| ガオレンジャー・パワーアニマルシリーズ1 |
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| ・DXガオキング | ・DXガオマッスル | ・DXガオキング・ブラックバージョン | ・総 括 |
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| お久しぶりです、後藤夕貴です。 さて、近年のおもちゃについて好き勝手に分析したりしている当コーナー、第3回にして突然の事態! なんと、予告していたものとは別な物を扱う事になりました!! 前回の予告では『仮面ライダーアギト 装着変身初期3体』としていたのですが、2002年1月現在、まだギルスやバイク各種を全部入手していません。 ですので、もう開き直ってこれらは後に回し、今回は“ギルスやガードチェイサー等が買えなくなった原因をつくった”… 『百獣戦隊ガオレンジャー パワーアニマル全25体』
こちらについて書いてみたいと思います!![]() ただし、なにせものすごい数の商品郡ですから、何回かに分けなければとても書き切れません。 というわけで、
…という風に、3回に分けて触れていきたいと考えております。どうぞよろしく! 百獣戦隊ガオレンジャー 超合金 パワーアニマルシリーズ QUEST-01
前説:ガオレンジャー商品の大人気ぶり
2001年の玩具関係の話をする際、どうしても避けて通れないのが『百獣戦隊ガオレンジャー』の関連商品だ。21世紀最初の、しかもスーパー戦隊シリーズ25周年記念という事で大々的に始まったこの作品は、作品内での演出面・音楽面をはじめとして、各所にこれまでにないほどの力が注がれ、過去に例のない豪華さを誇っていた。 前年度放映の『未来戦隊タイムレンジャー』が、その作品内容の高い評価と裏腹に玩具展開で低迷してしまったためか、本作では全体的な見直しが行われ、まったくスタイルの異なる作品作りにチャレンジせざるをえなかったようだ。 少なくとも、タイムレンジャー終了間際の時期に、その一年後の商品展開は絶対想像しきれなかったと考える。 特撮作品に限った話ではないが、キャラクター玩具の売れ行きには、ちょっとしたジンクスめいたものがある。 それは“ストーリーが濃密で評価が高かった作品に限って商品展開は困難になり、逆にストーリーが単純明快なものほど、商品展開は優良となる”といったもの。 実際、マニア人気を多く獲得した作品を直接支えていたスポンサーの商品が沢山売れた…という例を、私はほとんど知らない。 (番組終了後、スポンサー以外の他メーカーから関連商品が量産され、それらが人気を博した…という「ガオガイガー的パターン」は例外である) これは単純な理由があり、ストーリーが濃厚でしっかりしたラインを保持して展開していく物だと融通が利かなくなってしまい、新兵器の登場・紹介編などがぞんざいになったり、同じく再登場する背景に無理が生じてしまったりして、十分なアピールが出来なくなってしまうためだ。 一方そうでない作品は、臨機応変に新兵器登場のシチュエーションを調整する事が可能で、また新登場要素と従来のキャラクターとの関わりをふんだんに用いる事が出来る。 悪い言い方をすれば、多少路線変更してしまったとしても大きな問題に発展する危険もなくなるのだ。 こういった“根本的な部分”が違う事がそのまま商品人気の大小に繋がるというのは、当然の事なのだ。 スーパー戦隊シリーズで過去の例を挙げるならば、91年度「鳥人戦隊ジェットマン」とその翌年92年度「恐竜戦隊ジュウレンジャー」の比較だろう。 当時これらの作品を見ていた方々なら理解は早いと思うが、ジェットマンは作品内容はすこぶる高い評価を得、現在もなお多くのファンを抱えているが、ジュウレンジャーはそれとまったく正反対の性質を持っており、ストーリー的にも成功しているとは正直言い難い。 しかし、玩具売り上げではジェットマンは過去最大規模の不振ぶりで、逆にジュウレンジャーはそれまでの平均を軽く上回る程の功績を得られた。 もちろん、ジェットマン放映期については番組人気以外の別な理由も絡んでくるため純粋な比較は出来ないのだが、とにかくこういった背景のため、ジュウレンジャー的な商品展開…そして、本編内でのアイテムの利用法・登場方法等が、後のシリーズ展開の重要な参考例となっていった事は紛れもない事実だった。 