玩具ありMINI! 第12回 バンダイ
特捜戦隊デカレンジャー 「特捜合体DXデカレンジャーロボ」
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更新日:2004年5月30日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
すみません! 予想を覆し、バイナルテック一回飛ばし!!(笑) という訳で、今回は(この原稿を書いている時点で)最新の戦隊ロボをピックアップ。 本当なら、戦隊ロボの場合「全てが出揃った後」にまとめて取り扱う方がネタ的においしいんだけど、今回はちょっと趣旨を変えて、色々といじくりまわしてみたい感じ♪ 「デカレンジャー」が非常に高い人気を誇っているという背景もあるから、ここで一度やっておくのもいいかな、と…そんな訳で、買って来ましたともデカレンロボ! って、税込で7,000円超えるのかよ! うわちゃ、高い〜!!
●概要: その名が示す通り、「デカレンジャーロボ」は「特捜戦隊デカレンジャー」に登場する主力兵器ロボットで、五台の巨大マシンが合体する事で構成されるメカだ。 2000年度放送の「未来戦隊タイムレンジャー」以来、丸3年ぶりの「乗り物系モチーフメカによる合体ロボ」であり、また車両型としては1999年度放送「救急戦隊ゴーゴーファイブ」以来丸4年ぶりとなる。 ジャッジメントソード(剣)とシグナルキャノン(銃)をメイン武装としており、そのいずれもが必殺技を発動できるという贅沢な仕様。 さらに、ジャイロワッパーという、「相手を捕獲して強制転送してしまう」独特の性能の装備も所持し、さらには意外に高い敏捷性も発揮するという、大変旨味の多いロボだ。 特に、シグナルキャノンを構えた時、ちゃんと「銃を撃つ時の正しい姿勢」になっているのがポイント。 その他、前面部各所に巨大なパトライトが設定されているため、これらが点灯するとなかなか派手だ。 デカレンジャーロボは、
出動の際は、巨大基地デカベースより地上発進する(パトジャイラーも含め)。 当然ながら、それぞれのマシンはかなり巨大であるため、普通に車道を走る事は困難である。 そのため一般道を走行する場合は、一般車両に道を開けてもらうように呼びかける場合がある。 第一話では、パトシグナーの呼びかけで道路の中央帯に車両を寄せてもらい、その真上をパトレーラーが走り抜けるという描写があった。 なかなか凝った演出である。 もう一回やってくれるかどうか、大変微妙だけどさ(笑)。 でも、パトストライカーはそんな事気にする様子もなく、我が物顔で走り回るんだよなあ(笑)。 車高低いから、真下に一般車両が入りそうにもないし。 ●パトストライカー: 他のマシンの装備を利用できたり、リアスポイラーが付いていたり、マニュピレーターが二本も装備されていたりと、イマイチ本来の用途が判別しづらい(笑)。 とりあえず、第一話の描写から「高速追跡用マシン」という解釈をして問題ないようだ。 なんと驚く事に、これ単体で星間航行能力まで持っている。 飛行能力がなさそうな雰囲気なのに、どうやって離陸・重力圏離脱したのか、また大気圏突入したのかとても気になる所だが(ものすごい角度で突入しようとしてたものね)、とにかくとんでもない機能てんこ盛りの、魅力溢れるメカだ。 さて、このDX版パトストライカーは、本商品のキモとも言うべき重要な機構が集中しており、色々と語るべきところが多い。 まず、本編内で表現されている機構をほぼすべて再現できるようになっている。 パトライト点灯・サイレン音は当然として、リアフェンダー部分のマニュピレーターまでしっかりある。 しかも、ちゃんとやや外側向きに可動するため、これを使って合体直前の「パトアーマー&シグナーつるし上げ」状態も再現出来る。 …とは言っても、実際はパトアーマーとシグナーに「掴まれるべき場所」が設定されていないため、“なんちゃって再現”になってしまうんだけど。 この体勢で固定は出来ない上、実際の合体まで移行させる事は無理なので、あくまで「参考例」として見て頂きたい(笑)。 まあ、こういう飾り方もできるよ、という意味で。 後輪ホイール部分から伸びているちょっとみっともない突起は、ロボ形態時に腕を固定する軸ジョイントだ。 これは合体時以外でも活用する事が出来、ジャイロワッパーを装備させたり、ジャッジメントソードを装備させる事が出来る。 このジョイント、確かに用途は幅広いのだが全体のスタイルを大幅に崩してしまっているため、大変に見場が悪い。 さすがに収納ジョイントにしろとは言わないが、せめてデザインの段階でもう少し考慮して欲しかった残念な部分だ。 なおこのジョイントは、他のデカレンジャーロボ合体玩具でもしっかり継承されている。 どうしてもこれがイヤだという人は、合体ギミックのない玩具(ポピニカのセットなど)を買うしかない。 ライト&サウンドのメインスイッチは本体裏側にあり、コクピットの前部「1」と書かれたボンネット(?)部分を押す事で、発光&サイレンを鳴らす事が出来る。 これらはかなり大きな音で鳴るため、夜中に遊ぶのは控えた方がよろしいかと。 本編で使用されているエフェクトにかなり近い音が鳴るので、この辺は嬉しい。 よく見ると、本体下部でも発光しているのがわかるが、これは決して何かの隠しギミックではなく、合体時にパトジャイラーとパトレーラーのパトライトを発光させるために必要な部分だ。 実は、この他にもう一つ「第三のボタン」が隠されているのだが、それについては後述。 【合体形態へ】 まず、左右フロントフェンダー(前輪を覆う部分)を180度前方に回転させ、ロボの太股部分を準備する。 次に、本体後部をシャーシ側に折り、収納されていたロボの頭部を露出させる。 折れ曲がった後部はそのままロボの背中を構成するのだが、前部と固定させるための補助ジョイントがリアバンパー周辺に隠されているので、これを引き上げておく事も忘れずに。 後は、後輪軸から伸びているジョイントにパトアーマー・パトシグナーを接続すれば、胴体と上半身部分の準備は完了になる。 後は、足になるパトジャイラーとパトレーラーを履くだけだ(笑)。 この時、本体のメインスイッチが入っていると、衝撃音が鳴る。 ちなみに、太股部分から伸びている透明パーツ(変形前、シャーシの下で点灯していたライト部分)は、合体後にパトジャイラーとパトレーラーのパトライト下に潜り込むもので、こちらが点灯する事で二機のパトライトも点灯するという仕組になっている。 こちらについては、それぞれのマシンの説明の項で再び触れよう。 面白い事に、パトストライカーは変形前と変形後でライト&サウンドの種類が変化する。 つまり、パトストライカー単体時は普通のライト点灯とサイレン音、そして衝撃音だけなのだが、ロボに変形・合体すると「合体完了音」「必殺技音」「合体衝撃音」が鳴るようになる。 前者は音のタイプそのものが変化し、後者はロボ全体のパトライトを光が走り回り、派手な音が鳴る。 だが、これらロボ時のライト&サウンドバリエーションは、パトストライカー時には決して鳴らないようになっている。 いったいどこでこれを区別しているのか…というと、それが先に紹介した「第三のボタン」なのだ。 変形時、この上に別なパーツが被さって常時ボタンを押さえている形となるため、モードが切り替わってライト&サウンドのバリエーションが広がるのだ。
