古物倉庫 第3回 ■ ポピニカ 大鉄人17「シグコンタンク」
2005年6月29日 更新
このページは、現在絶版の商品またはドエラい昔に発売されたアイテムをご紹介します。
現在は、1970年代の番組関連商品を連発でお届けしていますが、必ずしもその辺りの頃の物ばかりとは限りません。
すでに準備済みの物の中には、90年代前半・後半のものもあったりします。
とにかくガンガン小出しにしていきますので、どうかご期待ください!
なお、このコーナーは、レビューではなく「商品紹介」というスタイルで参ります。
大鉄人17は、自らの意思を持つロボットである。
人類を守る為に、巨大頭脳ブレインと戦うのだ!
さて、前回は、昭和52年(1977)放送「大鉄人17」に登場したシグコンジェットをご紹介しましたが、今回はその続きで、同番組登場のメカニック「シグコンタンク」を行かせて頂きます。
これも、本編内の活躍よりもオープニングやエンディング映像の方が印象深いメカなんだけど、確か…何かの回で大活躍した事があったような…
ごめんなさい、かなり忘れてます。
シグコンタンクと、そのパッケージ。
今回のもデッドストック品なのはいいんだけど、またまたパッケージ背面部に凄まじく大きな折れ目が走っていました。
なので、今回も背面部分は掲載できません。
いえ、掲載自体はできるんだけど、まともに見えるように加工するとなると、とんでもなく時間かかりそうなんで断念したんですよ。
シグコンタンクを斜め前から。
あまり戦車っぽくない面構えが、個性に繋がっています。
キャタビラはゴム製で、当然車輪と連動。
このゴムキャタピラ、経年劣化で硬化し、かなりの確率で割れてしまいます。
だから、良いコンディションのものを見つけるのも一苦労になってしまいます。
写真の通り、本体部分の向きを360度自由に回転させる事が可能。
タンクの割には、主砲らしきものがほとんどなく、せいぜいお約束のミサイルのみ。
どうもこれ、元々戦闘用じゃないみたい。
これもシグコンジェット同様、無人機という設定です。
実物本体は、もっと綺麗なメタリックブルーなんですけど、どうしてもうまく色が再現できません。
ごめんなさいね。
主砲もなく、いったい何が主力兵器なのかというと。
兵器、とは言い切れないけど、背面側になにやら。
内部にドリルを収納しているのです!
最頂部中央にある、赤いスイッチを押すと、背面側からドリルが伸びるという、かなり変わった趣向。
で、これをどうするかというと…
こんな感じで本体をグルリと回し、前後を逆転させます。
これでドリルを前面に持って来る事で、ドリル戦車という隠された真の姿をさらすわけですね。
非戦闘メカにしとくのがもったいねぇ。
ドリルを伸ばした状態を、上から見下ろしてみましょう。
こうしてみると、おとなしそうな普段の面構えがとんだ隠れ蓑になっていることにお気づきでしょう。
すごく単純なんだけど、だからこそ冴えるんです。
この二面性が!
ドリルが正面を向いた状態。
これで地中に潜っていくという設定なんです。
ところが。
このポピニカの恐ろしいところは、実はこれだけではないのです!
なんと……
なんと、地中潜行直前の「前屈形態」を取る事まで出来てしまうのです。
しかも、本体前面部中央にある、赤色のボタンを押すことで、ボディ後部が傾斜します。
実は筆者は、当時このギミックを知って一気に本商品に魅せられたのですが、残念ながら入手できませんでした。
結局、それから28年間ずっと焦がれ続けて来たわけです。
ですから、こいつを手に入れて、初めてこのギミックを作動させた瞬間…
思わず、感極まって涙が出そうになっちゃいました(本当)。
大きさ比較。
左に移っているのは、200円ガシャポンのフィギュア。
ユージンの「ロンドローブコレクション」の一つ、「小麦ちゃんマジカルて」の主人公・こより(えっ)。
これでも立派なタツノコアニメキャラ。
巨乳の上に裸エプロンで、このフィギュアも下はきっちり……
って、ここはシークレットページじゃない!
さすがに、二回連続で同じネタ使うとシラケちゃいますね。
パッケージです。
こちらも、前回のシグコンジェット同様、筆者自身による加工・補正が行われています。
説明書です。
この画像もクリックすると大きく表示します。
【カバゴンのママに一言】
もはや無理矢理恒例、パッケージ裏にある「カバゴンのママに一言」です。
カバゴンこと阿部進氏については、第一回「マジッカー」のページで詳しく説明しておりますので、ご参照を。
そう、今回のこのお話、意外に知られていない事なんですよね。
つか、そもそも脳の重さってあまり知能の高低に関係ないそうなんだけど。
そろそろまとめます。
シグコンタンクも、ジェット同様正式名称は「シグナルコントロール・タンク」と称しまして、17が作り出したシグナルで遠隔操作可能な無人機です。
そういえば最近知ったんですけど、そもそも「タンク」っていう単語は、本来は「わざと別な呼び方をする事で、戦車を指していると気づかせないようにする」ための隠語(戦時中の専門用語?)なんだそうですね。
だから、本来タンクと言った場合、それには「貯水目的の容器」といった意味しかないそうです。
特殊用語が一般化した例という事なのでしょうね。
本商品「シグコンタンク」は、やはり昔のポピニカであるためか、特に凝ったギミックもなく、今の基準で見た場合プレイバリューはほとんど無いに等しいものです。
ですが、本来のデザインコンセプト…前後転回によるドリル戦車化や、たいがいにおいて戦闘的な意匠を求められるタンク系でありながら、その特徴がほとんど見受けられないという意外性は、目を見張るものがあると思います。
そしてこれらは、決して筆者が当時このアイテムに過剰な思い入れを持っていたがための評価ではないと思います。
残念ながら、その個性溢れる性能は本編内で活かされることはなく、「大鉄人17」という番組を知っている人にも「17のつま先から出てくる青い戦車」程度の認識しか与えていないようです。
う〜む、大変にもったいない。
というか、よくよく考えると、「大鉄人17」という番組自体、こういったオプション的メカニックの使い方があまり巧かったとは言い切れなかったんですよね。
これなら、まだ同様のギミックを持つ「電人ザボーガー」の方が、活用していたと思います。
とはいえ、逆に考えればそんな「刺身のツマ的扱い」のメカにも、こんな面白みの詰まった設定が施されていたのか、と驚かされることもあるわけでして。
シグコンジェットの特徴との落差が激しい気がしますが…ま、その辺はおいといて。
本商品「ポピニカ シグコンタンク」は、先に述べた通りキャタピラの耐久性が最大の問題点でありまして、「超電磁ロボ コンバトラーV」のバトルタンク同様、キャタピラパーツのコンディションに価値を左右されると言い切っても過言ではありません。
デッドストックで購入したとしても、キャタピラだけ破損している可能性はゼロではなく、二十年以上という月日の重さが感じられます。
当然、本商品はそういうペナルティ要素を含んでいるため、現在の取引としては、シグコンジェットより高価になっているようです。