『百獣戦隊ガオレンジャー』は、(反論あるかもしれないが…)ジュウレンジャーの要素を多分に意識して制作された作品だ。 単純に動物モチーフのメカ(なんか抵抗あるんだけど…)が用いられたから、だけではない。 たとえばジュウレンジャーでは、ロボットが主人公達の上に君臨する「神」であるというシチュエーションのために、物語の幅を持たせる事を妨げてしまった。 それを反省してか、“パワーアニマル(以下PA)=主人公達を積極的に助けてくれる仲間”という図式をしつこいくらいに強調している。 そしてこれは、「メカ=友達・仲間」→「仲間は多い程嬉しい・頼もしい」→「仲間がどんどん増える」→「強くなっていく」という、単純かつ自然な流れを構築するに至った。 さらに、これらを裏から支えている存在としてガオゴッドを登場させているが、彼(?!)だけは他のPAとは違う存在であり、かつ“大獣神よりも出しゃばらない”という特異な位置づけが与えられ、特別な商品として登場する可能性も示唆し、興味をあおる事にも成功している(その描き方が正解だったかどうかは別問題だが)。 これらが、“沢山の仲間(アイテム)が集まる”事の違和感をなくすだけでなく、そこにさらに特別な物が加わる理由としても機能する。 結果として、あれだけ沢山の各商品への注目度が高まり、収集意欲の高揚にも繋がったのでは無かろうか。 ガオレンジャー放映開始当時に流れていた情報について、一つ興味深いポイントがある。 「25周年にあやかって、今年は巨大メカが25体登場するらしい」という噂だ。 これは、当時誰もが疑ったものの、現実になってしまったという驚くべきもの。 実際には24体しか登場しなかったとはいえ(ガオライオンを2体とカウントしなくてはならないため)、商品的には25体間違いなく発売し、しかも限定版まで含めれば32体、プレゼント限定のカラーバリエーション版ガオライオン等まで加えると、35体以上にも達する。 過去のシリーズの傾向から考えても絶対ありえないと思われていた、“暴挙にも等しい”選択だった訳だが、それをここまで理想的に展開させた手法は凄いと言わざるを得ない。 これだけ大量に販売されると、必然的にいくつかの商品は在庫過多として放映終了後も残ってしまったりするものだが、終盤が見え始めた1月中旬ではほんの1〜2種類しか見かけない。 これは過去の経過と比較しても、本当にすごい事なのだ。 戦隊シリーズはだいたい一月下旬頃に放映が終了し、2月初旬頃に次期シリーズがスタートするというケースが多い。 そして玩具展開は新規シリーズ開始とほぼ同時にスタートし、主力商品となる合体ロボット系等は一ヶ月から二ヶ月後辺りからの販売になる。 つまり前作の残留商品は、クリスマス商戦終了直後から“いかにすべて売りさばくか”という方向で考えられるようになっていく。 具体的には、年末から1月初旬にかけて売れ残りになると思われる商品の価格値下げが敢行される傾向が出るという事だ。 この時期になると、だいたいどこでも「どの商品が残ってしまうか」というものが見えてくるのだ。 現在ではこの傾向を軽減するため、かなり早い時期から生産を停止させてしまうケースが多くなった。 2000年度商品展開で、『仮面ライダークウガ』のなりきり系武器玩具などが比較的早く見かけなくなってしまったのも、これが原因だ。 そしてメーカーは、今回これをたくみに利用し、ガオレンジャー関連商品の流通数をほぼ一年間微調整し続けた。 その成果もあり、ほぼ全部の商品が高人気のまま売れていった。 この辺の、本編内展開とも連動した計画的手法は、実に見事なものだったと言わざるを得ない。 ただ、これらはすべてが成功した訳ではない。 また、多くの方面からの反感を買ってしまったという苦い現実も生み出してしまった。 これらについてはまた次の機会に詳しく触れるとして、そろそろ各商品を見ていこうと思う。 ★ガオレンジャー合体ロボットのプレイバリュー
『百獣戦隊ガオレンジャー』には、ガオキングをはじめとして7体もの巨大合体ロボットが登場する。これは1つの作品内の登場数としては最大で、それまでの最高記録『超力戦隊オーレンジャー』の6体を越えてしまった。 商品上25体も存在するPAではあるが、基本構成は…
