ダイエット そのに |
後藤夕貴 |
更新日:2007年8月19日
恥ずかしい体重になった元締、今頃になってダイエット敢行。
怠惰な態度で適当極まりないダイエット運動を開始するも、全然効果が上がらず。
真剣に調べ始めるうちに、いかに自分の認識が甘かったかを実感。
苦労の末、ようやく効果が得られるダイエットメニューを見出したのはいいけれど。
それも、ある時期にさしかかった途端、効果がなくなってしまった。
でも、既に死にかけるほどの運動量をこなしている筈なんだけど……?
さて、二年目の秋口に差し掛かり、「縄跳び5,500回/腕立・腹筋各20、背筋30のセット2回/スクワット300回」というメニューをこなしていながら、効果が見られなくなってしまった筆者。
ここで再度ネットで検索です。
今度は、効率のよい運動の仕方と、負荷のかけ方の勉強です。
ついでに、各種運動の消費カロリーも調べてみましょう。
おおむねの概算ですが、先の死にかけ運動メニューだと、だいたい600〜700Kcalは減らせていたようです。
一日の摂取カロリー目標が1,800Kcalですから、これは一見相当多そうに思えますが、実は小盛のカツ丼一杯にすら満たないカロリー量です。
つまり、「今日はちょっと多めに食べちゃった♪」という場合、その「ちょっと」の分を補う事すら出来るかどうかわからないという、大変微妙な量なのです。
理想としては、一日1,000Kcalは減らしたい。
ただでさえ体重が減らなくなっている上、この頃はやたらとつきあいで外に出る機会が増えていたため、せっかく減らした目方が翌朝にはオマケまで付けて帰って来るという泣けない悲劇が連発していました。
これではいけない。
この時点で、ダイエット運動を始めて約1年半。
ここまでで15キロ減らせたというと一見聞こえはいいですが、そこから現在までのさらに半年で、なんと2キロしか減らせていないという現状が、厳しさを物語っています。
年末頃になると、体重の減り方の鈍さに焦りを感じた筆者は、先の「死にかけメニュー」をさらにブーストアップさせた上、縄跳びの回数を5,800回/日まで吊り上げ、しかもセット回数の概念を無視して一度に3,500回連続(休憩一切なし!)で飛び、残りを500回ずつに分けて飛ぶようにしました。
こうすると、縄跳びそのものに割く時間が軽減するという狙いもあったのです。
スクワットの回数も、非縄跳び時は1,000回まで増加させ、縄跳びをする日は400回まで吊り上げました。
それでも体重は全然減らず、焦りばかりがつのり……
12月終盤、ついにアキレス腱炎という「もっとも恐れていた事態」に陥ってしまいました。
これは、つま先立ちで跳ね続けるという緊張状態を長時間維持させすぎたために起こったもので、筆者は一時期まともに歩けないほどになりました。
その度合いは、筋肉痛によるものとはレベルが違い、ほとんど脚を引きずりながら歩く状態です。
明らかに、縄跳びの負荷が多すぎでした。
お医者さんには「このまま続けてると、おぬしのアキレス腱は切れるぞよ」といわれ、やむなく縄跳び及び運動を中止に。
そこから約一ヶ月間、まったく運動をしないという休養期間をとるハメになりました。
この頃、筆者はもう運動しない日は凄まじい違和感に襲われるほどになっておりまして、このまま運動の習慣がなくなってしまうのを非常に恐れました。
ええまあ、根が怠け者なんで一度ケチが付くとアレだというのもあるんですが。
そのため、一ヶ月の休養を三週間弱で切り上げ、アキレス腱に負担のかからない運動…つまり日々の筋トレとスクワットのみを行うようにしました。
さて、アキレス腱炎の影響で筋力への負荷にも興味が出て来た筆者は、ついでに正しいトレーニング法を検索してみました。
すると、今までやっていた運動がいかに適当で非効率的だったかが見えてきました。
これでは、単に汗をかく事しかメリットがなかったのでは…と思うほど。
そもそも、運動でダイエットするってのは「太り難い体質に改善する」という目的意識があった筈。
単に体重だけ落ちればいいわけではないのです。
それを改めて思い知らされ、猛省。
適度かつ正確な運動を繰り返せば筋力が付き、それによって基礎代謝が向上して基礎消費カロリーも増える筈です。
まずは、筋トレから見直してみました。
腕立て伏せ。
これは、ただ回数をこなすだけでは無意味でした。
いくら20回セットをン回やったとしても、それだけでは「人に自慢する程度」の意味しかなく、実質的にはほとんどダメだと。
単に腕立てと言ってもやり方は色々あるのですが、筆者は以下のやり方を適応してみる事にしました。
肩幅より少し広い間隔で両手を開く→ゆっくり時間をかけて、限界まで上体を下げる→そのまま一秒〜二秒止める→そこからゆっくり元に戻す(上げる)
回数は20回のまま、21回目なんかとても出来ないと思えるくらいに負荷をかけてやります。
で、2回目のセットからは両手の間隔を少し狭め、肩幅と同じくらいにしてやります。
腕の曲げ方と力のかかる部位が変わるのですが、これがまた違うきつさを感じさせます。
3回目は、両手の親指が隣り合うくらいまで近づけて、また20回。
当然、一回にかける時間は同じです(もっとも、二秒はとても止めていられないけど…)。
言うまでもなく、膝立ちなんか絶対禁止です。
言うのは簡単ですが、やるのは死ぬほど厳しい!
