第163回 ■ グッドスマイルカンパニー「THE合体 セブンチェンジャー」02
2024年11月16日 更新
「THE合体セブンチェンジャー」レビューの続きです。
ここまで、トレーラー・戦車・潜水艦・ジェットモードとそこまでの変型について触れて行きました。
前のページはこちら。
■ジェットモードからの変型:
今回は、基本形態からではなくジェットモードから行っていきます。
翼末端部の胸パーツを取り外します。
先端を折り畳み、機首全体を180度展開してブロック内に収納します。
その後に蓋をします。
グリーンボックスの角度を調整して、安定翼を折り畳んで収納します。
側面の白いプレート一式を畳み、脚部側面に収納します。
キャタピラブロックを引き上げ、主翼を垂直にします。
グリーンボックスとキャタピラブロックを垂直にして、グリーンボックス側面部の蓋を展開します。
更にキャタピラ部にもある蓋も展開し、内部に収納されている脚部パーツを引き出します。
キャタピラから脚を引き出したら蓋を閉じ、グリーンボックス内部からも別途脚部を引き出し、こちらも蓋を閉じます。
脚を四か所引き出したら、伸ばして本体を立たせます。
主翼の折り畳まれていたパーツを展開し、横方向に伸ばします。
脚部内側に収納されている頭部を引き出します。
この頭部、ロボットモードの脚部内側に二分割で収納されています。
こんな厚みの薄い頭部が縦に二分割されてるなんて、さりげに凄い……
頭部横(ロボットモードの足の裏)のプレートを折り畳み、ミサイルランチャーを露出させます。
これを左右で行います。
後ろ足の足首横に、胸パーツを接続します。
赤いパーツは倒しておきます。
グリフォンモード、完成です。
■グリフォンモード:
セブンチェンジャー・グリフォンモード。
まさかの幻獣形態です。
空中戦・強襲用で、レッドガイスト・ドラゴンモードとのドッグファイトは印象深いです。
チェンジャーラケーテというミサイルを頭部横のランチャーから発射可能。
その他、胸パーツをブーメランのように使用する「チェンジャーシュペール」、口からも光線を吐く攻撃が出来ます。
全長約31センチ(嘴から胸パーツ末端まで)、全高約16.6センチ(尾翼?末端)/約22.5センチ(通常開閉時の両翼末端)、最大幅約14.3センチ(胸パーツ)/約27センチ(通常開閉時の両翼末端)。
四つ足と翼のおかげでかなり大きくなった印象があります。
先でも触れたグリフォン頭部。
その厚みは最大でも7〜8ミリしかなく、それでいて縦に二分割可能という精巧な造りになっています。
それでいて、「7段変形」版では不可能だった口を開くことが可能です。
あと、翼の先端を少し折り曲げることで表情付けが非常に多彩になりました。
ミサイルランチャーの蓋は、当然ながら閉じる事も可能。
個人的には、こちらの方が収まりがいいかなと思います。
グリフォンモード・フロントビュー。
バックビュー。
サイドビュー。
他のビークルモードに比べると、非常にプロポーションが良い事がわかります。
以上、グリフォンモードでした。
次もここから変型させて行きます。
後ろ足首から、胸パーツを取り外します。
頭部を収納し、更に翼も畳んで収納します。
本体を180度ひっくり返します。
この状態から脚をそれぞれ180度回転させて、前足を後ろ足、後ろ足を前足に転換します。
ボディ前部から、ジャガーの頭部を引き出します。
ジャガーの首の横に、胸パーツを接続します。
ジャガーモード、完成。
■ジャガーモード:
セブンチェンジャー・ジャガーモード。
地上高速戦闘用の形態。
地上では時速450kmという圧倒的な速度を誇り(トレーラーは280km/h、タンクモードは70.5km/h)、更に飛び道具も豊富というかなり高い戦力を誇ります。
「チェンジャーフラメン」という炎、「チェンジャーグラス」という氷弾攻撃を口から吐き出すのが主力武器。
全長約23.6センチ(鼻先から後ろ足膝まで)、全高約14.6センチ(後部末端)、最大幅約14.3センチ(胸パーツ)。
変型の都合、下半身デブになってしまいましたが、それでも脚は出来るだけ太くなっており、精悍さは損なわれていません。
前足が横に開き、更に足首がボールジョイントになっている為、若干ポージング幅が拡がっています。
接地性はそこまで高くはないのですが。
頭部アップ。
口内には発射口が造形されています。
目も立体的になっていて、かなり精巧です。
ジャガーモード・フロントビュ―。
バックビュー。
サイドビュー。
この角度だと、確かにジャガーっぽさを感じます。
以上、ジャガー形態でした。
変型行程の解説を含め、ロボットモード以外の形態の解説はここまでです。
ここからは、冒頭の続きでロボットモードに触れて行きます。
ジィ〜〜ッ。
■セブンチェンジャー/ロボットモード:
セブンチェンジャー・ロボットモード。
全高25.5メートル、重量75トン。
