SECRET 第44回 ■ オーキッドシード/コミック阿吽「ララ・ポッポリップ・ピピルノ・ピピル・パパレッモ ダークグレープ」
(株式会社シンポ流通限定版)

2009年7月6日 更新

 ここでは、タイトル画像に利用したフィギュアをご紹介。

 今回は、2008年12月26日に発売され、その恐るべき仕様判明により突然需要が上昇、あっという間に完売&レアアイテム化した「ララ・ポッポリップ・ピピルノ・ピピル・パパレッモ」のカラーバリエーションです。
 ――なげぇよ。

 株式会社シンポ流通限定品と銘打たれてはいますが、実質的には再販と大差ありません。
 2009年7月1日発売で、これと同時に更なる別カラーバージョンとして「フレッシュピーチ」というものもあります。
 価格はいずれも7,400円(税込)。
 なんでオリジナル版の需要が高まったのかは後ほど触れるとして、今回の商品は色替え以外の仕様変更はありませんので、以前買い逃した人が溜飲を下げることは可能のようです。

 

 で、このめったやたらと名前の長いキャラは何かというと、タイトルの通り「コミック阿吽」というヒット出版の雑誌がありまして、その表紙絵を担当している「あきやまけんた」氏がデザインしたキャラクターということです。
 特に原作があるというわけではないものです。
 原型は、小川慶一郎氏(SPIRAL)。

 

 拳銃は取り外し可能で、ヘッドギアは固定式ですが側面のブルーパーツがクリアだったりと、意外に凝った構成になっています。
 ちなみに写真ではわかりませんが、瞳の中・瞳孔内部には縦二つに並んだ☆マークがプリントされています。
 まー、宇宙人だしねえ。

 

 ララ・ポッポ(以下略)全身。
 パーツ構成とか、脚部のABS化による湾曲防止処置など、スタンダードな完成品フィギュア商品です。
 ちょっと変わってるのは、台座に固定する凸ジョイントが取り外し式になっていて、本体側からも台座側からも外すことが可能です。
 …なんの意味があるかは知りませんが。

 

 それでは、定番の旋回撮影を。
 なんだか久々にやるような気がする。

 

 メタリックな質感のハンドグローブとブーツが、妙にかっこいいです。
 後ろはTバックで、かなり際どいです。
 実際は、きわどいどころじゃすまないんですけど、それについては後述。

 

 背面。
 ヒップの形が実に綺麗です。
 マフラーを髪の隙間から通す仕様のため、首を外して戻すとき、ちょっとこんがらがります。
 若干のコツが必要。

 

 ノーマルに対するブラックバージョン的な考え方でいいのかしら?
 最近のブラックバージョンは、黒一色じゃなくて金色も交えてるからね。

 

 下半身の厚みは意外になく、ちょっぴり薄め。
 けど、全然気になりません。
 なぜなら、それを覆すほどのインパクトが秘められているからです。

 

 ダークグレープは、見て頂いた通りのカラーリングですが、それでは他のバージョンカラーはどうなのかというと。

・ノーマル:
「髪」ライトパープル、「瞳」オレンジ系、「マフラー」レッド、「ビキニ」グリーン、「グローブ&ブーツ」シルバー、「バイザー」ホワイト&エメラルドグリーン

・フレッシュピーチ:
「髪」ピンク、「瞳」ブルー系、「マフラー」オレンジ、「ビキニ」エメラルドグリーン、「グローブ&ブーツ」メタルブルー、「バイザー」ホワイト&スカーレット

 ノーマルはスタンダードで、フレッシュピーチはなんとなくスマートな印象を受けます。
 ダークグレープは、どちらかというと「コブラ」辺りに通じるようなSFっぽい雰囲気がありますね。
 ちなみにビキニは半透明なので、色々とアレなことになってます。

 

 オーキッドシードの商品は今回が初購入だったのですが、以前色々言われていた時の印象に反して、非常に手堅い出来で感心させられました。
 個人的には、造形について全く文句なし。
 好き嫌い分かれる部分はあるかと思いますが、原典のイラストをうまく解釈して立体化していてなかなかのものです。
 これなら、オリジナル版が大きな注目を受けたのも頷けるというものです。
 とにかく、このバストの形と迫力が良いですな。
 太めではなく、それでいて出る所はきっちり出ている、まさにベストプロポーションという奴で。

 

 ちょっと煽り加減で。
 眉毛も髪と同じく金色(イエロー)なので、肌に溶け込んでちょっと解りづらくなっています。

 どう見てもビキニが別パーツなんですが、それについては後ほどまとめて。

 

 ちょっと影が入ったんですが、なんとなくかっこよくなったのでそのまま採用。
 今回は、表情のせいなのか顔の造りのせいか、あまり角度変更による表情の変化は楽しめないようです。

 

