玩具ありMINI!
装着変身「仮面ライダーアギト 3フォームセット」
後藤夕貴
更新日:2003年10月8日
 なんと、こんなところで無理矢理でっちあげてしまいました「新生・嗚呼、人生に玩具あり」!!

 
 「雑文通信」に掲載している同名コーナーは、たった9回・3シリーズ商品だけを紹介したままで終了してしまいましたが、その後アンケートで「継続希望!」という熱いご意見を多数いただいてしまいました。
 しかし、更新に費やす作業行程と時間・金銭的リスクが無視できなかったため、コーナー再開は不可能だったんですが…
 そっか、ここで縮小版やりゃあいいのか!

 って事で、ものすごくライトにまとめたものを(コーナー内に)作る事を思いつきました。
 完全不定期で、いつアップするかはまったくわかりませんが…よろしければお付き合いくださいませ!
 んで、このコーナーについてよく知らないという方は、こちらをみていただければ嬉しいです!


 今回のお題は装着変身「仮面ライダーアギト」シリーズ1【仮面ライダーアギト】です。
 お待たせでした。やっと書けますよこれ(笑)。
 元々持っていたものを壊してしまったので、わざわざ買い直しました(笑)。
グランドフォーム。通常形態だが、写真はライダーキック後の決めポーズ。普段は角は開いていない。  装着変身1 【仮面ライダーアギト
定価2980円
津上翔一フィギュア(素体)
アギト頭部×2(ノーマル/クロスホーン展開)
胴体アーマー×3(黄・赤・青)
グランドフォーム型手甲×4
フレイムフォーム用手甲
ストームフォーム用手甲
グランドフォーム型肩アーマー×4
フレイムフォーム用肩アーマー
フレイムフォーム用上腕装甲
フレイムフォーム用右手首
ストームフォーム用肩アーマー
ストームフォーム用上腕装甲
ストームフォーム用左手首
オルタリング(ベルト)×3(黄・赤・青)
フレイムセイバー
ストームハルバード
台座
シール
取扱説明書

 前作『仮面ライダークウガ』から引き継がれたブランド“装着変身”は、この『仮面ライダーアギト』のシリーズで一応の頂点に達する。
 それぞれの商品にそれぞれの魅力・特徴があるのだが、まずは第一弾にして最多のパーツ数を誇る「アギト」から。


●概要
ストームフォーム。やたらと重たそうにストームハルバードを振り回していたのが印象的。実は左腕の力が強いだけでそれ以外の身体的特殊能力強化はなかった筈なのに、色と武器のせいでクウガのドラゴンフォームと性能を混合されていた。まあ、たしかに一度だけ、身が軽いってのを証明してはいたけれど…脚本違うんだよな、あの回だけ(笑)
 装着変身・仮面ライダーアギト(以下、装着アギトと表記)は、クウガの時のようにフォームごとに商品を分けず、すべてのフォームを一つにまとめて販売した。
 そのため、やたらとパーツ数が多く豪華な内容になっている。
 クウガの時は、ペガサスフォームが余りまくってタイタンが品不足になるなど、露骨なバラツキが見えた物だが、それは次のライジングフォームセットで早々と対策を講じている。
 このアギトも、そういった考えの延長線上にあったと考えて、ほぼ間違いないものと思われる。
 
 装着アギトは、さらに洗練された大変玩具映えするデザインになっている。
 やや頭が縦に潰れているような印象もあるが、実際に手にとって動かしてみると違和感はすぐに薄れるだろう。
 特に、本編中の「ライダーキック後の居合斬りの構えのようなポーズ」に近い姿勢を取る事も可能で、これは大変カッコイイ。
 
 なお、初期に発売された分は、マスクの鼻に当たる部分(クロスホーンとクラッシャー部分の境)が妙に離れていて、強烈な違和感があった。
 本来アギトは、角から口までのパーツが完全一体式なのだが、玩具ではパーツ分割の都合上鼻の辺りで切り離している。
 ところが、ここの開き方に妙な個体差があったため、気になる人は充分に選別する必要があった。
フレイムフォーム。ハンダゴテのような機能のある剣を使う(違)。こちらも右腕の能力が強いだけなのだが、なぜかクウガのタイタンフォームと混合され(以下略)。一部ではペガサスの能力みたいのもあるって書かれていたのもあったなあ。
 2001年夏手前辺りに再版版が出回ったが、これは鼻部分がよりくっついており、かなり違和感は薄れていた。
 それでも、横一文字の黒線は消しようがなかったわけだが(笑)。

 装着アギトは、塗装についても若干工夫が見受けられる。
 複眼部がメタリックレッドになったため、よりマスクらしさ・硬質感が高まった。
 装着クウガの時は、あの野暮ったい塗装に難があったものだが、これは実に見事にクリアされたと言っていいだろう。

 ただ…実は合金パーツ部分への塗料の結着が弱くなったという、致命的な問題もあったりする。
 上半身装甲の黒い部分の塗装は、ヘタに扱っていると突然「パリパリ」と剥げ落ちてくる事があるので、注意が必要だ!


