玩具ありMINI16 ガシャポン
ユージンSR「ヴァンパイアセイヴァー4」
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更新日:2004年9月12日 | ||||||||||||||||||||||||||||||
今回は、久々のガシャポンネタ。
つーか、今年2004年はあまり大きな話題となるガシャポン商品が少なく、時折よさげなものが出ても、そんなに話題が長続きしないという、いわゆる「中だるみ」っぽい雰囲気漂う年でありました。 ところが、現状唯一の例外が、今回ご紹介する「ヴァンパイアセイヴァー4」。 これだけは、凄まじい人気となりました。 おっと、セイヴァーネタはほぼ一年ぶりですなっ。 2004年8月26日発売。 全6種(実際は全10種)で、各200円。 フィギュアの原型が雑誌などで発表されるやいなや、そのあまりにも凄い出来にネット上で話題騒然! そして、次々に発表になるラインナップとその原型写真から前評判はさらに高まり、発売直前・直後にはピークに達しました。 で、実際の商品の完成度も、期待を裏切らないすごい出来! こんなに話題性に満ちた商品を、扱わないなんてもったいない! …という事で、また色々語ってみたいと思います! ●概要: 2004年春頃、「電撃ホビーマガジン」等で、このシリーズの原型画像が発表されました。 もちろん、それ以前から「ヴァンパイアセイヴァー4発売情報」は広まっていたのですが、どういう内訳なのか、どういう造形なのかが見えていなかったため、イマイチ話題が盛り上がってなかったのです。 で、最初に掲載されたのが、「ビシャモン・ミッドナイトブリスバージョン」。 前回同様のコンセプトで、特定必殺技で女性化したキャラクターの立体化でした。 このビシャモン、見た目はモロに「ドロロンえん魔くん」に登場した“雪子姫”そのまんま(笑)。 マイクロミニの白い着物に、ドクロっぽい形の髪飾り、そして髪型… これが実際に登場したアーケードゲーム「ヴァンパイアセイヴァー」は、元々細かなパロディ要素を含んでいた作品だったわけですが、まさかそのまんま立体化するなんて、とても思えなかったのです。 そういう意味の驚きもありましたが…それ以外にも、細かいディテールや表情、ボディラインのなまめかしさなど多くの魅力を内包していました。 何より、肉感的なデザインがたまらないミリキをかもしているわけです。 この写真一枚で、ファンの期待ボルテージは一気に高まりました。 そう、無条件で、他のラインナップに期待できてしまうくらいに。 その後、数体まとめて原型写真がネット上で掲載されました。 その出来の良さに感激したファンは、この商品の「予約」に奔走します。 ええ、もちろん、この場合の予約には「袋買い」も含まれます。 「袋買い」というのは、問屋から卸される最小販売単位で、一台のガシャポンペンダー機に入るだけの数をまとめた「大袋」を丸ごと購入するという事。 ユージンの200円ガシャポンの場合、50個単位となります。 単純計算だと10000円になるわけですが、実際は卸値+αくらいで買えるケースが多いため、だいたい8000円前後平均になります。 ただ、これでも一般人が一度に買うのは多すぎるわけです。 でも、今回の「袋買い注文者」は、過去最大規模だったようで、一時期などユージンの初期出荷数をも上回るのではないかとまで噂されたほど。 実際はまったく問題なかったようですが、とにかく、過去にないくらい袋買い希望者が殺到したわけです。 なぜか。 皆、アソート比率を警戒していたのです。 結果的に、今回は袋買いが大成功、普通に回した人は大変なリスクを負う事になっていくのですが…この辺の事情は、後ほど詳しく記していきましょう。 とにかく、かなり早い時点で、2004年度最大注目株になるだろう事は約束されていたわけです。 ●アソート内容:
・ボンテージリリス(ノーマル/黒 シークレット/赤 写真はシークレット)