デカイエロー専用マシンで、一応「装甲車」という事になっている。 確かに、体当たりなどを頻繁に行っているし、でんぐり返っても全然平気っぽいので、装甲の分厚さが最大の武器なのは間違いないようだ。 車体後部には大型の投光器が装備されており、これを利用して現場やアリエナイザーに強烈な光を当てる事が出来る。 投光器はロボット時に「ジャッジメントソード」の柄に変形するのだが、そのため実質的な「柄運搬車両」に留まってしまっているのが悲しい。 …とはいいつつ、デカイエローことジャスミンによる「古典的一発ギャグ」と共に突進する姿は大変に愛らしく、映像的・演出的にはとても旨味のあるメカになっているのもまた事実だ。 今のところ、地上走行以外の推進機能があるかどうかは不明。 DX版パトアーマーは、ちょっと大型のチョロQのようなくりくりしたボディが可愛い、とてもロボの腕になるとは思えないデザインだ。 変形行程も含め、もっともギミックに乏しいメカであり、投光器を取り外せるくらいしか特殊な動きがない。 この投光器、ジャッキアップするような構造設定になっているが、この商品ではそれを再現する事は難しい。 投光器のジャッキはジャッジメントソードのグリップそのもので、本体から引き上げる事は出来ても、適度な高さで固定する方法がないためだ。 なんとなく引っ掛けてそれっぽく飾る事は可能だが、いまいちしっくり来ない。 だから、ロボに合体させる際に投光器を外さないまま拳を出そうとすると、ソードのグリップが破損してしまう危険がある。 当然だが、拳が折り込まれている都合上、プルバック走行などのギミックも存在しない。 投光器の裏側は二つの凹ジョイントの集合体になっているが、これはパトストライカーの後輪にジャッジメントソードを固定するためのもの。 スーパー合体系の伏線…ではないと思いたい(笑)。 なお、ライト&サウンドの機構はまったく組み込まれていないため、パトライトは完全な飾りだ。 にも関わらず、内部モールドまでそれっぽく作られているのがちょっとすごい。 【合体形態へ】 投光器を取り外し、折り込まれている拳をくるりと引き出したら、変形完了。 後は、シャーシ底にある凹ジョイントに、パトストライカーの後輪から伸びている凸ジョイントを差し込めばOK。 先に記した通り、パトストライカーのマニュピレーターで掴めるような部分はどこにもない。 本編中では、いったいどこを掴んでいるのか大変気になる。 ちなみに本編の合体シーンでは、投光器がジャッキアップ状態になっており、これは合体完了後までそのまま維持されている。 確かに、これとまったく同じ様に本商品を合体させていれば、グリップパーツ破損の恐れはなくなるけど…ねえ。 ●パトシグナー: デカピンク専用マシンで、恐らく戦隊シリーズメカ全体の中でももっともロリ度が高いメカ(意味不明)。 コロコロッとしたデザインは妙に可愛らしく、また(今のところ)特定の武装らしきものを見せていない事もあり、ほとんどマスコットと化している。 …そりゃまあ、当然めちゃくちゃデカイんだけど。 天板部分を持ち上げ、標識車として活躍するが、水上も走れたり、ウメコ(デカピンク)のくしゃみに反応して飛翔する能力もあったり、自動操縦で動く上に、ウメコが乗ってなくても彼女の声でスピーカーから呼びかけたりと、なかなかの芸達者ぶりを見せる。 出動時には、デカマシン移動のための一般車両誘導や事故報告を行ったり、巨大なアリエナイザーにサインボードを用いた警告を促したりと、意外に活躍している。 当然、これがそのままロボの腕になるとは、とても思えなかったりする(笑)。 天板が起き上がり、クルリと回転して前方に向ける。 これはロボット形態時にも可能で、本編内のように前方にジャッジメントタイムの×印を向ける事もできる(ただし、下腕が回らないので標識の向きは限定される)。 標識の絵は変更可能で、全部で六種類の厚紙製カードが付属している。 カードは、サインボードの横から差し込むような感じで交換する。 で、それ以外は…特に何もなし☆ パトアーマー同様、ライト&サウンドの機構はまったく組み込まれていない。 【合体形態へ】 パトアーマーと基本的には同じで、後部から拳を引き出して準備完了。 シャーシ側の凹ジョイントを、パトストライカーの凸ジョイントにはめ込んで合体完了。 