古物倉庫 第13回 ■ バンダイ DX超合金「ゴッドライディーン」&「ブラックゴッドライディーン」
2010年12月10日 更新
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このページは、現在絶版の商品またはドエラい昔に発売されたアイテムをご紹介します。
今回は、、1996年10月2日から1997年6月25日まで放送されたアニメ「超者ライディーン」に登場した、ゴッドライディーン。
超合金魂ブランドが発足したのと同じ年に出たDX超合金ということもあり、当時は色々と比較もされた話題の豊富な商品です。
このレビューでは、通常版と限定ブラックバージョンの両方を取り扱いたいと思います。
んで、今回はレビューを始める前に2点お断りしておかなきゃならないことが。
まず通常版ゴッドライディーンですが、この撮影用に未開封保存していた物を使用しました(何故わざわざ断りを入れるのかという理由は後述)。
もう一つ、今回撮影に使用しているブラックゴッドライディーンの右ツノの角度が少し変ですが、なぜかうまく整えられませんでした。
やむを得ずそのまま撮影続行していますが、現物はきちんと角度を整えられるので、予めご留意ください。
■ DX超合金 ゴッドライディーン
超合金ブランド復活第三弾で、ナンバーはGD-03(GD-01は「大甲神カブテリオス」、GD-02は「両津勘吉」)。
当時価格は税込5,250円。
発売日は1997年以外不明。
「勇者ライディーン」のリメイクでありながら、その内容構成は全く別物の「超者ライディーン」に登場。
全39話中の25話と出番がかなり遅いが、前作と異なりメインの存在ではない。
12個のゾディアックオーブによって封印されていた魔神で、ルーシュ・デモンの手によって蘇らされた。
本来、起動にはライディーン・セイラという巫女の存在が必要だが、既に肉体が存在しないため、初起動時は双子座のオーブの件でセイラと関わった宮坂瑠璃が媒体とされてしまった。
オリジナルよろしく「フェードイン」が可能だが、コクピット内は内臓や触手・粘液に包まれたグチュグチュ状態でかなり気持ち悪い(ルーシュが動く度にネチョッと音がする)。
一つの行動・攻撃が一つの街を壊滅させてしまうレベルという、桁違いの強大な力を持つ。
一応操縦が可能ではあるものの、自我を持っているため単独行動も可能。
その外観こそ「勇者ライディーン」のアレンジだが、劇中の存在は全くの別物。
最終的には主人公達の力添えとなったが、当初は驚異の存在として出現し、最強最後の敵であるかのように降臨し、立ちはだかった。
オリジナルにあった武装のメジャーなものは一通り装備しており、当然ゴッドバードにも変型可能だが、そのパワーは全宇宙をも滅ぼしかねないほどという物騒なシロモノ。
まずは前面。
肩パーツと翼がバカでかいせいで、めっちゃ横幅が広いです。
合金部分は胴体・脚部で、それ以外はプラ製。
ただし、クリアオレンジ部分は軟質樹脂製です。
プラの割合は多いですが、ズッシリ感はかなりのもの。
背面。
巨大な翼のせいでほとんどが覆い隠されてます。
脚部すね下は、この写真で見えている金色部分が合金で、前面の銀メッキ部と足首はプラです。
後頭部と腰部後ろはランナーから切り離す必要があるパーツです(後述)。
左側面。
前面・背面の印象に反して意外に薄っぺら。
もう少しアップで。
なかなか整った造型で悪くないのですが、劇中だと顔の周辺(シールドの内側)が黒または影になっているため、かなり印象が異なっています。
関節可動範囲ですが、ゴッドライディーンについては少し特異な説明を要します。
まず可動部は、肩・上腕(ロール軸)・肘・手首・指(親指固定/人差し指と中指〜小指三本が可動)・股関節・膝。
頭部(首)と腰は固定で、太股には回転ロール軸がありません。
足首は構造が特殊なので後述。
二重関節部はなし。
このように、割と可動部は多い筈なのですが、本商品は「ほとんど動かない」と断言しても過言ではありません。
可動部の多さに反して可動範囲が狭い理由のほとんどが、肥大化している装甲にあります。
左手に装備されている、ゴッドゴーガン。
こちらもランナーパーツによるオールプラ・組み立て式で、矢部分のみ軟質樹脂製。
一旦組むと分解が大変で、癒着防止対策をしつつ片づける場合は、矢部分をうまく抜き取らないといけません。
ギミックは、矢部分が伸びる&左右展開。
出来る限りゴッドゴーガン射出ポーズを取らせようとしても、肩パーツが邪魔でこれが精一杯。
