第37回 ■ バンダイ フィギュア王No.109誌上限定販売 聖闘士聖衣神話「水晶聖闘士(クリスタルセイント)」

2007年11月23日 更新

 このコーナーでも聖闘士聖衣神話(セイントクロスマイス)をレビューする時が来てしまいました。
 今回は、株式会社ワールドフォトプレス刊「フィギュア王No.109」の誌上限定版商品「水晶聖闘士(クリスタルセイント)」。
 星矢ファンには御馴染みのアニメオリジナルキャラで、氷河の師匠(後述)。
 で、炎熱聖闘士や幽霊聖闘士、鋼鉄聖闘士はいつになるんでしょう?!

バンダイ 「フィギュア王No.109」誌上限定販売 聖闘士聖衣神話 水晶聖闘士 誌上価格\5,000※

豪気に二つ買って並べたさ! ……と言いたいけど、本当は合成です。
  • 水晶聖闘士フィギュア
  • 水晶聖闘士・幻朧魔皇拳洗脳状態頭部パーツ
  • 水晶聖闘士・マスク装着時用髪パーツ
    (2パーツ構成)
  • 水晶聖衣マスク(2パーツ構成)
  • 水晶聖衣肩アーマー×2
  • 水晶聖衣胸アーマー
  • 水晶聖衣腰アーマー(2パーツ構成)
  • 水晶聖衣前腕アーマー×2
  • 水晶聖衣太腿アーマー×2
  • 水晶聖衣膝アーマー×2
  • 水晶聖衣脛アーマー×2
  • 交換用手首×4
    (聖衣・握り×2/聖衣・手開き×2)
  • マント×1
  • オブジェ素体(全20パーツ構成)
  • オブジェ形態専用金属パーツ×2
  • 凍結拳エフェクトパーツ×2
  • 取扱説明書
  • シール×1(聖闘士名前)

※この価格は送料・手数料・消費税込みだが、実際には書籍代&郵便振替手数料が更にかかる

 2007年2月24日発売の「フィギュア王 No.109」誌上にて、聖闘士星矢特集記念として限定発売された商品。
 申込受付期限は、2007年5月24日までで、商品到着は同年11月14日頃。
 一冊二体まで購入可能で、それ以上の個数購入の場合は別途本誌を購入する必要があった。
 代金支払いは郵便振替。

●聖闘士聖衣神話とは:

 聖闘士聖衣神話は、TVアニメ版「聖闘士星矢」放映時の主力にして大人気商品となった「聖闘士聖衣大系(セイントクロスシリーズ)」の発展版として、2003年11月から販売スタートしたもの。
 素体フィギュアに金属製またはプラ製のアーマーパーツや武器を装備させられる上、脱がしたアーマーをオブジェ化させられるというコンセプトを継承しつつ、更に完成度を高めている(一時は「超合金魂」にちなんで「聖闘士聖衣大系魂」などと表現された事もある)。

 前シリーズに勝るとも劣らない人気と、以前からはとても考えられなかったラインナップが魅力で、2007年11月中旬現在、限定版を含めて40種類を超えている。
 主人公の青銅聖衣5人(星矢・紫龍・氷河・瞬・一輝)をはじめとして、黄金聖衣海闘士(マリーナ)、神闘士(ゴッドウォーリアー)、冥闘士(スペクター)などが商品化し、さらにユニコーン邪武をはじめとする二軍青銅聖衣全員、冥闘士版アリエスのシオン(前教皇)、白銀聖衣ライラのオルフェなど“大系時代ではまずありえなかった”ものまで販売されている。
 主人公5人の青銅聖衣は「最終形態版」として、冥王ハーデス編最終戦の舞台エリュシオンへ渡る時のバージョンも別途商品化されている。
 さらにキャンペーン限定商品として、教皇シオンパンドラハーデス憑依状態の瞬(ハーデス瞬)などもある。
 商品は、基本的にはアニメ版のデザインと配色を継承しているが、一部商品はパーツ交換によって原作準拠版を再現可能。
 また黄金聖衣ジェミニのサガは、アニメ版教皇のアーレス衣装と正体不明の黒い姿の素体フィギュアなどが同梱された豪華な内容になっており、やりすぎだろうとファンを歓喜させた。
 2007年12月には、主役青銅聖闘士五人の私服版が、APPENDIXカテゴリとしてセット販売。
 最終青銅聖衣にも使用できるオプションが付属予定。
 しかし、ここまでやっていながら初期アニメ版のヘルメット型青銅聖衣バージョンは一切発売されておらず(※ユニコーン邪武と黄金聖衣山羊座(カプリコーン)のシュラのみ、なぜかヘルメット型マスクがオプションとして付属)、今後も発売されるか大変微妙な状態にある。
 これはアニメ版から入ったファンには大変不評で、「神話版は本当にアニメ版準拠なのか」という疑問を抱かせる要因となった。
 加えて、「鷲座(イーグル)の魔鈴」「マーメイドのテティス」のように、大系では存在していた女性キャラの販売が現状皆無という点も、同様に疑問視されている。
 