マニュピレーターの掴み所がないのも同じだ(笑)。 なお本編合体シーンでは、なぜか無意味にボードをアップした状態で合体する。 すごく邪魔そうな気がするんだけどなあ(笑)。 ●パトジャイラー: それなのに、合体時は足になるという大変珍しい存在。 左右の大型ジャイロによって飛翔するが、地上走行も可能で、さらにジャイロの裏側には巨大ガトリング砲が装備されている上に、機体下部には巨大フックアームまで仕込まれている。 左右ジャイロの一部は本体から外れ、ジャイロワッパーという捕獲用装備に可変するが、そんなに巨大なパーツを切り離して、機体重量を急激に軽減したりして大丈夫なのかなと心配になってくる。 それに、よく考えたらガトリング砲を撃っている時、こやつはいったい何の力で浮いているのか…? ローターは前方向いているんだから、揚力を生み出せないわけだし…ううむ、さすがはS.P.D!! こんな特殊な操縦技法をデカブルーに仕込むなんて!!<ぉぃ DXパトジャイラーは、さりげにギミックの宝庫だったりする。 本編内で登場したすべての装備はきっちり再現されており、ガトリング砲も回転すればフックも出てくる(ワイヤーは伸びないけど)。 ジャイロワッパーもジャイロから外れ、合体させてロボに持たせたり、個別にパトストライカーに装備させる事が可能。 実はうまくバランスを取れば、パトストライカーのマニュピレーターに持たせた状態のままで飾る事も可能だ。 このジャイロワッパーは、巨大アリエナイザーを輪の中に捕らえて専用牢へと強制転送させてしまうというとんでもない超科学装備なのだが、よくよく見ると、とてもデカレンロボと同じくらいのサイズの敵を捕らえられるような大きさに見えない。 …と思ったら、本編中では捕獲の瞬間に輪が広がってやんの! さすがに、この「輪が広がる」ギミックまでは再現されていないけどね。 …パトストライカーが装備した時は、どうやってこのギミックを使用するんだろう… ジャイロワッパーをロボに持たせるためのスティック状パーツが、ジャイラー時にでろんと垂れ下がっているのはいただけないが、ここはスタイルよりギミックを取りたい所。 独特の形状もしっかり再現されていて、超大型飛行要塞然としたスタイルはなかなかにカッコイイ。 マシン後部は、合体時にパトストライカーのジョイントを差し込む巨大な穴が開いている。 これにより、パトライトを下から透かして見れてしまうのだが、ここからも判る通りパトジャイラー(およびパトレーラー)には、発光ギミックは一切搭載されていないのだ。 ロボット時に足が発光しているのは、先に述べた通りパトストライカーのパーツが入り込むからである。 その都合で、足になるメカの後ろにはこんな大きな穴が開く必要があるという訳だ。 うーむ、確かにいくつものメカにそれぞれ電池を入れるというのは酷だけど、結構「パトジャイラーとパトレーラー自体も発光する」と思い込んでいる人は多いんじゃないかなあ。 パトライトの内部には、LEDみたいなモールドまで作られているし。 なんとなくCMを眺めている範囲では、その辺あまりピンと来ないしなあ。 【合体形態へ】 左右ジャイロを閉じ、ランディングギアを収納し、機首を上側に折り曲げると、合体準備完了。 あとは、上に向いた合体ジョイント部にパトストライカーの凸ジョイントを差し込めばOK。 うーむ、こう書くと妙にあっさりしているなあ。 合体準備変形によって、まるで形が変わってしまうパトジャイラーは、結構感動的ですらあるんだけど。 なお、13話で見せた「ロボ形態時にガトリング砲使用」も、当然再現可能だ。 うーむ、さすが(以下略) ●パトレーラー: コンテナ部分にロボット時の武器を格納しており、しかもそれを単独行動時にも転用するという大変頭の良い使い方が出来る。 しかし、全マシン中もっとも移動が困難そうな形状のような気がする。 