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更新日:2004年1月25日 | ||
普通に考えると変な言葉が、特定の状況下において非常に深い意味を持つことがあります。 もう20年以上も昔のことになりますが、『超時空要塞マクロス』というテレビアニメがありました。 その主題歌『マクロス』の中に「Will you love me tommorow?」という英語部分があります。 直訳すると「あなたは明日、私を愛しますか?」となりますが、これでは何だか妙です。 告白の言葉としても変ですよね。 突然こんなことを言われたら、誰だって呆気にとられるでしょう。 このことは、放映当時も多少話題になっていたようです。 当時のアニメ誌の読者投稿欄に“「love」には「性交する」という意味があり、その意味で訳すると「あなたは明日、私と性交しますか?」とますます変になる”という意味の話が載ったことがありました。 確かに、小さな英和辞典には載っていませんが「love」には「性交する」という意味があります。 うろ覚えで申し訳ないのですが、たしかその話は、「あなたは明日、私を抱いてくれますか?」と訳せば、告白の言葉としてあまり変ではないのではないかということで落ち着いたと記憶しています。 この意見、笑い話のようですが、実は鷹羽は、この文章の場合の「love」は「性交する」と訳していいのではないかと思っています。 というのは、「Will you〜?」という文は「〜してください」という使われ方をすることがあり、この意味で訳すると、「明日、私を抱いてください」となるからです。 この一文だけで見れば、これまた妙なお願いなのですが、『マクロス』がパイロットを主人公にした戦争物であるということを考慮すると、ちっとも妙ではなくなります。 これから出撃する戦闘機乗りに恋人が「明日抱いて」と頼めば、それは「絶対に無事帰ってきて」という懇願以外の何物でもありません。 まぁ、作品のカラーには合わない気もしますが、歌の合いの手としては非常にいいと思います。 鷹羽は元々この歌が好きでしたが、こう考えるようになってからもっと好きになりました。 もちろん、こういうのは歌だけではなく物語上の演出でもよく行われることです。 ただし、演出として感動的にするのはなかなか大変なのですが。 『マクロス』の本編中で、主人公:一条輝の先輩であるロイ・フォッカー、恋人でブリッジ要員のクローディアから「帰ってきたらパインサラダをご馳走する」と言われ、出撃時に「パインサラダ、楽しみにしてるぜ」と言っていますが、これもそういった効果を狙ったものでしょう。 もっとも、このエピソードでは、被弾し傷を負って帰還したフォッカーが、その約束を果たすため、医務室にも行かずにクローディアの部屋に直行したばっかりに出血多量で死んだようにしか見えないため、演出上失敗しているとしか思えませんが。 → NEXT COLUM |
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