スーパー戦湯 〜その歴史と効能〜 鷹羽飛鳥
更新日:2004年3月28日
 鷹羽が『特捜戦隊デカレンジャー』についての具体的な情報を初めて聞いたのは、テレビ朝日の朝番組『やじうまプラス』で扱われた入浴シーンの話でした。

 知らない人のために書いておくと、『デカレンジャー』放送開始前々週の2月1日に行われた制作発表の席で、

 デカピンク:胡堂小梅は大のお風呂好きで、1話から入浴シーンがあり、その後も不定期に入浴シーンがある予定

という話が出たのです。

 要するに新番組の前宣伝&話題作りのための発表だったわけですが、この時、小梅役の菊地美香氏が「初めて人前で脱ぎました」などとコメントしたため、あちこちのサイトでこの話が取り上げられ、1話に注目する人が続出しました。
 まぁ、本気で脱いでいることを期待した人はほとんどいなかったと思いますが、背中くらい出てるかなぁとか、太腿くらい…とか、色々と楽しみにしていた人は多かったようです。

 デイリースポーツでは、「これまでには考えられなかった入浴シーン」などと煽って書かれていましたが、実際のところスーパー戦隊ではかつて『電撃戦隊チェンジマン』『恐竜戦隊ジュウレンジャー』『鳥人戦隊ジェットマン』『救急戦隊ゴーゴーファイブ』などで女性キャストの入浴シーンがあります。
 もっとも、いずれも肌の露出はほとんどありませんでしたから、今回も同様だろうというのは予想の範囲内のはずなんですけど、普段このシリーズを見ていない人にはそれは分からないということでしょうか。
 もしかするとこれまでには考えられなかったということで、『百獣戦隊ガオレンジャー』EDでのガオホワイト:大河冴役の竹内実生氏による“肩胛骨辺りまで露出された後ろ姿”以上のものを期待した人もいたのかもしれません。

 結局、放送されたシーンは、不自然なまでに不透明な湯船に浸かりっぱなしで、肩から上と膝から下しか見えないものでした。
 鷹羽は、発表を聞いたときから、どうせそうだろうと確信していましたし、同じように考えている人も相当いたようですが、こんな風にわざわざ周囲の期待の度合いを調べている人間がいるってだけでも、既に話題を集める効果はてきめんだったと言えます。

 え? 1話の視聴率7.6%?
 前の週より0.3%低い?
 あ、でも2話が8%ですね。

 んじゃあ、やっぱり話題にはなったのかしら?
 
 
 ちなみに『超電子バイオマン』には『セーラー服の戦士』、『チェンジマン』には『セーラー服のナナ』というサブタイトルがあります。
 なんでも、新聞に『セーラー服の〜』というサブタイトルが載っていると、おじさん達が見てくれるため、視聴率が上がるのだそうです。
 土曜ワイド劇場で「湯けむり〜」とか「混浴露天風呂〜」とかいうあおり文句が付くのと同じ理由ですね。
 そう考えると、『デカレンジャー』は、ターゲットとしてお父さん層を狙っているのかもしれません。
 ソフトとはいえ入浴シーンが度々あると予告されれば、それを楽しみに毎回見てくれるかも。
 ここ数年、イケメン系によりお母さん層をゲットしてきたスーパー戦隊は、遂にお父さん層にも手を伸ばしてきたようです。
 女性戦士が2人になったのは、『電磁戦隊メガレンジャー』以来7年ぶりですしねぇ。
 
 
 ところで、小梅にはお風呂好きのほかに変装名人という設定があるようで、1話で入浴シーンがあったほか、2話では風呂上がり姿でデカルームに入り、3話では変装の技を披露していました。
 実は、過去にもお風呂が好きで、風呂上がりの格好で基地内をうろつきまくる変装の名人という設定を持った女性戦士がいました。

 『チェンジマン』のチェンジフェニックス:翼麻衣です。

 実は、麻衣の初期設定はそういうキャラだったんですよね。
 結局、入浴シーンは2話での1回だけでしたし、妙な格好でうろつくこともありませんでした。
 また、麻衣が諜報部所属だったのは、潜入捜査という方向に持っていく予定だったらしいのですが、作劇上そうはならず、麻衣役の大石麻衣氏がJAC(現在はJAEに名称変更)所属でアクションが得意だったこともあって、正面切って戦うタイプのキャラクターになってしまい、変装も所謂“女戦士の七変化”以外では生かされることはありませんでした。
 『デカレンジャー』では、いつぐらいまで小梅の設定が生かされていくでしょうか。
 非常に楽しみです。


 ちなみにスーパー戦隊では、女性キャラの入浴シーン以上に男性キャラの入浴シーンなども多かったりします。
 バランス的に、女性キャラが入浴する展開のときは、男湯では男性キャラが入浴していることが多いせいです。
 もちろん必ずしもそうとは限らず、前述の『ゴーゴーファイブ』は家族だったので、入浴はゴーピンク:巽マツリだけでした。
 ということは、逆に男性キャラだけの入浴シーンもあったりするわけですが、実は男性の場合、本当に裸が映っていたりすることがあります。
 『光戦隊マスクマン』では、ブルーマスク:アキラがドラム缶風呂に入るシーンがあり、湯船に飛び込む瞬間、お尻がはっきり見えています。
 また入浴シーンではありませんが、『超獣戦隊ライブマン』では、広瀬匠氏演じるDr.ケンプ:月形剣史が服を脱ぎながら走り海に飛び込むというシーンがありますし、『ジェットマン』のトランがトランザに急成長するシーンでも、やっぱり裸でしたね。

 男の裸と言えば、映画『ターミネーター』シリーズでは、服や武器は時間移動できないという設定のため、移動直後は裸で歩き回るところから始まります。
 鷹羽は見ていませんが、『ターミネーター3』では女性型ターミネーターが登場し、時間移動直後には裸だったはず…。
 もしかしたら、小梅の入浴シーンを期待した人の頭の中には、こういう流れがあったのかもしれませんね。

 “ひょっとして、ちょっとくらい見えるかも…”とか。
 
 
 −スーパー戦湯−

 効能:話題騒然、期待増進、人気上昇


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