 都合4年以上に渡って販売された商品のため途中何度かバージョンアップが行われており、そのため初期商品と後期商品を比較すると、あまりにも大きな違いが出てしまっている。
 黄金聖衣の12人の中だけでも相当な違いがあり、中には頭の大きさが違うなどの致命的な問題も生じてしまった。
 これらを抑えるため、後に「APPENDIX」という並行別シリーズが登場。
 聖闘士聖衣神話のフィギュアに差し替えられる頭部や各部パーツを同梱した「胸像」という商品展開を行った。
 また、聖衣神話専用のスタンドも二種類発売されている。

 2007年11月現在、海闘士・神闘士のラインナップが継続中。
 冥闘士の継続については不明。

 海外にも大変な人気があり、アジア方面では無版権の海賊版まで横行し、「神聖衣(ゴッドクロス)版星矢」や女神アテナ、ユリティースなども売られているらしい。

●水晶聖闘士:

 水晶聖闘士は、先述の通りアニメ版オリジナルのキャラクターで、21話「非情! オーロラの対決」をメインに、108話「アイザック!氷の心を持つ男」にも回想シーンに登場。
 原作には登場していない。

これが出なきゃ、絶対やらなかっただろうなあ聖衣神話レビュー…。一個やるとそのカテゴリ丸ごと紹介しないと座りが悪くなっちゃうしね。

 既に引退した聖闘士という事で、一線を退いていたが、とある事件から氷河達と敵対する事になる。
 氷河同様のダイヤモンドダストや、凍結拳(シベリア仕込みの足封じ技)を使う、敵に対しては過剰なまでにクール(というかもはや冷酷の域)な聖闘士として描かれていた。
 声を演じたのは「汝の正体見たり!」「俺に銃を撃たせろ〜!!」で有名な池水通洋氏。

 この水晶聖闘士は、本放送当時から多くの話題を生み出していた。

 まだ原作が黄金聖闘士との戦いに至る前に登場したため、白鳥座(キグナス)の氷河の師匠と設定されたが、後に原作版でも氷河の師匠として水瓶座(アクエリアス)のカミュが登場してしまったため、さあ大変。
 カミュは水晶聖闘士の師匠という苦しい設定変更を強いられ、氷河は宝瓶宮にて“師匠の師匠”と闘わされるハメになった。
 しかも、カミュが現役なのにその弟子が先に引退しているという、困った関係も生じてしまった。
 この頃の氷河の「師匠の師匠は師も同然」というセリフは、先走ったために発生したアニメ版の大きな溝を豪快に埋め立てた迷ゼリフとして、ファンの心中に残り続けた(笑)。
 尚、海王ポセイドン編まであったアニメ版では、当然氷河の兄弟子アイザックも登場しており、必然的に彼も水晶聖闘士の弟子という事にされてしまった。

