PLAYSTASION2 ときめきメモリアル3
〜約束のあの場所で〜 「ときめきメモリアル2」投稿評論
メーカー:コナミ
流竜馬 様
 ファイン 様
  この「ときメモ3」は「3Dキャラ」「OP&ED曲にZARD起用」という事で2001年に発売されましたが、その結果は発売後間もなく多くのゲームショップで値下げ(新品ですら1000円の所も!)されまくるという散々な結末でした。
 しかし、この作品と同じような目にあったものの、評価すべき所はあった「機動新撰組〜萌えよ剣〜」をレビューした身としては、こういう作品を見逃すわけにはいかず、以前投稿した「ファイヤーウーマン纏組」と同時期に並行プレイしておりました(爆)。


>ストーリー
 小高い丘に立つ「私立もえぎの高校」には、通学路とは別の一本の旧道があり、その途中には素敵な伝説を持つ坂がありました。
 「運命のその日、桜の舞い散る中で愛を誓いあった二人は永遠に結ばれる…」 そんな伝説などつゆ知らず、この高校で新生活を迎えることになった主人公の運命は如何に!?


>キャラ紹介

○牧原優紀子(まきはら・ゆきこ)
 どこにでもいそうな「内気で優しい女の子」
 …だったが、イメチェンをした途端にモテモテになってしまい、正直戸惑っている。

○相沢ちとせ(あいざわ・ちとせ)
 優紀子の親友で、元気一杯でミーハーな関西弁少女。
 しかし意外にも、将来の夢は「語学留学」である。

○河合理佳(かわい・りか)
 科学の力を絶対視する「メカトロニクス少女」
 無邪気な性格とは裏腹に、周囲に迷惑を撒き散らす困り者である。

○御田万里(おだ・まり)

 女優の母と映画監督の父を持ち、自らも女優を目指す典型的タカビー少女。
 トゲのある性格が難ではあるが、夢に向けての情熱は本物である。

○橘恵美(たちばな・えみ)

 もはや死語の世界(笑)な「大和撫子」
 幼少時から習っていた日本武道(特に合気道)の腕はかなりのものである。

○神条芹華(しんじょう・せりか)

 常にクール&ぶっきらぼうな態度をとる少女。
 その行動にも謎が多いものの、仲が良くなれば女の子らしい面も見せてくれる。

○渡井かずみ(わたらい・かずみ)

 隠しキャラその1で、不幸な境遇にもめげずに数々のバイトをこなす頑張り屋。
 「県外」デートはできないので要注意!!

○和泉穂多琉(いずみ・ほたる)
 隠しキャラその2で、何一つ非の打ち所がない完璧超人なお嬢様(笑)。
 そんな彼女と知り合うのはWEBサーフィンである。

○白鳥正輝(しらとり・まさき)

 主人公のライバルその1。
 典型的「嫌味なキザ男」。
 …なのだが、どうも根はかなり3枚目のようである(笑)。

○矢部卓男(やべ・たくお)
 主人公のライバルその2。
 眼鏡&小太りのスケベ男。
 しかし、女の子のハートを掴む術には長けているため意外と侮れない。
 思考回路が「女の子>友人」の困り者ではあるが、「いい奴」な面も持っている。


>内容評価
 ゲームシステム面の作りは驚くほど良くできており、読み込みが早く、セーブ&ロードが「快適」極まりないこと、(攻略可能キャラが少ないこともあってか)難度も適度なことや、デートのパターンが多彩(雨の場合の喫茶店デートなど)になったことや、高速スキップ・チビキャラ画面省略などのおかげでクリア速度が増したことなどは、ただただ賞賛あるのみでした。
 それに、EDを迎えれば「おまけ」モードでそのキャラの「モノローグ」として「女の子の視点からの(プレイヤーが今まで見てきた)デート状況」が文章付きで見られます。
 このシーンでの感無量っぷりはかなりのものでしたよ!