だから、本編に登場しなかった合体形態なども当然作り出す事が可能で、肩パーツの向きを気にしなければ、両方に“左(右)腕のPAを接続する”事も可能だ。 このプレイバリューバリエーションは本編内で幾度も再現・強調され、本編同様の遊び方をするためには必然的に別売りのPAを揃えたくなる…という図式を確立させた。 これは『恐竜戦隊ジュウレンジャー』や『五星戦隊ダイレンジャー』で採用された“大獣神→剛龍神”“大連王→牙大王”等の換装合体、そして『激走戦隊カーレンジャー』のRVロボとVRVロボで採用された同一関節軸と軸受け、凹凸ジョイントを利用した換装合体の統合応用であるが、それを無理なく組み込んだ展開には、驚嘆せざるを得ない。
お子さんにせがまれて玩具を購入したお父さん・お母さんなどの中にも、これらの組み替えの理屈に悩まされた方々は多いのではないだろうか? では、これらによって構成される精霊王を、一つずつ辿って行こう。 やっと本文(泣)。 |
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●ガオキングの設定面:
PAを説明するに至っては、それぞれの本編内設定にも触れておいた方がわかりやすいと思うので…。ガオキングは、ガオレンジャーが初めて5人揃った時一番最初に登場した『精霊王』。 5人がそれぞれ携帯する短刀型武器「獣皇剣」に、PAの分身体とも言える“ガオの宝珠”をはめ込む事により召還・合体して姿を現す。 全精霊王の中でも一番ベーシックな形態でもあり、基本形は ・頭部→ガオイーグル(ガオイエローが召還) ・胸部→ガオライオン(ガオレッドが召還) ・右腕→ガオシャーク(ガオブルーが召還) ・左腕→ガオタイガー(ガオホワイトが召還) ・下半身→ガオバイソン(ガオブラックが召還) …というスタイルで構成されている。 フィンブレード(余りパーツである、ガオシャークの尾)を装備として持つが、必殺技はすべてのPAの口から光線を吐き出す「天地轟鳴アニマルハート」。 他にも「天地轟鳴スーパーアニマルハート」「天地逆転リバースアニマルハート」という応用発展技がある(「怒涛一閃サージングアロー」という技もあり)。 戦局によっては他のPAを召還・パーツ交換・合体する事で“百獣武装”を行う事が出来、さらにパワーアップする。
基本バリエーションは以上だが、この他にも突発的にさらなる換装を試みたものとして…
全部ソラで言える人は、なかなかの研究家である事は間違いないだろう(笑)。 ちなみに筆者は…泣きながら資料とにらめっこ。 ●前評判
この商品の販売予告時点では、まだこれといった大きなリアクションを見た記憶がない。いつもの戦隊ロボ系玩具の発売告知の時と同様、おちついた雰囲気であり、一部の先行コレクター達が商品写真などから、それらの完成度を批評しあっていた程度だ。 もちろん一部では今後の商品展開の情報も漏洩していたようだが、なにせまだ「25体も出せる訳ねーじゃん」的な雰囲気が漂っていたため、緊迫感はかなり薄かったと言わざるを得ない。 もちろんこの雰囲気のために購入タイミングを逃し、結局大泣きしながら探し回るハメになった人達も、結構居たようだ(大泣)。 で、筆者が一番最後に購入したPAでもある…(うわあぁぁぁぁぁん) |
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●概要
![]() ただし、これはちょっと首を傾げるものである事も事実だ。 胴体を2分割し、内蔵パーツを展開して車輪を引き出したガオバイソンの上に、他のPAを並べていく、というものだが、ガオバイソン以外は一切変形しないため“ただ乗っかってるだけ”という印象が拭えず、さらには本来はロボット形態の飾り用である筈の台座まで使用しなくてはならないため、すさまじい違和感が生じてしまう。 別形態への変形といえば、『地球戦隊ファイブマン』の“ファイブロボ→ファイブトレーラー”、『鳥人戦隊ジェットマン』“ジェットイカロス→イカロスハーケン”、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』“大獣神→ダイノタンカー”『五星戦隊ダイレンジャー』“大連王→天空気殿&龍星王”など過去にも多くの例があるが、残念ながらこれらと比較にならないバランスの悪さだ。 