勝手に週刊北條『仮面ホウジョーV-1』第28話
「仮面ホウジョーV-1北條透は悪態人間である!
謎の女榊亜紀に重傷を負わされたが、小沢管理官の師である高村教授にプロジェクトを持ちかけ、仮面ホウジョーV-1としてよみがえった!」
第28話「あの夏の日」
V-1システムとG3-Xとのコンペの最中、暴走したG3-Xに襲われボコボコにされている北條。
その脳裏に、かつての記憶が蘇る。
…数週間前…
覆面パトカーのドアを開けようとしている少年(一輝)。
そこにやってくる北條。
北條「何をしているんですか。これは私の車ですよ」
一輝を押しのけて車に乗り込む北條。
が、エンジンがかからない。
携帯電話で修理工場と連絡を取っている北條。
その横顔をじっと見つめている一輝。
北條「(電話を終えて)どうしました?
ひょっとして、私のような優秀な警察官が好きなのですか?」
首を思いっきり横に振る一輝。
汗だくになりながら、パトカーを押して歩いていく二人。
北條「(イラつきながら)力がこもっていませんねえ。もっとしっかり押してください」
一輝「……」
いきつけの修理工場にたどり着く二人。
おやっさん「相変わらず荒っぽい乗り方してんなあ」
北條「何を言うんです。あなたの整備が不十分なせいでしょう」
おやっさん「(ドアを指さして)ここに人の顔の跡がついてるだろ?
故障の原因はこれだ。
よっぽどツラの皮の厚いヤツにぶつけたんだな…」
北條「……」
自動販売機で、二人分の飲み物を買おうとする北條。
が、財布に現金がない。
北條「おやじさん、この自動販売機、VISAカードは使えないんですか?」
一輝「どこか、ずっと遠くに行ったら、もしかしたら『今』が嘘になるかもしれない」
北條「……」
一瞬、司の犯行を暴いた時の語らいのシーンが北條の脳裏に浮かぶ。
北條「そんな事はありませんよ。
どこに行ったところで『今』は嘘になどなりはしません」
一輝「……」
修理の終わった覆面パトカーに乗ろうとする北條。
そこへ黒服の男たちがタクシーで追いかけてくる。
北條「…!」
一輝を乗せて車を発進させる北條。
赤信号に引っかかり、立ち往生する覆面パトカー。
追いすがるタクシー。
北條「しっかりつかまっていてください」
赤色灯を点灯させながら赤信号を突っ切っていく覆面パトカー。
が、「制限高1.5m」のガード下の天井にぶつかって、潰される赤色灯。
北條「……」
超一流のフランス料理レストランで、食事をしながら言い争う二人。
北條「言ったでしょう。嘘になんかなりません。『今』から逃げることなど出来はしませんよ」
一輝「逃げたことがあるの!?
僕は絶対逃げてやる!すっごい遠くへ行ってやるんだ!
全部…全部嘘にしてやる!!」
北條「あなたも聞き分けのない人ですね。
いつまでもそんな子供みたいなことを言っていないでもっと大人になったらどうです」
海岸で語り合う二人。
一輝「…逃げたいって思ったこと、ある?」
北條「いいえ。この私はいまだかつて逃げたことなど一度もありません」
平然と言い切る北條。
そこに襲いかかるアンノウン!
北條「!! 逃げなさい!!」
一輝を逃がし、覆面パトカーに乗り込み、アンノウンに向かって行く
…と思いきや、一輝を残したままどこへともなく走り去る北條。
一輝「…!?」
3時間後。
必死にあちこち逃げ回ったが、さすがに疲れ切ってへたり込む一輝。
そこにアンノウンが迫る!
が、その時!
地平線の彼方から「ガシャン ガシャン」と聞こえてくる足音。
V-1システムを装着した北條が、警視庁からここまではるばる歩いてきたのだ!
アンノウンに向かって自信満々で銃を撃ちまくるV-1システム。
全弾命中!
…が、平然と歩いてくるアンノウン。
北條「なに!? 効かない!?」
V-1システムに飛びかかり、銃を叩き落とすアンノウン。
取っ組み合いになり、ボコボコにされるV-1システム。
それを物陰から眺めている一輝。
一輝には、やられているV-1システムの中の北條の(恐怖の)表情が見える。
北條「……!」
恐怖にかられ、装甲の強制排除スイッチを押し、システムの抜け殻を残しながら、悲鳴を上げて脱兎のごとく逃げ出す北條。
なんとかアンノウンから逃げ切り、肩で息をしている北條。
そこへやってくる一輝。
目にはいっぱい涙を溜めている。
北條「…そんなに怖かったのですか?」
一輝「(首を振り)…逃げたら…情けないのがわかった…
弱いのがわかったから…」
哀れみの涙を流す一輝。
北條「(動揺して)ば、馬鹿ですかあなたは!? そんなことで泣くなんて!?
よしなさい!よしてください!!」
一輝「(ため息をつきながら)…戻る。教会へ」
教会の前で別れる北條と一輝。
一輝「(背後の黒服の男に)…叔父さん、僕、名前聞かなかった」
叔父「………
…聞かない方がいいよ」
…という回想を脳裏に浮かべる北條。
(一輝「…逃げたら…情けないのがわかった…弱いのがわかったから…」)
逃げずにその場にとどまるV-1システムを、さらにボコボコにしてゆくG3-X。
果たしてV-1システムは、このままG3-Xの餌食になってしまうのか!?
頑張れ!! ぼくらのG3-X!!
(つづく)
【次回予告】(ちゃっちゃら〜ちゃっちゃら〜♪)
警察「例の怪盗なら…たしかヒロスエカットだったと記憶しているが…」
氷川「犯人は普通じゃありません!」
翔一「逃げてください!!」
『目覚めろ!その魂!!』