全部繋げると無茶苦茶になる


 実のところ、その場の盛り上げだけで謎を出したりして収拾がつかなくなるというのはよくあることだったりする。
 『仮面ライダー』シリーズにも色々ネタがあったりして…。

 たとえば『仮面ライダー』におけるアンチショッカー同盟のコンピューターデータがそうだ。
 これは、ゲルショッカー首領の正体に関する情報が入っているという触れ込みで一文字隼人が南米から持ってきたものだが、散々争奪戦をやった挙げ句、結局はアンチショッカー同盟を潰すためにゲルショッカー首領が仕組んだことだった。
 わざわざ一文字を日本に呼び寄せ、虎の子のショッカーライダー6体や怪人2体を倒されてまで実行するほどの価値があったのか疑わしい作戦だった。
 あれなら、本郷1人にショッカーライダー6体をぶつけた方が勝ち目が高かったはずで、日本のアンチショッカー同盟などその後でゆっくり叩けば良かったような気がする。
 「各個撃破」って言葉、知ってる?

 『仮面ライダーV3』では、V3の26の秘密が途中で立ち消えになっている。
 雑誌展開で一応全部発表されたものの、テレビではすっかり忘れ去られていた。
 最大の弱点である逆タイフーン後の3時間変身不能にしても、本編内で十全に生かされていたとは言えない。

 『仮面ライダーX』では、RS装置争奪戦が挙げられる。
 キングダークが立ち上がるために必要な超エネルギー発生装置であるRS装置を手に入れるため、キングダークは遂に立ち上がって戦闘を行うようになってしまった。
 じゃあ、手に入れたRS装置はどうするつもりだったんだろう?

 『仮面ライダーアマゾン』では、本編を通して貫かれていた“ギギの腕輪とガガの腕輪を合わせると古代インカの秘宝の謎が解ける”はずだったのに、蓋を開けてみればスーパー大切断で終わってしまった。

 『仮面ライダーストロンガー』でも、チャージアップして1分以上戦うと、エネルギーの暴走から自爆してしまうはずが、ゼネラルシャドウとの最終決戦では、“チャージアップ後の戦闘が長すぎてエネルギーを使い果たした”ためにマシーン大元帥に捕まっている。


 なあんだ、いきあたりばったりは仮面ライダーシリーズの伝統芸だったんだ。
 こう考えてくると、『アギト』は実に仮面ライダーだったのだなぁ。



そーいやハイパーショウって…