第35回 ■ バンダイ 超合金魂「ガンバスター」1

2007年1月3日 更新

 超合金魂。
 97年のマジンガーZから始まり、約十年間に渡ってスーパーロボット系を中心に商品を繰り出してきた(途中、一部リアルロボット系もあったけど)バンダイのブランド。
 それが、ついにとんでもないものを出してしまった。

 まさか「トップをねらえ!」から持ってくるとは!!
 いくらスーパーロボット大戦シリーズに出たからって、16年以上前のOVA作品ですぜ。  ガンバスター! ガンバスター!!
 純粋な人類の力で作り出された、恐らく過去最強クラスであろうと考えられる無敵のスーパーロボット。
 たった3話限り(しかも各30分)にして、屠った敵の数、数億!
 数多くの科学兵器と、二人の少女パイロットの「 努 力 」と「 根 性 」を武器に、宇宙怪獣軍団に立ち向かう!
 嗚呼、まさかこれが、超合金玩具として手に入る時が来るなんて…来るなんて!

 ありがとうバンダイ!
 今はただ、その一言しか出てこない。
 装着変身BLACK系の大チョンボは、これで少しだけ緩和してあげよう。

 
  

超合金魂 ガンバスター 定価18,900円

  • バスターマシン1号(上半身構成)
  • バスターマシン2号(下半身構成)
  • 1号用ディテールアップパーツA×2
  • 1号用ディテールアップパーツB×1
  • 2号用ディテールアップパーツ×1
  • 指可動拳×2
  • 交換用拳(開き手)×2
  • 交換用拳(握り手)×2
  • 交換用拳(腕組用)×2
  • 交換用拳(バスターミサイル付)×2
  • 交換用足首(プロポーション重視型)×2
  • 交換用手首(ナビゲートアイコン展開)×1
  • 縮退炉パーツ(6話使用)×1
  • バスタートマホーク・小(収納用)×1
  • バスタートマホーク・大×2
  • バスタートマホーク接続用グリップ×1
  • バスターホームラン・小(収納用)×1
  • バスターホームラン・大×1
  • バスターシールド×1
  • バスターマイト×1
  • スーパーイナズマキック用キャタピラパーツ・大
    (可変足首用)×2
  • スーパーイナズマキック用キャタピラパーツ・小
    (プロポーション重視足首用)×4
  • ジゼル(RX-7・アマノカズミ機)
  • ディスプレイ台(全24パーツ構成)
  • 取扱説明書
  • 作品解説

●作品概要

 「トップをねらえ!」は、88年からOVAで展開されたガイナックス作品(「王立宇宙軍」の次作)で、全6話構成(オリジナルビデオソフトは各2話収録全3本)。
 TV版については後述。

 タイトルが示す通り「エースをねらえ!」と「トップガン」をベースにしたSFパロディ作品のように見えて、後半は怒涛の熱血シリアスSFドラマに化けるという二面性を持っている。
 第一話だけを見る限りだと、「美少女達が主役」「乳揺れ全開」「微エロ展開」「安直なパロディ」に思えてしまうが、実はそれがすべて物語の真の姿を隠すためのベールに過ぎない。
 そのため、予備知識なしで全話連続で観た人は、凄まじい衝撃を与えられた。
 各種設定・科学考証・SF考証にも入念な気配りがされており、あらゆる劇中要素に膨大な量のSF知識・科学知識が盛り込まれている。
 かと思うと、所々で他アニメ・特撮・古典&有名SF映画のバロディネタも豊富に詰め込まれており、一時は元ネタ探しのために本編を何度もマラソン視聴したというファンが居た。
 また、主人公のタカヤノリコに「ややアホで弱虫な子」「アニオタ・特オタ(しかもかなりヘビー)」「いじめられっこ」という特異な要素を与えているのも本作の特徴で、そういった少女が最後は地球を救ってしまうという超絶展開は、様々な意味で驚かされる。
 なお、タカヤノリコ役の日高のり子氏は、この作品で「男性声優顔負けの熱い叫び声」に目覚め、“女性声優なのにスーパーロボットパイロットとして申し分ない迫力”を生み出す事に成功した。
 その一端は、OVA「炎の転校生」の真・主題歌間奏部分の台詞でもうかがい知れる。 