 水晶聖闘士は、実質的にワンエピソードのゲストキャラ的扱いだったため、名前・聖衣のモチーフ(及び守護星座)、バックボーンが存在しない。
 名前がないのは当時から疑問視されていたが、ともあれ本編内では「クリスタルセイント」とひたすら連呼されていた。
 シベリアにピラミッドを建てるという、教皇アーレスの得体の知れない作戦に抗議するためサンクチュアリに出向いたが、幻朧魔皇拳を食らって洗脳され、ピラミッド建造の主導者にされてしまう。
 最終的には自らの手でピラミッドを破壊して死亡するが、その真面目なのに奇妙極まりない行動はファンの失笑を買い、本来求められる方向とは違う人気を博した。
 また、当時全盛だった星矢系やおい同人誌では格好の餌食にされ、カミュ登場前後に関わらず便利な立ち回りキャラとして迎えられていた。
 
 結論:とっても不幸な人なのである。
 しかし、たった2回の登場の割に皆に覚えられているってのは、ある意味幸運なのかもしれない。

●水晶の聖衣:

 さて、聖闘士聖衣神話となった以上オブジェ形態が求められてしまうわけだが、先の通り水晶聖闘士には設定がない。
 そのため、今回はわざわざデザインから作り起こされている。

これはかなり綺麗。飾り方によっては凄く見栄えがすると思う。

 で、こちらが玩具オリジナルのオブジェ形態。
 雪の結晶をモチーフにしたというのは、ナイスアイデア。
 水晶聖闘士、というからには水晶石の塊などが本来向いているんだろうけど、似たようなものが既に存在している(神闘士・δ星メグレスのアルベリッヒ)から、これで正解かと。

炎熱聖闘士がもし出たら、やっぱり燃え盛る炎みたいなオブジェになるのかなあ。

 斜めから。
 特に意外性のある組み替えは行われていない。
 後期聖衣シリーズにありがちな、頭→胴体を中心に四肢が配置を変えて接続されるパターンを踏襲。
 パーツ内訳は、上部突起にマスク、中心部に上半身・腰アーマー、左右上方に伸びる突起には前腕パーツ(後述)、左右下方に伸びる突起には脛パーツ。
 土台基部に太腿・膝パーツを固定。
 残りは、すべて余剰パーツになる。

 なお、マスクパーツは縦長の尖ったパーツの裏側に配置されていて、真正面からは見えないようになっている。

これ、クリシュナみたいに聖衣装着時に背中に背負わせたら……。かっこ悪いだろうなあ。

 背面。
 このデッカイパーツが丸々余剰というのもすごい。
 ま、仕方ないけどね。

こうして見ると、無駄にデカイというか。聖衣ボックスの中に入るのかなー。それ以前に箱があるのかどうかも不明だが。

 素体フィギュアとの対比。
 素体は、所謂「3rd素体」と呼ばれる最新バージョン。
 海闘士などと同じ物。

提案。後ろの六角形をシールド、四肢が固定されている軸を武器にするという俺様的玩具オリジナルギミックを……無茶ですかそれはすみません。

 オブジェは、大きく分けるとだいたいこのような分別になる。
 実際には、土台はここから更に二分割(中心部分が外れる)可能。
 メインボディ部分は、それぞれの突起部が複数のパーツで構成されていて装着時はこれをほぼすべて外す必要がある。

食べられる身の部分が少ない魚の如く。

 オブジェから、装着用パーツを取り分けた状態。
 下側にまとめているのが、水晶聖衣本体。
 上が、オブジェ台…要するに全部余剰パーツってこと。
 アーマーを全部外した筈なのに、オブジェの全体ラインがまったく変わっていないところが微笑ましい。

なんとかどこかに装着させられないかなーと思って色々試しましたが、ダメでした。

 ここで、ちょっと変わったパーツがある事に注目。
 水晶聖衣・前腕アーマー部分を固定する突起部には、長さを補う目的なのか「素体に装着させない“金属”パーツ」が存在する。
 赤矢印のパーツがそれで、これは素体のどこにも装着させられない、完全にオブジェ専用の部品なのだ。
 こういうのは結構珍しい。
 って、さすがに全部の聖衣神話いじったわけじゃないから、唯一の…とは断言できないけどね。

 ちなみに、本放送当時発売されていた大系の中には、このようなパーツはまったく存在しなかった(こちらは全種確認済み)。

●水晶聖闘士:

