総括『水戸黄門・第31部』 壱
〜はじめに〜
このHNで書き込むのも、一月ぶりになるでしょうか?
「水戸黄門視聴推進委員会」に様々な話題を提供して、大いに盛り上げてくれた“里見浩太朗版・水戸黄門”。
言うまでもなく時代劇役者として押しも押されもせぬスーパースターであり、石坂浩二欠席から(降板決定から、ではない)早くも時期黄門候補としてその名の挙がった、いわば真打登場! といった感もある第31部。
前回こそ断念いたしましたが、今回は再び総括してみたいと思います。
また前回は書きませんでしたが、石坂黄門の最終作となった第30部についても、所々触れていく予定です。
当然、途中突っ込みOK、間違い指摘、反論大歓迎(ってあくまでポーズだけ(笑)
ですので、推進委員の皆様はもちろん未加入の方でも「里見黄門ってどんなのだったんだろ〜?」と、僅かにでも興味をお持ちの方、ひまつぶし程度の気分で読んでいただければ幸いです。
第一章・31部の背景
超ロングランシリーズに新風を巻き起こすべく製作された、石坂浩二版水戸黄門。
29部では、その斬新ともいえる作風は目の肥えた方々の話題にはなったものの、これまでのレギュラー視聴者には最後まで受け入れられる事が出来ないまま、放送予定を消化してしまった。
結果、続く第30部では石坂版のウリである「史実に忠実、リアリティー重視」の部分と、「娯楽作としてのお約束的展開」を同居させるという手段が取られたが、これもバランスを保ちつづけられた…とはお世辞にも言えず、消化不良な状態のまま石坂浩二病気欠場〜そのまま降板となってしまう。
もちろん、作風の好みというのは人それぞれだし人気だけで作品の評価を決める事は出来ないが、シリーズ全体の位置付けとしてみた場合、石坂黄門は「失敗作」という評価になるのであろう。
そこでスタッフが起死回生の策として新たに黄門役に選んだのが、里見浩太朗である。
インテリっぽいイメージのある石坂に対して、頼もしさと同時に親しみやすさも併せ持ち、また時代劇では超大作・単発作問わず数々の作品に出演するという実績を持つ里見は、出演決定した時点で石坂黄門のイメージを吹き飛ばす程の話題を読んだ。
実は本部長は、第30部の時ビデオ予約録画を忘れたまま出勤してしまったことがあり 幸いにも早い時間に気付いたので勤務交代する際に会社の先輩に代理録画を頼んだのだが、その時に先輩の口から
「ああ、水戸黄門ね。今石坂浩二がやってる印籠出さないやつでしょ?」
という言葉が出てきて、それを聞いた社内の連中としばらくその話で盛り上がるという事があった。
…ご存知の通り、30部で印籠が出なかった回は 一 度 も 無 い。
しかし、やはり世間的には「石坂黄門=お約束排除でリアリティー重視」というイメージが、最後まで根付いていたようだ。
里見氏黄門役決定の報、また自身による「本物の黄門を見せる自信がある」発言は、こういった状況を一新して有り余るだけの期待と注目を受ける事に成功した。
同時に、この時点で早くも「石坂助格降板」「八兵衛復帰」など、里見黄門の内容について様々な噂が流れ飛んだ。
そのどれもが石坂カラーを否定するようなものばかりであり、うがった見方をすれば、里見氏の本物の黄門発言は世間的には「いつもの水戸黄門に戻る」という風に受け取られた、とも言える。
本人にそんな気は無かったと思うのだが。
余談だが、降板後に石坂氏の口から出た「面倒な仕事が減ってせいせいした」発言の真意は、スタッフ全員の意向で進めてきた作風の世間受け的な失敗の原因を全部自分に押し付けられたという腹立ちと、正式降板が決まる前から里見氏の名前を出されるという、一種「自分の存在を否定された」ような扱いを受けた事から出たものだと思う。
里見氏も、決定前から「スケジュールは開けている」なんて発言してたし、かなり早い時期から黄門役のオファーがあったことは間違いないだろうし。
ま、この辺の流れから邪推すると、たとえ石坂氏が30部を完走しても、31部で引き続き登板されたかどうか怪しい所もあるんだよね〜。