 マフラーは着脱可能。
 なんだか、こっちの方がスマートな印象でかっこいいぞ。
 一旦首を取り外して、マフラーを抜き取るありがちな方式。
 購入時は必ずやらなければならない処置でもあります。
 だって、首にすごくほっそいビニールが巻かれてるんだもの。

 

 さっきの旋回写真では、暗くて判りづらかった背面部分をアップで。
 頭部を外して撮影しています。
 ビキニの上は、ちゃんと結び紐が再現されています(取り外し可能)。
 で、Tバックはごらんの通り、お尻の割れ目の上にあてがわれているだけで、実際に食い込んでいるわけではありません。
 っていうか、そりゃさすがに再現不可能だし。
 もう少し、お尻の谷間が深ければ良かったんですけど、そこだけ無念。
 なかなか面白い処理ですが、こういう構造上、やはりキャストオフには期待せずにはおれません。

 ってーか、我ながら白々しいなオイ。

 

 はい、第一次キャストオフ。
 背中の結び紐を取り外し、さらにブラを除去した状態。

 乳首の色は薄いオレンジっぽい色で、肌に溶け込んでるようでかなりの違和感がありますが、残念ながらこれはノーマル・フレッシュピーチでも同様です。
 造形的には丁寧に作ってるなぁとは思うけど、もう少しカラーバランス考えろよと言いたいですな。

 

 斜め横から。
 胸の造形自体は見事なものです。
 所謂マンガ乳でリアリティはそんなに高めではないですが、取って付けた感はほとんどなく、大きすぎもせずいい形状です。
 ビキニの裏側には、乳首部分の突起を収める凹部分が彫り込まれています。
 まあ、ここまでの写真を見ていれば普通にわかりますが。

 

 別角度から。

 さて、ではそろそろ、「ノーマル版が瞬殺&突然プレ値化した理由」について触れて行きましょう。
 これが、本商品最大のポイントであることは否めません。

 ……下半身取るぜ! 

 

 完全キャストオフ状態。
 Tバックの下は、ごらんの通りしっかり……というか、緻密に作られすぎてます。
 「オリジナル版」発売当時、これが判明した途端ネット上から瞬時にして在庫が消滅したという恐ろしい、そして実にわかりやすい事実。

 

 では、フルスッポン状態であらためて色々と撮影。
 こういうのは、口で語るより見た方が早いでしょ。

 

 コメントに、大変、困る。

 

 「Y」。
 ちょっと前のエロマンガ的処置やね。

 

 つまり、あのエセTバックは前面部を覆ってるだけで。
 後ろは最初からフルオープンだったわけです。

 

 気になる人もいると思うので、肝心な部分をズームアップで。
 無駄なところにばかり神経が行き届きおって!
 その意気や良し!!

 

 どうでもいいけど、思ったよりえびぞりがすごくて、とても直立させた状態で撮影しているようには見えないね。
 個人的には、要ポイントよりも腰から太股にかけての緩やかなカーブが好き。
 腰骨の凹凸もナイスです。

 

 やや煽りアングルで。

   

 下半身の造形がいいと、それだけで全体のバランスがかなり良く思えてきます。
 前面も後面も、実に神経が行き届いた造りで良いなあと思わされます。
 やや横幅が広いのが個人的にアレですが、デルタ部のカーブも実にエロくてよろしいものです。

 

 ほーれほれ、限界までアップ。
 けど、これ以上は勘弁。
 ちなみに、これは某掲示板の書き込みで初めて知ったのですが、Yの字にはうっすらとピンク色が吹いてあり、谷間を強調してあるようです。
 ……やりすぎだろ、それ。

 

 サービスタイム終了。
 やや俯瞰で撮影したら、なかなかかっこよく決まったので一枚挿入。
 こうしてみると、腰の角度と足の置き位置、形の良さが本当に堪能できます。
 乳やアレにばかり目が行きがちですが、こういうところもきっちり作り込んでないと肝心のエロさは半減なんですよね。

 

 たまたま側にあった、我が家の置き時計とサイズ比較。
 左の「モンスターパニック」は、縦約10.5センチ×横約7センチ。
 対してララ・ポッポ(略)は、高さ約23センチ(アホ毛含まず)、楕円形の台座は横幅最大約15.5センチ×縦幅最大約12センチ。
 ララの、イカの触手を彷彿とさせる二本の毛は、台座の範囲内に収まるようです。

 

 ボックスは、縦約29センチ×横約18センチ、奥行約14.5センチ。
 つまり、これだけで60サイズを越えるってこった。
 オクに出品する輩は要注意だ!

