『仮面ライダー龍騎』
劇場版 EPISODE
FINAL
2002/8/17 公開
注:今回はストーリー解説が非常に長くなっているため、「傾向と対策」が別ページになっています。
「内容は覚えているから読まなくていい」という方は、いきなり傾向と対策へどうぞ。
(Story)
2002年冬。
花鶏で怖い話大会をしていた真司達。
真司は、自分が子供のころに遊んだ名も知らぬ少女の話をする。
「明日また遊ぼう」と約束したその翌日、雨で出掛けなかった真司の部屋に、いつの間にかその子がおり、一緒に照る照る坊主を作ったりして遊んでいたが、ふと気が付くと姿を消してしまっていたという。
今となっては夢だったかもしれないような話だった。
OREジャーナルでは、名うての結婚詐欺師:水岡和郎の尻尾を掴むため、次のターゲットである霧島美穂を見張ることにしていた。
そして、水岡が美穂に金の話をした直後に踏み込んで現場を押さえた真司達だったが、実は美穂もまた霧島家の娘などではなかった。
水岡からの指輪と、真司が落とした財布をせしめて逃走した美穂だったが、真司に追いつかれてしまう。
そして、言い争う真司と美穂のところに追いついた水岡は、突然現れたモンスター:シアゴーストに食われてしまい、美穂はカードデッキを取り出してファムに変身した。
美穂がライダーだったことに驚いた真司もまた龍騎に変身し、たまたま通りかかって美穂に気付いた北岡もゾルダに変身して、それぞれミラーワールドに向かう。
ミラーワールドには、何体ものシアゴーストがおり、ファムと龍騎は敵の数の前に追い込まれ、助っ人に入ったゾルダもまた苦戦を強いられる。
業を煮やしたファムは、ファイナルベント“ミスティースラッシュ”で一気に殲滅するが、更に現れた無数のシアゴーストの前に3人は退却を余儀なくされた。
そのころ、20才の誕生日を目前にした優衣が突然倒れた。
沙奈子は、士郎と引き離されたばかりのころに、優衣が同じように倒れたことがあると語る。
そして、意識を取り戻したときには、人が変わったように明るくなっていたという。
そんなとき、5人のライダーそれぞれの前に神崎士郎が現れた。
一堂に集められた5人は、士郎から、残り3日のうちに決着がつかなければ勝ち残った者も願いが叶わないと宣告される。
「今この場でケリを付けても構わないぜ」という浅倉に、美穂が殴りかかる。
それを止めようとする真司だったが、士郎は「お前達の欲望がライダーの戦いを作った」と言い、北岡もそれに応じる。
ならば、自分達の意志で戦いを止めればいいと言う真司だったが、美穂は
そんなんじゃ、ライダーになった意味がないじゃないの
と答える。
「残ったライダーはあと6人」…いずれ姿を現すという6人目を欠いたまま、ファムと王蛇、ナイトとゾルダがそれぞれ戦い始め、止めようとする龍騎には目もくれず4人は戦い続ける。
そんな中、ファムは、王蛇との実力の差を思い知らされていた。
戦いは、ファムを庇うかのようなゾルダのファイナルベント“エンドオブワールド”によって水入りとなった。
美穂は、自分の姉を殺した浅倉を倒せるだけの力が自分にないことを知って苛立つ。
一方浅倉は、美穂が自分の殺した女の妹だと気付き、北岡に一度は自分の弁護をしたことで罪の意識を感じて庇ったのだろうと言い、「甘いな。死ぬぜ」と言い残して去っていった。
翌日、美穂が真司を呼び出して遊園地へと行く。
美穂が真司のほどけかけた靴紐を盗み直したりと、なんとなくいい雰囲気になって寄り添う2人だったが、美穂は腕を組むふりをして真司のポケットのデッキを奪おうとしていた。
気付いて怒る真司に、美穂は「どんな汚い手を使ってでも勝たなくちゃいけないんだよ!」と叫んで走り去った。
美穂は、その足で姉の死体が眠る保存庫へと向かう。
美穂が勝ち残ったときの願い、それは浅倉に殺された姉を生き返らせることだった。
美穂と別れた真司がずぶ濡れになって花鶏に戻ると、優衣は思い出した記憶を頼りに地面に埋められていた箱を掘り出した。
