具体的にどういった配色が成されているのか
玩具に詳しくないか、ブラックバージョン系を買わない人は、とにかく何でも真っ黒にされているとお考えかもしれないが、実際にはそういう事はない。
ここでは話を簡単にするため『バンダイの超合金系』に限ってまとめるが、ブラックバージョンの元祖『DX超合金・勇者ライディーン』は全身にフラットブラックの塗装が施され、アクセントにゴールドのラインが要所に引かれていた。
この時のライン取りは番組内や玩具から応用されたものではなく、まったくのオリジナルだった。
いわば大人向けの配色、という事で男玩色を極力抑えたレイアウトになっていたという訳だ。
これがなかなかに渋く、熱狂的なコレクターがいる事にも頷かされる程だ。
その他にも『ダルタニアス』や、写真のみで商品そのものが確認されていない『ゴッドシグマ』『ゴーディアン』等が存在するが、途中から“全面塗装”ではなく“成形色変更”の方向に移っていった事は間違いない。
戦隊シリーズの最初のブラックバージョンは『星獣戦隊ギンガマン』のギンガイオーではなく、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の大獣神。
(その後、『忍者戦隊カクレンジャー』の隠大将軍でも存在したと言われているが、裏付けが取れなかっため詳細不明と表記する)
その後ギンガイオーまで5年前後開く事になるが、大獣神の時はかなり突発的な登場という印象が強かった。
この大獣神も成形色変更ブラックであり、カラーリングによる体表モールドはほぼ塗りつぶし、シールは金色という構成であった。
ただとにかく“上から下まで真っ黒、ところどころ金色”だった。
大獣神からギンガイオーの間に、『超合金魂マジンガーZ』のブラックバージョンというものが発売されているが、この商品はそれより以前、ゲームセンターのUFOキャッチャー系プライズ商品として登場した「スーパーロボット大戦・アクションロボ」のブラックバージョンのカラーリングを参考にしている。
正確には、これはブラックバージョンではなく“ガンメタルバージョン”。
焼鉄色やダークシルバーなどのいわゆる「黒に近い金属色」を中間カラーに配し、本来のカラーのモノクロ反転的な彩色を行う、といった手法。
ガンメタル風塗装にゴールドのアクセントを加えた魂Zの跡を継ぐように、超合金DXギンガイオーも同パターンの色彩で登場した訳だ。
例外的な存在は『DX超合金・ブラックゴッドライディーン』だろう。
こちらは黒の成形色及び亜鉛合金パーツの黒塗装に加え、翼や角、頭頂部や足のラインパーツがクリアオレンジで作られており、かなり特殊な印象を与えていた。
以上の事から、ブラックバージョンといえどもかなりカラフルになってきていると言えるのだ。