●クウガ装着変身との違い

 まずは素体の変化から。

腰が回転するようになった。
手首パーツが取り外しやすくなった(実は五代人形も手首が外せる)。
わずかに体形が変化し、細身になった。

 そしてアーマー

マスクパーツ(頭部)の内側に、素体頭部をロックするガイドが設けられた。
このため、マスクだけが空回りして、素体の首は回転していない…という事態はかなり軽減された。
ただし完全に改善された訳ではない。
全体的に薄くコンパクトになり、素体との密着性が増してスマートになった。

 装着アギトを初めて手にして驚くのは、「やたらと装着させにくい」という事だろう。

上(黄色矢印)は、脇の下を最大に開いた状態で、下写真は肩の付け根部分最大展開。両方とも、腕の太さと比較するとかなり狭い事がわかる。
 上記に示したように、上半身のアーマーの密着性が増したため、腕の向きや開き方を工夫しないで脱着させようなんて不可能に近い。
 クウガの時は、素体をバイクに乗せたままの姿勢ですべての装甲を脱着させる事が出来たが、アギトのシリーズでは、そんな事は絶望的に不可能だ。
 その理由は、装甲が密着に近い状態にあるため、フタである背中部分を展開しても、腕が通りぬけるためのスペースが充分に確保されないから。
 装着クウガと比較してもらえばすぐにわかるが、クウガの装甲は腋のあたりが大きくカットされているため、腕が通過するのに充分なゆとりがある。
 ありすぎて、腕をほとんど動かす必要もない。
 代わりに、肉襦袢をはおったかのように上半身が膨らんでいるが。

 ところがアギトはここが狭過ぎるため、背中のフタを半分くらい開いて(つまり腕の通る穴がもっとも広くなっている状態にして)、まず先に片腕を抜き、今度はまた装甲の開き方を微調整しつつ、もう片方の腕を引き抜かなくてはならなくなった.
 筆者は、肩を中心に片腕を上に上げて片側を外し(装甲の断面部に、腕の付け根のもっとも細い部分が通過するようにする)、今度は片腕を水平に伸ばし、装甲を真横にスライドさせるようにして抜くようにする。
 こうしないと、装甲の角部分が素体の腕などにぶつかって、激しく削り取ってしまうのだ!
 上半身装甲はかなり薄く、プラ材質を削るのには充分過ぎる。
 だから、ヘタな取り外し方をしている人の翔一人形は、一部がズダズダになっている筈だ。

 これは、この商品にとって最高にいただけないポイントだろう。

 あと、パーツ内容を見ていただければわかる通り、なぜか同じような部品が4つも混入されていたりする。
これがすべて一つの商品に入っている、腕関係パーツ。絶対に上の横二列は余計だと思う。
 グランドフォーム時の両腕パーツとは別に、「フレイムの時の左腕」「ストームの時の右腕」パーツがそれぞれ入っているからだが、これは完全にグランドのそれと同型のため、わざわざ取り出す必要性がない。
 だって、グランドからストームに付け換える際、わざわざ右腕パーツを外して、同じ形状のパーツをまた付け直す必要なんかないでしょ?
 だが考え方を変えれば、グランドの腕パーツを紛失した際の予備として活用できるという事でもある。
 これには左右の区別がないから、結構助かるかもしれない。
 無駄なんだか有効なんだか、よくわからんなあ(笑)。

 同様に、マスクパーツの後ろ半分も、同じパーツが被っている。
 ご存知の通り、アギト・グランドフォームは必殺技の際に角(クロスホーン)が開くが、それはマスクの前面部だけの変化であり、後頭部は変化しない
 だから、何もアギトの頭を丸々二つ入れる必要はない筈なのだ。
 2年後に発売されたSIC版「仮面ライダーアギト」では、クロスホーン展開は角と目周辺部分のパーツ換装だけに止めている。
 …なんか、やっぱり無駄にパーツ多すぎない?
 クウガの時みたいに、余った装甲を飾るための筐体もないんだから…意味ないよう。

 武器は、ややオーバースケール気味ではあるものの、大変よく出来ている。
 クウガの時よりもデザイン・モールドが複雑化したという理由もあるが、とても豪華なつくりになった印象がある。
 当然、本編のような展開ギミックは再現されていないが、なかなかのものだと思う。
 ただ、フレイムセイバーの刃の分厚さには閉口したなあ(笑)。
 あれくらいないと、すぐにヘナヘナになっちゃうからなんだろうけど。