あれだけバカでっかいけん引車両って、いったいどうやって車体感覚マスターすりゃいいんだろう?! それに、よく見たらコクピットの位置、ものすごく高いところにあるし。 DXパトレーラーは、意外にあっさりした造りになっており、それだけだと特に目立った面白みがない。 トレーラーヘッド部分とコンテナ部分のジョイントも、意外に可動範囲が狭いためフレキシブルに首を振れない。 構造上仕方ないのはわかるが、トレーラー玩具の肝でもあるこのギミックが殺されているのはすごく辛い。 コンテナ部分は、スライド式で左右に押し出す事が可能で、向かって右側からはシグナルキャノン、左側からはジャッジメントソードの刀身部が出てくる。 右足側面部から剣が飛び出すなんて、まるでキングエクスカイザーを彷彿とさせますなあドキドキドキ。 でもこのままの形態だと、ロボット時にはシグナルキャノンを内股部分より取り出す羽目になっちゃうから、多少演出のウソが必要になってしまう(笑)。 この形態でのシグナルキャノン使用時は、一度シグナルキャノンをコンテナから取り出し、向きを整えて差し直さないとならないのだが、こうしてしまうと、そのままではコンテナに収納させる事ができなくなってしまう。 そう、立てたキャノンの上部分が引っかかるためだ。 「ミニプラ・デカレンジャーロボ」という食玩プラモでは、この問題がきちんと解決されているのでちょっと悔しい。 なお、コンテナ部分後方から覗くと、パトジャイラー同様パトライトの裏側が見える。 当然、これ自体には発光ギミックはない。 【合体形態へ】 コンテナ部分を持ち上げ、トレーラーヘッド部分に乗せるように立てると、合体準備完了。 ホントにこれだけで、他には何もする必要がない。 ちなみに、変形させるとトレーラーヘッド部分の車輪が浮き上がってしまい、なんとなく接地性がアンバランスになる。 よくよく見てみると、どうやらコンテナ部分の先端部(足に変形した時に接地する部分)の高さが、左右で微妙に異なっている。 パトジャイラーには、特にそういう部分は見受けられない。 これが車輪を浮かせている原因のようだが…左右の高さ変えるのって、デカレンロボの場合なんか意味あるのかなあ? ●特捜合体!: さて、合体したデカレンジャーロボのスタイルを見てみよう。 デカレンジャーロボは、戦隊ロボ玩具独特のもっさり体型を維持してはいるが、細かな部分を見ていくと大変情報密集度が高く、よく作りこまれている事がわかる。 例えば、頭部のパトライト内部には、きちんと別パーツで回転灯が設置されているし、目の部分には透明のゴーグルがかかっている。 頭部の精密度もなかなかで、本編の着ぐるみに勝るとも劣らない男前である。 パトアーマーとパトシグナーの構造上、肘に該当する部分が存在せず、また上腕と下腕の区切りもないが、戦隊ロボには「棒のような腕」のものが結構沢山あるから、あまり気にしない方が得策だ。 こういうのに関節可動率の高さを求めても、あまり意味はないからね。 実際に持たせてみるとわかるが、パトアーマーの投光器部分を正位置で手に持たせようとすると、手の甲を覆う白いパーツが投光器の柄部分に干渉してしまい、しっかりホールドできないのだ。 この時、投光器の向きを180度回すとしっかり持てるようになるのだが、そうすると今度はジャッジメントソードの刀身先端部が反対を向いてしまい、まったく決まらなくなる。 そう、本編では気付きにくいが、ジャッジメントソードの刃には向きがあり、先端部は日本刀のような片刃形状になっているのだ。 要するに、安定して持たせようとすると峰打ちの向きとなり、無理やり正位置にすると剣がふらついてしまうのだ。 これは、結構大きな問題だろう。 ましてや、正位置にすると投光器の柄の可動の関係で、僅かに刀身が前方に倒れこんでくる。 もうちょっとなんとかならなかったのかなあ、ここ…。 そんな彩色もできないほど、安全基準って厳しいのかなー。 