とはいえ、ガオバイソンの変形機構そのものはかなり秀逸なので、もっと別な活かし方があれば…と、少々悔やまれる部分もある。 もちろん、同様の形態は型流用アレンジ商品である「DXガオゴッド」でも再現出来るが、若干無理が生じる事と、説明書に記述されていないという微妙な違いが見受けられる。 ガオキングは、本編内では一度ガオライオン・バイソンを中心に他のPAが集合・合体し、それから全体で立ち上がりながら変形していく…という、ダイノタンカーを彷彿とさせるプロセスを見せてくれるのだが、実はこれ、玩具では一切再現出来ない。 変形直前の形態までは多少無理すれば再現できるのだが、上半身を先に接続してしまうとガオライオンの上半身下部の一部がガオバイソンのパーツと干渉してしまうため、変形が出来なくなってしまう。 また、ガオイーグルがガオライオンに合体してしまうとどうしても尾(ガオキングの頭部)が先に起きあがってしまうため、本編のような“最後にフェイス部分がムクリと起き上がる”という訳にはいかなくなってしまう。 本編と同様の変形過程を再現出来ないというのは悲しむしかない事だが、でもよく考えれば、これって本編内での合体行程を考え直せば良かっただけの話では…? もしもこれを無理矢理再現しようとして、壊してしまった人もしくはお子さんなどがいたら、悲惨である。 ただし、こういった問題点を除けば、この商品はかなり完成度が高い。 ヘタしたら、過去の戦隊ロボの中でも最高のプロポーションの一つかもしれない。とても合体ロボットとは思えない程だ。 その結果“撮影用着ぐるみよりもシャープでスマート”という、ちょっと困った嬉しい結果になってしまっている。 ![]() ・ガオイーグル: ガオキングの頭部と首、胸の一部分を構成/ ガオマッスル・ガオナイトの腹部を構成 本体全長最大10.5センチ、翼長17センチという小振りなボディに、三段関節の翼・首と嘴可動・脚部三段関節・90度可動する尾…と、これでもかとギミックが詰め込まれている。 もちろんこれの一部は変形過程で必要となる可動ではあるが、とにかくこれのおかげで、過去の鳥型ロボット類とはまったく比較の出来ない完成度に達してしまっている。 材質の都合上翼そのものがたなびいたりはしないが(当然か)、ほぼ思った通りのポージングが可能だと考えられる。 十年くらい前ならば、充分単体商品としてやっていけるのではないかと筆者は勝手に思っている。 ガオキングの頭部パーツとして合体する都合上、肥大化したような尾をブラ下げている形状となっているが、ガオマッスルやガオナイトに合体する際にこれがさほど邪魔にならないよう工夫されている事にも驚かされる。 ガオマッスルや、同コンセプト変形・合体のガオナイトの腹部にもなるわけだが、その際には翼が“前ダレ”装飾風の形状になるというのは実に素晴らしいアイデアだ。 またガオキングとの合体の際も、この翼は“ガオライオンのたてがみを装飾・大きく見せる”役割を果たしている。 すべてにおいて細かく計算された作りであり、ガオゴリラやガオコングとの合体プロセスは(やや難解ではあるものの)、驚嘆させられる事請け合いだろう。 しかし、ガオマッスルについてはちょっとだけ不可解な部分がある。 ガオマッスルが、本来の下半身であるガオバイソン(ガオキングと共用)と換装、ガオライノスを装着して「ガオマッスルストライカー」になる際、なぜかガオイーグルは合体から外されてしまう。 本来はガオライノスに付属する余剰パーツを、ガオイーグルの抜けた部分に挟み込んで補うのだが、実はこのパーツを使用せず、ガオイーグルを組み込んだままガオライノスを合体させる事も可能で、しかもパーツ干渉による傷などの心配もまったくない。 つまり、外す必要のないPAをわざわざはずしているという事なのだ。これはいったいどういう事なのか? おそらくは、精霊王は百獣武装しない限りは5体のPAで構成されるという事を徹底させたかったための弊害だろう。 ガオマッスルストライカーはガオライノス&ガオマジロが追加されるため、ガオイーグルが挟まったままだと6体合体になってしまうのだ。 とはいえ、ガオライノスの余剰パーツの評判はすこぶる悪いのだから、あんな物を必携とさせるくらいだったら、6体合体のままにしてもらった方がよっぽど無理がなかっただろう。 …百獣召還の際に影響が出そうではあるが、そこはそれ、ガオレンジャーの面々は何とか対応してくれるに違いない。 ガオキング構成PAの中では、筆者最高のお気に入りである。
