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更新日:2004年3月21日 | |||||||||||||
3月16日のニュースで驚かされた人達は、大勢いた事だろう。 なんと、「太陽系10番目の惑星発見!」という信じられない報道があったからだ。 今までもっとも遠い惑星と思われていた冥王星が発見されたのが、1930年。 これが太陽系第10番惑星と認められれば、じつに74年ぶりの新発見という事になる。 報道内容の概要は、だいたいこんな感じである。 3月15日。 米航空宇宙局(NASA)は、冥王星外側の軌道を楕円状に周回する惑星状天体を発見した事を発表。 カリフォルニア工科大准教授マイク・ブラウン氏によると、2003年11月14日にパロマー山天文台(カリフォルニア州)にて初めて発見され、その後NASAによって太陽系天体である事が確認されたとの事。 発見された星は、公転周期10,500年。 これまでわかっている太陽系惑星の最大公転周期の、実に倍以上に達する。 冥王星の4分の3程度の大きさで(月の半分くらいという話もあり)、直径は約1700キロメートル。 現在の太陽からの距離は、約130億キロメートル。 ただし軌道は楕円なので、最も離れた地点では約1300億キロメートル(太陽〜地球間の約900倍!)に及ぶ。 氷と岩石によって構成される星と考えられており、表面温度はマイナス240度(ほぼ絶対零度!)。 表面は赤く、さらに衛星を持っている可能性も考えられている(同時に、一部ではガミラス&イスカンダルのようなニ連星の可能性も囁かれている)。 現在、この星には仮称として「セドナ」という名前が付けられている。 これは、エスキモー(イヌイット)の言葉で、海に住む生物創造神の名前を意味するとの事。 これまで、SFの世界でも「冥王星の向こうの惑星」「太陽の裏側に位置する惑星」の存在が描かれてきたが、その一部分が現実になったような雰囲気だ。 もし、このセドナが本当に惑星として認められたら、とても面白い事になるだろう。 「トップをねらえ!」でいうところの“魔王星”にあたるのだろうか?(笑) ところが残念なことに、このセドナ、今の時点では「惑星とするにははなはだ疑問」という意見の方が強いらしい。 その最たる理由は「星の大きさ」。 惑星とするには、あまりに小さ過ぎないか? という事なのだ。 確かに、月より小さい星といわれるとそういう意見にも納得できそうな気がする。 実は、冥王星も発見当時から「これって本当に惑星なのか?」という意見が生き続けており、いまだ惑星とは認めない人もいるとかなんとか。 だけど、気分的にはやっぱり「第10番惑星であってほしい」と思ってしまうわけで。 そこで、元々天文学に詳しくない筆者は、自分なりに色々と調べてみた。 ここまでのニュースやら人の意見を読んでいて思ったのは、「じゃあ何をして“惑星”と定義するのか?」という疑問。 冥王星発見当時も揉めたという事は、あの星を「太陽系の惑星」と定めるための条件が存在するという事にもなる。 そして、その条件はセドナには当てはまらないのか? 素人である筆者は、当然こんな単純な思考に辿りついてしまった。 ところが、「太陽系惑星」であるための条件ってのは、意外にもあっさり単純なもののようで驚いた。 惑星とは太陽を周回する軌道を占有する天体を指し、それ以上の明確な定義はないのだそうな。 「ホントかよ」とも思うが、これは今回のニュースで引用されていた国立天文台の渡部潤一助教授という方の言葉。 この方も、セドナ惑星説には懐疑的なようで、やはり規模が小さ過ぎるとお考えらしい。 うーむ、てっきり想像を絶する複雑な条件が存在していると思ったのだが…。 で、このセドナだけでなく、冥王星すらも「否・惑星」と言われる理由として、「カイパーベルト」というものがある。 これは冥王星外周に広がる小規模天体の帯で、約900個単位の微惑星(惑星まで成長しきれなかった小さな星)が散らばっているとか。 冥王星もその中の一つに過ぎないのではないか、というのが、「冥王星・非惑星」派の意見の根拠らしい。 セーラープルートファンの筆者としては、なんとしても認めてもらいたいところだが(笑)。 セドナも、このカイパーベルトの一環に過ぎないのか…? 冥王星が発見され、現在のような位置付けに収まるまでには相当な苦難の道があったようで、名称すら、プルートゥに定まるまでに二転三転どころでは済まないドタバタが繰り広げられたそうだ。 たとえセドナが惑星と認められなかったとしても、冥王星外周にある星である事には間違いないし、そういったものが発見できるほど天体観測技術が進歩した証明にもなるのだから、何かしら重要な位置に置かれる存在となるのではないか…と、筆者は勝手に予想している。 どっちにしろ、大変夢のある話…否、“夢の一部が現実化したような”素敵なニュースだったと思う。 ところが一方で、こんな意見もある。 超楕円軌道で公転しているセドナが今まで発見されなかったのは、それまで人間の目の届かない位置にあったため。 公転軌道の関係で地球との距離がたまたま近くなったので、発見できたのではないだろうか。 と、いう事は…セドナを上回る規模で公転している、さらなる惑星候補が存在する可能性もあるのではないか? 先に挙げた「トップをねらえ!」の作品世界では、第10番惑星「魔王星」第11番惑星「智王星」第12番惑星「神無月星」第13番惑星「雷王星」までが発見・認知されており、ご丁寧にそれぞれの衛星数まで設定されている。 果たしてここまで発見されるかどうか、発見されたにしてもどれくらいの時間が必要なのかまったく見通しがつかない話だが、可能性がゼロではないのだから、想像する楽しみは増えたような気がする。 こんな時代にふと生まれた、夢と希望のあるお話…セドナは、そんなものを思い出させてくれた嬉しい存在なのかもしれない。 蛇足だが、実は最近「天王星」に面白い特徴があるという説が唱えられた。 それによると、なんとこの惑星、磁極が“4つも存在する(可能性がある)”そうな! 地球で言うなら、北極点と南極点がそれぞれ二つずつあるようなもの。 これまで惑星の磁極構造は、棒磁石のように考えられてきたのだけど、天王星はこの棒磁石が二本ある事になる。 天王星と海王星は、これまでの既存概念を根本から覆すような惑星構造らしく、現在では対流する薄い金属性液体層によって構成され、独特の磁極構造はこれが関係しているのではないかと見られているとか。 まあ、木星や土星なんかは核以外はほとんどガスで構成されている星だものね。 地球みたいな岩盤で構成されている星に住んでいる私達には、思いもつかない構造であっても不思議じゃない。 まだまだ、宇宙には秘密が一杯状態って事か。 太陽系圏内だけでも、あとどれくらいとんでもない謎が秘められている事か…筆者は、益々未来が楽しみだ。 その前に、新登場のセーラー戦士とか占星術とかの方を心配しなきゃならないけど(笑)。 え…占星術は、そんなに関係ない? そうですか、そりゃどうも。 → NEXT COLUM |
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