古物倉庫 第5回 ■ グリップキャラクター 超神ビビューン「ベニシャーク」
2005年7月17日 更新
今回紹介するのは、前回に引き続いて「年齢大限定」のアイテム、永大グリップ「グリップキャラクターシリーズ」です。
「アクマイザー3」の続編「超神ビビューン」(1976年7月〜1977年3月)に登場した巨大母艦……ではなく、その役目を果たしている仲間の“メカ妖怪”ベニシャーク。
滝口順平の声でしゃべるし…
というわけで、パッケージ状態のベニシャーク。
もちろんサイズは、前回紹介したバンキッドマザー等と同じ。
下の赤い部分は、少し日に焼けてしまってます。
ものすごく特異な形状のコクピット。
先頭部分に、玩具オリジナルのミサイル発射ギミックあり。
当時価格は、やはり480円。
ちなみに、グリップキャラクターではビビューン関連はこれ一つのみ。
アクマイザー3は結構種類が出ていたんですけどねえ。
むやみに巨大なビビューンカーとか、欲しかったなあ。
あれ、絶対にサイドバッシャーよりデカかった筈なんだけど。
パッケージ側面。
結構ぎっちり入っています。
この商品も、やはり説明書はなくここでギミック解説を行っています。
というわけで、今回もパッケージを開封してみました。
そしたら、ちょっとした衝撃の光景が!!
なんと、本体が針金入ワイヤーで縛られて固定されていました!
ワイヤー固定は、てっきり最近になってから発生したものとばかり思っていたのですが、こんな昔からあったのですね。
って、衝撃感じたのは筆者だけですか?
あらためて、ベニシャーク本体。
超神のモチーフカラーが積み重なっていて、大変特徴のある配色になってます。
メタリックレッドとブルーが、いい感じで高級感を出していて、決して安っぽくなっていません。
正面方向から、俯瞰で撮影。
やはりというか、いくつかオミットされているモールドがあるようです。
ベニシャークのキバ、側面部にある目など。
そう、この丸い六つの球は、実は目ではないのです!
背面から。
プロペラの形状も、実際のものとは違っています。
本当は手裏剣みたいな形で、こんな風に円形の枠はありません。
――って、決してリアリティ求めているわけじゃないんですが。
あくまで造型の特徴の話ですよ。
右斜め後ろから撮影。
少ないパーツ数で、そつなくまとめられているのがわかります。
ホント、このサイズで良く出来ているなあ。
底部は、こんな感じになっています。
中間部分の謎のでっぱりが、本来ベニシャークの口にあたる部分。
さすがにキバはない…。
側面部を撮影。
本来、もっと下の方にたれ下がっている翼は、良い感じでコンパクトにされています。
こういうアレンジはいいかもしれない。
撮影用プロップの奴は、ちょっとバランス悪かったもんなあ。
右斜め前方から俯瞰で撮影。
こうしてみると、結構情報密度が高くまとめられている事に気づかされます。
商品サイズはかなり小さい筈なのに、そんな雰囲気を感じさせません。
こちらは、ブリスターの下箱を展開したもの。
この上に、ブリスターの台座が乗っかっているわけです。
風に飛ばされているビビューンカーの絵が素敵です。
大きい割に、すごく軽そうだ<違
たまたま近くにあった、キャラウィールのKNIGHT2000とサイズ比較。
全長サイズがあまり変わらないというのが、驚きです。
【買ってみて一言】
その後、ひょんな事で永大グリップについての資料を見つける事ができました。
それを参照してみたところ、だいたい110種類以上のラインナップがあったようです。
微妙なバージョン違いや、別カウントされている同系列商品もあるようなので、正確な数はわかりませんでしたが…
作品としては、「コンドルーマン」「ダイアポロン」「メカンダーロボ」「テッカマン」「ズバット」「キャシャーン」「タイムボカン」「ヤッターマン(ゼンダマン以降はナシ)」「ウルトラマンタロウ」「同・レオ」「ガッチャマン」「ポリマー」「ザボーガー」など、70年代中盤前後の時期の作品がほとんどで、その他「バットマン」「サンダーバード」「スティングレイ」「ジョー90」などの海外作品のメカも加わっていました。
「ガイスラッガー」のソロン号なんかもあったんですね!