トリニティフォーム。なぜ突然この形態になり、しかもたった2回しか使わなかったのか…この辺が不明瞭すぎたため、放送当時は色々な物議を醸しだしたものです。キック時にはさらに角が開くんだけど、その時は武器は出さないようで。
 装着アギトには、とっても面白い隠し要素があった。
 それは、胴体にグランド右腕にフレイム左腕にストームの装甲を付けて武器を両方持たせた第4の姿である。
 こういうパーツ構成なんだから、誰もがやってみたくなるお遊びだが、これが本当にTV本編で登場してしまったもんだから、凄い衝撃だった。
 三位一体のトリニティフォームは26・27話の2回のみの登場だったが、最初はホントに両手武器持ち(すっごく使い辛そうに振ってたなあ)、2回目はクロスホーンを開いてキック技「ライダーシュート」を披露した。
 そして、この姿が登場した頃に発売されていた版では、パッケージに新規で「トリニティフォームができる!」みたいな事が書かれたシールが貼られていた。
 こういうのはとても面白いけど、多分他では流用できない手法だよねぇ…

 以上のように、装着アギトは大変多くのパーツで構成されているにも関わらず、それを収めるボックスや、筐体人形が同梱されていない
 台座はただアギト本体を立たせるためだけのもので、武器2体を突き刺す事は可能なもののそれ以上には使えない。
300円カプセルを使用した例。この状態ですべてのパーツを収納している。腕やベルトは、上半身アーマーの中に収納可能。写真では同形状パーツは省かれているが、かなりゆとりがあるので、入れようと思えば可能な筈。
 いくら共通パーツがあるとはいえ、2つ分のフォームパーツをただ放置しろというのは酷な話だ。
 装着クウガの筐体を持ってきても、。実はさりげに上半身のボリュームに差があるため、装甲を被せておく事ができなかったりする。

 そのため、筆者はこのパーツを臨時収納するために「ガシャポンのカプセル」を利用していた。

 カプセルの底に小さなエアパッキンを敷き、それぞれの上半身装甲の中にベルトと腕パーツを押しこみ(結構綺麗に収納可能!)、それをカプセルの底に並べていく。
 最後にカプセルの蓋を閉じれば、かなりコンパクトにまとまる上、バラける心配は皆無になる。
 さすがに武器は無理だが、素体が身に着ける範囲の物はたいがいOK。
 アギト放送当時は、バンダイHGシリーズなどの200円カプセルしかなかったが、現在では「カプセル超合金」用の300円カプセルもあるので、もっと楽に収納可能だろう。


●話題

 装着アギトは、当初かなりの数が出回っていたにも関わらず、バーニング/シャイニングフォームセット発売時期あたりから少しずつみかけなくなってきて、番組終了後は忽然と姿を消した…ような記憶がある。
 実際はまだしばらく残っていただろうとは思うが、後番組「仮面ライダー龍騎」放映中期辺りからはプレミアがつき始め、定価よりやや高いレベルで取引されるようになった。
 もっともプレミアは、ごく一部を除くアギト装着変身シリーズすべてに付いたようで、G3-Xなどは特に高値で取引されていた事は記憶に新しい。

 だが、香港でアギトが放送され、香港バンダイから「海外版装着変身」が流れてくるようになってから、状況が一変した

 日本での龍騎終了時期に、海外版装着変身「G4」「G3マイルド」「エクシードギルス」が限定逆輸入販売されたのをきっかけに、シリーズ全体が大量に日本に入ってくるようになった。
 これによりプレミアは破壊され、暴落した…とまでは言わないが、国内版はかなり安価に落ちついたように思えた。

 装着アギトは、香港ではグランド・フレイム・ストームがそれぞれ独立して販売されていたそうで、全部揃えると翔一が3人というすごい事になり、さらに一通り揃えると、最終的に“翔一5人、氷川4人、涼2人”というすさまじい事になった
 まあ、五代雄介11人に比べれば遥かにマシなんだけどさ(笑)。


 なお、今回触れなかった「DXマシントルネイダー」に装着アギトを乗せると、これまたすごい事になるのだが、これについてはまたいつか、マシントルネイダーについて語る時が来たら説明したいと思う。



 さて、次回は「DXマシントルネイダー」をやってみたいかな…と思いますが、いつの掲載になるかは未定ですので、興味のある方はこまめに覗いていただければ幸いです☆


 って、現状いまだに装着アギト系フルコンプしていないもので、書けない商品もありますが、それについてはどうかご容赦ください!


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