この強烈なコントラストの縞パンには、反応する人が多そう。

 格闘娘・松原葵
 以前どこかで見たようなポーズで立体化。
 以前どこかで見たアレよりグレードは高まっており、なかなか素晴らしい。
 また、エロ的要素がほとんど皆無なのも嬉しいですね。
 こういうのに、無駄にエロ要素が入るとバランス狂うし。

 脚のおかげで、もっとも全高のあるフィギュアになっちまいました。

 顔のアップ。
 いやいや、これもまた葵の特徴を良くつかんで立体化しています。
 あまり旨味がないアイテムかもしれませんが、葵が好きだという人や作品に思い入れのある人には、とてもお勧めであります。

 なお、パーツ分割はこれだけなぜかありふれたものになっているため、特に写真は撮りませんでした。
 なんか、ペタ胸キャラは不遇な扱いされているかのような…

 聞くところによると、このアニメ版ではメインヒロインになってしまっているという、来栖川重工製メイドロボット・HMX-12マルチ
 堀江由衣をメジャーにしたのは、こやつだったりします。
 なお、写真はパンチラ狙って寝かせているわけではなく、この姿勢がデフォルトだったりします。
 これは、プレステ版発売当時にLEAFが製作した「踏みマルチ」ポスターの踏襲なのかな? と勝手に想像。

 ひっくり返すと、こんな感じ。
 スカートと後頭部が真っ平らになっているでしょ?
 これが接地面になるわけです。

 ですから…

 他のフィギュアと飾る場合は、自然にこういうスタイルになってしまいます。

 顔のアップ。
 ちょっと髪がボサつき気味だけど、これまた良い造りです。
 マルチも、智子同様ミニブックなどの商品写真と実物が大きく異なるアイテムなのですが、どうやらこれも改修されたものの様子。
 こういう対処は、本当に嬉しく思う次第。

 合体フォーメーション。
 で、さっき「ペタ胸は不遇な扱い」と書いたけど、訂正。
 思いっきり上半身ありやがんの。

 でも…このマルチ、胸ありすぎだよな。
 うん、絶対そうだ。本物はもはやマイナスの(以下略)

 全部を並べてみました。
 一番右端は、シークレットの仮面ライダーベルデ。
 …単なる比較です。

 こうしてみると、300円フィギュアの割にはかなりサイズも大きく、それに伴って細かな造形や塗りもグレードが高まっています。
 あかりの全高が、約12センチ。
 装着変身がだいたい13センチで、以前ユージンが出していたシリーズが約10センチ(ただし200円)くらいですから、これは結構破格なのではないかと。
 この企画で、是非全ヒロインを立体化していただきたいところです。

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【買ってみて一言】

 CM'Sというメーカーは、元々ユージンから派生したメーカーだそうで、以前からこういうミニフィギュア系商品を生産していましたが、その多くはお世辞にも良い完成度とは言えず、パッと見はイケてても、実物を手に取るとがっくりするというケースがほとんどでした。
 筆者も、「ふたりエッチ」のフィギュアを買って、その“ありえない酷さ”に閉口させられた事がありました。
 また、バンダイHGIFシリーズの原型をやっている事もたまにあり、その中でも「CM'Sイズム」はいかんなく発揮されていました。
 そんな訳で、このメーカーにはアンチ的意見も大変多く、今回の商品も「大丈夫なのかCM'Sで?!」と良く囁かれておりました。

 ですが、実はCM'S、以前発売された「舞Hi-meコレクションフィギュア」では、それまでの悪印象を拭い去るのに十分なグレードを発揮しました。
 この商品はかなりの人気になり、今でも欲しがっている人は多いでしょう。
 そして、それに続く形になった本商品も、予想以上のグレードで提供されました。
 しかも、当初告知されていた原型写真の評判が悪いと、素直に作り直す柔軟さをも発揮して。
 これは、大変素晴らしい姿勢です。
 もちろん、まったく不満がないわけではないですが、これだけやってくれれば充分満足(個人的に)。
 そして、気が付くといつのまにか散在している筆者がいたりするのです。

 ただし、そんな本シリーズにも問題がない訳ではありません。
 先にも挙げた通り、「自立が困難」「色味が激しく違うキャラが居る」「メガネをなんとかしろ」などがありますが、一番きついのは自立ほとんど不可という点に尽きます。
 姿勢補助パーツがまったく役に立たないあかりや智子は、飾る際に本当に苦労させられます。
 この商品とは別に、姿勢補助アイテムが必要になる事必至で、これは時間経過によるパーツの負荷による現象ではないのです。
 脚だけ材質を別なものにしたり、脚部の中に軸を通したり、或いは姿勢補助パーツと台座を組み合わせたりと、最近は「倒れないための工夫」を施された商品も多数出ています。
 この商品は比較的大型なのですから、普通よりも気を遣うべきだったのではないか、と思う訳です。

 それから、ミニスカートが多いラインナップなのであまり気にならないかもしれませんが、本商品もスカート内部が塗装されているため、これに接触する腰や脚部に色移りが発生します。
 事実、筆者の持つ芹香は、組み立て一日後に早速色が付いてしまいました。
 先に挙げた写真にも、修正なしで掲載していますので、ご確認ください(右腰付近に一筋の線が付いています)。
 最近ユージンがやっている「スカートの内部は未着色」というのは、本当にありがたいものなので、是非パクっていただきたいところであります。

 さて…あかりの肩にあった謎の穴や不自然なコスチューム脱着ギミックですが、どうやらこれは、同メーカーから五月末に発売される「〜フィギュアコレクション」というシリーズに混入されている、別パーツに対応するための布石のようです。
 たしか、このシリーズの方はブラインドボックスタイプで、私服版のフィギュアが入っていたと記憶しています。
 つまり、これと合わせる事であらたな組み替えができるという事なのでしょうね。
 なるほど、それはなかなかよく考えられて……

 ――税別580円?!

 いきなり二倍近くの値段!
 しかもこれ、ブラインドボックスって事は、ヘタしたら箱買いしても1セットしか揃わないとか、フルコンプに微妙に足りないとか、そういう事態に陥るのでは!?

 だとすると、これはうかつに次の展開にのめり込む訳には行かないようです。
 少なくとも、販売後の状況を見て判断したい所かな、と。
 うーん、このままカプセルトイで続けてほしいんだけどなあ…いい出来なんだから、ここで是非株を上げてほしいよ、CM'S…

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