そこには、幼いころの優衣が描いたドラグレッダーやダークウイング、ギガマグナなどの絵が入っていた。
幼いころ、優衣は、士郎と引き離された後、鏡の前でモンスターの絵を描きながら過ごしていたが、あるとき外に出て男の子と遊んだ。
そして、また遊ぼうと約束したのに男の子は現れず、泣いていた優衣は、鏡の中の自分に誘われて鏡の中の世界で一緒に遊んだが、時間が経ちすぎたため、元の世界に戻ったら死んでしまうとその子に言われてしまう。
そしてその子は、自分の命をくれる代わりにモンスターの絵を欲しがったのだという。
優衣は、モンスター達も生きたいがために人間を襲うのではないかと呟いた。
そのとき、モンスターの気配を感じた真司達は、そこへと向かう。
そして、残された優衣は、鏡の中の自分に言われた「その命は、20回目の誕生日が来たら消えちゃうよ」という言葉をも思い出していた…。
龍騎達がミラーワールドに入ると、そこでは、既に王蛇とゾルダがシアゴースト相手に戦いを始めていた。
ファムも加わり、大乱戦の様相を呈する中で、ファムは再び王蛇に戦いを挑む。
苦戦するファムだったが、シュートベント“ギガランチャー”で助けに入ったゾルダを「余計な手出しはするな!」と怒りを燃やし、ブランバイザーで突き刺した。
ファムは、ガードベント“ウイングシールド”で王蛇を翻弄するが、ベノスネイカーにシールドを溶かされて劣勢になってしまう。
そして、王蛇のファイナルベント“ドゥームズデイ”によって、正にジェノサイダーに飲み込まれそうになった瞬間、黒い龍がジェノサイダーを弾き飛ばしてファムを救った。
現れた黒い龍騎は、ファムの「真司!?」という言葉にうなずくと、王蛇に猛攻を加え、ファイナルベント“ドラゴンライダーキック”でジェノサイダーを葬り去る。
ブランク体に戻った王蛇も、ファムに「お姉ちゃんの仇!」とブランバイザーの一突きされデッキを破壊され、浅倉の姿に戻って
死ぬのか、俺は…
この俺が…
と哄笑する。
浅倉は、雄叫びを上げながらファムの首を絞めたまま消滅し、残るライダーは5人となった。
そして、ファムの攻撃で傷を負って現実世界に戻り、吾郎の手当を受けて意識を取り戻した北岡は、美穂に情けを掛けた挙げ句に攻撃されたことなどから、戦いに虚しさを感じ、永遠の命を望むことをやめて残りの人生を楽しく生きることにした。
血を吐いたことを吾郎に隠し、令子を食事に誘った北岡は、デッキを捨ててレストランへと向かう。
こうしてゾルダは戦線から脱落し、残るライダーは4人となった。
その夜。美穂は、ピンチを救い、姉の仇を討つ手助けをしてもらった礼をするために、真司をお好み焼き屋に誘った。
事情が分からず訝しがる真司に、美穂は嬉しそうに世話を焼く。
だが、真司がトイレに行ったとき、鏡の中の真司が現実世界に現れ、本物の真司が大久保からの電話に出ている間に美穂を伴って店を出てしまい、電話を終えた真司が戻ってきたときには、既に美穂の姿はなかった。
そのころ、死の恐怖に怯える優衣の前に士郎が現れ
怖がることはない
お前を死なせはしない
俺がお前に新しい命を与えてやる
だから何も心配するな
と言い残して去っていく。
優衣は、士郎のやろうとしていることが何か気付き始めていた。
美穂は、(鏡から出てきた)真司と一緒に歩くうち、その様子がおかしいことに気付くが、その途端、襲い掛かられた。
そして、身体が分解を始めた偽の真司は一旦姿を消すが、その姿を探すファムの前に再び現れ、変身して襲い掛かった。
時同じくしてレイドラグーンと空中戦を繰り広げていたナイトは、龍騎とファムが戦っているのを見かけた。
黒い龍:ドラグブラッカーに痛めつけられ、ストライクベント“昇竜突破”で吹き飛ばされそうになったファムだったが、龍騎が乱入したことで黒い龍騎は去っていった。
美穂を介抱していた真司は、美穂に靴の紐を結び直してもらい、彼女がいつもと変わらず憎まれ口を叩いていることに安心して帰っていく。
それを笑顔で見送った美穂は、真司が見えなくなると倒れ込み、苦しい息の下で
そろそろ…死ぬか?
