たとえ公式に発表された設定であっても信用できない
もうちょっと細かく言うと、“雑誌などのマスメディアで発表された設定であっても、画面に映ったときは変わっていることがある”ということ。
『アギト』の場合これが結構目立つので、途中で変更されたり、実は発表当時は確定していなかった可能性も指摘されている。
分かりやすい例を挙げると
ギルスはアギトの賢者の石を奪うためにアギトを狙う
というのがある。
結構有名な初期設定だが、これについて本編で触れられたことはまったくない。
そもそも、アギトのベルトに“賢者の石”なるものが埋め込まれているかどうかすら怪しい。
翔一の身体は、記憶喪失で発見されたときにも、サソリ怪人(レイウルス・アクティア)にやられたときにも、レントゲン等の検査を受けているはずなのに、そんな異物が体内で発見された形跡がないからだ。
ま、変身と共に生成されるものである可能性もあるから一概に否定はできないが、少なくともギルスがアギトを狙ったのは“榊亜紀の仇”という勘違いからであり、そんな展開は存在していない。
また、某『仮面ライダーアギト超全集』には
あかつき号の乗員乗客は合計9名
というような一文がある。
実際は、涼の父親の手帳に載っていた人物が9名というだけで、32話『人の居場所』で手帳に載っていない高島雅英なる人物が登場したことや、翔一も乗客だったことが判明したため、その総数は11人以上だ。
翔一のことはともかく、高島の件が出版社のミスにしろ、設定の方が途中で変わったにしろ、少なくとも“本に載っていたから正しい設定”とは言えないわけだ。
ちょっと違う話だが、ギルスレイダーが生体メカだというのもはっきりした証拠はない。
確かに28話『あの夏の日』で自走するシーンがあるが、そんなのが生体メカの証拠なら、ロードセクターやクルーザーも生体メカになってしまう。
単なる機械でも、AI搭載型なら喋るくらいはやってくれる。
生体メカを名乗るなら、破損部分が自然修復される程度の描写は欲しいところだ。
もっとも、だからといって「生体メカではない」と言いきれるものでもないが。
いずれにしても、『アギト』の設定は、画面上で明言されない限り迂闊に信じられない危ないものなのだ。
この辺の細かいことは、評論第1回『「仮面ライダーアギト」マルチサイト論的考察』で触れているので、そちらをどうぞ。