 ちなみに、本体の癒着防止ビニール保護は、かなり執拗&解除難易度高めです。
 後に元に戻して保管するつもりの人、刃物を使う人、いずれもご注意を。
 ヘタすると取り返しのつかない事になるかも(それぞれ別な意味で)。

 

 パッケージ裏には、元になったイラストが。
 当然ながら、イラストのカラーは(本商品で言う)ノーマル版になっています。
 こうしてみると、フィギュア化にあたってかなり大幅なアレンジが加えられていることが判ります。
 個人的には、フィギュア>イラスト、かな。

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【買ってみて一言】

 ぶっちゃけ話題作だったので手を出したって所が大きいのですが、個人的にはかなり満足しています。
 ララ・ポッポ(略)というと、どうしてもキャストオフや「Y」の話題ばかり触れられますが、先までのレビューの通り全体の完成度が高い事の方がポイントが高いと考えています。
 また、サイズも比較的大型で迫力もあり(QBレイナ2Pと比較すると頭約一つ分も違う)、飾り栄えするという点も大きいですね。
 身体の割に頭が大きいとか、顔の造りがやや好き嫌い分かれそうとか、色々気になる所もあるにはありますが、「こういうものだ」と割り切れるレベルなんじゃないかなと思われます。

 さて、メインギミックのキャストオフですが、梱包段階からわかる通り「構造の都合上」ではなく、思いっきり直球でそーいうのを狙ってるのは明白です。
 この堂々っぷりは、メガハウスの「クイーンズブレイド」シリーズにも匹敵すると云えるでしょう。
 ただし、キャストオフの難易度はかなり高く、始めは相当戸惑うのではないかと思われます。
 また、ビキニパーツの構造上、実はあまり頻繁にキャストオフ・プットオンを繰り返されることは想定外なんじゃないか? と感じさせる部分もあったりします。

 キャストオフのやり方は、

  1. 頭部、マフラー、両腕を取り外す
    (腕の接続はちょっと固めなので注意)
  2. ビキニブラ、背中の結び紐部分を取り外し、その下のロックを外す
  3. ブラ全体を取り外す(ここまではかなり簡単)
  4. ビキニ下、前面部を持ち上げてロックを外し、上の方にずり上げる
    (足側の方からは抜けません)
  5. ビキニ下を左右に回したりしながら輪っかを調整し、両乳房を潜らせる(少しだけ難しい)
  6. ビキニの尻側を右手側に回したら少し引いて、右腕部分の凸ジョイント突起、右肩を潜らせる(ここが最難関)
  7. そのまま首を潜らせ、左肩・左腕部分を通り抜けさせる
  8. 両腕、マフラー、頭を戻して完了
  9. プットオン時はこの行程を逆に(少々難易度が高まるので注意)

 という行程です。
 ビキニは、上下共に若干の伸縮性があり、よほど強く引っ張らない限りは切れる事はないと思いますが、かなり伸びやすい性質なので頻繁に脱がしたり戻したりすると、全然身体にフィットしないユルユル状態になってしまいます。
 感覚的には、脱がせる時より戻す時の方が伸びやすい気がします。
 極端に伸び切ってなければ、ある程度時間を置けばまた縮んで元に戻りますし、また冷却することである程度の復元も可能のようですが、ブラ部分と違い確実に取り外せる形状ではないので、くれぐれも慎重な取扱いをお忘れなく。

 でもこれ。
 経年劣化で可塑剤抜けたら確実にポッキリ逝くな。
 それ以前に溶けて癒着するかも?!
 これからの季節も、注意したいところですね。

 

 今までは、せいぜい下着越し・コスチューム越しの表現だったわけで、その辺りがボーダーラインになっている感がありましたが、豪快にブッ千切っちゃいました。
 以前にも、このボーダーをブッ千切ったものはありましたが(らしんばんの戦闘少女URAN等)、そういうのはイベント限定品やガレージキット、或いは自主制作物だったりと、数が出回らないものばかりでした。
 対してララ・ポッポ(略)は、事実上三回も販売したわけで、いろんな意味でタブーをぶち破っています。
 その是非はともかくとして、個人的には「非常に面白い売り方をしたな」とは思わされます。

 一部では、児ポ法の対象が二次元物や創作物、またはそれに準ずる物にまで至るのではないかと懸念されていますが、そんなご時世によくまぁこんなものをと、おかしな感心をさせられてしまいます。
 筆者は、これくらい別に何の問題もないだろうとは思うのですが、数年後、もし(児ポ的な意味で)最悪の事態になったとしたら、これらはどういう扱いを受けることになるのでしょう?
 それにしても、局部をここまで堂々と造形するようになるとは、完成品フィギュアも凄いところまで来てしまいました。

 ちなみに、ララ・ポッポ(略)オリジナル版ですが、発売直後の瞬殺・プレ値販売は目立ちましたが、オークションを見る限りではさほど高い値段がつけられていたわけではなく、せいぜい定価よりちょっと上、或いは若干定価割れという程度でした。
 その代わり争奪競争はそれなりに激しかったように思われます。
 また、メジャーなホビーショップでは軒並完売となってはいましたが、地方の地味な玩具店やあまり人の出入りの激しくなく、かつ値引きのほとんどないホビーショップでは意外に在庫が残り続けていたようで、筆者も今回のリペ版発売情報が出る前に、二回ほど見かけることが出来ました。

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