ちなみに、前回ご紹介した「円盤戦争バンキッド」は、あれ以外の内訳はすべてキャラクター(ペガサス・ドラゴン・オックス・スワン)のみで、メカはあの二種類しかないという事が判明しました。
ううっ、ラビットは初めからなかったのね。可哀想に…
意外によさげだったのが、「ウルトラマンレオ」のMACメカ。
ウルトラマンタロウのZATメカは、その特異なデザイン形状が注目を集めましたが、MACのものはさらにそれに輪をかけたようなものでして。
つまり、玩具としてはこれ以上ないほどの「ハッタリ」が効いているわけです。
いやあ、商品写真を見たら、ものすごく欲しくなってしまいました。
特に、あの実用性皆無な形状が良い!
「超神ビビューン」ですが、これはさすがにバンキッドよりはメジャーだろうし、説明の必要もないかと考えていたのですが…そんな事はないな、絶対。
なんせ、これももう28年前になるんだもんなあ。
最近そんなのばっか。
「超神ビビューン」は、先の通り1976(昭和51)年から1977(昭和52)年まで、NET(現・テレビ朝日)系列で全36話放送された、東映特撮ヒーロー番組です。
前番組にして前作である「アクマイザー3」と世界観を共有しておりまして、前作最終回、大魔王ガルバーの呪いで魂を封印されてしまったザビタン・イビル・ガブラでしたが、本作では超神研究所のダイマ博士の力によって復活。
ただし従来のままの復活ではなく、三人のスポーツ選手の若者の肉体に宿り、彼らに特殊な力を授けるというスタイルでした。
つまり、自ら彼らのパワーアップ根元体となったわけですな。
ビビューンに変身する月村、ズシーンに変身する渡辺、バシャーンに変身する管は、それぞれザビタン・ガブラ・イビルの魂を受け継ぎました。
さりげなく、アクマイザーの時と123の順番が変わっているのがミソでして、普通なら3号に該当しそうなパワー系が、本作では2号になっているのが面白いです。
彼ら三人は、人間から超神に変身する能力を得て、妖怪と戦っていくわけですが、やっぱりラスボスは大魔王ガルバー。
しかしこやつも、最終回近辺でさらに意外な正体を見せたりと、なかなか小憎らしい演出をしてくれました。
本作のメカの内訳は、だいたいアクマイザー3と同じで、三人の個別バイクと母艦という構成でした。
ただ、前作ではアクマ族側からぶんどったものだったのに対し、本作の母艦は「アクマイザー3が超神達に送った」という図式になっています。
いや、さすがにその回の記憶はまったくないので、資料の記述そのまんまなんですけど。
このベニシャーク、こんな姿だけど一応生物みたいなもので、横着者の上だらしない奴(という印象があるけど…)。
本放送当時、アクマイザーの三人は、なんでこんなのを送りつけてきたのか、よくわからんという印象を受けました。
「超神ビビューン」のメインスポンサーはタカトクだったようで、各超神の合金トイなどはそちらから発売されていました。
当然ベニシャークもタカトク版があるわけですが、そちらはキバやプロペラなど劇中のものと同じ形状に作られており、より豪華な印象を与えてくれます。
本来のメインカラー「黒」は、グリップ版ではまったく見られないですが、タカトク版ではしっかり彩色されています。
ただし、その形状のせいかプロペラがやたらと破損しやすかったような記憶が…
今回のグリップキャラクター版は、タカトクの廉価版的存在になるわけですが、これはこれで独自の味と豪華さを醸し出していまして、決して只の廉価版に収まっていません。
このグリップ版ベニシャーク、たまに見かける事があるので、興味のある方はオークションなどを検索してみるのもいいかもしれません。
それなりに美品が見つかりますよ。