NO.1551 週間北條『仮面ホウジョーV−1』海賊版
□投稿者/ べっこう水飴 -(2001/11/21(Wed)02:18:48)
高村「乗り物が欲しい?」
北條「ええ。V−1にも専用の乗り物が用意してあったと伺ったもので。あるのなら、ぜひ使用したいのですが……」
高村「……確かに専用のバイクも開発していたよ。いまは封印してあるがね」
北條「封印?」
高村「あれは乗り手を選ぶのだ。誰もが乗りこなせるような代物ではないのだよ」
北條「それほどの物なら、なおさら見せていただきたい。この私なら、必ず乗りこなしてみせますよ」
高村「まあ、そこまでいうのなら見せなくもないが……」
案内された先に待っていたのは、二本角の鬼を連想させるボディをしたオフロードバイクだった。
北條「これが……」
高村「そう、これが君のために用意するはずだった『ヤサグレイダー』だ」
北條「……デザインといいネーミングといい、微妙にパクッていませんか、教授?」
高村「細かいところは気にしないでくれたまえ。だいたい、G3だってクウ……」
北條「(咳払いをして)その辺はいろいろあるので、未確認生命体第4号と言って下さい。それよりも、さっそくテスト走行をしてみたいのですが」
高村「それは構わないが……(小声で)君では絶対に無理だと思うがね」
さっそくV-1を装着する北條を前に、高村教授がエンジンのキーを入れる。
高村「このバイクにはAIが搭載されていて、V-1とリンクして遠隔操作ができるようになっている」
北條「それはすごい。さっそく試してみましょう」
「来い」と命じる北條。
それに応えるようにヤサグレイダーは動き出す。
北條「これはなかなか……て、う、うわぁああああああ!?」
スピードを上げて突っ込む『ヤサグレイダー』に、弾き飛ばされるV-1。
北條「クッ……私としたことが操縦を誤りましたか。まあ、いいでしょう。次は実際に乗ってみるとしますか」
シートにまたがるV-1。
しかし『ヤサグレイダー』はまるで走ろうとしない。
北條「なんですか、これは? どこか故障しているのではありませんか、教授?」
不意に『ヤサグレイダー』の前輪が旋回し、ハンドルのグリップがV-1の下腹部に直撃。
苦悶のうめき声と共にうずくまる北條。
北條「こ、この痛みはどこかで……」
高村「だから言ったはず。このマシンは乗り手を選ぶと。このAIは小沢君の性格を元に設定してあるのだ」
北條「な、何ですって?! よりによってそんな恐ろしいことをなぜ?」
高村「これを開発した当時、私は小沢君とG3−Xに勝つために必死だった。そのために危険と承知しつつも、私の教え子だったころの反抗期ばりばり(死語)の彼女の性格をAIに反映させたのだ。
それにより、このマシンは最強のマシンとなるはずだったのだ。
(ふと遠い目になって)……しかし、機械は人に使われるために存在する。
このようなマシンはあってはならない。そう思っていままで封印してきたのだ」
北條「なるほど。事情は判りました。
しかし、なおさら引き返すわけにはいかなくなりました。
V-1の装着員として、そして北條透のプライドに賭けて、必ず小沢、いえ、この怪物マシンを操ってみせます!」
数時間後、激闘の末にズタボロになりながらもようやく『ヤサグレイダー』を乗りこなしはじめたV-1。
激闘を物語る破壊しつくされたテストコースで、ようやく華麗に疾走をはじめる。
北條「(息も絶え絶えに)どうですか、教授! ついに私はやりましたよ……私は小沢澄子に勝ったんだ!!!」
高村「……君もまだ甘いな」
勝利の雄叫びをあげる北條を尻目に、スピードを急激を上げる『ヤサグレイダー』。
その速度は、摩擦熱でV-1の装甲を燃え上がらせるほどに到達する。
北條「こ、このオチは……!?」
急停止する『ヤサグレイダー』。
操縦席から放り出され、勝手にスライダーシュート状態に突入した先にあるのは、大学の化学実験室だった。
火の玉状態で突っ込むV-1。倒壊する建物。
続いて、劇薬の引火のよる爆発が巻き起こった。
高村「……やはり、私の考えは正しかった。機械は人に使われてこその機械なのだ」
一人、再確認する教授。
その彼の背後には、爆発の隙に回り込んでいた『ヤサグレイダー』の姿があった。
●久々に書いてみましたが、連載している首藤さんのパワーが改めて判りました。
睡魔と闘いながら書いたので、細かいところは目をつぶってください。