・ガオライオン: ガオキングの胴体・上半身中枢を構成 手に取ってみると、意外なプロポーション構成と小ささに驚かされるPA。 決して完成度は低くないのだが、本編に比べて寸詰まりの胴体に絶句する人は多いかもしれない。 もちろんTVの映像と比較するのは問題外なのだが…結構な“角度美人”タイプなのは間違いない所だ。 正面や斜め前からのプロポーションと、真横からの印象は全然別物。 これは合体の都合上、これより胴体を長くするとガオキングの背中によけいなコブが誕生してしまうためだ。 ガオシャークやガオタイガーなどを接続する肩ジョイント部分は、本編内でも隠す事なく堂々と描いているため、これ以上ない程の余剰パーツであるにも関わらず違和感がない。 また位置的にもジェットブースターやミサイルポッドのようにも見え、なかなかこれはこれでカッコイイ。 実際、巨大化後の商品「DXガオライオン」では、この部分にミサイル発射のギミックが仕込まれている。 ガオライオンは、ガオイーグルとの接続ジョイントの形状変化に注目したい。 両肩のジョイントパーツの間にガオイーグルの両太モモを挟み込んで固定する訳だが、そうすると連動してたてがみの上部分と頭頂部が内部にめり込み、ガオイーグル本体下半分の収納スペースが生まれる。 さらに、ガオライオンの首がわずかに前にスライドし、胴体と首の間にガオイーグルの翼が入り込む隙間が生まれる。 そこに翼を差し込むと、ガオライオンのたてがみ飾り状になって固定される、というものだ。 この連動ギミックは、なかなかに凄い。 一度くぼんだ頭頂部は、顎下部分のたてがみパーツを押す事で復元するようになっている。 一見単純な合体だが、実に趣向が凝らしてあって本当に楽しい。 関節可動箇所は、前足付け根と肘(?)部分、後ろ足付け根と膝(?!)部分、すべての足首。そして下顎、しっぽの付け根。 ガオキングとしての肩のジョイントは背後方向にスイングするため、合体時は両腕をやや後ろに反らしたポーズが取れる。 こう書くとかなり動かせそうに思えるが、足首の可動範囲が狭い事が災いして、結構表情が付けづらい印象が強い。 ちなみに、ガオライオンとガオイーグルだけを合体させた形状でガオキングの顔を向けて四つ足で飾っておくと、なかなかに間抜けでオススメである。 多分、来客100人中3〜4人は笑ってくれるのではないだろうか。 来客数の多いお宅では、是非玄関口に飾ってお試しいただきたい。
・ガオシャーク: ガオキングの右腕を構成/ ガオナイト・ガオケンタウロスの右腕を構成 この中で一番ギミックが少ない。両ヒレと顎の可動、ガオキング時の肘関節を利用した、本体うねうね動きがある程度再現可能。 しかし、プロポーションはなかなかのもの。鮫型のメカとしては、他の媒体のものと比較してもトップクラスだろう。 …って、意外と鮫モチーフのメカって少ないんだけど(笑) ガオレンジャーのロボット(精霊王)は、すべて“腕となったPAがくわえる”という形で武器を持たせるスタイルになるが、これにはこのスタイルの元祖ともいえる『未来獣合体 DXゴライオン』の時からつきまとっている問題がある。 それは“手首の顎部分の関節強度が足りなくなるため、持たせた武器がポロポロ落ちる”というもので、これはいまだに解決されたとは言い難い。 ガオシャークもフィンブレードという専用武器を保持するための工夫がなされており、口内に設置されたジョイントで武器を支える形式となっているが、今度は不自然に口が開いてしまい、持っているという感じがまったくない。歯に挟まった異物から、ブレードが伸びているかのようだ。 これを応用したガオハンマーヘッドに至っては、リゲーターブレード(ガオハンターの手持ち武器)の重量を結局支えきれなくてだらしない保持に堕してしまっている。 