第55回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「仮面ライダークウガ・グローイングフォーム」

2010年6月20日 更新

 SHF仮面ライダークウガ、フルコンプに向けて次々に商品が発売されます。
 しかし、よりによって「最強にして最悪(装着変身パッケージのコメント引用)」が発売されたのと同じ月に「最弱にして最悪(性能的な意味で)」の方まで出てしまうとは!
 というわけで、基本形以下のグロイクウガのレビューです。

■ S.H.フィギュアーツ 仮面ライダークウガ・グローイングフォーム

 2010年2月26日〜4月12日まで、「魂ウェブ」上にて受注受付。
 2010年6月17日配送開始(18日頃到着)。
 同時販売物はないが、到着日前後に「仮面ライダーWファングジョーカー」の二次出荷分が販売。
 この5日前に「SHF仮面ライダークウガ・アルティメットフォーム」が発売、8日後に「SHF仮面ライダーディケイド激情態」「同・キュアパイン」が発売。

 全高は約14.5センチ(ツノ含まず)
 合計5種9個の手首付き。
 台座などのオプションはなし。
 価格は税込2,625円。

 仮面ライダークウガ・グローイングフォーム。
 2000年、長野山中の九郎ヶ岳で発見された謎の遺跡から、ベルト状の装飾品を着けたミイラ入りの棺が発掘されるが、調査団は後に“未確認生命体第0号”と呼称される謎のバケモノに全滅させられた。
 長野県警によって事件調査が行われる中、現場に無断立ち入りしようとする男・五代雄介がいた。
 現場を仕切っている一条刑事に咎められる五代だったが、彼は現場から運び出されるベルト状の装飾物から、不思議な戦士のイメージを感じ取った。
 後に、未確認生命体は地の底から無数のバケモノ(グロンギ)達を蘇らせ、そのうちの一人・クモの怪人“ズ・グムン・バ”が長野近郊に出現する。
 長野県警を急襲するグムンを前に、その場に居合わせた五代はイメージに従い、ベルト状の装飾物を装着。
 その途端、彼は白い装甲をまとう戦士「クウガ(グローイングフォーム)」に変身した。
 
 後のグムン&新たに出現したコウモリ怪人ズ・ゴウマ・グとの戦闘において、より能力の高い赤色のマイティフォームに変身する五代だったが、この白い姿は「一時的にパワーダウンした状態」として何度か登場する。
 緑色のペガサスフォームに初めて変身した際、その超感覚能力に苦しめられタイムオーバーした際や、キノコ怪人メ・ギノガ・デ戦の影響で仮死状態になった五代が、復活後ギノガのクローン体と闘う際にこの姿となり、三発のキックで仕留めた。
 単にパワーダウンしている時だけではなく、戦士として闘う心構えが不充分な際にもこの姿となるようだが、五代は初回以外は(先のギノガ・クローン戦を除き)すべて色付きのフォームで闘っており、その即応性と決断力の高さを証明した。

 「仮面ライダーディケイド」に登場するDCDクウガは、事実上この姿には変身していない(登場時には既にフォームチェンジを使いこなしていた)。
 しかしグローイングフォーム自体は登場しており、3話でン・ガミオ・ゼダの攻撃をディケイドと共に受けて変身が解けるシーンで、ほんの一瞬だけこの姿になる場面が存在する。
 ただしこれはグローイングフォームのスーツが登場したわけではなく、マイティフォームをCGで変色させただけのようで(そのためツノの長さがマイティのまま)、人によってはノーカン扱いされるケースもあるようだ。

 さて、グローイングです。
 装着変身時代は、マイティフォームとのセットで販売されていました。
 基本的にはマイティのリデコ(ツノのみ別形状)なのですが、実質的・感覚的にはほとんどリペイント。
 そのため、特徴やポイントはすべてマイティフォームに準拠します。

 前面・背面比較。
 というわけで、色以外ほとんど変わり映えがなく、個性に乏しいのが残念な形態です。
 最も、それはデザイン面や劇中の活躍の問題であって、商品そのものの難点ではありませんけど。

 顔アップ。
 ツノはかなりコンパクトになっています。
 実際の撮影用マスクは、「ここまでやるか」というくらい小さいのですが、フィギュアーツはその辺適度な調整を行い、他フォームと並べてもあまり無理のない範疇に留めているようです。
 目のオレンジは、写真で見ると若干発色が強めかなと思われる感もありますが、実物はさほどではありません。
 
 ところでSHFクウガ系は、なぜか頭が浅く首にはまっている場合が多いようで、今回も例外ではありませんでした。
 もし首が長すぎると思った人は、改造をする前に一度頭をグッと押し込んでみてください。
 明らかに一段階「カチッ」という手応えがあり、確実にハマるのが実感出来ます(マイティ以外も)。
 このページの画像はすべて頭部を押し込んだものですが、さほど違和感はないでしょ?

 こちらは、マイティフォームの頭部参考画像。
 SHFクウガのツノは、全体的にかなり大振りに作られていることもあり、一時は「グローイングのツノの大きさが本来のクウガのツノの大きさになるんでは?」と揶揄されたりしていました。
 でもまあ、実際はこんなところなんじゃないですかね?