「おいおい、これホントに一般向けかよ」と疑いたくなるような、とんでもない造形のフィギュアで、今回のシリーズの最大注目株。とても200円とは思えない凄まじい完成度に加え、限りなく全裸に近いセミヌードという妖しさ、さらにリリスの超ロリ体型のリアル再現が加わり、ある方面の人達にとっては最強アイテムとなってしまいました。 知らない人に見せたら、これがガシャポンで、しかも200円のものとはとても信じてくれないでしょう。 過去のシリーズのものと比較しても、最上位に食い込む事間違いなしの出来でしょうね。 巨大な十字架から伸びる鎖に両手を拘束され、全裸の上に革ベルトを巻きつけられ、首輪まで…ベルトの隙間から覗く裸身が淫靡で、さらによく見ると、浮き出た肋骨や僅かに膨らんだ腹部まで再現されています。 これ…異常なまでの、幼女の肉体に対するこだわりを感じます。 個人的には、「やりすぎ」って気がしてならないけど(笑)。 さすがに、腰部分のベルトは凹凸ダボで接続されている上接着済み、さらにリリス本体は前張り(笑)が施されています。 どうも噂によると、大元のカプコンから指摘食らったらしいです。 そりゃまあ、そうでしょうね。 このフィギュアはバージョンが2種類ありまして、革ベルトと十字架の色違い(黒・赤)が存在します。 一応黒がノーマルとなっているのですが、未開封保存主義の筆者は必要最低限数しか持っていないため、とても組む勇気が出ませんでした(ゆえに写真もなし)。 写真は赤の方ですが、実は黒の方のみ、赤にはない部品が付いています。 これは鎖付きの首輪で、前シリーズ「ヴァンパイアセイヴァー3」のボンテージモリガンに接続できるものです。 つまり、これを利用してモリガンとリリスを繋げると…さらに妖しさ倍増!! もはや、言い訳不能なくらい一般向けではないシチュエーションが誕生してしまいます! 実は、設定上モリガンもリリスも同一の存在なのですが…ま、細かい事は言わないでおきましょう。 赤リリスは「放置プレイ中」という解釈で…いいのかな? <まて ・ビシャモン(写真はノーマル シークレットは手甲付)
これが、先に記した「雑誌発表一号」。デミトリの「ミッドナイトブリス」を食らい、一時的に女性化した姿。 どう見ても雪子姫! …という話はもう止めるとして、純粋に造形だけ見てみましょう。 前髪でわかりにくいですが凛とした表情、すらりとしていながらも肉感的なボディ、そしてそれを包む着物の妖しさ、手に持つ刀の妙に高い完成度、兜を用いた台座…リリスと同じくらい気合入りまくりです。 とてもこれが、あの「切り裂き魔」「中身はごついオッサン」「腹から巨大な手を出す」ビシャモンとは思えません(笑)。 まぁ細かい事はおいといて、こちらも、200円とは思えない素晴らしさです。 このビシャモン、特に下半身の造形に目を見張るものがあります。 着物のスカート状になっている部分ですが、これはクリアパーツに塗装したもので、その気になれば色を落としてスケスケにする事も可能です(というか、改造の基本だそうで)。 それはともかく、このパーツが異常に“薄い”!! そのため、スカートの下に入り込む下半身が、肉厚を考慮して細くなる事がありません。 これはどういう事かというと、今までスカートとその中身が別パーツ構成になっているフィギュアの場合、スカートパーツ自体の「厚み」の分、下半身を細くしなければなりませんでした。 そのため、妙に細い腰から妙に太い足が生えているように見えたり、上半身と下半身に体格差が見てとれたりしました。 バンダイの「HGIFカプコンギャルズコレクション」などはこれが如実で、こちらでもラインナップされている制服リリスなどは、泣きたくなるような処理を施されています。 ところが、このビシャモンはしっかりとした下半身の上に極薄パーツをつけているため、体型の不自然さがまったくありません。 以前こちらで扱った「ナムコリアルフィギュアコレクション4」の吉乃ひとみ等も、絶妙な下半身バランスになっていました。 だけど、ここまで薄いパーツと下半身を両立させた例は、あまりないでしょう。 ユージンの「ギルティギアXX水着コレクション」のイノに付いていたパンツパーツも極薄でしたが、イノ自身の下半身はかなり細く違和感バリバリのものでした。 …って、下半身の話ばっかしてると、なんか妙な雰囲気だなぁ(笑)。 他にも、面白いポイントが一杯あります。 まず、ボールジョイントになっている手首。 