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更新日:2004年1月4日 | ||
鷹羽は『カードキャプターさくら』が結構好きです。 アニメから見始めたのですが、その後コミックも全巻揃えてしまいました。 実は、この作品における魔法の源:クロウカードも、陰陽五行説をある程度引っ張っています。 クロウカードの守護者、ケルベロスと月(ゆえ)は、それぞれ陽と陰の象徴と言える太陽と月をシンボルにしていますし、その配下の第1カードはそれぞれ「ライト(光)」と「ダーク(闇)」です。 その下が、不思議なことに「地水火風」の4大元素になってしまうのですが、これは多分、カードの設定を作る上で、同じモチーフで陰と陽を考えるのが面倒だったからでしょう。 そのくせ、4大元素カードの1つ:「アーシィ(地)」を捕らえるときには、「ウッド(樹)」のカードを使っています。 これは、前回書いた相克、つまり「木」が「土」を破るという五行の法則を利用しているわけです。 その言い訳として、「クロウカードを作った魔術師クロウ・リードは、西洋魔術と東洋魔術を合わせて独自の魔法体系を作った」としています。 つまり、クロウカードは、独自の思想で作られたが故に、4大元素制の一面を持ちながら、五行の相克という性質をも持った存在として描かれているわけです。 もっとも、これだけ見るとよく考えてあるようですが、コミック版当初は、風属性の「フライ(翔)」が風系最高位の「ウインディ(風)」を無効化していますから、話の都合で適当にやっていたということなのでしょう。 ちなみに、アニメ版では、フライはウインディで捕まえています。 多分、アニメ化する際に誰かが「これっておかしくない?」と気付いたんでしょうね。 もう1つ例を挙げましょう。 『西遊記』に「人蔘果(にんじんか)」という果物が出てきます。 1万年に30個しか実らないという赤ん坊そっくりの果物で、1つ食べれば4万7千年も寿命が延びるのですが、金に会えば落ち、木に会えば枯れ、水に会えば化し(溶け)、火に会えば焼き焦がれ、土に会えば消えてしまうという困った性質を持っています。 そのため、金属の棒で触れて木から落とし、絹の布を敷いた磁器で受け止めて、水で溶かして食べるのだそうです。 悟空は自分の服で受け止めていましたね。あれは毛皮でしたっけ。 本来、万物を構成する五行の全てに弱いなら、万物全てに弱いということになるのですが、食べ物である以上、生物はOKのはずなので、生物の一部を使ってなら受け止められるのでしょう。 これは、少々疑問符が付くものの、問題ない事例です。 五行にせよ、陰陽にせよ、4大元素にせよ、基本的に知っていなくても全く問題ない事柄です。 ただ、古くからあるものは、ある程度の年代の人には常識になっているものも多々あり、無意識のうちに使っていたりすることがあります。 一般生活上も、そういうことってままありますよね? 前回の「乙」がいい例だと思います。 知らないよりは知っていた方が面白いことって、結構あると思うので、周囲を見回してみてはいかがでしょう? → NEXT COLUM |
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