 その他、本作は作劇・演出のレベルも高く、大変に見所が多い。
 第四話ラストでは、あのめちゃくちゃ軽いノリのOP「アクティブ・ハート」が流れる場面で泣けてしまうというほどの神演出で、ここから本作の真の姿がだんだんと露見していく。
 特に、OVA最終巻収録5・6話の内容は一部マニアの間では伝説化しており、第一話の内容からはとても想像出来ない感動巨編になっている。
 ガンバスターがメインで活躍したのは、4話終盤以降。
 劇中では対宇宙怪獣決戦の最終兵器いわゆる“虎の子”として扱われており、主人公・タカヤノリコとその先輩“お姉さま”アマノカズミは、そのパイロットになるべく特訓されていた。  一方TV版だが、こちらは昭和63年9月17日から平成元年3月11日まで全25話(15話は総集編)放送されたにも関わらず、OVAの知名度に対してほとんど存在が知られていない。

 オープニングは、OVA版とはまったく異なる「マジンガーZ」を彷彿とさせるイントロダクションで、中江真二氏の渋いナレーションが冴える「ある意味直球ストレート」な素晴らしいものだった。
 オープニングで名前を連呼されている主役ロボの初出撃が14話という、「超獣機神ダンクーガ」や「ゲッターロボ號」並の登場の遅さも話題になった。

 ただ、放送内容の問題から後に12話が欠番となったり(一部視聴者団体からの抗議を受け、永久封印されたらしい)、作品版権問題から(詳細は未だに不明)再放送がたった一回、しかも同ネット局内のみ行われたりと、あまり嬉しくないトラブルも多く発生した。
 ソフト化のみならず、作品の宣伝スチールも極端に乏しいため、一時は「TV版は存在そのものがデマである」という噂まで流れた。
 また映像そのものが希少な上、所持者が少ないためYouTubeや各種P2Pソフト上でも出回る事は滅多になく、現在では「怪獣マリンコング」「サンダーマスク」「旧アニメ版ドラえもん」に並ぶ視聴困難作品として扱われている。

 なおTV版については、「ウルトラ・サウンド・コレクション トップをねらえ!−田中公平の世界−」のライナーノートが現状数少ない詳細資料のひとつとなっている。

 こちらには全話放映リスト・製作スタッフや音楽パートの使用詳細、当時の制作事情等が記されており、本来の音楽CDとして以上の価値がある。

 幻の作品とするにはあまりにも惜しい内容のため、是非ともソフト化或いは画像資料化を望むものである。

 ――なんて書いてたら一部で本気にする人が出て来て、正直ビビった。

●劇中のメカニック

 超光速万能大型変形合体マシーン兵器・ガンバスターは、全高240メートル(頭頂部200メートル)、全重9800トン。
 バスター合金・スペースチタニウム製で、アイス・セカンド(常温で重力縮退を起こしている氷の同位体結晶。劇中解説あり)を燃料に大型縮退炉を稼動させ、超絶戦闘能力を発揮する。
 第四世代超光速大型宇宙船技術により作り出された、超光速推進機関バニシングモーター搭載の2機のバスターマシンが合体する事で誕生する。

 1号機パイロット・タカヤノリコがメイン操縦を担当し、2号機パイロット・アマノ(後にオオタに改姓)カズミが銃火器・武装管理を担当。
 なお、6話で行われていた「カルネアデス計画」ではメインパイロットはユングフロイトとなっており、最終決戦時に再びカズミに譲られた。
 バスターマシン形態でそれぞれ光速飛行が可能な上、合体後も亜光速戦闘(光速の99.9%)が可能という恐るべき存在で、全身に(外観からは絶対想像できないほどの)多数の武器を秘めている。
 1/30000に圧縮された木星内(バスターマシン3号/BH爆弾内部)でも活動が可能という常軌を逸した耐久性を持っており、さらに「イナーシャルキャンセラー(慣性中和装置)」により強大な物理運動を無効果させてしまう性能まで持っており(4話の対高速宇宙怪獣戦で使用)、伊達に「無敵」を名乗ってはいない。
 開発者は、ノリコやカズミのコーチ・オオタコウイチロウ。
 「一人ひとりは小さな“火”だが、二人合わせて“炎”になる。炎となったガンバスターは、無敵だ!」という劇中の台詞を証明するかのような超活躍は、ロボットアニメ史に残る素晴らしいものになった。