ごめんね、お姉ちゃん
真司…真司…靴の紐くらい、ちゃんと結べよな…
と紡いで息絶え、残るライダーは3人となった。
そして、花鶏に帰った真司に、夕べの戦いを見ていた蓮は、怒りを滲ませて戦うよう迫る。
そこにやってきた優衣は、2人に、ライダー同士の戦いは一番強い命を優衣に与えるために仕組まれたものだと止めるが、蓮は
たとえ可能性が1%でも、俺は神崎士郎を信じる
と固い決意を示す。
その夜、1人で店内に佇む真司は、優衣が作った照る照る坊主を見て、優衣の言葉と自分の思い出とが繋がった。
幼いころに真司が遊んだ少女は、優衣だったのだ。
自分がすっぽかしたせいで、優衣の命が、ライダー達の命が失われることになったと知った真司は、自分を責める。
すると、窓に映った真司が実体化して「そう、全てお前のせいだ」と語り始めた。
彼は、真司に
俺はもう1人のお前さ
俺を受け入れろ
俺達が1つになれば、最強のライダーになる
そうすれば、神崎優衣を救うことができるんだぞ
受け入れろ、俺を
とささやきかける。
真司はうなずき、2人は融合を始めた。
帰ってきた蓮の前で融合を終えたもう1人の真司は
ミラーワールドからのライダー、リュウガ
と名乗った。
そして
俺は、俺はもはや鏡の中の幻ではない
俺は存在する。最強のライダーとして
と言って変身する。
こうして最後に残った2人のライダー、リュウガとナイトの戦いが始まった。
そして、優衣は、バースデーケーキを持って、閉鎖された清明院大学の研究室で士郎を呼ぶ。
現れた士郎は
もうすぐお前に新しい命を与えることができる
それが俺からのバースデープレゼントだ
俺はいつでもお前を助ける
これからもずっと
と言うが、優衣は
もういいよ…子供じゃないんだから
お兄ちゃん、バカだよ
でも、大好きだよ、お兄ちゃん…
と言って崩れ落ちる。
優衣は、この部屋に来る前に腕の血管を切っていたのだ。
優衣の死を知った士郎の絶叫が響き、その姿が霧散する。
そして、その部屋を中心に爆発が起きた。
リュウガとの戦いの最中にその様子を見たナイトは、変身を解いて実験室に向かう。
そこで蓮が見たのは、息絶えた優衣の姿だった。
蓮を追って乗り込んできたリュウガも、その光景を見る。
すると、リュウガの中から真司が分離し
分かったよ、優衣ちゃん…
俺、分かったから
と言う。
そして、リュウガの
何を言っている…俺の中に来い
戦いに勝てば、まだ優衣を救うことができるんだぞ
という言葉に
もうお前には騙されない
優衣ちゃんはそんなこと望んでないんだ
他人の命なんていらないんだよ!
それが優衣ちゃんの選択なんだ
と答える。
そして、掴みかかってきたリュウガを変身して跳ね飛ばし、龍騎対リュウガの死闘が始まった。
共にファイナルベント“ドラゴンライダーキック”を放つ龍騎とリュウガ。
大爆発の中から生還したのは、真司だった。
砕けたビルのガラスから、大量のハイドラグーンが出現し、人々を襲う。
その光景を見ながら、2人は語り合った。
蓮 「俺には今まで友と呼べるような奴はいなかった。
欲しいとも思わなかったしな。
だが、お前は唯一の友と言えるかもしれない」
真司「ああ。俺達は友達さ」
蓮 「だが、分かってくれ。
俺は勝たなければならない。
どんなに可能性が少なくても、俺は賭けなければならないんだ。
戦ってくれ。俺と」
真司「ああ。俺の望みを聞いてくれたら、考えてやるよ」
蓮 「なんだ?」
真司「死ぬなよ、蓮」
蓮 「お前もな」
そして、2人は、サバイブモードに変身して、ドラグランザー、ダークレイダーを駆り、ハイドラグーンの群に突っ込んでいく。
2人を待つ運命は…!?