スーパー戦隊の秘密基地・地球署(最終回)
特捜戦隊デカレンジャー第11回 人事異動と最終決戦
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更新日:2005年1月23日 | ||
10か月にわたってほぼ月イチ連載してきたこの『地球署』も、今回で最終回。
テレビ最終回より一足早く幕を引きたいと思います。 さて、遂にラストスパートに入った『デカレンジャー』ですが、敵が個人商店だったため、イマイチ壮大な戦いになれずにいるようです。 エージェント・アブレラは、「ビッグイベント」とやらを用意しているようですが、ラスト3話くらいになってからいきなり“最後の大作戦”みたいなことをされてもあまり盛り上がらないのではないかという不安は拭えません。 鷹羽としては、“地球を破壊するほどの巨大隕石”以上のインパクトを持てるかどうかもかなり怪しいと睨んでいます。 その分というか、別の方面でラストの盛り上がりが期待できるかもしれません。 元々『デカレンジャー』では、宇宙警察の組織性についての説明がほとんどなされていません。 どこの星にどの程度の署が置かれているのかとか、巨大ロボを持っている署がどの程度あるのか(何しろデカレンジャーロボは地球署独自の開発らしいので)、さっぱり分からないのです。 強大な捜査権限を持つはずのスーパーエリートのテツが下っ端扱いを受けていることや、妙に強くない描写になってしまっていることもそれに一役買っています。 今頃になって、地球署ができてからまだ数年しか経っていないとか、その当時はまだデカスーツがなかったなどの意外な情報も少し出てきていますね。 もっとも、デカブライトやデカマスターなど、以前からデカスーツの類が存在していたと思しき表現もあり、また、マリーのスーツのように地球署のものとは若干バージョンの違うものもあることからすると、配備される時期などは星によって異なっているとも考えられ、単に地球署に配備されていなかっただけかもしれません。 まあ、テツの両親が死んだのは10年以上前ですし、チョウ・サンの件から、ボスが新前だったころにもう地球でアリエナイザー犯罪が発生していたことは確実ですから、宇宙警察が以前からそれなりの規模の組織だったことは間違いありません。 その当時にはまだ地球署がなかったために、ラジャ・ナムナン達の事件の証拠品が本部に保管されていたのでしょうね。 ギョクがいた当時は、まだ地球にはアリエナイザー犯罪は少なかったでしょうし、実働人数も新人3人を含めてたったの4人だったことからしても、装備を充実させる必要はなかったのでしょう。 ところで、春と言えば、社会では人事異動の時期です。 デカレンジャーの方でも、ホージーの妹の結婚が決まったり、ウメコがセンちゃんに惚れてしまったり、先代デカレッドのギョク・ロウが、バンを新設のエリート部隊:ファイヤースクワッドにスカウトしたりと、人間関係に微妙な変化が見え始めているようです。 降って湧いたような登場をしたギョクですが、考えてみれば、元々4人しかいなかった地球署がホージーの「2」から始まっていたこと、最後に加わったバンが「1」のナンバーを付けていたことなど、番組構成の都合による部分に上手い説明を付けたと言えるでしょう。 そして、これが、“敵組織の壊滅”に代わる最後の山場を作ってくれるかもしれません。 この番組は、バンが地球署に赴任してくるところから始まりました。 このまま行けば、バンが別の部隊に異動して地球署を去るという形で番組に幕が下ろせそうです。 入ってきた人間が出ていくという形で終わる物語は多々あります。 この番組では、当初から、時折“宇宙最高のスペシャルポリスになる”というバンの夢が語られていました。 スワット・モードの訓練のときも、その夢の話が出てきています。 かといって、デカブライト、デカブレイク、そして試験に合格したホージーがいる中で、今更特凶に抜擢されても、なんだか凄い気はしません。 その点、ファイヤースクワッドは、特凶とは別種のエリート部隊を目指して創設される新規の部署で、つまり、現時点でスペシャルポリスの最高峰とも言えます。 ここに配属になれば、名実共に“宇宙最高のスペシャルポリス”になったと言えるでしょう。 特凶とどのように区分けするかといえば、恐らくは、これまで再三描写されてきた破天荒なまでのバンの行動が評価される部署、つまり、宇宙警察の長官を締め上げてギョクの居場所を聞き出して連れてくるような、型にはまらない行動力を求められる部署ということになるでしょう。 沈着冷静で、正攻法で事件を解決に導く特凶とは違うスタンスで、『機動警察パトレイバー』の特車二課のような“場合によっては法に触れる手段を用いてでも正義を守る”という超法規的組織になるのではないでしょうか。 …自分の上司を締め上げて情報を聞き出すなんて行動が評価されるくらいですから。 ここで、43話『メテオ・カタストロフ』で、ホージーが「お前の代わりはいないんだ!」と言っていたことが伏線として機能します。 多分、43話のシナリオ時点では、こんな伏線にする予定はなかったと思います。 ただ、バンについては、これまでも“勢いと勘と根性で行動するいい加減さと、鋭く本質を見抜く勘の持ち主”として描かれてきていますから、バンの特性をプラスに評価しつつ物語に決着を着ける方法としては、なかなかいい手法だと思います。 そして、バンの異動が早々に決まったことにより、敵組織壊滅とは違う盛り上げ方ができるのです。 アブレラの逮捕(デリート)は、バンにとっては“やり残した仕事”です。 組織がどうとか、最終決戦がどうとか言わなくても、“こいつを倒さないまま地球を離れられない理由”なのです。 かといって、自分の夢である“宇宙最高のスペシャルポリス”が目の前にあり、しかも辞令が出たとなれば、地球に残り続けるわけにはいきません。 となれば、異動の前に倒さなければならないというタイムアタックになるわけです。 こうなると、相手が多少しょぼかろうがなんだろうが、“さっさと片付けて気持ちよく去るぞ(送り出すぞ)!”という目標になります。 これまでスーパー戦隊シリーズにおいて、メンバー中1人の去就がラストに問題になったことはありません。 ラストが卒業式とか、5人揃って地球を去らないと死んでしまうといった制限時間的なものがあったことはありますが、いずれも5人揃ってのこと。 1人が抜けるのが決定し、それまでに何とかしようというパターンは初めてなのです。 まぁ、1人を除いて現代での滞在期間が限られていたという『タイムレンジャー』というのもありますが、これも、制限時間として強調されることはありませんでしたね。 そういう意味では、これは意外とエポックな展開かもしれません。 上手に使えば、もしかしたら、それなりに盛り上がったエンディングを迎えられるかも…。 ただ、その場合、44話『モータル・キャンペーン』ラストの「アブレラが最後の敵だ〜! おー!」みたいな強調はしない方がよかったのではないかと…。 番組が終わらないうちにコーナーを締める都合上、最終回後の感想や、番組についての総評は、本家『習慣鷹羽・スーパー戦隊の秘密基地』で行います。 発表時期としては、現在執筆中の『激走戦隊カーレンジャー』の次、2〜3月中くらいを予定しています。 …身が持てば、ですが。 ともあれ、『秘密基地』の発表は、基本形は番組順のままですが、少なくとも今回は順番を変えて『デカレンジャー』の発表を優先したいと思っていますので、お楽しみに。 …って、楽しみに待ってもらえるかしら? → NEXT COLUM |
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