 ガンバスターは、そのデザイン各所に往年のスーパーロボットの意匠が見て取れる。
 ゲッタードラゴン風の頭部、イデオンを思わせる肩、コンバトラーVを思わせる腰・両脚のBリターン型パーツ等が代表例。
 OVA版最終回で胸部から露出させた大型縮退炉は、原作版ゲッターロボの巴ムサシ特攻シーンの「ゲッター炉露出」のオマージュなのは有名。

 各種武装についても同様で、バスタートマホークやバスターシールドはゲッターロボ、バスターミサイルはジャイアントロボ(特撮版)、バスターコレダーは、名称のみだがマッハバロンから用いられている。
 また、バスタービームはウルトラセブンのエメリウム光線Bタイプの構えの上、タロウのストリウム光線風の「集光エフェクト」がかけられている(筆者はタロウモチーフ説には同意しかねているが…)。
 また、一部ではスーパーイナズマキックは仮面ライダーの「ライダーキック」がベースではないかという説もあるようだが、こちらについては定かではない。

 ガンバスターは対宇宙怪獣戦闘用の最終兵器として開発されたもので、第4話の時点では戦艦エクセリヲン内部で建造が進められていた。
 この回ではタカヤノリコが単独で搭乗、限られた機動時間内で高速移動する宇宙怪獣を単独撃破する事に成功。
 第5話にて、ようやくアマノカズミとペアで搭乗、宇宙空間で大激戦を繰り広げた。

 第6話では、第五世代宇宙戦艦エルトリウムを中枢とした「銀河中心なぐりこみ艦隊」の一戦力となる(本編中特に描かれていないが、後にオオタカズミが合流するまではノリコとユングがガンバスターを操縦していた)。
 銀河中心部ごと宇宙怪獣軍団を殲滅してしまおうという「カルネアデス計画」に参戦したガンバスターは、計画最終段階において起爆に失敗したバスターマシン3号内に侵入。
 自らの大型縮退炉で信管起爆を補助し、銀河中心を消し去るほどの爆縮に巻き込まれた。

 しかし、ガンバスターは上半身のみになったまま宇宙を彷徨い続け、12,000年後、地球に帰還する。

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●バスターマシン1号

 垂直離陸型の大型宇宙船。
 スマートな形態のロケットで、古典SFメカニックの雰囲気を漂わせるデザイン。
 こうして見ると、とてもこんなのがロボットの上半身になるとは思えないが…。

 製品は、全長約24センチ。
 これだけでも、かなりデカい!
 これは2号も同様だが、プラ部分が多い割にずっしりと重量感がある。
 1号本体のみだと、脇や底がスカスカで今ひとつだが、ディテールアップパーツを着ける事で劇中のイメージに近いものになる。

 ディテールアップパーツの着脱は人によって賛否あるかもしれないけど、本商品に限っては結構重要だったりするので、素直に着けた方がいいかも。
 1号の場合は、後述する問題「パーツ配置ズレ」の影響を緩和させる効果があったりするので。

 垂直離陸型なので、1号にはランディングギアはなし。
 四枚のウイングは可動。
 また取り外しも可能(というか梱包時は外されている)。

 取り外しがしやすいように、バーニアパーツ部がバネで伸縮できる構造になっている。
 ガンバスター時には余剰となる部分なので、必要に応じて取り外してもいいかも。
 ただし、基部破損には充分に注意。
 このウイングパーツ自体は、1号形態時「ガンバスターの腕装甲を抱える役目」がある。  1号単体では、特にギミックはなし。
 劇中でも、特に何もなかったから当然だけど(ビーム撃ってる程度だったし)。  今更の話だけど。
 ガンバスターは、本来「こんなの絶対に立体再現は無理!」といわれるほどのムチャクチャ変型合体。
 その変型行程を見ているだけで「なんでこうなるねん」とツッコミたくなるほどだった。
 なので、バスターマシンのスタイルとギミックには、多くのアレンジが導入されている。