  しかし…この作品が叩かれた理由は確実に存在したのです。
 それは…

(1)デートにかける大きな労力
 「ときメモ」でも「ときメモ2」でもデートの基本は3択(1回)でしたが、 「3」ではそうではなく、「段階式のデート」であったのです。

  ・まず最初に服装チェック。
  好みに合わなければ好感度ダウンor帰ってしまう。
  (この要素は「こち亀」でネタとなった「どきメモ」を思い出しますね(笑))

  ・そして従来の3択。
  場所によっては後にまた3択がある(例:海、室内プールなど)。

  ・さらに好感度が高ければ「2」以来の追加デート!
  しかも今回は休日中に得られる話題コマンド(殆ど消費式)で対応!!

 …とまぁ、1回のデートで上記の3段階を踏むことになり、人によっては「面倒さのあまり投げ出してしまいかねない」危険性をはらんでしまったのです。
 攻略本があれば楽なのでしょうが、ノータッチで挑んだ僕は結構苦労しましたよ…。
 特に最初の服装選びはキツく、好感度が高くないとその場でアウトです。

(2)早すぎた3Dキャラ…
 今でこそ3Dキャラはだいぶ受け入れられるようになってきましたが、この作品のキャラ達はまだ出すのが早すぎました(汗)。
 何気ない仕草をうまく見せるシーンは良く出来ていたと思ったものの、いかんせん後の「ゆめりあ」と比べてボディバランスが悪かったのです。
 感じ方は人それぞれでしょうが、若干大きめの頭と細い体のアンバランスは結構気になりました(腕を露出させている服装の時はそれが顕著でした)。

(3)キャラ面の失敗
 初代「ときメモ」は大勢いながら個性的なキャラの魅力もあって人気を得たのですが、今回の「3」キャラは「2」のキャラと同様…いや、それ以上にキャラが薄かったのです。
 女性陣は実は髪型以外同じ作りな上に、今までのキャラほどのインパクトには欠けておりましたし、白鳥&矢部コンビに至っては、初代の早乙女好雄のような名バイプレイヤーとして目立つこともできなかった上に、2の匠&純一郎コンビのような凸凹コンビぶりにも欠けていました(汗)。

  …などで、これらの欠点に耐えられるかそうでないかが、この作品の評価を分けるでしょうね。


>最終評価

 システム面が一部を除いて本当に優秀だっただけに、CG技術が「ゆめりあ」級になるまで待つべきだった作品と言えますね…。
 素質がありながらそれが熟さぬうちに戦場に出したことが現在の結果を生んだと思うとかなり残念なものがありますよ…。

(流竜馬 様)
 周囲の人間がプレイしてるのを見たり、楽しんでるのを聞いたりして知ったクチなんですが、この「3」に関しては彼らから全く音沙汰がありませんでした。
 逆に発売日前にときメモとはあまり関りのなかったもの達と悪評判(オイ)の話題で盛り上がったんですが、発売されてからは全く話に上がらなかったのは、やはり何らかの魔力がはたらいてたんでしょうか。

 しっかりと作りこんでいるは老舗ならではのようですね〜。
 しかしそういったプラス面も、それすら上回るマイナス要素の前にはもろくも瓦解すもので…。
 攻略難度が高いのもこのシリーズならではですが、服装で拒絶ってアンタ…。

 話題のトゥーンレンダリングという奴ですが、未だにゲームでは良い噂を聞かないシロモノです。
 18禁ゲームのほうでも「TOON」という作品がこの技術を用いた事で有名ですが、ボロカスに叩かれてましたっけね〜(涙)。
 この技術自体は悪いものではないのでしょうが、まだ時代に追いついてないのが現状のようで…。
 とりあえず私は、キャラクターの顔の区別がつかないのが気になりました。

 そういえば発売から一年半近くたつのに、今回は個別にキャラクターを扱ったシリーズの販売を聞きませんね、「2」にもあるのに。
 このことがキャラクターの弱さを示してるんでしょうか?

 早すぎた作品だったのですね、いろんな意味で。
 そういえば、来年でちょうどPC版の一作目から十年になるみたいですが、そろそろ次の企画ってあるんでしょうか?
 下手に新作作るよりも今の技術で「1」のリメイクなんかやると面白そうなんじゃないかなー、なんて思います。
 元も充分取れるでしょうし(笑)。

(ファイン 様)
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