古物倉庫 第1回 ■ ポピニカ 5年3組魔法組「マジッカー」

2005年6月12日 更新

 このページは、現在絶版の商品またはドエラい昔に発売されたアイテムをご紹介します。
 筆者が運良く手に入れられた物を紹介していくわけですが、なるべく珍しくかつ完成度の高い物、あるいは特定世代の方にとって思い出深い物をセレクトしていくつもりです。
 そのため、ネタ集めに結構な時間がかかってしまい、あまり頻繁に更新できませんが、なにとぞご了承を。
 なお、このコーナーは、本来のものとは趣向を変えて、レビューではなく「商品紹介」というスタイルで参ります。
 古い時代の商品を、今の視点で批評しても仕方ないしね。

 今回は、昭和51〜52年(1976〜77)に放送された特撮ファンタジー「5年3組魔法組」に登場したマジッカーをご紹介。
 2006年5月7日に亡くなられた故・曽我町子氏が、魔女ベルバラ役で大活躍していた事でも有名。
 近年CSでも放送されたので、ご存じの方も多いかも。
 鷹羽氏も、以前こんなものをコラムで書いています。

 マジッカーと、そのパッケージ。
 もう28年も前のものになるんですが、たまたまデッドストックを手に入れる機会がありましたので、飛びつく勢いで購入。
 この昔のポピニカパッケージを見ると、身体の中で何かが目覚める人も多いはず。
 旧ポピニカや超合金は、箱も大事にしておきたいものですね。

 マジッカー前面。
 マジッカーは、魔女ベルバラがもたらした「MJバッグ」という魔法アイテム詰め合わせセットの中の一つ。
 普段は二枚の正三角形の板で、これを重ね合わせて呪文を唱えると、巨大化&変形!
 搭乗者の命令で、どこまでも限りなく飛んでいけるスーパーマシンになるのだ。
 南極まで平気で飛んでったり、あっという間に地球を一周して戻ってくるほどのスピードを誇る。

 本商品は、ランディングギアによるコロ走行とプロペラの回転ギミックがあり。
 もちろん、ランディングギアが収納できたりする訳はないです。

 劇中でのマジッカー離陸シーンは、東映お得意のミニチュア撮影だったんだけど、その場面だけ妙に浮いているせいで、マジッカーがやたらと巨大に見えました。
 比較的最近の作品で例えると、「シャンゼリオン」のリクシンキやホウジンキ等の特撮シーンが近いかも。
 あの違和感は、これに通じるものがありますね。

 搭乗している中の人達。
 これは主人公の「ショースケ」かな?
 特徴的な髪型と帽子と衣装で判別できます。
 あ、念のため、こんな名前だけどれっきとした女の子なので。
 その右後ろに居るのは、多分もう一人の女の子メンバー「ミコ」じゃないかな?

 真ん中に写っているのは、この帽子からまず間違いなく「ガンモ」だと判別できますね〜。
 その右側は「ハテナマン」?
 写真だとわからないけど、眼鏡をかけている「チクワ」は別に居るので。

 左で右手を上げているのが、「チクワ」。
 ちゃんと眼鏡かけてます。

 なお、中央部にある物騒なミサイルは、もちろん玩具オリジナルのギミック。
 本編に搭乗するマジッカーには、攻撃性能はありません(ベルバラに体当たりした事はあるけど)。
 この頃の製品には、大元の設定に関係なく、ミサイルやロケットパンチが装備されていたものです。
 あ、あと、ボディのどこかに貼られた「名前のシール」。

 本体は、劇中設定よろしく二つに分離可能。
 なお、本編中ではこの形態で分離する事はありません。
 だから、これは玩具オリジナルギミックということ。

 なんと、本体を取り外した底には「方位磁石」が!
 これは上からだけでなく、底の方からも見えるように、底面もクリアパーツになってます。
 マジッカーに方位磁石なんてあっても弱っちゃうんだけど。
 まあ、こういう「玩具によくわからない実用性を持たせる」という発想は大好きです。
 タカラの「ユニーカー軍団」を彷彿とさせられます。
 ちなみに、磁石はもう狂ってしまっているみたいで、筆者の携帯の電子方位磁石とは全然別な方向を指し示しておりましたとさ。

 これは何かというと、付属品の一つでパーツ名「スカイロープ」。
 単なる糸(というか紐)なんだけど、要はこれを高いところにピンと張り、マジッカーの滑車を引っかけてロープウェイよろしく移動させて遊ぶというものです。
 本当なら、そのつるしたところも撮影したかったんですが、場所がないのと撮影&加工が困難になるので、あえてパスしました。ゴメンナサイ。

 ちなみにこの輪ゴム、とっくに劣化してるかと思ったらバリバリ現役でした。
 でも、できるなら別なものに交換しておきたいところですな。
 マジッカー本体にくっついたら取り返しがつかないし。

 マジッカー中央部の突起が、滑車部分。
 青い矢印部分に糸を通して吊すわけです。
 白い板状のものは、恐らく紐がすぐに外れないように押さえるためのガイドなのではないかと思われます(厚紙製)。