良く見ると、単眼巨人(サイクロプス)のスコットとお揃い? の衣装なのね。シベリア仕込みのオプティックブラスト! つるーん。

 水晶聖闘士・素体フィギュア。
 聖衣神話素体は体格が異様に細くなっちゃうけど、これはもうしょうがないものと諦めて。
 デザインの関係上、今回は長袖風味。
 神闘士素体と同じね。 

 関節可動率はかなり高く、肩の前寄せ、腹部の多重可動、足首部分の複雑な可動と形状変化など、ポイントは多い。
 当然ながら、せっかくの関節可動幅もアーマーをまとうとほとんど殺されてしまう悲しさ。
 しかし、水晶聖闘士はアーマーの面積が狭いせいか、結構融通が利く方。
 まあ、神話ファンには今更な解説だけど。

 しかし、装着変身の素体の頭が小さい事は文句言われるのに、あれより遥かに目立つ神話素体の細身っぷりに文句が出ないのは、なんだかなぁっていつも思わされる。
 人間って勝手だわよね。

髪を上方向に固める方法でジェルを大量使用するというのはもはや定番ですが、実はオロナミンCを使うという裏技も存在するようです。しかも、スカスカして気持ちいいんだって(笑)。

 頭部アップ。
 結構凛々しい表情で、いい雰囲気。
 クールだけどどこか優しそうなそしてやおい受けしそうな美男子顔。
 それにしても間近で見ると凄い髪型。
 この逆火山ヘアは、頭頂部と後頭部で二分割されていて、それぞれ取り外せる。

この顔は、どう見てもネタキャラにしてくれといわんがばかりの…。

 そして、「これが俺の本体のハンサム顔だっ!」
 …要するに、幻朧魔皇拳洗脳状態頭部。
 ただ表情が邪悪になっただけじゃなくて、額から眉間にかけてシャドウが入っていてより悪辣なイメージになったとさ。
 
 ノーマル頭部との交換時は、髪を使いまわす必要があり。
 だから、交換作業がちょっとめんどい。

でも実際ネタにしようと思っても、意外に活用法が見当たらなかったりして。それにしても似合うなこの格好。

 髪パーツを取り外すと、なつかしきモジモジ君状態に。
 「あの頭はどういう風になっているのか」という本放送当時からの謎は、これでようやく解決。
 20年来の疑問が晴れて、あーすっきり……しねぇよっ!!

ちなみにこのアイザック、飾っている時に前髪を外して、アリエスのシオンのパーツと一緒に小箱に詰めていたら、見事に色移りしちめーやがりました。画像ではその部分消してますけど。

 弟子・アイザックの素体フィギュアと比較。
 本当なら、ここは氷河を出すべきなんだろうけど、筆者は青銅五人持ってないのよ。
 ちなみにこのアイザック(初版)、左股関節が最初からカタカタで、鱗衣(スケイル)をまとわせると自立が困難になってしまうというトラップ付き。

 こうしてみると、師弟揃ってすごい頭なのねん。

●聖衣装着:

この方式だと背面部にデコボコや段差がなくなるので、これも一つの案としてはありかな。

 まず上半身アーマーから。
 恒例の前から抱き込むようなタイプではなくて、横から包み込むような装着方式。
 一見斬新だけど、これのせいでアーマーの固定が甘く、動かし方によっては右脇側が勝手に開いてしまったりする。
 見ての通り、肩アーマーを固定するジョイントはロックの役割を果たさない。

良く見ると、なかなか凝ったデザインなんだなと実感させられるマスク。

 謎多きマスク装着はこんなプロセス。
 まずノーマルの髪パーツを取り外し、クリクリ頭にした状態でマスクパーツを前後から合わせる。
 こめかみ辺りで前後のパーツをロックして、それから「マスク装着時用髪パーツ」をはめ込む。
 これにより、水晶聖闘士ヅラ説が益々濃厚に。

こうしてみると、やっぱり凛々しくてバランスが良いんだなあと感激。

 後は、普通に各部アーマーを装着して完成。
 …え、もう少し解説しろとな?