 本商品をいじるにあたっては、まずそれをしっかりと踏まえ、認知する気持ちが必要である。
 要するに「こんなの劇中と違う!」は禁句だということだ。

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●バスターマシン2号

 通常離陸型の大型宇宙船。
 こちらも1号と良く似たスタイルだけど、ランディングギアがあったり大きな主翼があったりと、さりげに渋いデザイン違いになっている。

 製品は、全長約22センチ強。
 これも、こうして見るととても下半身になるとは思えない…

 2号のディテールアップパーツは、底面のみ。

 実は、2号のランディングギアの前輪部はこのディテールアップパーツにしか付いていないため、バスターマシン形態で飾る場合は使用必須になってしまう。
 また、パーツ自体を外さないとランディングギアの収納もできない。
 この辺は人によって難色を示しそうだが、パーツ着脱はそんなに辛くないし、また「両脚装甲のズレ」を抱え込み緩和させる役目もあるので、意外に重宝させられる。
 よく見ると、ガンバスターの尻部分にあたるパーツが二枚重ねになっているのだが、これはアレンジの都合仕方のない処理だと割り切るべきだろう。

 ランディングギア後輪はきっちり収納可能。

 ただし、ディテールアップパーツがないとランディングギアどころか主翼全体に負担をかけかねないので、飾る場合はくれぐれも注意を。

 こちらも、2号機単体ではギミックほとんどなし。

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●「お願い…カズミ! 戦ってぇっ!!」【1号合体準備】

 「HoOO!!」
 脳内イントロスタート!

 まずは、ディテールアップパーツを取り外して。

 くじけちゃうわ、だめな私
 傷だらけのハート、隠した涙がひりひり

 両側面部の主翼?を展開させ、尾翼をまとめる。

 機首を左右に開く。
 次に、メインスラスター部を持ち上げ、繋がっている上面装甲をめくり上げる。

 装甲下から出てくる「腕」と「肩」を所定の位置に動かす。
 同時に、肘も回転させて前腕の位置を調整。

 両肩と両腕が一応の完成。
 さて、腹部と、余ったスラスター部分をどう処理するか…

 上面装甲とスラスターを折りたたみ、さらに、本体内側に収まっていた腹部パーツを180度回転。
 これにより、上面装甲とスラスターは位置交換され、先程「腹部」のあった位置に入り込む。

 本体上部にあった装甲(なんとなくキャノピー風に見える部分)の裏側にあるジャッキを伸ばして、ガンバスターの頭部をまたいで背面部まで移動させておく。  1号の第一次変型完成。
 頭部と拳の変型は締めで行うという事が世界的常識のため、今はまだ保留。

※ポイント
この時点でスラスターの四枚のウイングを取り外しておくと、スタイル重視型にしやすくなる。

●「わかったわ…ノリコ! 合体しましょう!!」【2号合体準備】

誰もみんな、はじめはそう
 諦めたらダメよ、ついて来なさい、しっかり!

 まず、上面装甲を外す。
 機体後方に展開していくので、移動させながら装甲を二つ折りに。

 バーニアの合間をくぐらせて、底面方向へ移動。
 これに合わせて、主翼も移動させておく。

 ランディングギアを収納しているスラスターは、180度回転させておく。

※ポイント
この上面装甲は、基部から丸ごと取り外し可能。
この時点で取り外しておくと、設定に近い背面スタイルに調整できる。

 装甲下から出て来た両脚を開き、機首を展開。
 各脚装甲を開いて…

 内部シリンダー部にあるロックスイッチを押しながら、すね全体をスライドさせる。

 すると、太腿が露出。

 左右の脚を伸ばしたら、次はつま先の変型。
 ここの変型が凄い!
 文字で書いてもこの凄さはわからないと思うので、連続写真で。

 両脚の角度を整えたら、バーニアを内側に寄せておく。
 これが、上半身との合体ジョイントになる。

●「お姉さま!!」【合体!】

とても出来ないわ

自信を持つの

ドキドキしてくる

頼っても無駄よ!

 1号腹部底面にある穴に、2号のバーニアを差し込む。
 内部でロックがかかり、胴体結合!

 瞳閉じて、祈るように…

 頭部展開!
 設定とやや違うけど、このシチュエーション再現が嬉しい!!

 両前腕の装甲展開。
 二段階に縮められている腕を伸ばす。

FIRE(FIRE)…FIRE(FIRE)!!

今―― 命 を 燃 や す の !

愛を止めないで! 走り続けるの!
 胸に抱き締めた 光灯すまで!

「「ガンっっっっ! バスっっっ! タアァァァッッッッ!!!!」」

RIDE-ON…RIDE-ON…RIDE-ON!!

RIDE-ON…RIDE-ON…RIDE-ON!!
 RIDE-ON!

 完成! ガンバスター!!