現在でもまだこのペースで続けており、なかなか次のステップ「下げ・上げにもそれぞれ一秒以上時間をかける」に至れず焦っていますが、効果は期待できそうです。
事実、上腕周辺と胸から脇にかけての筋肉は、かなり肥大化しました。
腹筋。
これも同じく、数だけこなしても無意味でした。
まず上体を上げ、後頭部と床の差をおおよそ30センチくらいに保ちます。
この時、腹筋はすごく緊張した状態になっていますが、ここから屈伸をスタートさせます。
ゆっくり上体を持ち上げていきます。
ある程度上体を持ち上げていくと、途中から腹筋が緩みます。
その緩む手前までが、屈伸の限界位置。
つまり30センチの位置から腹筋が緩む直前までの間を、何度も往復? させるわけです。
腹筋が常に緊張している状態を維持するわけですね。
これが……めちゃくちゃ厳しい!
初めてやった時は、一回目すらまともにこなせませんでした。
現在ではこれを30回1セットにしてますが、正直これを沢山やればいいとは限らないそうです。
本当は、一時40回セットもやっていましたが、後述する「背筋との兼ね合い」の問題があり、再び30回に戻しました。
背筋に関しては、なぜか元々知識があったから良いとして。
2007年に入った頃には、腕立て20回、腹筋・背筋30回のセットを3回に増やしました。
これは、縄跳びの有無に関係なくこなします。
三月に入ってから、縄跳びも再開しました。
さすがに以前のようにはできなくなったため(体力的には充分可能なんだけど、後が怖いため)、500回1セットを厳守し、3,500〜4,000回/日まで上限を下げました。
さすがに二ヶ月以上ブランクが空いたため、これでもかなりきつくなっています。
スクワットも、現在では連続1,200回(縄跳びと平行の時は600回)までアップ。
真冬なのに大汗ダラダラの運動生活を送りました。
そして、2〜3日に一度運動を休みます。
この休みの日が、かなりストレス溜まります。
「本当に休んでしまっていいのだろうか?」という葛藤が生まれるので。
ここまでやっていなから、筆者はちょっとでも食べ過ぎると翌日体重が増えているという難儀すぎる体質のため、運動しない→太るという強迫観念が生まれてしまったようです。
――しかし。
そこまでやっても、体重は全然ビクともしません。
去年の九月頃から、ほとんど変わらないまま半年以上経過してしまったわけで、焦りは相当なものになっていました。
やっぱり、まだ何か間違っているのではないか?
これでは、ただ身体を疲れさせているだけでろくに効果が出ていないのでは?!