 両肩アーマーは、上半身アーマーの肩口にある突起状のジョイントに接続する事で跳ね上げ式に可動。
 前腕・太腿・脛アーマーは、それぞれ手・足首を一旦引き抜いてから差し込むという神話従来の方式。
 膝アーマーは、単に裏側の凸ジョイントを膝の凹ジョイントに差し込むだけ。
 いたってシンプル。

他のシリーズより体型がはっきり浮き出てしまうデザインなんだけど、大元のデザインがごぼうの如き細さだったものだから、あんまり違和感なーい。

 斜めから。
 この肩アーマーはオールプラ製で軽く、負担がかかると外れやすい構造になっているため意外に壊れにくそうだが、なんだかどこぞのチープトイ的な安っぽい造りで、ものすごく浮いている。
 クリアディープパープルのパーツの下に、青銀メッキのアーマーが二枚重なっているのだけど、このメッキアーマーがとにかく軽い! チャチい!
 これは、もう少しなんとかならなかったのかなあと思わされる。
 ちなみに、一枚目と二枚目のアーマー基部は可動(展開)するが、二枚目と三枚目はほとんど開かない。

実は、接触部分がかなり小さいので色移りの心配が少なそう(に思える)秀逸なものだったりする。

 マントを装着。
 発表当初はなかったものだけに、嬉しい追加アイテム。
 肩アーマー三枚目の裏側にジョイントがあり、ここで二箇所固定。
 黄金聖衣と違い、マントの一部が胸元まで覆っているのが特徴。
 布は若干伸縮性があるので、首を通す構造であるにも関わらず、実はいちいちアーマーや髪を外さなくても装着させる事が可能。
 代わりに、マントについている側のジョイントが外れやすい(肩に残りやすい)。
 それとも、これって個体差かな?

この人はオーロラサンダーアタック使ってなかったよね。

 オーロラサンダーアタック?用の合わせ拳パーツも付属。
 って、凍結拳だったっけ? さすがにもう覚えてなーい(笑)。

 このパーツ、ものすごく交換し辛い!
 これも個体差かもしれないけど、水晶聖闘士は右手首がなぜか異常にはめ辛く、うまくはめたつもりでも浅くしか入っていなくて、いつの間にか抜け落ちてしまう事がある。
 このパーツを装着する場合、両腕と両手首の軸をうまく調整しないといけないので、それをしくじるとなかなかうまく固定できず苛立ったり。

実は、水晶聖闘士登場回を持っていない&かなり記憶がボケてるので、ところどころ間違い表記があるかも…わわわ。

 正面から撮ると、師匠の大技・オーロラエクスキューションみたいになっちゃう。
 そういえばこの人、師匠の技は取得しなかったのね。
 弟子の弟子は会得したどころか、師匠の師匠(あーうざ)の更に上を行っちゃったのに。
 素質の問題なんでしょうか?

 答え:大人の事情

よりによって、再販発売直前に入手してしまいましたクラーケン。ま、プレミア価格じゃなかったからまだ良いけど。

 ギリシャ神話のように眩しい鱗衣まとってオーイエーな弟子と対峙。
 勿論本編ではこんな場面なかったわけだけど。

 そういえば、聖闘士最高位の一人だった水瓶座の弟子の弟子が、海王ポセイドンのところで就職したら海闘士で言うところの黄金聖闘士クラスにまでなれちゃうんだよね。
 なんだぁ、そう考えると海闘士って結構ヘナチョコですな。

 え、牛さんの立場がない?
 いやぁ、あははは。

PVCって彩色してなくても、素材色が色移りしちゃう事があるから怖いです。QBのトモエとかトモエとかトモエとか…ブツブツブツ。

 シベリア仕込みの足封じ技(なんとかならんかこの技名)のエフェクトパーツを、弟子にぶちかまし。
 いつも思うんだけど、聖闘士くらいのパワーがあれば、この程度の氷なら足封じにすらならない筈なんだけどなぁ。

 本来は氷河用なんだけど、一応他の神話シリーズにも適応可能。
 足首を一旦引き抜いてエフェクトパーツを下から差し込み、後から足首を戻す方式。
 エフェクトパーツは、左右を接続するジョイントがある。
 足の側面にあたる部分には縦にスリットが走っているため、白鳥座の聖衣のように、足首横に飛び出たパーツが付いたタイプでも安心。

