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更新日:2003年11月5日 | |||
多分10年は前の話になると思う。 何の気無しに深夜枠のテレビを見ていた時、そのCMは流れた。 ちょっと赤味がかった池だかプールだかの波一つ無い水面が映り、どこからとも無く声がする。 いや、声ではなく笑い声。 「わ――――――っはっはっはっは」 「わ――――――っはっはっはっは」 「わ――――――っはっはっはっは」… 声に続き、画面の右端がにわかに波立ち、歩いてくる一人の男。 髷を結い、髭を貯え、鎧の上から少々派手目に見える羽織を着る武将。 彼は水面から上半身を出し、両肘を真横にゆっくりと振りながら、水をかき分けるように(おそらく)歩いて来る。 彼が歩く間も笑い声は止まる事が無く、むしろ大きくなる一方だ。 そしておもむろに、画面に映る文字とそれを読む声。 「信長の野望」 そう、映っていた武将は信長だったのだ。 文字が出ている間も信長は笑い続け、歩き続け、やがて画面左に消えていった(いや、水の中にゆっくり沈んでいたのかもしれない)。 初めてそのCMを見た時、そのあまりのわけの解らなさに暫く呆気に取られてしまった。 記憶は定かでないがFC版「戦国群雄伝」かSFC版「武将風雲録」あたりのCMだったと思うのだが… なぜ笑う? なぜ水の中?? 端から端までただ歩くだけ??? すべてがゲームとは関係なく、知らない人が見れば、おそらくは頭をひねるだろうCM。 今でこそ、人の虚を衝くCMは常套手段だと思うが、当時はそんな意識がどれくらいあっただろうか? しかし、このCMは間違いなく虚を衝いている。 造ったメーカーは手堅いシミュレーションを送り出す雄、光栄(現:コーエー)だ。 PS2で発売されている「決戦」や「三国無双」シリーズCMはおろか、他のどの光栄のCMと見比べても、この時の信長のCMはその作りからしてまったく違う。 何を語るでも無し、説明があるわけで無し、水の中をただ歩くだけ。 今改めて流れれば、おそら意表をつき、かつ笑いの取れる優秀なCMとして人の目を引くに違いない。 この訳の解らないインパクトは確実に私の頭に残り、あの笑い声は今でも耳から離れる事はない。 とにかく不思議なCMだった。 いつか録画してやろうと狙っていたが、アニメの放映される時間に流れた事が無いはずなので、タイミングが合わず、結局録画をする機会が得られなかったのが残念だ。 なお、このCMのシリーズに足だけのバージョンがあったような気がするんだけど…これこそ記憶が曖昧で、本当にあったかどうかは定かでない。 詳しい人はいないだろうか? → NEXT COLUM |
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