ガオゴッドのパワーボウの保持がかなり理想的なスタイルではあったものの、たどり着いた先は結局先祖返りだったようだ。 ただし、幸いな事にフィンブレードはガオキングのメイン武器ではないので、それほど辛辣に受け取られる事は少なそうである。 とにかく文章にするとあまり良いポイントをピックアップしきれないのだが、スタイルの良さなど魅力的な部分も多いので、やはりお気に入りとなってしまっている。 細かいモールドなどをじっくり観察すると、ホント良く考えてデザインされているのだなー…と、感心させられてしまう。 ガオエレファントの後ろ半身と鼻(!)が変形したエレファントソードを固定するには、このガオシャークがなくてはならない。 ひっかけたり何たりすれば他のPAにも一応持たせられる(かなり難があるけど)が、しっかりと固定出来るのはガオシャークのみである。 そういった理由から、剣を持つ形態の精霊王すべてにガオシャークが組み込まれてしまう事となる。 また、同様の理屈が後述のガオタイガーにも言えるのだ。 ガオシャークとガオタイガーは、精霊王の腕としてはスタンダートなデザインであるため、ガオキング以外の形態に使用される時でも大きな違和感はなく、たいがいにおいてフィットする。 胴体部分と比較するとやや大型に思えるが、他の腕型PAに比べればまだマシである。 単体でのプレイバリューも考慮すると、これ以上小型化するのも考え物であるし、これ以上を求めるのは贅沢かな? なんて考える。
・ガオバイソン: ガオキングの下半身を構成/ ガオマッスル・ガオナイトの下半身を構成 これ単体で下半身全体を構成する都合上、ものすごい数のギミックが搭載されており、大変いじり甲斐がある。 まず、前足に計6つ、後ろ足に計4つ、さらに体内(ガオキング時の太股の裏)に計6つ…総合計16輪にも達する車輪が嬉しい。 収納タイヤフェチには大変危険なフェロモンが充満している。 前述の通り、ガオバイソンは玩具オリジナル形態である「タンクモード」の中核となるため、胴体を三段伸縮させて全長約28センチにまで拡大する。 そのための関節やパーツ類がすべてメインボディ内部に無理なく収納されている様は、なかなかに驚かされる。 また、必要な所すべてに凹凸ジョイントが設定されているため、むやみにパーツが外れて変な事になったりは一切しない。 背中と尻部分裏側にある謎の凹穴は、タンクモード時に台座を固定するためだけのものだが、これがかなり目立つため、もっと他の用途があれば嬉しかったが。 下半身への変形は、前後逆転、頭部反転、ハッチ開閉とあらゆる行程を経て行うが、ここがガオキングの肝かもしれない。 ちょっと変形過程を説明してみよう。 まず四肢を折り畳み、次に胴体をお尻側から縦に分割する。頭部では分割されずに繋がっているため、ちょうどVの字型に分割されるようになる。 次に、ガオバイソンの胴体部分を左右にパクッと開く。 中からは腰部分と太股部分が出てくるが、これを尻方向に引き伸ばす。頭部方向に延長すると、タンクモードになる。 先ほど開いた胴体の、尻部分のフタ状パーツを折り返し、再び元の通りに閉じる。 この段階でほとんど下半身完成だが、最後にガオバイソンの頭部とその付け根部分を、クルリと180度回転させる。 斜めにカットの入ったジョイントが回転する事で、ガオバイソンの顔が正面を向くようになる。 その後、頭と角の向きを調整して変形完了。以上のプロセスとなる。 ある程度両足の間が開いているため、直立姿勢でも自然なポージングになっているのもうれしいし、足を揃えて立たせる事も可能。 変形前のボリュームに反して、変形後はかなりスマートな印象となるガオバイソンだが、これが他の精霊王の下半身となると、また別なバランスを見せてくれて楽しい。 ガオマッスルの場合は、ものすごい上半身のボリュームをさらに際立たせるし、ガオナイトの場合は太めでも細めでもないストレートな体型の表現に一役買っている。 意外とガオファルコンとのバランスも良く、本編でも活かされないかな〜と思っていたら、「ガオイカロス・アナザーフット&アーム」で採用されたため大変満足だったりする♪