様々な疑心暗鬼が渦巻きます。
そこで、ふと自分の身体の状態を見直してみました。
ダイエット運動により、ここまででマイナス21キロ減まで成功。
久しぶりに逢う(最も太っていた頃を知っている)人からは「細くなったね」とほぼ必ず驚かれるほどになり、身体の厚みも相当減りました。
以前着ていた服はブカブカになりほとんど着られなくなってしまったため、仕事用のスーツも含めて大幅に買い替えなければならなくなりました。
また、食事量も全盛期に比べると(多分)半分以下にまで減りました。
これだけ見るとかなり良い感じに思えるのですが、体脂肪率はまだ標準にギリギリ届かない状態、また体重は標準値より10キロ近く多いまま。
いわゆる「そろそろメタボリックシンドロームを意識した方が良いよ」といわれ始める頃合の体重なわけです。
かろうじて「メタボ胴回り数値」はギリギリ回避出来てはいるのですが、まだまだ油断は出来ないわけです。
そして、下半身…特に脹脛辺りが、妙にパンパンになっている事に気付きました。
特に力を入れているわけでもないのに、固くなっている状態です。
調べてみると、どうもこれは運動負荷により蓄積された「乳酸」のせいみたいです。
乳酸とはいわゆる疲労物質で、運動によって発生した老廃物のようなもの。
これが正しく体外排出されていないと、このようになってしまうということ。
このふくらはぎの張りが、ここ数ヶ月以上ずっと続いているというのは、ひょっとして何かまずいのでは? と思い始めます。
ここまでやってきた縄跳びとスクワット…いずれも足に高い負荷をかけています。
これって、このまま続けていても大丈夫なのだろうか? という疑問に辿り着きます。
それから、運動後のマッサージなども重要だと勉強しました。
もし、もっと効率的な有酸素運動があるようなら、それの導入も心がけてみたらどうだろう? という考えに辿り着くようにもなりました。
とりあえず、ここでもう一度初心に戻ることにします。
縄跳びやスクワット等の運動に辿り着く前…何から始めるべきか目標を捜していた頃に立ち戻り。
それで筆者があらたに発見したのが、「踏み台昇降」でした。
踏み台昇降とは、その名が示す通りの運動です。
10〜20センチ前後の高さの踏み台を用意し、ひたすら昇り降りを繰り返すというもの。
それ以上でも、それ以下でもない単純極まりない内容です。
一応、これは初期の頃にも知ってはいたのですが、筆者にとってこれは「運動のうちに入らない」という認識が強く、まったく視野に入れていませんでした。
学生時代、それなりに身体を鍛える楽しみを知っていたせいか、ある程度身体負荷が意識できるようなハードなものでないと、有効な運動と認めないという認識があったようです。
ぶっちゃけていえば「こんなもん寝ながらでも出来るぜヒャッハー」と、完全に舐めてかかっていたのです。
調べてみたところ、踏み台昇降は…
- 台になる物さえあれば、必要資金はほとんどゼロで済む
- 天候を意識する必要がなく、家の中でできる
- (本当はあまり推奨ではないが)本を読みながら、携帯ゲームをしながらでも続けられる
- 心拍数が急激に上がる事はないので、ゼーゼーと息を乱すような疲労は感じない
特に重要なのが四つ目で、有酸素運動の要とも言える(言い換えれば、それまで筆者が完全度外視していた)適度な心拍数維持が容易に叶うわけです。
これは面白そうだという事で、早速必要運動量を調べ、実行に移しました。
台は、適当な厚さの本等を積み重ねて、必要な高さにすればOK。
なんとか10センチくらいの高さの台が出来たので、これを利用します。
経験談を見てみると、最低でも一時間は続けないとならないとか!
高さやスピードなど、負荷によって大きく変わりますが、踏み台昇降で消費されるカロリーはだいたい一時間で350Kcal前後らしいです。
というわけで、録り溜めていたDVDレコーダーの番組を見ながら、一時間……
うーなーれーじゃんけるー、あくまいざー、すりー♪
ボクニツラレテミル? コタエハキイテナイ!!
夢見る乙女の底力、受けてみなさいっ!!
つ、月影の旦那〜!!
鷹山と大下はどこへ行った〜〜っっ!!!
……などなど、色々とセレクト。
結果、予想通り「全然運動した気にならない」という程度の疲労しかありませんでした。
ただ、ふくらはぎには適度な負荷がかかっているのが、手応えでわかります。
また、運動を始めたばかりの頃にみられた「足のむくみ」が少しの間だけ復活。
なんとなく、今までと違う感じがして来ました。
しかし、高さ10センチでは全然無意味! これはもっと負荷を高めた方がいいのでは、という疑問が拭えません。
そこで、もう一度踏み台昇降ダイエット経験談を参照してみたところ、男性経験者はほとんどが20センチ以上に設定していました。
…ここで筆者は、しばらくの間「家の中のあらゆる不用品を積み重ねても、20センチに届かず困惑」という事態を経験しますが(笑)、なんとか、以前の約1.3倍の高さの台を自作。
これで改めて1時間とプラス10分…計70分やってみる事にしました。
これは、暫定計算上縄跳び40分とほぼ同じカロリー消費値だったためです。
勿論、本当にそれとまったく同じだけ消費しているとは限りませんが、目安にはなります。
さて、新たな踏み台昇降の結果……
汗はダラダラ、脚はクタクタ、身体は熱々、息はゼーゼー(まて)と、えらい状態でした。
たった10センチ高くして、たった10分長くしただけでここまで違うのかと!