あやまって子供が口に入れてしまった際に、毒性を発する恐れのある塗料が塗られていないように、とか…? などと書いていたら、鷹羽飛鳥氏より「ただ単に、材質の関係で塗料が定着しないのでは」と突っ込まれた。 うーむ、なるほど。 さすが「ボード」の元研究員は、考察レベルが違いますな。<まて まあ、気にならない人にはまったく気にならない事だろうが、一応疑問符を打っておきたい(実は、言うほど筆者は気にしてはいないんだけどね)。 「DXデカレンジャーロボ」の最大の売りであり、戦隊ロボ玩具初のシステムとして「振動センサー」というものがある。 これは、本体(正確にはパトストライカー)が振動を受ける事によってセンサーが反応し、「ガシィィィン!!」という音を鳴らすというものだ。 合体時、パーツを差し込むたびに「ガシイィィン!」と鳴り、ロボット完成時に接地させると「ガシイィィン!」と鳴る。 これは、実際にいじってみるとなかなか感動的なシステムだ。 時折、妙に感度が鈍い時があり、パトアーマーやシグナーを差し込んでもウンともスンとも言ってくれなかったり、特定の角度からの衝撃にはほぼ無反応だったりと問題点も多いが、それでも充分楽しめるレベルだ。 「でも、それじゃあ飾っている時に不意な振動を受けて、触ってもいないのに突然鳴り出す事もある訳?」とお思いの方もいるだろうが、そんな事にはまずならない。 というのも、パトストライカーは電源を入れっぱなしにしていると、約10秒間隔で電子音が鳴り、電池の切り忘れを警告してくれるのだ。 だから、そのまま放置しようとしても「ピロリッ」「ピロリッ」「ピロリッ」という音がやかましくて、やっていられないはず。 ましてや、軽い地震で揺れた程度ではまったく反応しないので、大丈夫だろう。 むしろ、しょっちゅう反応して音が鳴り捲るほどの振動が来る事の方がヤバイ。 とにかく、「ライト&サウンド機能」はものすごく豪華で、過去に存在した電飾玩具全体と比較しても、かなり上位に食い込むだろう面白さを発揮してくれるのは間違いない。 細かい部分の不満も、このギミックの魅力であらかた塗りつぶされたりして(笑)。 DXデカレンジャーロボを買ったなら、是非一度は試していただきたいものだ。 パトストライカーに搭載された11個ものLEDの輝きが全体を駆け巡る様は、圧巻で、大迫力! しかも「合体音」時は一瞬間を置いた後に一斉に鳴り、輝きまくるので、ちょっと驚かされる。 必殺技音と、衝撃音が寂しく感じられてしまう程だ。 これは、子供にとってめちゃくちゃおいしい機能だろう。 相当昔、タカラの「大警察合体ファイヤージェイデッカー」プラス「マックスキャノン」装備状態で、一斉に電飾ギミックのスイッチを入れた所、とんでもない大音量のサイレンが鳴って近所の人が窓から顔を出した事があったが(本当)、音量はこれに及ばないものの、デカレンロボの点灯パターンはただの明滅ではないので、ファイヤージェイデッカー以上の感激は味わえる事だろう。 当然、アパートの一室などで一人で遊ぶのは、ちょっと遠慮した方が賢明かもしれない。 なお、このライト&サウンドシステム、パトストライカーを分解して確認・分析してはいないが、どうも内部に未固定状態のパーツがあり、これが振動で揺れ動いてスイッチを入れている…などという単純なものではないようだ。 パトストライカーを手にとって振ってみればわかるが、中で何かが動いているような感じはないし、それだけではサウンドは決して鳴らない。 パトストライカーを手のひらで軽く叩いたりでもしない限り、反応しないのだ。 筆者は、これに結構感動させられている。 このDXデカレンジャーロボは、戦隊ロボ玩具のセオリー通り「首が固定されていて回らない」。 しかし、実際は簡単な加工で可動させる事が可能だ。 頭部を分解すると、首パーツが挟みこんでいる軸部分に二箇所の凹凸があり、ここに首パーツ裏側に施された突起が引っかかっているのがわかる。 