主要装備は「チェンジャーシュヴェルト」という電磁剣。
その他、キャタピラを伸ばす攻撃「チェンジャーブレッツェン」、胸パーツから「チェンジャーメサー」を発射し、更にブーメランとして使用する「チェンジャーシュペール」、大型大砲「チェンジャーベルファー」等の武装を持つ。
さて、改めてセブンチェンジャーについて触れて行きます。
全長約25.5センチ(頭頂部まで)、最大幅約11.4センチ(両脚)。
全重約560グラム。
まずはスタイルや可動について。
セブンチェンジャー・フロントビュ―。
バックビュー。
サイドビュー。
頭部アップ。
先でも触れた通り、非常に洗練された良い造形です。
手っ取り早く言えばイケメン。
角度によっては勇者的なアングルが再現されるので、とても味わい深いものがあります。
こんな感じで、彫りの深い顔のおかげで素晴らしい表情付けが可能になります。
次に肩や腕の可動について。
両腕は横方向にここまで開き、肩ブロックもせり上がるように可動します。
肘は二重関節で、90度以上曲がります。
手首も内側にある程度傾けられます。
ここまでの変型行程で散々触れて来たので今更ですが、胸の赤いパーツは上に可動します。
これにより、腕の可動範囲が驚くほど拡がります。
変型の都合で、肩全体を前方に大きくスイングすることが出来ます。
これの影響で、疑似的にですが腕組みポーズを再現することも出来ます。
……が、実際にそれっぽく見せるにはかなりの困難と検討が必要です。
またかなり角度限定で、この画像はサンプル写真の腕組みを模し、別角度から撮影したもの。
正直、あまり腕組みしているようには見えません……
別角度からでも腕組みっぽく見せる為には、肘の関節の曲げ具合や胸パーツの突起をどう避けるのかを検討する必要があって、尚且つ下に回る手首を如何に目立たなくさせるかが肝要に思います。
THE合体の勇者シリーズでは初の、腰回転があります。
画像は最大まで回した状態で、こちらも動かす度にカチカチとクリック音がします。
腰のアーマーは前後左右が展開します。
こういうので、後方も開くというのはちょっと凄いかも。
この腰アーマー展開も手伝って、両脚は横方向にここまで展開可能です。
そして前後可動はこれくらいまで可能。
自立させる都合、膝が曲がっているので少々判り難いですが、太腿の位置のみ参照してみてください。
今回の正座チャレンジ!
ギリギリなんとかいける……?
横から見るとこんな感じ。
膝の曲げ具合の参考にもなるかも。
足首の前後可動幅が案外ないので、これが限界となります。
太腿は根元から180度(※360度ではない)回転可能で、やはりクリック可動です。
足首は前方向に若干可動、横方向・後方へは殆ど動かせません。
その為、これ以上脚を拡げてしまうと、足首が綺麗に接地出来なくなります。
セブンチェンジャーは膝下が長いので、実は片膝立ちが苦手です。
実際にやってみると、上体がかなり大きく傾いてしまいます。
剣を杖のようにして……というのも、これまた剣が長すぎてイマイチ決まりません。
或いは角度限定かも?
交換手首は二種類付属します。
まずは平?手首。
正確には平手というより表情のついた手首で、薬指と小指が曲げられています。
左右共に付属します。
もう一種は武器持ち手で、左右共に付属。
保持力はかなり高く、また剣のグリップが長いこともあって脱落の心配はありません。
左手で剣を持たせることも出来ます。
肩の自由度の高さのおかげで、両手持ちも余裕で可能です。
ただし、さすがにこの状態から腕を頭上に上げるのは不可能です。
付属武器「チェンジャーシュヴェルト」。
全長約26.2センチ、刃渡り約19.5センチ、最大幅約6.5センチ。
かなり大振りな剣です。
手首のホールドもしっかりしています。
THE合体「ダ・ガーンX」付属の剣「ダ・ガーンブレード」との比較。
刃渡りと形状がかなり異なることが判ります。
肩と腕の自由度が高い為、剣を構えたポージングも気持ち良くバシバシ決まります。
ただし、調子に乗って胸の赤いパーツを破損させないように注意が必要です。
まあ、腕や肩を動かす前に一旦胸パーツを取り外し、後で再接続させる手もあるんですけど。
「チェンジャーシュヴェルト」と付属手首を飾ることが出来る台座が付属します。
台座の大きさは約15.5センチ×約4.8センチ、高さ約5センチ。
支柱二本と台座の計3パーツ構成です。
THE合体「ダ・ガーンX」との比較。
手前にあるのは、同品付属の「ダ・ガーン」。
THE合体「ガ・オーン」との比較。
意外とガ・オーンが小さめなのがわかります。
最後に、「グレートダ・ガーンGX」との比較。
グレートダ・ガーンGXの頭頂部までの高さが約28.4センチなので、セブンチェンジャーが単体でかなり大きいことがわかるかと思います。
以上、THE合体セブンチェンジャーでした。
今回も非常に長いレビューとなりましたが、お付き合い本当にありがとうございました!