 ちなみに、これを使うと接地性と安定性が著しく向上するので、スタンドパーツとしてはかなり優秀。
 もっとも、材質がPVCなので癒着とか色移りが怖いけど…

胸張ってます。

 外箱。
 サイズは、縦19.5センチ×横17センチ×奥行10センチという、聖衣神話シリーズとしてはスタンダードな大きさ。
 当然、仕様もまったく同じで二つ折り式。
 誌上限定販売だけど、本当に全部新規作り起こしなのねーと妙に感心。
 ってまあ、別に珍しいことじゃないけど。

 単品発送時は、これがちょうどぴったり収まる小型ダンボールが使用されていたけど、これが専用の収納ボックスとして機能するので、大変に使いやすい。
 二個同時発送だと、どうなったのかな?

やっぱり氷河も買っておくべきだったかなー…。

 箱裏面。

雪の結晶のデザイン。ちなみにブリスター裏側の台紙にも、結晶の模様が印刷されてます。中の画像はいらないよね

 箱側面と天面。
 水晶聖衣の意匠が。
 パッケージは、いつものパターン通り開いた左側に素体フィギュアとアーマー、右側にオブジェ素体やオプション関連を収納。
 足封じ技エフェクトパーツは、右側下部に二段式で格納。

【買ってみて一言】

 同シリーズは、今まで多くリクエストがあったにも関わらずレビューを一切行っていなかったのだが(これについては、心より深くお詫び申し上げます…無視してたわけじゃないのよ)、筆者がまったく所有していなかったわけではなく、実際は若干数だが所有し自分なりに分析は行っていた。
 ただ、基本的にフルコンプを狙っているわけではなく気に入った物しか買っておらず、また購入後納得がいかなくて手放した物もあったりするので、シリーズ全般に対して充分な知識があるわけではない。
 また「癒着と硬化」でも触れている問題点などもあり、一時期すべての商品を敬遠していた事もあった。
 以上の事から、とても当ページでレビューは出来ないと考えていたのだか、今回「水晶聖闘士」という“ある意味話題性の高いアイテム”が出た事で、一時的に禁を破ってみた次第。
 なので、これを機に以降聖闘士聖衣神話のレビューをスタートさせる、という意図はまったくない点、同時に、不完全だが同シリーズに対するそれなりの商品知識は持っている点を踏まえた上で、以下の最終評価を読んでいただけると幸いに思う。

 で、この神話・水晶聖闘士だが、正直なところ「大変に出来が悪い」といわざるを得ない。
 正確には、「造形は良いのだが仕上げに難がありすぎる」というべきだろうか。 

 個体差とも考えられる「右拳の接続のしにくさ」や「マントのジョイントの外れやすさ」を度外視したとしても、本商品は結構問題箇所が多い。
 それぞれの問題はさほど致命的ではないのだが、あまりにも沢山積み重なっているために無視できなくなったというべきだろうか。

 まず、商品全体の問題点として「指紋がベタベタ付きすぎている」というものがある。

 これは筆者も驚いたのだが、本商品はメッキ箇所が相当な面積に渡っているにも関わらず、そのあらゆるところに多数の指紋が付いてしまっている。
 そう、新品未開封品の筈なのにデフォで指紋がベタベタ付いているのだ!
 加えて細かな傷も大変多く、ぶっちゃけるととても新品とは思えない酷い状態だった。
 幸い、指紋は拭き取れば落ちる程度だったので良かったし、細かい傷も(自分としては)我慢できるギリギリの範疇だったので交換はしていないが、人によっては怒り狂うレベルかもしれない。
 オブジェの背面部の大きなパーツや、肩アーマー二枚目・三枚目の内側などにも指紋が目立ち、中には「わざわざパーツを動かさなければ触れない」ような部分にまで発見された。
 筆者は、撮影前と収納時に必ずメッキ部の指紋を拭き取るタイプだが、今回は初開封時からこれをやらされるハメになった。

 なお、これは決して筆者が過剰に神経質だから唱えるわけではない。
 これまでにも、購入した商品に指紋が付いていたケースは多々あったが、そのほとんどは笑って許していたし、事実過去のレビューではまったく触れていない。
 要するに、今回は度を越しすぎているのだ。

