『エースをねらえ!』見ました
鷹羽飛鳥
更新日:2004年2月8日
  いや〜、いかすいかす。

 小生意気なガキの「エースなんて星人に渡しちゃえばいいんだ!」という怒りの言葉、カプセルに閉じ込められてタール漬けにされたくせにしっかりポーズ取っちゃうウルトラ兄弟など、実に笑い所満載なエピソードです。

 到着して数秒で、全く戦いもしないうちにやられちゃったくせに、やたらと偉そうなポーズを取っているゾフィーがポイントですね。
 最近、この“タール漬けウルトラ5兄弟”のフィギュアが発売されているのを知って驚きました。
 あと、意外なことに、ウルトラ兄弟のカラータイマーの音って全部違うんですよね。
 これは素直に感心しました。

 …じゃなくて、実写版『エースをねらえ!』を見たという話をするつもりだったんでした。
 上戸彩主演のあれです。

 鷹羽は所謂スポ根物はほとんど見ていないのですが、『エースをねらえ!』と『あしたのジョー』は、マンガで全巻読んでます。
 アニメについても大部分見ていますが、『エースをねらえ!』は『新エースをねらえ!』の方しか見てません。
 OPが「コートでは誰でも1人、1人きり〜」ではなく「泣きたいときはコートで泣けと〜」の方ですね。

 「コートでは誰でも1人、1人きり〜」の方がメジャーで、今回の実写版の主題歌もこっちを使っているようですが、鷹羽は「泣きたいときはコートで泣けと〜」の方が好きです。
 EDの「坂の途中で〜」というもの悲しい雰囲気も好きでした。
 一応念のためですが、『新エースをねらえ!』は続編ではなくリメイクで、ちゃんとひろみがテニスを始めるところから始まります。

 原作、つまりマンガ版の『エースをねらえ!』は、非常に印象的な台詞や展開が多く、いずれ『蔵出しここ一番』で扱いたいと思っている作品ですが、アニメ版の方は宗方コーチの死で終わらせてしまっている点が不満でした。
 勘違いしている人もいると思いますが、原作は宗方の死後の物語もかなりの長さがあります。
 逆に、非常に長い物語であることもあって、2つのテレビアニメ版はいずれも宗方が感動的に死ぬところで終わらせてしまうわけです。
 かといって、宗方の死後まで描いたOVA版の『エースをねらえ!2』では、話の展開そのものが変えられてしまっているので、むしろ「作らなきゃよかったのに」まで思っています。

 鷹羽は原作主義のベクトルが強いので、原作をあまり変えられるのを嫌う傾向があるんです。
 もちろん、時代背景に合わせて設定を変えたり展開をいじったりということは許されると思ってますし、それが上手くいっている作品などは手を叩いて喜びます。
 ただ、やっぱりというか、忠実にドラマ化したつもりの作品でも、マンガをドラマにするには、表現技法の問題とか、登場人物の顔とかの問題で、どうしても妙なものになりやすいようです。
 特にアイドル主演となると、危険性が激増するようで…。

 さて、そこでこの実写版『エースをねらえ!』ですが、怖いもの見たさで見てみたら、これが意外に面白い!
 大真面目に「お蝶夫人」とか呼んじゃったり、お蝶夫人の一人称が「あたくし」だったりするのは爆笑一歩手前なのですが、台詞のほとんどが原作そのまんまだったりして、不思議と腹が立ちません。
 蘭子が出てくるのが少々早いような気がしますが。

 2話で、怪我をしたお蝶夫人の袖を宗方コーチが破き、動転したお蝶夫人がコーチをひっぱたくというシーンがありました。
 今時、袖を破られたからといって相手をひっぱたくなんて相当ウブだと思いますが、本当に原作にあるシーンということもあって、それでも笑ってすませてしまいました。
 この感覚は、原作をかなり忠実になぞっていることと、無茶苦茶大根な人がいないことに由来するのだと思います。
 心配していたテニスのシーンも、思ったほど違和感を感じないですんでいるし、とても爽やかな気分で見られました。

 この後、ダブルス準決勝で、転んだひろみがコーチをじっと見て、それから立ち上がるシーンがどういう風に処理されるのか、とても楽しみです。
 試合後の太田コーチとの会話での、宗方の「それが師弟の信頼関係というものだ」的な台詞は、宗方の名台詞の1つだと思っているので、あれが綺麗にはまってほしいと願っています。

 後は、たった9話でどこまで描けるのか? というところが鷹羽的な不安部分ですね。

 今のペースでは、宗方が死ぬところまで行くのは不可能でしょうし、お蝶夫人とのダブルス決勝辺りで終わらせて、好評だったら続きをやるのでしょうか。
 それだと、ドラマの一応の区切りとしてもちょっと弱い気がしますが。
 それとも途中を豪快にすっ飛ばしてすごい最終回を迎えるのでしょうか。
 いきなり年月が過ぎ去り、ひろみが渡米して宗方が死んじゃったら、鷹羽はエクシードチャージしちゃうかもしれません。

 最終回を見た後、改めて感想を書くことになると思いますが、そのとき鷹羽は果たして怒り狂っているでしょうか、喜んでいるのでしょうか。
 我がことながら全く予想がつきません。
 もしかしたら、その前にテレビが壊れたという報告をしているかも…。

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