これにより、刀を持つ角度を微妙に調整できるため、様々な表情付けが可能になります。 たいがいにおいて、開封時は手首が逆向きになっているため焦りますが、少しコキコキ揺らしていれば、すぐに動くので仕組みがわかる筈。 それから、ビシャモンの兜型の台座も、いい感じです。 これは台座と別パーツ構成で、完全独立パーツになっているため、それ自体でも面白みに溢れているのですが、これに左足をかけて立つような姿勢となるポージングは、さらに面白いでしょう。 ちょっと固定しづらい上、時間が経つとだんだん前に傾いてくるという定番の問題点はありますが、試みとしてはなかなか。 髪の毛の裏側…右肩の後ろ部分にある謎の穴は、スーパー合体時に二台目ロボのパーツをドッキングさせる……ものではなく、シークレット専用パーツ「肩当」をはめ込むためのものです。 できれば、ノーマルの時は潰して欲しかったんだけど…ま、いいか。 ボンテージリリスに次ぐ、二番目に人気のアイテム…と言い切ってもいいかな? 人によっては「制服リリス」って言うかもしれないけど(笑)。 ・バレッタ(左:ノーマル 右:シークレット)
さて、ここからはダブり要員(笑)。赤頭巾風の可愛らしい外観に反して、悪魔のように恐ろしい性格と残虐性を持つ殺戮地獄少女(でもれっきとした人間)。 それがデミトリの「ミッドナイトブリス」を食らい、一時的に女性化した姿…って、元々女性なものだから、ホーリーアップした姿になっちゃったって奴。 実際、この格好でゲームにも登場します。 ナイスバディの上に、やたらサイズの小さい服(元の奴そのまま)をまとっているせいか、ほとんど「ふしぎなメルモ」状態になってます。 手に持つ物騒な武器と、太股にくくりつけられた投げナイフ、踏んづけられた犬(こやつも本編に出ている)などから、恐るべき性格の一端が覗いてます。 この肉体美と大胆なポーズ、そしてナイスな「あはーんヘッド(C:きっか氏)」のおかげで、ダブり要員の中では比較的好意的に受け入れられているアイテムです。 ややバリが目立ったりもしますが、大目に見ましょう。 ノーマルは、手に銃を持ち両目を開けていますが、シークレットは手にククリナイフと呼ばれるブーメラン型の武器を持ち、ウインクをしています。 実は、台座と本体は、犬を貫通する形で長いプラ棒で繋がれており、心棒が通った状態になっています。 だから、いかにも長時間経過に弱そうなデザインなのに、ヘタりが起こりません。 これは大変嬉しいアイデアなのですが…なんで他の奴にもやってくれないのかなあ。 スカートは、ビシャモンやフェリシア(後述)と同様クリア成形に塗装したもの。 なぜか、腰の接続がボールジョイントになっています。 色々なところで、実験的な試みが行われているように感じます。 個人的には、一番好きな造形だったりします。 基本的に、貧乳より豊満な方に萌えるタチなもので☆ ・リリス・制服Ver
いわゆる「制服リリス」で、これはミッドナイトブリスによるものではなく、ゲーム時に出てくるコスプレバリエーションの一つ。同じモチーフで、一度バンダイがガシャポン化していますが、こちらの方が大型で造形も良く、またエロティックになっています。 そのポーズから下半身に目が行きがちですが、実はセーラー服のリボンをほどき、前をはだけているという凄まじい挑発っぷり。 これで貧乳マニアは一撃でしょう(古代表現)。 つか、よくこんなポージングで立体化する気になったなと、その発想と思い切りに感激します。 この調子で、次回は是非モリガンのチャイナ服を(笑)。 ただ、問題が少々。 ルーズソックスや下着部分に吹かれたシャドウの青色が強すぎて、元の色を覆い隠してしまっているのがほとんど。 つまり、下着もソックスもほとんど青一色に染まっちゃってるわけですな。 こいつは残念。 あと、個人的にはスカート部分が二分割(一部は腹部と一体化している)のと、端の方が妙に厚ぼったくなっているのも残念。 とはいえ、飾っている分には問題にならない事だし、ましてや台座の固定用ポッチ(凸)を受け止める役目もあるから、厚みについては文句言っちゃいけないのかも。 …あれ、でも待てよ。 こんなに安定性が良いのに、これ、そもそも台座なんか必要だったのかな?! ・フェリシア(左:ノーマル 右:シークレット)