要は、この突起を殺してしまえばいい訳だ。 首の軸そのものは、突起さえなければ横にグルグル回転させられる円柱状のものなので、さほど難しい技術はいらない筈。 首の可動が欲しい人は、自己責任の上で挑戦してみるのも面白いかも。 当然、筆者は…やってないよ、今回は(笑)。 別に回らなくったっていいもん。 ●考察: 久しぶりのビークルメカ合体ロボという部分も手伝ってか、それまでしばらく続いていた「動物モチーフメカ合体」に飽きた人達も、好意的に受け止めていたように感じられる。 だが、ごく一部では、「一号ロボに何かしらのギミックが仕込まれるのはどうか」という懸念の声も上がった。 前年度「爆竜戦隊アバレンジャー」の一号ロボ・アバレンオーが「電動回転ギミック」なるものを搭載したために胴体部分に電池ボックスやモーターが組み込まれ、その都合上複雑なサブギミックを加える事が出来なくなってしまった。 せっかく「百獣戦隊ガオレンジャー」のパワーアニマルテイストの組み換え・換装ギミックを持ちながらも、それらをまったく活かせなかったのだ。 結果的に、爆竜シリーズは全体的に不人気に落ち着いてしまった。 この時の不安が、再び囁かれたという訳だ。 確かに、胴体部分に「(ギミックの都合上)絶対にいじれない体積」がドカンと残留すると、組み換え変形・合体のプレイバリューに限界が生じるものだ。 2002年度作品「忍風戦隊ハリケンジャー」の一号ロボ・旋風神は、胴体の中にカラクリボールというガシャポンカプセルと同じサイズの武装格納カプセルを収納するギミックがあったが、これのために旋風神の胴体は大きな可変を行えず、スーパー合体時でも中心核を形成するという使い方しかできなかった(同様のギミックを内蔵する豪雷神は、思い切り良く胴体が真っ二つになっていて驚かされたが)。 ハリケンジャーのスーパー合体ロボ各種は、結果的に新鮮味を生む事に成功はしたが、相当苦労させられたのではないかと思わせる部分が多かった。 逆に、胴体にそういった制約をまったく持っていなかった「ガオレンジャー」の精霊王(ロボットの事)各種は、小気味良いほどに豊富な組み換えバリエーションを作り出せた。 で、再度デカレンジャーロボを見直してみると、胴体部分をつかさどるパトストライカーにあらゆる基本情報が集まっており、ほとんど動かしようのない状態になっているのがわかる。 つまり、スーパー合体時には「そのまま残存」するか、あるいは「邪魔者扱い」されるかのどちらかにになってしまう恐れがある。 今後の展開で2号ロボ(この場合は合体主体の話なので、デカベースロボはカウントしない)などが登場し、デカレンジャーロボとの合体関連プレイバリューがある場合、パトストライカー自体を外してしまうという選択肢もありうるという事だ。 これはつまり、デカレンジャーロボの楽しい部分のほぼすべてを独占してしまっているため、それ以外のプレイバリューを求められた場合、その存在全体が否定されかねないという意味だ。 だが実は、現時点ですでにスーパー合体の「噂話」が聞こえてきている。 それによると、どうやら今後のデカレンジャーロボ・スーパー合体(あくまで仮称)は存在し、しかも「装甲追加型」の合体らしいという事だ。 タイプ的には、「スーパーライブロボ」みたいな感じだろうか。 次に登場するロボットは「巨大バイク型」で単体変形するのだが(これは確定情報)、これがバラバラに分離してデカレンジャーロボに合体するという理屈らしい。 しかもその際、デカレンジャーロボの四肢の一部が組み替えとなり、肩や腕などが特に大きく変化するとの事。 ちょっと信じられない話だが、現在の腕が肩になり、足が下腕になるという…のだ。 足りなくなる部分を、2号ロボのパーツが補うというスタイルか。 言われてみれば確かに、デカレンジャーロボの足の裏には左右一つずつ完全未使用状態の凹ジョイントが存在する。 