【総評】
造形は最高、可動も優秀。
変型も非常に凝っており、加えて多彩な可変システムを搭載。
更に更に、変型後のスタイルも優秀。
ここに加え、部品の耐久性も高く初期不良の報告も殆どない。
そして何より、劇中とは全く異なるスタイルにも関わらず、むしろ劇中よりもカッコいい印象を与えるプロポーション。
これだけ良い点がてんこ盛りな訳ですから、そりゃあ評価も必然的に高まります。
個人的な評価ですが、ここまで褒める所ばかりで問題点があまり見当たらない玩具というのは、そうそうありません。
そう感じられてしまうくらい、このTHE合体「セブンチェンジャー」は凄い商品です。
先で“過去数年間の中でも最高傑作の一体”と書きましたが、これ決してオーバーな表現ではありません。
確かに「ここをもう少しこうすれば」と思える点もあるにはあるのですが、それを挙げたとしても微々たるもので、同時に「いや、今のままでもまぁいいか」と思えてしまう程。
そのくらい、各部の造形・可動・ギミックが考え抜かれているのが素晴らしいです。
というか、自分でも褒め過ぎでは?! と思えてしまう程、本商品はドエライオススメ品なのです。
その性質上、合体ギミックがないにも関わらず29,000円と価格が高めですが、実際に手にしてみるとそれでも安い! と思わされるくらいです。
まぁ、当時品がバカみたいな価格に跳ね上がっているので、相対的に……というのも若干ありますが。
……と、盲目的に褒め湛えてもアレなので、一応問題点にも触れて行きましょう。
こちらで確認出来ていない話なのですが、一部パーツにクラックが入っていたというケースがあり、しかも黒いパーツ部分に発生という情報をSNS上で戴きました。
黒いプラパーツの破損というと、昔あった自然損壊問題を思い出されますが、一応頭の片隅に留めておきたいものです。
もう一つ、タンクモードで触れた白化の問題があります。
こちらも注意が必要ですが、幸いというか限定された形態でのみ目にする部位であるため、人によっては気にならないかも? という見方も出来るかもしれません。
ただ、大した回数変型させてないのにいきなり白化って、やっぱり気分の良いものではないですよね。
更に、胸の赤いパーツなど可動させる際のミスで折れそうになったりする場合もあり、少々怖い時があります。
まあこれは、取扱い注意に越したことはないのですが、本商品はロボットモード時に大きく肩がスイング出来る為、より気を付ける必要があると思われます。
そして最大のポイントは、本文中「グリーンボックス」と表現していた両脚側面のパーツです。
これがとにかく煩い! 本当に煩い!!
他の部位のクリック関節のカチカチ音はまだいいんですが、ここだけ異常な程でかい音が鳴るので、環境次第では気軽に弄れません。
更に、形態毎に割と細かく動かす必要が生じ、しかも動かし方に慣れていないと何度も調整する羽目になるので、その分騒音が長引いてしまいます。
これは、もう少しなんとかならなかったのかな〜? と思えてなりません。
まあ別な見方をすれば、頻繁に可動させる必要が生じる部位ですし、耐久性を確保する為の致し方ない処置なのかもしれませんが。
ともあれ、2024年最高の注目度を誇る玩具であると断言出来るくらいに素晴らしい「セブンチェンジャー」。
これは、多くのロボット玩具ファンに是非手に取って頂きたい逸品です。
ダ・ガーンや勇者ロボにあまり関心がないという人でも、ロボ玩具好きなら一度は弄って頂きたい。
それくらい“異常な程の”魅力に溢れた商品です。
こんな調子で、どんどん進化していくTHE合体シリーズ。
今後も注目せざるを得ませんね。
ダ・ガーンシリーズは、この後「ペガサスセイバー」「ランドバイソン」が発売予定のようですが、未だにアナウンスが流れていません。
果たして何時になるのか?
2025年6月に「グランバード」が予定されていますが、それ以降になるのは確定として……待ち遠しいですね。
特にペガサスセイバー、スカイセイバーにも合体出来るなら、セブンチェンジャーとの対戦シーンを再現したいものです。
って、あれ?
ランドバイソン……というか、ビッグランダーのキャリーって、どうなるの?!