最強のダブり要員!!今回のフェリシアは、ヴァンパイアセイヴァーのエンディングに登場した「シスター」バージョン。 ノーマルは、エンディングラストでベールを取った姿で、シークレットはベールを着けたバージョン。 頭部と右手首パーツだけが別構成となっており、それ以外は共通パーツなのですが、それだけでまったく違う印象を与えるようになっており、バレッタとは比較にならないほどイメージが変わってしまいます。 いつものフェリシアのイメージを継承したノーマル版はともかくとして、面白いのはシークレット版のポーズ。 エンディング冒頭では妙におとなしめだったシスターフェリシア(ベール付)…このシークレット版では、高々とピースサインを掲げる、なんだかとってもお茶目なポージングになってしまいました。 表情が妙に澄ましている事もあって、そのミスマッチ感がなかなかいいです。 大きくひるがえったスカートパーツの関係から、全体的にボリューム感が凄く、制服リリスの倍くらいの体積があるんじゃないかと錯覚してしまいそうになるほどの豪華さです。 ビシャモンやバレッタ同様、これもスカート部分が透明パーツへの彩色となっており、改造目的の人にはいろいろと活用のしがいがありそう。 また、頭部は完全なシスター形状ですから、その方面が好きな人には絶好の素材かと。 もっとも、瞳孔がネコの形になってますから、これを塗り替える必要があるでしょうけど。 ノーマル版は、スカートのボリュームに加えて髪の毛も加わりますから、もうカプセルの重いこと重いこと! 後に触れますが、ガシャポンを回していて、取り出したカプセルがずっしりしていたら…憂鬱な気分になるものです。 このフェリシア両バージョン、合わせると今回最大の混入数になってしまいます。 そのため、もうやたらと出まくり状態でして、時にはそこら中に捨てられておりました。 しかし、だからと言って決して出来が悪いわけではなく…それどころか、大変素晴らしい出来です。 これだけ大きなスカートパーツに覆い隠されてしまう下半身も、手を抜かずしっかり作りこまれていますし、何より表情が良く、また衣装のモールドもため息モノ。 他のメーカーから出たら、はたして200円で収まったものかどうか、疑問です。 もし、混入数がこんなに多くなかったら…もっと正当な評価をされていた事でしょう。 とにかく、ダブりを嫌う人にはとことん嫌がられ、改造目的や、純粋に完成度を追求する人には好まれる…面白い反応を得たアイテムでありました。 ・ジェダ
「ヴァンパイアセイヴァー2」では固定ラスボス(一部例外)に昇格した、血が大好きな(笑)知的モンスター。これは、デミトリの「ミッドナイトブリス」を食らい、一時的に女性化した姿。 ノーマルのみでシークレットは存在しませんが、これも混入数がものすごく多かったおかげで、最強ダブり要員第二号になっています。 筆者は、これがもっとも多く出てしまい、すごく処分に困りました。 このジェダも、出来の良さは特筆モノ。 ややパーツの合いが悪いですが、そのスタイルやパーツ構成、台座のデザインと造形…どれを取ってもハイレベルです。 独特な形状の眉毛(額の黒い部分)と、表情(目のペイント)のせいか、大変クセのある表情になってしまってますが、それでも、他の商品と比較するとレベルの違いは明白です。 このアイテムは、手に持った魔道書や腕のリング(なんと別パーツ!)、溶けた本を模した台座などにもじっくり注目したいところ。 特にゲームをやっていた人なら、この本を見て苦笑できるはず。 筆者の使うモリガンも、何度も叩きつけられたものです(笑)。 まあ、でも、妙になまめかしいポーズやら、胸や腰のくびれに注目したくなるのは人情ってもんで(笑)。 …と、さんざん褒めていますが、実はこれ、原型の段階で期待されまくっていたものの、「肌の色」がゾンビ色だという事で、いきなり嫌われてしまったという悲しい存在なのです。 元々ジェダはこういう体色のキャラなので仕方ないのですが、コレクターは「シークレット版として、肌色のものがある筈」と睨んでいた様子。 しかし、その見込みは外れてしまったわけです。 いずれ発売されるだろう「Ver.4.5」では、きっと肌色バージョンが出るだろうと期待されていますが…まさかその時のために、わざと肌色版を出さなかったとか?! ジェダ、ロングスカート部分の接続が甘くて、やたらと隙間が出来てしまうのですが、個人的には、スカート部分を外して固定できるようになっていてくれればベストでした。 そうすれば、マイクロミニのタイトスカート状態で飾れるのですが。 …まあ、改造すりゃいいんでしょうけどね(笑)。 ●アソート比率の話
