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更新日:2004年4月18日 | |||||||||||||
果物。 自然の物でありながら、お菓子と同じ嗜好品であり、食べなくても生きていける物。 でも、それ故に愛しき物。 私にとっての果物とはそういう存在です。 以前、当サイト掲示板内という狭い範囲ではありましたが、「好きな果物を教えて下さい」というアンケートをやりました。 結果、様々な果物の名前が挙がってびっくり。正直言って、ここまで色とりどりになるとは思っていませんでした。 しかも、品種にこだわりのある方、食べ方にこだわりのある方……色々な意見を聞かせていただき、大変楽しかったです。 皆様、ご回答ありがとうございました。 さて、楽しかったのはいいのですが、たくさんありすぎて何から触れて良いのか分からないという、嬉しい悲鳴を上げている状態です。 なので、この際、旬に合わせてか、もしくは先取りで何回か果物ネタを書こうかと思います。 よろしければおつき合い下さいませ。 今回は季節先取りで、大体、5月下旬から6月が旬のさくらんぼネタで行きまする。
名前からすると桜の実っぽいのですが、桜からさくらんぼは採れません。 元々さくらんぼは明治にアメリカから入ってきたんだから、桜に実がならないのは当たり前なのですが。 高温・雨に弱く、栽培が難しい、交配がめっちゃメンドくさい、収穫もまためっちゃ手間がかかる……とややこしい果物様。 しかも高温に弱いという事は、北国でしか作れないのに、雪にもダメージを受けるという虚弱体質さん。 ありがちな話ですが、私も子供の頃はさくらんぼ=桜の実とカンチガイしてました。 大人になった今となっては、あの美しい花を咲かせる桜から、これまた可愛らしいさくらんぼまで採れちゃったら、何か不公平な気がいたします(←妬みか!)。 それにしても、さくらんぼには未熟なイメージがあるのか、少年少女に対しての比喩として使われるのは面白いですね。 確かに淡い色合い+小さくて可愛らしい+少々酸味があるというのは、微妙な年代にぴったりかもしれません。 そしてどうでもいい事ですが、さくらんぼは少年少女の心の如く脆いです。 ちょっと傷が付くとそこからすぐぱっくり割れたり、すぐ腐ってゆきます。 なので、少々痛みかけの苺などが安く売られたりするのに対し、少々痛みかけのさくらんぼは危険なため、安く売る事もできません。 余談になりますが、以前働いていた所で、ある日大量のさくらんぼ、それも高級品種の佐藤錦が『ご自由にお食べ下さい』と置いてあった事があります。 あまりの事にびっくりしたのですが、実家がさくらんぼ栽培農家という人が、売り物にならないレベルの物を持ってきていたのです。 売り物にならないといっても、少し傷があるレベルで、大変美味しく頂きました。 ま、小さな傷でも果物屋さんに並べる頃には致命傷になっている危険性があるため、出荷できなかったのでしょう。 あの時はホント、至福でした。 しかし、コレ書いてて思いましたが、さくらんぼ……つくづくひ弱な果物ですね。 いや、繊細というべきでしょうか? きっと丈夫なさくらんぼを品種改良して作ろうとしている方々が居るのだろうなあ。 食物の品種改良というと、“味を追求している”と思う方も多いと思いますが、“病気に強い”とか、“虫に負けない”とか“たくさん収穫できる”とかも重要な訳で。 ああ……あと商業ベースに乗っている果物の場合、大変重要なのが、“熟しても落果しにくい”事だったりします。 熟した果実は勝手に地面に落ちる事があります。 ……しかし、地面に落ちられては商品になりません! 落っこちちゃう慌て者さんが出ないうちに摘果しなければいけないのですが、さくらんぼは先述の通り、傷をつけると大変な事になりますから、何と人力で収穫しています。 あの小さい実、1本の木辺り、5000個以上なりますから、ええと……。 取りあえず、自分は収穫作業したくないです、気が遠くなります。 ……高い訳です。 とにかく、栽培農家の方がかなり苦労して作っている果物なのが伝われば幸いです。 もちろん、さくらんぼを食べる時には、ただその美味しさを味わっていただければいいのですが、「ちょっと高いかな〜」 と思われた時は、この手間暇を思い出して、「やっぱ安い!」と考え直していただけないかな、と。 特に、旬以外でも食べられる他の果物と違って、ある一定時期しか出ないさくらんぼ、季節を感じるために是非。 ……何だか私、果物業界のまわし者じみてますな。 ま、いいか。 次回は西瓜辺りいかがでしょう(←おい、2回目にして果物じゃないじゃないか!)? → NEXT COLUM |
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