 指紋の付着は結構怖いもので、拭き取れば良いという生易しいものじゃないという事は、意外に知られていない。
 特に長期保存する品物の場合、メッキ部などに皮脂が付着して、どんなにこすっても取れなくなってしまう事も多々ある。
 また、一見指紋だとわからなくても皮脂が付く事で全体が徐々に曇るように変質してしまうケースもある。
 だから、指紋に神経質になるというのは“弄り倒す事が主目的”でない限りは、むしろ必要なことだとも言えるわけだ。
 玩具=いじってナンボという主義の人には理解し難いかもしれないが、中にはこれで泣かされる人も居るという事はご理解いただきたい。
 まして、自身の指紋なら自己責任だが、見ず知らずの人間による、しかも新品状態の筈の商品が劣化してしまったとしたら、泣くに泣けないのだし。

 尚、このページをアップしたその日に「トイザらス限定 装着変身仮面ライダー電王5フォームセット」が届いたが、こちらもプラメッキ部分には異常な量の指紋が付着していた(しかも、パッと見ではわからない部分に)。
 これはひょっとしたら、工場単位で発生している問題なのかな?

 もう一つ、肩パーツでも触れたが一部のパーツが妙に安っぽく感じられる造りなのも厳しい。
 他にもマスク(顔や髪パーツでかなり緩和されるが)や腰アーマー、また胸や膝などにあるディープパープルのクリアパーツも、お世辞にも良いものとは言えない。
 この辺が鼻に突く人も居るのではないだろうか。

 後は、最大の売りである筈のオブジェ形態だろうか。
 個人的には充分容認できるものなのだが、シルエットのほぼ全部が余剰パーツになってしまうという点に難色を示す人は必ず居るだろう。
 事実、過去の商品でも「装着されないパーツ」の占める面積・体積が大きすぎると嫌がるファンは居たし、またグリフォン・ミーノスのように「オブジェ時専用のマスクパーツ(装着不可)」が散々叩かれるという事態も発生している。
 オブジェ素体そのものの体積が大きくても、アーマーを着けた状態だと素体部分があまり目立たなくなる構造だと、そんなに文句は出ないようだが、今回のこれは極端だろう。
 結晶型のオブジェというアイデアは確かに秀逸だし、聖衣形態をまったく考慮していない水晶聖衣のデザインが枷になっていたという事情は良く判るが、それでも尚問題視する人は居るだろうと思い、ここで念の為触れておきたい。
 ちなみに筆者は、数日間オブジェだけで飾っていたほど、この形態が気に入っている。

 髪パーツがあまりにも尖りすぎていて、手に食い込むレベルだというのもちょっと辛い。
 特に、今回は全体的に妙にパーツのはまりが悪いため、髪パーツを上から押し込んだりするケースが多々あるが、これだと痛くてしかも怖い。
 髪のトゲトゲをなくせ、とはいわないが、せめてもう少しスムーズかつしっかりと固定できるよう、ジョイント部をよく見直してもらいたかった気がする。

 それから筆者のものには見られなかったが、太腿パーツに初期不良(形状不良?)があるケースが報告されている。
 購入者は、まず最初に太腿パーツの形状確認を行った方が良いだろう。
 そして、問題があれば早いうちにバンダイに交換申請をするべきだ。
 時間が経ちすぎると、色々と不利になってしまうだろうから。

 細かな問題は目立つが、商品の存在意義はやはりかなり大きく、購入価値そのものは充分にあると強く述べておく。

デジカメの設定変えて撮影したら、いい感じに青っぽくなったのでついでに加工♪

 ネタキャラとしても、まさかの商品化としても、また美麗かつ秀逸な新規デザインのオブジェにしても、魅力は有り余っている。
 残念ながら、今後はもはや中古品(実質的には新古品がほとんどだろうけど)しか購入出来ず、どうしても割高になってしまうと思われるが、買いそびれた人は自分の手の出せる範囲で探してみるのも悪くはないだろう。

 ただその際は、くれぐれも指紋や擦り傷のチェックを忘れずに……。

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