もっとも、頭部と腰部が非可動なのでどのみち上手く決められないと思うけど。
ゴッドゴーガンを閉じた状態。
前腕部への接続は、凸ジョイントによる一点差し込み保持。
ささいなことでしょっちゅうポロポロ脱落します。
ゴッドブロック。
ゴーガンと同様、プラ製の組み立て式。
こちらも接続方式は同じで、やっぱり高頻度で脱落イライラ。
ゴッドブロックは、展開することでゴッドブレイカーに変型。
剣部分は軟質樹脂で、ゴッドブロック時は内側に折りたたまれています。
本来は内側にシールを貼り付けて完成ですが、筆者がシール貼り付け否定派なのでこのままです。
腕部各武器は、せいぜい横方向・前方に傾ける程度しか出来ません。
しかも、肘関節で動かせる範囲のみ。
ただでさえ動かし辛い上に、武器が背面の翼にまで干渉してしまいます。
超合金は、本来そんなに可動重視されるものではないので、これで全然問題はないと思うのですが、最近の評価基準では厳しいものがあるでしょうね。
ゴッドボイス。
オリジナルと異なり、ゴッドライディーンは翼と腹部の増設パーツを使用して攻撃します。
展開すると、かなりの大きさになります。
翼部分には本当はスピーカー状のパーツがあるのですが、本商品ではシールで再現します(写真では貼られてませんが)。
劇中では、「ゴッド・ラ・ムー」の声はさすがにありませんでした。
射出口は、劇中では腹の内側からせり出して来るのですが、本商品では外付けパーツで再現されています。
本当は金色なんですけど、黒の成形色のみで、しかも形状が全く異なっています(実物はもっと細く銃口みたいな形状)。
武装の紹介は以上。
続けて、本商品の目玉「ゴッドバード」変型プロセスです。
まず、頭頂部のツノを手前に折りたたみます。
後頭部のメッキパーツを、上方向にずらします。
これにより、頭部前面も連動して変型。
こちらが、後頭部パーツをずらした時の変型パターン。
俯くように顔面が移動し、連動して左右のフェイスガードが閉じます。
この変型はなかなか楽しい物があります。
左右の腕部を上写真のようにします。
各武器は背面を向くように調整。
すね部分の内側に凹凸ジョイントがあるので、これをかみ合わせて両脚を固定します。
左右の肩パーツを下げ、腕部全体を隠します。
オリジナルにおける待機形態。
この状態は、本編初登場時の形態によく似ていますが、背面の翼パーツの固定が利かないので実際はかなりパタつきます。
両前腕部側面の凹ジョイントに、肩パーツ内側にある凸ジョイントを突っ込みます。
これにより、胴体・肩・腕部がすべてロックされます。
翼を広げて、根元のジョイントを肩パーツの穴に接続・固定します。
こんなに横幅が広がります。
両脚部裏側から、金色パーツ部を引き出します。
これが、ゴッドバードの脚部になるわけです。
でっかくて迫力満点。
引っ張り出した脚部は、この位置に移動させることでランディングギアになります。
ご覧の通り、巨大なツメは大きく可動。
なんと、四本すべてが根元で独立可動する構造です。
脚部前面装甲は、このようにずり上げます。
これで、オリジナルのような「膝曲げ状態」になるわけです。
ゴッドバード完成。
基本変型構成はオリジナルと同じですが、パーツの大型化や脚部のアレンジが映えて全くの別物になりました。
やや寸詰まりな感もありますが、翼をメインに見るとより「鳥っぽく」なっています。
前面俯瞰。
ツメの位置がずれていますが、これについては後で言い訳?! します。
足を整えて、フロントビュー。
頭頂部先端が鳥の顔になっています。
なかなかに精悍な顔つき。
サイドビュー。
オリジナルのゴッドバードは、ライディーンの胴体が長めな上に膝を曲げる必要性があったため、プロポーションがとても微妙なものになりがちでした。
ゴッドライディーンの変型は、この問題に対する一つの回答に思えます。
翼の根元部分にあったツメを脚部に持ってくるという大胆なアレンジのおかげで、なかなかの個性が生まれたのではないかと思います。
リアビュー。
脚部前面部が八の字型に配置されているため、末端部が綺麗に並ばないという難点もありますが、実際に手にするとさほど違和感は覚えません。
ゴッドバード頭部アップ。
目と嘴のモールドがしっかり施されています。
残念ながら、嘴の可動などはありません。
関節強度を利用すれば、このように少しだけボディを浮かせることも可能です。
ただし、足首関節と膝部のポリキャップ関節に負担が集中するため、長時間保持は不可能。
また、フェイスガードを多少動かせば、連動してゴッドバード頭部をやや下向きにする事も出来ます。
以上、ゴッドライディーンの全ギミック紹介でした。
