魔女っ子物
 「魔女っ子物」には、『魔法使いサリー』に始まる“魔女(魔法使い)が人間界で暮らす”パターンと、『ひみつのアッコちゃん』に始まる“普通の女の子が何らかの理由で魔法のアイテムを与えられる”パターンとに大別されるが、近年は後者が多いようだ。
 
 
 前者は何らかの目的・使命を帯びていることが多く、後者は“使命を与えられ、そのために力を授かった者”“特に目的もなく力を与えられた者”に分かれる。
 普通の女の子タイプでは、使命を与えられている者は『魔法の妖精ペルシャ』などごく一部にとどまり、大抵は『魔法の天使クリィミーマミ』などのように、特に目的もなく自由に使っていい力を与えられた少女が巻き起こす騒動を描くことになる。
 
 使命がある場合、その使命に引っかけた作劇をする必要があるため、年間の物語バランスを取りやすいがパターンに陥りやすく、使命がない場合は、作劇上の制約が少なく自由に物語をが作りやすいというメリットがある反面、幅が広がりすぎてまとまりがなくなりやすいという欠点を持つ。
 
 
 どのパターンでも、最大公約数的に“魔法のことを部外者に知られてはならない”という制約があり、それを破れば何らかのペナルティを負うのがセオリーとなっている。
 詳しくは本文で触れるが、『おジャ魔女どれみ』シリーズは、“普通の女の子が特定の目的のために魔法のアイテムを与えられる”パターンに分類できるが、同時に使命を持たないパターンの作劇もできるというちょっと変わった構成になっている。
 
 
 なお、雑誌などで「魔女っ子物」特集をする場合、『キューティーハニー』や『ミラクル少女リミットちゃん』などの魔法を使わない作品も計上されていることが多いが、これは“ヒロインが女の子である”“ほかのジャンルに入れにくい”などという便宜上のものと思われる。