 感無量!
 見よ、偉大なる勇姿!!
 18年! 18年間待ち焦がれた夢が、憧れが! 現実となってここにある!

 今、俺の手の中には! 「伝説」という名の感動が迸っている!!!

 そう、大好きなスーパーロボットが立体として、玩具として、今ここにあるという感動!
 これこそが、玩具の醍醐味!!!

 脳内でなんか漏れる。

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●合体システムのアレンジについて

 ガンバスターは、当初変型合体を考慮せずにデザインされたので、劇中の合体プロセスは大嘘の塊だ(というより、庵野監督がデザインを見た時点で分離・合体を提唱したらしい)。
 そのため正確な再現は絶対不可能で、本商品のギミックも大幅なアレンジが施されている。
 これ以前に発売された完全変型ガンバスター(スタジオハーフアイ)も、当然ながら各所にアレンジが施されている。
 そもそもが物理的に無理のありすぎるギミックなので、以降は、アレンジが加えられている事そのものについては問題ではないと定めて話を進めさせていただきたい。

【ギミックアレンジ】

 以下に、アニメ版ガンバスターの変型プロセス→完成までの流れをすべて記述する。
 これにより、本編の合体がいかに二次元の嘘をついているかがよくわかる。
 各項目は、一つの場面内で発生する動き(画面が切り替わらないで連続で行われる動作)だ。
 魂ガンバスターの合体プロセスと比較していただきたい。

※前提:バスターマシン1号と2号の機体断面は、長方形の両端に半円を付けたような形状(以下は角丸四角形状と表記)になっている。
ガンバスターの腕や脚のような円柱状パーツは、初期段階ではどこにも存在しないという事をあらかじめご理解を。

1号1回目

  • 機体中央部(ガンバスターの胸板と背面装甲にあたる部分)を残して、機首からスラスター部までがまとめて一気に二分割され、左右方向にスライドする。
     この時点で、バーニア周辺のウイングはすでに消滅している。
    (この時、分割された機体内部から大量のワイヤーケーブル状パーツが露出するが、これは後の変型行程でどんどん消えていく)
    この段階の1号には、ガンバスターの腹(或いは上腹部)に相当する箇所は見当たらない。
  • 横に伸びた機体(肩と腕が一体化している状態のパーツ)がジャッキでさらにもう一段階横に伸びる。
    さらに、ジャッキ周囲を覆い隠すように赤い装甲(ガンバスター胸板の端部分)が中央側からスライドして、隙間を埋める。
    (この行程の直前まで、赤い装甲部分はどこにも存在していない。ここで突然発生する)
  • 左右に分割された機体の下半分断面部(ガンバスター前腕から上腕の内側にあたる部分)の上下から装甲が出てきて隙間を埋め、さらに少し膨らんで段差を埋める。
    出てきた装甲の継ぎ目が消える。
    (この時点で腕はまだ円柱状ではなく、角丸四角形状をしている)
    バーニアの位置に拳の指が覗いている。
    腕内側の装甲が膨らむ直前に、一号の主翼?が展開し、肩のトゲトゲが屹立する。
  • 機首内側部分(ガンバスターの尖った肩部)に、機体後方からシャッターが伸び、断面の穴を埋める。
    (この時、画面には左肩先端側が映っており、内部にバスタートマホークとホームランが見える。その間たったの11フレーム…約0.4秒前後!)

     次に、ガンバスターの内肩部分(肩胛骨の辺り)の赤い装甲の一部が盛り上がり、胸側面部の赤い部分との段差を埋める。
     機体上面の先端部(ガンバスター背面装甲)が背中に回り込む。
    (この時、いつのまにか胸上部のオレンジラインが出現している。このラインはここで初登場)
     内肩部分のアーム(背面に回った装甲を支えている金属製のパーツ)がきゅっと引き締まり、内肩部に密着。
     ガンバスター頭部が、中から生えてくる。
    (この時点で、ガンバスターの腹部に相当する部分は画面上に見られない)

 ここで、一号の変型はひとまずおわり。

2号1回目

  • 二本のスラスターが180度向きを変える。
    (スラスターを支えているウイングパーツの可変は、画面からは確認出来ず)
  • カズミの横顔が映ってセリフが入る(以下しばらく変型シーンに台詞が被る)。
  • 機体装甲(ガンバスターのすねにあたる部分)が機首方向にスライドし、太股が出現。
    この時、すね装甲の移動と連動して、バーニアが引っ込む(まるで引っ張られるみたいに)。
    この時点で、太股・すね部分は円柱状になっておらず、まだ角丸四角形状になっている。
    すね装甲の末端部の中で、機首(つま先)が左右に分割されてそのまま上方に屹立する。