さて、本商品の総合的な完成度ですが、置物としては秀作ですが、アクションフィギュア的な意味での魅力はかなり乏しいものです。
先で触れた関節可動範囲の狭さ(低減化)もさることながら、更にもう一つ「関節保持力が決定的に弱い」という致命的な難点をも抱えています。
しかも、よりによって脚部に集中しており、股関節のユルさ加減は非常にイライラさせられるレベルです。
また、ゴッドバード時の脚部も、ゴッドライディーン形態時に前面装甲から外れやすく、安定感がとても乏しいです。
さらにさらに、股間・膝すべての安定性に問題があり、ヘタをすると突然クタクタになって倒れてしまうこともあります。
これらの問題の原因は、すべて関節構造にあります。
股間部は、なんとたった一本の金属シャフトを真横に通しているだけで、関節強度をもたらす摩擦力が致命的なほど足りません。
これだけ大きく重たいパーツを支え、かつポージングをつけるには全く相応しくなく、限りなく欠陥に近いものと言わざるを得ません。
幸い、股関節部分は簡単に分解可能なので、何かをかませることで保持力を適度に強化することが出来るため、玩具に手を加えることに抵抗がない人ならすぐに対応出来ると思います。
しかし、膝関節の弱さと組み合わされると、問題は更に膨らみます。
先の写真で、ゴッドバードの足が綺麗に揃っていないものがありましたが、ああいう時の調整がすごくやりづらいことがあります。
加えて、接地面がゴッドバードの握り拳ということもありイマイチ立ちポーズに安定感が足りません。
このページ4枚目の側面画像を見てもらえればわかりますが、足自体を後方に傾け気味にして、前面パーツで前転倒を抑えるようにすると上手く立たせられはしますが、どうにもすっきりしないものが残ります。
本当なら、股間部や膝部分はクリック式関節などを用いて充分な保持力を常時維持出来るようにしないと厳しいでしょうけど、この辺りは時代的にしょうがないのでしょうか……
クリック関節、この当時には既に普通にあった筈なんですけどね。
大変好き嫌い分かれる劇中での活躍具合、良くも悪くも個性的なデザインと変型ギミック、関節の弱さと多くの問題を抱えはするものの、メッキパーツとダイキャストの美麗さ・質感はたまらなく、合金玩具好きには確かに魅力的な逸品です。
徹底的に弄り倒すというよりは、ケース内に飾っておくなどの用途には大変適しているのではないかと筆者は思います。
まあこの辺、 本 来 で あ れ ば 人の好き好きなんですが、実は本商品が弄り倒すのに向かない「さらにもう一つの理由」があったりもするんです。
脚部の金色メッキダイキャストパーツですが、実はここ、あっけなく劣化してしまいます。
解りやすく例を挙げると、「聖闘士聖衣大系(注:神話ではない)」の黄金聖衣シリーズが皮脂で劣化してどんどん退色していくのに似ています。
さすがに全面銀色になったりはしませんが、思ったよりも劣化が早いので、細心の注意を払う必要があります。
出来れば、片付ける前に皮脂を徹底的に拭き取るべきでしょうね。
って、上の画像では全然退色していないのになんでそんな事を知っているかというと、実は筆者は本放送当時に同じ物をもう一個持っていたことがあるんです。
更に、当時の仕事で本商品の中古品をいくつか取り扱った経験もあり、その際にも確認をしています。
金色メッキのダイキャストパーツは、この翌年に発売された「DX超合金・星獣合体ギンガイオー(ブラックVer.)」でも使用されていますが、そちらは不思議と劣化がなかったりします。
よくわかりませんが、丁度技術進歩の境界時期だったのかもしれませんね。
■ DX超合金 ブラックゴッドライディーン
ナンバーは通常版と同じGD-03で、当時価格は税込5,250円。
発売日は1997年以外不明だが、通常版と同時発売。
本商品は、通常版1カートン中に一個含まれているという大変レアなものでした。
基本構造とギミックは、当然全て通常版と同じですが、メッキパーツが廃されプラパーツが武器・本体含めて黒の成形色に変更されています。
ツノなどのクリアパーツは、通常版と同じ物。
「超者ライディーン」でも最終決戦時に登場しており、決して玩具オリジナルというわけではない。
本商品は本編登場前に発売されたため、感覚的には「救急戦隊ゴーゴーV」におけるマックスビクトリーロボBバージョンに近い存在。
続けて、ブラックゴッドライディーンのレビューです。
ブラックバージョンのライディーンというと、80年頃に発売され、後にとてつもないプレミア価格が付いた「DXライディーン」が思い出されますが、本商品発売時もその影響が色濃く残っており、あっというまにプレミア商品化してしまいました。
