光を…
主人公の目が不自由という、かなり変わった設定のストーリーです。
あなたは光を取り戻し、未来を築けるでしょうか?
1.メーカー名:LiLim
2.ジャンル:ADV
3.ストーリー完成度:総合でC−。後は各キャラのシナリオ如何
4.H度:C
5.オススメ度:D(割り切ってゲームが出来る方:B)
6.攻略難易度:C
7.その他:(音楽について)
作風にあわせて心落ち着く曲が多く、結構お気に入りです。
(ストーリー)
主人公・鮎川秀人(どこかで聞いたような。特攻の…)は、幼い頃不運な事故で光を失ってしまった。
さらに、それが元で両親が別れ、後に母親も去ってしまい、唯一の家族・義妹の真奈と暮らしていた。
そして高校に無事入学した秀人に新たな出会い、そして懐かしい再会が待っていた。
うーん、どう書きだしたら良いかな…。
確かに、それなりにまとめられた作品だと思うのですが、ストーリーの根本的な所でつっこむべき所が何点か有り、そこで難色を示すようなら、このゲームはお薦めできません。
まず、両親が居ないのにどうやって生活してるんでしょう。
仕送りがあったという件はなかったし、去っていった父親が面倒見ているという風でもない。謎だ?
次いで主人公・秀人君、彼はどうして盲学校に行かないのでしょう。
さらには、どうやって入試を受けたのでしょう。
というわけで、ストーリーの根本たる設定がポンチな作りなので、この段階でDO(ダメオワッテル)と判断する方は、間違っても手に取ってレジに並ばれない方が良いでしょう(本気!)。
では、何を以て評するかというと、『To Heart』同様、各キャラごとのシナリオが対象となるわけです。
鮎川真奈:
秀人の義妹。
お互い唯一の肉親と思い、文句を言いつつも甲斐甲斐しく秀人の面倒を見ています。
言葉よりも手が先に出るタイプ。
シナリオ中盤から、秀人を兄としてではなく一人の男として意識し始めたシーンや、いきなり戻ってきた義母が秀人を手に掛けようとした時、身を挺して彼を守るシーンはなかなか良いシーンだと思います。
が、いかんせん秀人自身の書き込みが足りないのと、Hシーンからエピローグへの怒濤の展開に、呆気にとられました。
いくら何でも、数年後とはいえ子供を連れて義母の所へ行くまでやらんでもいいんじゃ…。
もう少し書き込みが欲しいところですね。
評価:C(妹属性度:A)
結城まどか:
鮎川兄妹の幼なじみで、おっとりしているお嬢様タイプ。
彼女の優しさが随所に生かされたシナリオ作りで、その昔、秀人と結婚の約束(幼い子供がやるあれですね)をしたというエピソードなど、真奈共々ヒロイン入ってます。
また、親友の直樹にまどかを譲るも、やるせない気持ちや喪失感が感じられ、それに伴う秀人の思いや行動が良く、結構ハマッたなと自覚出来たシナリオです。
評価:B(真のヒロイン度:AA)
氷川みるく:
秀人達より一年上の先輩なのだが、容姿はお子さま。
なぜかいつも猫の「みしぇーる」を連れています(無論学校でも)。
天真爛漫でいつも笑顔を振りまいています。
が、彼女のシナリオになると、実は原因不明の持病持ちでいつ発作を起こすかわからないし、次に発作を起こしたら…、とやたらにヘビー。
なんだかなー。
しかも、オチがぷーで今十歩な感じです。
評価:D(ごっつい猫ロケットパンチ度:AAA)
鳴瀬美桜:
秀人が廊下でぶつかって知り合った女の子で、いつもローラーブレードを履いています(無論学校でも)。
そして、格闘技の同好会を1人でやっています。
なんだかどこかできいたことがあるようなきがする。
そして、オチもまんまなのである。
あの、1つツッコませてくれ。
こんなんでいいんかい?
評価:D−(さくら+葵度:S、武内優香度:SS)
天乃皐:
登校2日目に出会う、保険医の先生。
おっとりした性格で、秀人は亡き母親を感じ安らぐ。
カウンセリングを通じて、秀人の光を取り戻そうとしてくれるのだが…。
まず初めに手を出したシナリオなんですが、彼女の辛い過去が生み出した心の闇、そこから何とか助け出そうとする秀人。
良いなぁと思ってたら、秀人は目が見えたとたんにバリバリのテクニシャンになって、皐さん(ああ…俺も落ちたな)にああいう仕打ちをする訳ね。
秀人君、君には「滅殺」なんて甘すぎる。
HELL瑞穂による、香奈子9ゲージEXをプレゼントしよう(怒)。
あ、それと和服の保険医って問題ないんでしょうか?
部活顧問時はともかく、保健室で和服ってのもちょっと変かと。
評価:B−(大和撫子度:怒濤の如く)
水無月紫苑:
一度、他の女の子をクリアしてからじゃないと現れない隠れキャラクターで、秀人と同じく目が見えない。
そして、その実体を知ったときにはさすがに驚きましたが、彼女をこの世界に連れ戻すエンディング等、良いおとぎ話かなと思います。
評価:C(おとぎ話度:FSS)
(総評)
こう書いてみると、余り良い印象を受けてないようですが、プレイ中は最初に挙げた設定の不備を敢えて無視してやってたので、結構楽しんでました。
ただゲームを終わらせて、原稿を起こすに当たって、どうしても今まで挙げてきたことが気になってしまうんです。
要は、余り深く考えずにプレイすれば楽しめると思います。
(鷹風 虎徹)