    この時点で、つま先は楕円錐を縦に割ったような形状になっており、足の裏や足の甲にあたる部分は、2号本体外側に向かってカーブを描く形状になっている。
    また、この時点でのつま先はものすごく小さく、内側側面は真っ平ら。
  • バーニア内部から、ザンボットアーム(仮称)が出現し、ツメがぱくっと開く。
    この時点で、機首先端部(つま先)がすでに変型を終えており、尖った先端部(赤いライン付き)が少し見えている。
    (つま先がどうやってこの形状になったのか、過程描写はまったくナシ)

    よく観ると、この直前まで1号と2号は同じ方向に機首を向けて並行飛行しているのだが、このシーンで突然2号の向きが180度転換している。
    (また最初に向きを変えたスラスターの位置が、妙に内側にずれこんでいる)

 ここで、2号機の変型は一旦終了。

1号機2回目

  • 腹部断面部にいつのまにか発生していたバーニア状パーツの中から、(2号のものより小型に見える)ザ(略)アームが出現し、伸び始める。

1号・2号、合体

  • 1号・2号それぞれのアームがかみ合う。
  • 2号機体全体が、一端1号側に引き寄せられて静止する。
    この時、画面では1号のバーニア状パーツの穴が少し見えているので、胴体が合体したようには見えないのだが、次のシーンではすでに腹部が繋がっているので、ひょっとしたらここでドッキングを済ませたのかもしれない。
    ガンバスター腰部前面端にある四つのモールド(変型四角形の模様)が上に飛び出ており、それがシャコン! と縮む。
    (腰の謎パーツは、このシーン以前では特に飛び出ていない。このシーンでいきなり伸びた状態で出てくる。特に合体プロセスに意味なさげなものなので、いわゆるハッタリ効果?なのかも)
  • ガンバスター腹部アップ。
    保護皮膜が瞬時に飛び出し、スカスカの腹を埋める。
    この時、1号の胸装甲の下側が飛び出す。
    (肋骨フレームを隠している胸板パーツの下段部分だと思われる。ただし、ここでは形状がかなり異なっていて、横には広がっておらずむしろ縦長になっている)
    ちなみに、この直前のシーンとこの場面とでは、機体内部に見えている機器類の形状が全然違っている。
    また、各機を繋いだアームらしきパーツも確認できない。
  • 2号スラスターと1号の背面装甲(だと思われる)が、本体に密着する。
  • 膝部分の隙間に保護皮膜が被さる。
    ここで、初めて円柱状になった脚が見られる。
    (当然、角丸四角形から円柱状に変化する行程描写はナシ)
  • 首周りの大きな隙間にも、保護皮膜が被さる。
  • 足の裏からキャタピラが出現し、無限軌道が少し膨らむ。
    (この時点で、すでに足首は本来の形になっている)

 ここで、おおまかな合体はだいたい終了。

合体演出その他

  • アマノカズミ、コクピット移動開始。
  • タカヤノリコ、コクピット移動開始(ここですでに腕組みをしている)。
  • ガンバスター体内透視図風の画面になり、それぞれのコクピットを示す赤い光が胸部左右(正確には、人間で言う胃袋の上方辺り。画面では心臓状のパーツの左右に位置する)に移動する。
  • タカヤノリコのメインコクピットが明るくなる(腕組み解除)。
    ノリコ、スタンバイ完了。
  • アマノカズミ、コクピット移動完了。
  • (2号のものと思われる)コクピット内の各種計器・モニターが次々に点灯し始める。
  • ガンバスターの頭部が展開する。
  • 眼球パーツがせり出す。
    左前腕を前に両腕を重ね、両手首を伸ばす。
    この時、各指は爪を立てるようなポーズになっている。
    (勇者指令ダグオンの、ファイヤーダグオン合体完了時のあの手の動きに似ている)
    右手を掲げ、ぐっと握り締めて電光を走らせる。
    両肘を腰横に引く。
    右腕を上に挙げる(同時に腰を捻り、左膝を曲げる)
    同じ動きを反対の手足で続けて行う。
    左腕を降ろすのと同時に、「ガンっ!」
    右前腕を前に両腕をクロスし、顔を隠す。
    腕を開きながら「バス! タアアッッ!!」