 クウガ・マイティフォームと前面比較。
 写真だとマイティの方が若干背が低く見えますが、実際は同じ身長です。
 ツノと色が違うだけで後は同じ形なのに、こんなに印象が様変わりします。
 尚、マイティのベルトの黒い線は筆者がスミ入れしてしまったからで、実際はグローイングと同じような仕様なので念のため。

 グローイングは、劇中だと目とベルトの色がマイティと大差ないように思えますが、設定上は色が薄くなっています。
 今回はそれを再現しているため、複眼と同じくアマダム部分はオレンジ色に。
 違和感があるかもわかりませんが、これは装着変身でも踏襲していました。
 今回、タイタンの紫ボタンが妙に青っぽくなっており、以前のものと比較すると違いが明らかです。
 細かな差異ではありますが。

 付属手首構成は、マイティフォームと全く同じ。
 それどころかブリスターまで共通です。
 当然サムズアップもあり。

 という事は、当然武器持ち手もあるわけで、それを利用すればバイクにも搭乗可能。
 グローイングにバイクと言ってもピンと来ませんが、とりあえずトライチェイサーに乗せてみました。

 撮っていてふと思ったんだけど、バイクアクションは五代の2000の技の一つでしょうから、グローイングでもバイクを使った格闘?戦は出来るんじゃないんですかね?
 決め手にはならないでしょうけど、バイクを叩き付ける攻撃とか使えばグローイングでもそこそこ戦えそう?

 かっこいいポーズも勿論あるのですが、どちらかというとグローイングは「ピンチや苦しんでる様子」を再現する方がしっくり来るようにも思えます。
 ああ、白背景に白ボディだから、画像加工が大変だぜぇ。

 龍騎ブランク体、電王プラットフォーム、ディケイド&ディエンド変身途中、W変身解除時など、通常スタイルと異なる色味の不完全形態は多々ありますが、それらの中ではグローイングの存在感は結構突出している気がします。
 いえ勿論、龍騎ブランク体には到底及びませんが。
 異論は認めry

 グローイングキック。
 メ・ギノガ・デのクローン体を倒したキック(ポーズは劇中と違いますが)。
 一回じゃだめだから三回繰り返すって所が、いかにもグローイングっぽくて好きでした。
 普通なら一発で利かなかったら諦めて別な手段への切り替えを考えそうなものですが、さすがは機転の利く五代といったところですか。
 まー他にやりようがなかったとも言えますが。

 可動範囲の都合上、相変わらずキック後のポーズは再現不可能なんで、なんちゃって再現。
 キノコ怪人の代役に使えそうなのが手持ちに見当たらなかったので、別撮影で使用していた“未確認生命体第四号の人工複製体(の強化型)”を犠牲にしてみました。

 先日発売された「SHFクウガ・アルティメットフォーム」と合わせて、白黒対決。
 7月のン・ダグバ・ゼバ到着までこれで凌ぎましょう。

 無理がありました。

 真面目にアルティメットフォームと比較。
 最弱と最強、同一人物とは思えない変わりっぷりです。
 身長については……もう前回語り尽くしたからいいか。

 先にも書きましたが、グローイングはなんとなく寝そべらせたくなってしまいます。
 一番強い人と一番派手な人と並べると、かなりの違和感が生じますがそれもまた楽し。

 グローイングって、なんか、可愛いよね。

【買ってみて一言】

 出来については予想の範疇を超えることはほとんどなく、良くも悪くも無難な出来と言えます。
 マイティとほとんど同じ商品なので当然なのですが、あまりにも変化がなさ過ぎて拍子抜け、と思ってしまう人も多いかと思われます。
 個人的には、ドラゴン他の他フォーム販売時にどさくさ紛れで一般販売して欲しかった気もするのですが、あれらが一時余りまくっていた状況を考えれば、やっぱりWEB限定で正解だったのかもしれません。

 「魂フィーチャーズ」で展示されて以来、大方のファンが予想した通りWEB限定商品となったグローイングフォーム。
 これといって突出した個性がない事もあってか、今回はあまり大きな話題になることもなく、また配送後のヤフオク高騰化といった事態も全くありませんでした。
 それどころか、配送直後は「SHFライジングイクサ」同様定価割れ相場になりつつあったようで、これを利用すれば受注を忘れた人でも結構安心して購入出来たようです。

 「SHFクウガ・マイティ」は頻繁に再販されているため、それと合わせる意味で買ってみる、というのも楽しいかもしれませんし、ここまで来た以上クウガ全フォームを集めてみせるという人にとっては、どうしても外せない商品になります。
 ただし、逆にいえばそれくらいしかセールスポイントがないというのも、悲しい所です。
 いえ、決して悪くはないんですが……グローイング自体がなんとなく好きだって人もいるでしょうし。
 ともあれ、同じ月に発売されたアルティメットフォームとは全然違う待遇であんまりという気もします。
 含み笑いを込める的な意味で、ですが。

 これで、「仮面ライダークウガ」に登場したフォームは、残すところあと3体になりました。
 ライジングタイタン・ペガサス・タイタンがフィギュアーツ化して、全てのフォームが揃うのはいつになるのでしょう?

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