「SRヴァンパイアセイヴァー」の話をするにあたって、アソート比率の話を避けて通る事はできません。前回の3&3.5では、シークレットの中に1/50というとんでもなく少ない混入率のものが混じっておりました。 そのため、一袋(ないしは一台のガシャポンベンダー機)から、フルセットが1つしか手に入らないという悲惨な状態になっていました。 このため、1/50シークレットはオークションで価格が跳ね上がり、発売から一年以上経った今でも一体3000円以上は軽くしてしまいます。 でも、今回の4はそれを上回る極悪アソートでした。 とはいえ、1/50なんて混入率のものはありません。 にも関わらず、このアソートには、コレクターだけでなくセット売り業者各位も泣かされまくったのです。 その理由を説明する前に、まず全体のアソート比率を見てみましょう。 ■SRヴァンパイアセイヴァー4 アソート比率(50個入袋単位)
上記は、筆者とスタッフ・Mr.Boo氏や複数の知人が購入した物の内訳ですが、確定数ではなく、袋によって微妙な違いがあるようです。 ただ、筆者が聞いた範囲では、フェリシアやジェダの数が微妙に違うという場合がほとんどで、他の物の内訳はあまり大きく変わらないようです。 ただし、一部ではリリスの数がさらに少なくなっているとか、ビシャモンの数が入れ替わっているとか様々なパターン報告もある様子。 すべての情報が真実とは限らないのですが、いずれにしても、ものすごい偏りがある事がわかります。 見ての通り、これでは一袋中フルコンプリートは3セットしか作れません。 その最大の要因となっているボンテージリリスなどは、オークションでも1300〜1500円単位で取引されています。 でも、上記アソート一覧を見て「あれっ」と思った人がいたら、かなり鋭いと思います。 そう、フルセットが3つしかできないという条件を除けば、一見した限りそんなにひどい比率には思えません。 フルセットに拘らなければ(つまりバージョン違いを同梱しなければ)、そこそこのセット数が作れそうに思えます。 しかし、よく考えてみてください。 以前紹介した「ナムコリアルフィギュアコレクションPART-4」のように、ノーマルとシークレットがほぼ同数混入している場合、セット販売業者は「ノーマルを中心に6種集めたセット」や「シークレット中心の6種セット」を作り、それぞれを極力安価で販売するようにしていました。 これなら、一袋からそれなりのセット数が作れる事になり、結果的に売り出しやすいのです。 また、それ以前からも「特定のシークレット有り・無しバージョン」とセットの内訳を変えて販売していたりしました。 これにより、変則的なアソートをうまく販売していたわけです。 でも、上記の内訳でこのようにセットを組む事を考えると… そう、どうしても数が足りなくなるんです。 そして、余りが大量に出てしまう! ノーマルセットを3つ組むと、あとはシークレット2つ組んで終わりになり、ボンテージリリス赤やビシャモンのノーマルとシークレット等が余り、フェリシア他単品物はそれぞれ大量に残留します。 つまり、6つ目のセットにやや足りないため、中途半端な残り方をしてしまうわけです。 これって、セット売りの見解で見てみると、泣きそうなくらい意地悪な事。 もちろん、余ったリリスやビシャモンなどは、単品でプレミア価格を付けて売る事も出来ますが、実はこういう「あからさまに高額になる事がわかっている品物」というのは、なかなかに扱いが難しいのです。 詳しく話すとめちゃくちゃ長くなるので割愛させていただきますが、とにかく「すべての業者が(プレ値販売など)同様の対応を行える」訳ではないので、厄介者を増やしてしまう事になるのは間違いありません。 