ここに、以前から続けている腕立て・腹筋・背筋(背筋のみ、後に「腹筋の回数の2〜3倍はやらないと意味がない」という知識を得たため、二倍の60回にアップ)を3セット行います。
運動時間は、途中休憩を入れて1時間半以上に増えてしまいましたが、始めて一週間程度で体重の変化が現れました。
二週間目には、今まで壁だった数値を1キロ下回るという「これまでの苦労は何だったんじゃい」的結果に。
また、調子に乗って一日2時間やった際は、一時的にとはいえ壁だった数値マイナス2キロという快挙を成し遂げました(もっとも、これは発汗で水分が排出されたため体重が落ちたもので、本当に痩せたわけではないのですが)。
どちらにしろ、ようやく効果的な「今の自分に合っている」運動を発見出来ました。
現在は、ようやく標準体重も残り1ケタになりました(笑)。
ただ、現在は食事量の調整が課題になってきています。
運動する時間が伸びたせいで、帰宅→運動→夕食の時間調整が難しくなり、どうしても運動後に食事をするようなプロセスが増えてしまいます。
ところが、これは本当はやってはいけない事でして。
運動後は食事量が増えやすくなってしまうため、本当は1時間以上間を空ける必要があるのです。
ですが、こんな事をいちいちやっていると帰宅してからすべてやる事を済ませ、一息つくまでに最低でも4時間必要というとんでもない事になってしまいます。
(運動で1時間半、その後風呂まで30分の間を空け脂肪燃焼を続け、更に風呂で30分…と、これだけで2時間半かかります。実際は色々ずれこんで3時間くらいになりますが)
なので、風呂待ちの30分以内に食事を済ませなければならず…色々厳しいです。
また、仕事から帰ってきて調理などを行った場合、ここにさらにプラス1時間以上の時間が加わるため、ヘタすると日付をまたぐなどという事にもなりかねません。
実は、これが最近の更新準備遅延にも若干繋がっていたりします…。
というわけで、現在はこのタイムスケジュールの調整と、どのタイミングで必要な分の食事を摂るかが難しい問題として筆者にのしかかっているわけです。
それでも、着々と体重減少の兆候は見えてきているので、踏み台昇降ありがたや状態でもあるわけです。
以上が、筆者が経験してきたダイエット運動のプロセス概要なのですが、ここまでやってきて以下のような点が見出せました。
そして、他所で同様のダイエットを経験している人達と意見交換をした結果、ほぼ断定しても支障なしと考えられる「ポイント」を絞りました。
- 食べる量を減らすだけのダイエットは「意味がない」←それは「やつれる」であって痩せたわけではない
- 好きな物を好きなだけ食べていると、本人予想の数倍以上の過剰カロリーを摂取している事になる←コンビニ弁当2つで成人男性の一日摂取カロリーとほぼ同じか超過
- 運動をしないと結局は痩せられない。 ダイエットは「運動する事に抵抗をなくす」事から始めないとダメ
- 運動が嫌い、運動してもつまんない、爽快感が得られない…と思い込んでいる奴は永遠に痩せられない
- ダイエットに取り掛かれない・ダイエットに失敗した人のほとんどは「言い訳」を構築して脚を止めてしまう←これがかなり大きく、筆者も思いあたる事多し
- 運動をしながら体重を減らすとリバウンドはまずないが、それ以外の方法だとリバウンドの危険は常に付きまとう
- 筋肉量や筋力を増強させるのは代謝能力を上げるので必須事項。←マッチョになって更に太くなるのでは…というのは、単なる思い込みで意味がまったく違う
- 最初は自分で出来る範囲から運動を始め、少しずつ負荷を増やすようにしないと絶対挫折する
- 途中から「体重を減らす」ことではなく「運動を毎日の習慣として定着させる」事を意識しないと、絶対続かない
- 「運動なんかしている時間はない」は、最悪の言い訳←やる気がある人はその時間を捻出する
特に、1・3・5・9・10はえらく重要だと思わされました。
と、ここまで偉そうに色々書いてきましたが、結局、ダイエットなんて「体重を減らすまたは維持する努力」に過ぎず、それ以上のものではありません。
だから、その人なりの「ダイエットをする理由」があれば、とりかかるのには充分だと考えます。
例えば筆者は、「美味いものを食べてもあまり体重に影響しない体質になりたい」という、“欲望の一つを満たすため”にダイエットを始めたのです(笑)。
こんなバカげた、つまらない理由でもいいんじゃないでしょうか?
ただ、ダイエットをしたら食べる量も減り、結果的に満足する量や質も大きく変化してしまいましたけどね。
とりあえず、筆者はこれからもダイエット運動を延々続けていくと思いますが、その目標はただ一つ。
「一度で良いから、宅配ピザを思う存分食べたい(それでも太らない状態になりたい)」
――バカですね、ホント(笑)。