    左下方向からの煽りから、左斜め上からの俯瞰に移行して、顔アップ。

    左前腕を挙げる(まだ叫びが続いている)

    やや右斜め下方からの煽りで、顎下を見るアングル。

    両腕の肘を曲げた状態で一度上に挙げ、すぐに降ろし(ドラムアクションのような体勢になる。両膝も一瞬曲がっている)、四肢を伸ばして全身から閃光を放射する。(ここで叫び終わり)
  • 以降、ノリコのコクピットモニターに映像が投射され、戦闘が開始される。

 以上の点を踏まえた上で、魂ガンバスターの変型処理を見つめ直してみると…

  1. 魂版バスターマシン各機は、角丸四角形→円柱への変型行程をオミットし、上下にプレートをかませる事で機体形状を整えている。
    ハーフアイ版は、前腕装甲を左右互い違いに開いて並行面を作り出すというアイデアを用いている。
  2. 1号の肩と腕をそれぞれ別に可動・変型させる事で機体全体の長さと各関節可動範囲の拡張を両立させた。
    劇中のように肩と腕が繋がったスタイルになると、機体後ろ半分の長さがどうしても確保できない。これはハーフアイ版でもクリアされていない問題。
    これも、変型プロセス途中で「いつのまにか機体が縮まる」という二次元の嘘的処理の影響なので、バスターマシン形態・ガンバスター形態の両立を計ったものとして充分アリなアイデアの一つだと思われる。
  3. 背面装甲をつなぐアームにある程度のフレキシブルさを持たせた事で、機体上面部の装甲を面一にせず、少しずらす事で「胸板のオレンジライン」を自然に隠す事に成功した。
    胸のオレンジラインは色指定ミスではなく、単なる二次元の嘘。
    1号形態時に残留させているとどこのラインとも繋がらず浮いてしまうため、劇中では描かれていないと判断できる。
    ハーフアイ版はこのライン隠しの処理を行っておらず、1号形態でもラインが露出しっ放しになっている。
  4. 頭部収納は、胸板内部に回転する腹部パーツ(兼2号とのジョイント)があるため、収納がオミットされている。
    これは他所のギミックアレンジの影響による結果だが、代わりに可能な限り頭部折りたたみを再現しようとしている上、肩内部に収納しても他に影響が出ないよう絶妙な調整が加えられている。
    対してハーフアイ版は頭部収納を(多少無茶はあるものの)しっかり行っている。
    頭部折りたたみはさすがに無茶なので、頭部側面ツノと頬ガード部のみ畳まれる仕様(ハーフアイ版も同様)。
  5. 2号ボディ伸縮のギミックは、劇中の無茶変型と機体・機首のリーチを両立させるための苦肉の策だと考えられる。
    劇中のギミックのままだと、機首はかなり細長くなってしまい、あまりかっこいいラインにはならない(奇しくもこれを可能な限り再現したハーフアイ版は、結果的にこの問題点をも形にしてしまった)。
    これに対し、機首部分(本来ならスライドしてきたすね装甲の中に隠れる部分)をすべて露出させっ放しにして、全体を足首に変型させるという強引かつ合理的なアレンジを行って機首から機体にかけてのラインを自然な流れに補正している。
  6. 各バーニア部から出てくるアーム接合をオミットする代わりに、2号のバーニア自体を1号のジョイントで挟み込みロックをかけるという、思わずニヤリとさせられるアレンジを行っている。
    また、2号バーニア自体に段差があり、これが1号内部でツメをひっかける役目を果たしている。

 以上、だいたいこのようなものが見えてくる。

 これらのアレンジは、人によって受け付け難いものが含まれているかもしれないが「合体前と合体後のスタイルの両立」を前提とした上での構成と考えると、まんざら悪い物とは思えない。
 何度も繰り返すが「オリジナルと同じには出来ない」事が明確である以上、どこかでアレンジを加えなければならないのだ。
 もしオリジナルが合体プロセスを前提にデザインされていたなら、そもそもこんなアレンジを考慮する必要はなかったのだ。
 アレンジをするにしても、もう少しマイナーなものになった筈。
 その点を踏まえずに、単純に「あまりにも違いすぎるから」と叩くのは筋違いではないだろうか。

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