そう考えていくと、フルセットを3つ作り、残りを適当にバラ撒いた方が賢明に思えてくるわけです。 事実、この夏に開催されたワンダーフェスティバルやトイフェスティバル等では、ノーマル・シークレットセットと分けて販売しているディーラーはほとんどなく、ほぼすべてフルセット販売のみでした。 当然価格は高騰し、いきなり3000〜4000円以上! すなわちこれは、ガシャポンベンダー機とのめぐり合わせが悪く、直接回す事ができなかった人が、後から通販などで購入する事すら困難になってしまう事をも意味します。 筆者が調べた範囲では、ネット上通販でもセット販売はほとんどなく、あってもリリス抜きなどの変則的なものが多く感じられました。 で、先の通り、筆者は袋で買ったわけですが、その他にもさらに10000円以上ガシャポンを回して来ました。 その結果…自力で集めたフルセットはたった1つ! 赤ボンテージリリスが3つ、ビシャモンシークレットが2つ出たのはいいんですが、後の残りはすべてバレッタ・フェリシア・ジェダでした。 幸い、オークションでほとんどすべてさばけてくれたから助かりましたが。 黒ボンテージリリスは…結局自力では一つしか出ていない事に。 とにかく、一時はフェリシアやジェダにうずもれそうになりました(笑)。 最終的に、黒ボンテージリリスさえあればフルコンプ…という中途半端セットが2つも出来てしまいました。 正直、筆者はあまりボンテージリリスの造形にこだわりは感じないのですが、この中途半端さが大変歯がゆいんですよね〜。 閑話休題。 以上のように、全体を通してみると前回以上の極悪アソートである事がご理解いただけると思います。 前回も、混入率が妙に少ないものが含まれていましたが、全体を通じて6個しかないものをさらに2種類に分けるとは…ちょっと凄すぎ。 このシリーズのセットが、今後どのような評価を得ていくのか、大変興味深いと思っています。 再販が出たら、アソート比率変わってくれているといいなあ。 ●入手難易度:
最後に、この商品の入手について。発表直後から、その完成度の高さで多くのコレクターの心を鷲掴みにした本シリーズは、過去にないほど多くの袋注文が殺到し、夏前には品不足発生が予測されていましたが、幸いそうはなりませんでした。 その代わり…実際に発売された後が大変でした。 以前にも書いたと思いますが、ユージンのガシャポンは、バンダイ製品と違ってごく限られた店舗しか積極的に仕入れません。 マニア向け要素のある店舗なら話は別ですが、そういう要素のない完全な個人商店などでは、ほとんど入れられる事はないそうです。 その結果、土地によってはまったく見かける事がなく、さらにマニア向けの店ではあっさり空になるという事態が発生しまくりました。 その上、先のように通販すら困難という事態になってしまったわけです。 以前のシリーズでの経験を活かし、あらかじめセット予約や袋買いを決め込んだ人はともかく、後からこのシリーズの事を知った人は大変です。 そんな事から、3や3.5の時とはまた違った争奪戦が展開しそうな雰囲気でした。 結局のところ。 あらゆる購入者の予想を覆すアソート比率のおかげで、各方面に様々な影響を及ぼした「ヴァンパイアセイヴァー4」。 これにもっとも振り回されたのは、いつものようにノーマルセット等が組めるだろうと考え、大量に事前予約を取ってしまっていたセット売り業者さんだったのではないかと推測します。 だって筆者も、実際に一箇所から「予約取り消しのお願い」をいただいた事がありますもの(笑)。 さて、2004年9月初頭現在、このシリーズの再販やリペイント版発売の話はまだ聞こえず、次の注目株は年末発売の「ナムコリアルフィギュアコレクションPART-5」となっています。 ただ次回のナムコ、そのラインナップから食いつきは著しく悪いようで。 やっぱり、今年はヴァンパイアセイヴァーの一人勝ちだったのかなぁ、と思う次第です。 ▲ オマケ(笑) えーい、畜生! 誰か黒リリス交換してっ♪(滝涙) → NEXT COLUM |
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