発売直後、品薄による一時的なプレミア高騰は最近よくありがちですが、本商品はその走り的な存在でした(間違いなく最初という意味ではない)。
本商品のプレミア価格維持は割と長く続きましたが、最近はさすがに価格も低めに安定し、状態の良い物が比較的手に入れやすくなった感があります。
背面写真を紹介しながら、もう少し話を続けます。
先の通り、商品数はとても少なかった筈なのですが、その割には状態の良い物が現在も入手しやすくなっています。
「百獣戦隊ガオレンジャー」の「DX百獣合体ガオキング・ブラックVer.」も似たような感じですが、これは当時から後々のプレミア化に期待し、ずっと未開封保存していた人達が多かった証拠なのでしょう。
現在もこのような傾向が各ジャンルで見受けられますが、どことなく滑稽な印象も受けがちです。
頭部アップ。
顔の周りが黒くなったせいか、通常版よりも劇中のイメージに近くなりました。
残念ながら、フェイスガード部分の硬質感は失われてしまいましたが…
ゴッドゴーガン。
全体が黒いせいか、クリアオレンジ部分がいい感じで引き立つようになりました。
ゴッドブレイカー。
こちらも、同じく内側にシールを貼ったものが完全版。
ちなみに、ブラックバージョンのシールは通常版と全く同じ物のため、この成形色の上から銀メッキ全開のシールを貼りまくることになります。
その際のカラーバランスは、お世辞にも良いものとはとても……
ゴッドバード変型過程。
黒と金、オレンジ部分の割合がよくわかる構図です。
ゴッドボイス。
腹部の増設パーツは通常版と同じく黒一色ですが、パッと見判別が付けづらくなってしまいました。
でも、個人的には通常版よりこっちのゴッドボイスの方が好きだったり。
ブラックゴッドバード。
精悍さとスマートさが増したような印象です。
この写真だと、全体にフラットブラック塗装が施されているようにも見えますが、実際にはそんなことはなく成形色まんまです。
ダイキャスト部分は塗装ですけどね。
ゴッドバード、角度を変えて。
メッキ部がないので、通常版より気軽に触れられるのが魅力です。
「THE超合金」版のブラックゴッドバード(ブラックライディーン変型)との比較。
本来なら、DX超合金版と比較すべきなんでしょうが、最高レート時には高級マンションの家賃クラスに匹敵する商品なんぞさすがに持っていませんので……
大きさはともかく、スタイルの変化具合はおおよそ把握出来ると思います。
ライディーン形態での比較。
さすがにプロポーションは比べるべくもないですが、どちらも良いものです。
「THE超合金 ブラックライディーン(GT-06B)」は、2004年4月22日から5月5日まで、東京・原宿のラフォーレミュージアムで開催された「超合金エキスポ2004」の会場限定販売品で、当時価格は2,258円
(税込)。
DX超合金の縮小版で、同時に「マジンガーZ第一期Ver.」と超合金魂「ダンクーガ・オリジナルカラーVer.」も発売。
ついでに、復刻版の「超合金ボールペン」も売られていました。
「ブラックライディーン」は後に受注生産もされたため、現在もさほど入手は困難ではないようです。
これはブラックだけでなく、通常版にもある問題なのですが、もう一点触れておかなければならないことが。
ご覧のように、腰部裏(所謂お尻)のパーツはダイキャスト部分に開けられた穴にプラパーツのジョイントを二本差して固定する仕組みなのですが、穴がユルユルすぎてしょっちゅう外れてしまいます。
今回の撮影時でも高頻度で外れてしまい、大変なストレスを覚えました。
一応、厚手のビニールをかませたりすることで緩和は可能なんですが、伸縮性皆無の部位に弾力性も摩擦力も乏しい材質のパーツをはめ込むわけですから、こうならない方がどうかしています。
このように、ゴッドライディーンは様々な所で泣かされるケースが本当に多いのです。
これで対象年齢5歳以上ってのも、なかなかにすごいものです。
通常版とブラックVer.を比較。
こうしてみると、とても同じ形のものとは思えない気がします。
角度的な問題もありますが、スタイルすら変わって見えるというのは面白いもの。
偶発的な影響ですが、実に楽しいです。
……しかし、通常版のメッキ多数に匹敵するような魅力が、ブラック版に見当たらないのがいささか残念。
せめて先代同様、全面フラットブラック塗装にするくらいの芸は欲しかったものですが、ひょっとしてこれはコストダウンをねらってたんでしょうか?