 写真だけだと大きさがよくわからないので、たまたま手近にあった装着変身・仮面ライダーギャレン(約13センチ)と比較。
 意外に小さいのがおわかりでしょうか。
 と言っても、この頃のポピニカはたいがいこんな程度の大きさなんだけど。

 あらためて、パッケージ写真を。
 このマジッカーは、撮影用の実物大プロップだったと記憶してます。
 マジッカーに乗っているのは、画面下中央から時計回りに、ショースケ・チクワ・ガンモ・ミコ・ハテナマンそして、ショースケの弟のユタカ(…だと思う。違うかな?)。
 ミコとハテナマンの間に置かれているのが、「MJバッグ」。
ショースケの弟は小学一年生で魔法組メンバーではないので、ポピニカ本体には搭乗していません。

 そういえばショースケって、ただ単に名字が「小原」だというだけでこんなアダ名付けられてるんだよなあ。なんか哀れ。
 チクワとハテナマンの中の人って、確かこの後「がんばれ!レッドビッキーズ」にも出てきてたよね?!

 箱の裏側。
 説明書は別にあるんだけど、一応ここでも遊び方を解説してます。

 それにしても懐かしい「黄色い謎の切り取り部分」と「カバゴン」!!
 カバゴンこと“阿部進”氏については、後ほど詳しく。

 ポピニカ「マジッカー」の取扱説明書
 画像をクリックすると、より大きな画像が見られますよ。
 筆者が買った奴は、真ん中の部分がマジッカーの滑車部分に押されて穴が空いていましたが、この画像では補正で消しています。
 後に、この説明書のまともな奴を手に入れるためだけに、さらにもう一つ同じ物を入手したのは、ここだけの話。

 マジッカー付属の、77年度版ポピニカ・超合金カタログ(No.1)の表。
 こちらも、クリックで拡大します。
 今となっては、こういうのも貴重な資料なんで、丁寧にスキャンしました。

 で、こちらが裏側。
 名作シリーズが一通り掲載されているのはおいしいですな。
 あ、仮面ライダー1号が光線銃を持っていない。
 こちらの画像も拡大可能です。

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【カバゴンのママに一言】

 昔、ポピニカなどを集めていた子供達は、パッケージにいつも印刷されているコレを読み、小首をかしげていました。
 カバゴンこと阿部進氏は、教育評論家の方で、小学校教諭経験もお持ちの方。
 ディープな永井豪ファンにはおなじみの顔で、ジャンプコミックス「ハレンチ学園」の全巻の解説を制覇するという偉業を成し、さらに実写版にも「カバゴン」の名で出演!
 ラジオやこども電話相談室などでも有名な先生で、ホントにえらい人です。

 カバゴン先生のこの一言は、この年になって読むと「なるほど」と思わされるものばかり。
 ガキの頃にはわからなくても、年をとると、まるで重いボディブローのように効いてくるんです。
 現在は七十を過ぎておられるようですが、まだまだお元気な様子。
 先生、超合金魂やS.H.フィギュアーツの箱の裏にも、貴方の熱い一言をぶちかましてやってください。

 さて、そろそろまとめて締めましょう。
 この5年3組魔法組「マジッカー」は、作品内の代表的アイテムであり、作品中唯一のポピニカである上、特徴的な形状のおかげで、当時の子供達には結構覚えられているようです。
 5年3組魔法組といえばマジッカーというくらいの知名度が当時はありまして、筆者も並々ならぬ思い入れを持っていました

 或いは、番組自体ほとんど覚えていなくても、これの形状だけなんとなく覚えているという人も多いかもしれません。
 今となっては、単なるノスタルジーアイテム以外の何物でもないわけですが…いいんですよ、それがまた。
 こうしてあらためて見ると、旧ポピニカや超合金は、時代の空気というか雰囲気というか想い出というか、そういったものを内包している、他に比べようのない独特なアイテムになってしまってますね〜。
 筆者も、これを機会にまた色々と集めてみようかと思っています(いや、すでにいくつかゲットしたのがあるんですが)。

 ――なんて書いてますが、実はこのマジッカー、結構簡単に手に入ってしまうようです。
 あまりの単純さに、筆者も思わずビックリ。
 だから、二つもあっさり買えてしまったわけですね。

 ヤフーオークションなどでは、このマジッカー、だいたい3500〜4000円くらいで売られています。
  しかも、結構状態がよさそうなものばかり。
 マジッカーはそんなにプレミア対象になっていないのか、とんでもない値段が付加されて流通が回るケースはほとんどないようで。
  もちろん、この価格帯でも定価よりゃ高いわけですが、28年前の値段基準で比較しても無意味でしょーしねえ。
 プレミアショップも、もう昔みたいに商品がさばけない現実をようやく把握し始めた…のかな?

 というわけで、5年3組魔法組に思い入れがあって、なおかつ洒落っ気とゆとりがある人は。試しに探してみるのもいいんではないでしょうか?

 では、アバクラタラリン、クラクラマカシン。

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