明らかに何か追加パーツを固定させるためのものだろうが、口径のサイズから大きなパーツを保持できるようにはとても思えず、ゲタパーツ(基本ロボの足裏に追加される、さらに大きな足首パーツの事)用とするには他の固定ジョイントも見当たらない。 しかもほぼ中央に位置しているので、ゲタパーツよりは「拳」のような小型のパーツがはまると考えた方が自然かもしれない。 ただ、この時点で皆さんも想像していると思われるが、今の足パーツを腕とするには、デザインライン的に相当な無理があるようにも思える。 これらがもし本当の話だとしたら、最終的にどういうデザインラインにまとまるのか、大変興味深い。 過去、「スーパーライブロボ」や「スーパーファイブロボ」、あるいはアニメでも「ゴッドライジンオー」などのように、とんでもない豪腕をお持ちのスーパー合体系ロボットが存在した。 ああいう雰囲気には、なってほしくないような気がするなあ。 とにかく、デカレンジャーロボは「それ単体の姿は大きく変わらないコアロボット」として使われていくのではないかと、筆者は推測する。 もちろん、そう書いていながらも“予想を上回るとんでもない展開”に期待してもいるので、上記に挙げた例以外のバリエーションの可能性も否定はしない。 つか、できればそうあって欲しいと思う。 ●総評: ここまで色々と良い点・悪い点を述べ、また後々の展開を考察したりしてきたが、結局のところ「これは買いなのか否か」と聞かれたら、筆者は間違いなく「否」と答えるだろう。 今の時点では、だが。 思い入れの度合いを別にして考えた場合、やはり「DXデカレンジャーロボ」は、そのプレイバリューと価格の比率がかみ合っていないように思えてならない。 これまでに何度も記してきたように、本商品のライト&サウンドは確かにすごい。 しかし、中にはライト&サウンドのギミックにまったく魅力を感じない人もいる。 つまりは、「それ以外に魅力を感じさせる部分」がないのだ。 合体機構も単純極まりなく、ロボット以外の別形態もない以上、どうしても現状では遊びの幅が限定されまくってしまう。 またディスプレイするにしても、ポージングも含めた外観の変化に乏しいため旨味が足りない。 「もう一さじの味付け」が足りない、と言えばおわかりいただけるだろうか? 「でも、こういうのはいじってナンボ、思い入れてナンボのモノでしょ?」という意見もあり、それにも理解は出来るのだが、だからといってこれで定価7,000円超が納得できるか、といわれると、即答できない人も多いのではなかろうか。 前作「アバレンジャー」のDXアバレンオーも、定価6,500円にして単純極まりない合体機構と電動ギミックだけしか売りがなかったので、他の爆竜の商品が発売されるまで冷遇されていた。 よほど気に入った人でもない限り、アバレンオー単体で腹の底から満足したという人はいなかっただろう。 他の爆竜が発売され、その結果DXアバレンオーの魅力が増幅されたのだ。 それと同じような事が、これからデカレンジャーロボにも求められていく事になる。 事実、トイ系イベントなどでは5,000円台以上で販売しているディーラーはほとんどなく、だいたいが4,000円台後半くらいの価格帯を設定している。 それでも、決して飛ぶように売れているわけではない。 今後、デカレンジャーロボと組み合わせる事によってよりプレイバリューを高め、「デカレンジャーロボがないと話にならん!」と思わせるだけのアイテムが登場しない限り、この先はちょっと辛いんじゃないかな、と思えてならない。 それともこれは、筆者の無駄な懸念に過ぎないのだろうか…? さて、次回。 …ハウンドやらないとウソだろうなあ(笑)。 ではでは☆ → NEXT COLUM |
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