こちらは、通常版のボックス。
サイズは、約21×23.7×11センチ。
向かって左側中央あたりのタイトルロゴ上にある「超者ライディーン」の文字が入った白い四角は、シールです。
一方、こちらはブラックVer.のボックス。
サイズなどは通常版と同じで、一見モノクロ印刷化しただけのように見えますが、「ブラック」の赤文字ロゴが加わっていたりと一応の別物。
このような通常版のモノクロ印刷化的パッケージは、「DX大獣神」以降ちょこちょこ見かけるようになりましたね。
【買ってみて一言】
通常版の部分でも触れた通り、大変に癖が強く不親切な構造部分も目立ち、あまり広くオススメ出来る玩具ではありません。
しかし、見た目の印象の良さと、何よりも“超合金ブランド復活”の口火を切ったアイテムの一つとして、大きな存在意義があると思われます。
まあ、実際はほんの5年程度しか途切れてなかったんで、そんなに注目の復活というほどではなかったんですけどね。
何はともあれ、現代風(と言っても既に一昔以上前ですが)にアレンジされたライディーンの玩具としての意味合いもあり、好きな人にはたまらないわけです。
通常版の漂わせる高級感、ブラックのレア感覚はそれだけで立派な魅力として成立していると思います。
管理はいささか面倒なので、正直初心者コレクターには向かない商品ですが、ある程度の覚悟を持った経験豊富なコレクターさんなら、コレクションの一つとして携えておくのも良いかもしれませんね。
さすがに、ノスタルジーを覚えるのはまだ早いというところですが。
「超者ライディーン」は、「勇者ライディーン」のリメイクと思わせて実は全く異質の、どちらかというと「聖闘士星矢」や「鎧伝サムライトルーパー」に近い内容の作品で、ファン層も男性より女性の方が圧倒的に多かったようです。
ただし、それでも全体数はさほどでもなく、他の人気作品に押され気味でイマイチ存在感を確立仕切れないものになってしまいました。
また内容もお世辞にも統一性があったとは言い難く、現在の評価眼で見ると多分に「厨二病的」&「腐女子的」要素に溢れており、好む層がかなり限定されそうな造りです。
そんな作品の関連商品として発売され、当時需要が高かった物のほとんどがグッズ類。
女性向け同人誌でもごく限られた期間のみジャンルが存在しましたが、今となっては過去のお話というくらい、パッとしませんでした。
このため玩具系は売れているとはとても言えない状況で、本来のメインであった筈の「バードチェンジ」シリーズというアクションフィギュアは、当時の玩具マニアからも酷評されるほど。
放送終了後13年以上も経った現在に於いて尚、場末の玩具店で叩き売られているのを時たま見かけたりするほど、需要がなさ過ぎました。
ところが、「DX超合金ゴッドライディーン」だけは例外で、番組終了後もしばらくは安売りで見かけられたとはいえ、そこそこの需要を誇っていました。
ひょっとしたらですが、独自路線の新規シリーズで行くより、過去のブランドに乗せた方がイケるとの判断だったんでしょうかね?
97年当時は、タカラの「勇者シリーズ」を初めとしてダイキャストパーツ数が著しく乏しい玩具製品がメインとなっていましたが、そんな中で突然出て来た「超合金」だったわけですから、それなりに目立てていたように思えます。
97年は「超合金魂」ブランド発足の年でもあり、本商品と「魂マジンガーZ」は、いわば“旧世代ダイキャスト玩具の後継者”と“新世代ダイキャスト玩具”という関係となり、大変興味深い両立となっていました。
結果的に、「超合金魂」は今現在もシリーズが継続し、「超合金」は断続的に生き残りはしつつも魂ブランドのノウハウの一部を吸収し、少しずつ“今風の玩具化”をたどっていきました。
そう考えると、この「ゴッドライディーン」は、超合金ブランド復活のきっかけ(の一つ)であると同時に、旧世代超合金玩具の流れに一旦のピリオドを打つ存在だったのかもしれません。
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