・ガオタイガー: ガオキングの左腕を構成/ ガオナイト・ガオケンタウロスの左腕を構成 “手首が獣の頭”というコンセプトは、それまでの戦隊物としては『忍者戦隊カクレンジャー』の隠大将軍があったが、これのゴッドロウガン(左腕)はかなり造形・ギミック的にも関心できるものではない上に、頭にキャップ状の別パーツを接続させていた。 一応同タイプのガオタイガーは、スタイルを大きく変化させる事なく四肢を収納し、またその変形時に必要な可動を活かし、全体的な関節可動率をも高めている。 かなり動物的なポージングもとらせる事ができる上、プロポーションも(一本の腕になる物としては)かなり秀逸である。 ロボット時の肘として可動する部分が、本来必要な方向とは逆の方にも大きく曲がるため、猫科動物独特の“背を丸めて上げる”ポーズまで取れてしまうのが嬉しい。 ただし、前足の収納ギミックは初めて手にした時には少々解りづらく、ちょっとしたコツが必要だという事に注意しなくてはならない。 ガオタイガーは、後ろ足の変形ギミックがちょっとした注目ポイント。 ガオキング他の両肩を構成するパーツが下腹部に位置しているのだが、ガオシャークはただ前半身をひねるだけでこれを正位置に持ってきていたのに対し、ガオタイガーは「膝下部分を太股裏側に折り込み」→「太股そのものを、背中側に180度反転」→「尾を腹下に回し、ガオキングの肩パーツを内側に寄せて合わせる」…という、妙に凝った形式となっている。 肩パーツが2分割されているが、その隙間に尾を通す都合上、合体時には内側に寄せる必要があるというのがナイス。 が、なぜか私の持っている(ガオナイトに付属していた)ガオタイガーはこの部分がうまく組み合わず、完全同型のガオジャガー(ガオゴッド)やブラックガオタイガー(ガオキングブラックバージョン)ではピッタリ合う。 どうやら個体差があるようだ。 ガオタイガーは、百獣武装時にガオエレファントの変形した“エレファントシールド”を固定するのに必要であるため、ガオナイトやガオケンタウロスには必須の存在でもある。 首の付け根の両側にある凹部に、エレファントのジョイントを固定するのだが、ガオジャガー以外のPAでこのシールドを装着させようとすると、かなり無理のある工夫をしなくてはならなくなる(本編で実行した、ガオハンターがエレファントソード&シールドを装着する…といったシチュエーションは本来再現不可能)。 |
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●展開
スーパー戦隊シリーズの一台目ロボット玩具としては、非常に面白い展開をした商品だと思う。とにかく、発売時期の最初から最後まで需要があったという所に注目したい。 これまでの戦隊ロボットは、後から出てくるロボットの方にどうしても注目度が移ってしまい、早い時期から登場していたロボットは忘れられやすくなる傾向があった。 コレクター的な視点で見た場合はもちろんこの限りではないが、少なくとも一般的にはそういった認識が強いようで、番組内でもそれを懸念してか、一台目ロボットのけなげな活躍を終盤辺りに持ってくる事がある。 この傾向を大きく打破しようと試みたのが、前作にあたる『未来戦隊タイムレンジャー』だ。 5台の飛行メカが3つの別々の形態を使い分けるというスタイルを終始貫き、タイムシャドウとの合体によるパワーアップはあったものの、基本的には最後まで同一の機体が活躍していた事になる(Vレックスは別勢力的扱いだったので除外して考慮してもいいでしょ)。 ガオレンジャーではこれをさらに発展させた展開を考え出し、組み替えバリエーションを徹底的に描く事で“たとえそのロボットが画面に出てこなくても、必然的に欲しくなる”ように仕向ける事に成功した。 終盤登場の形態に、ガオキングのパーツを構成するPAが必ず含まれているというのは、そういう効果をもたらしているのだ。 DXガオキングは、一時期は安売りされる事もあったようだが、全体的に良く売れた商品…人気商品だったと結論づけても問題ないのではないかと考えている。 しかし、この後に展開していく「PA乱立販売」によって、ガオキングを構成するPAは別商品でもあらかた揃ってしまうという現象を併発する。
もちろんこれは、最初にDXガオキングを購入してから別のPAをバラで買い揃える…というベーシックな方法で回避は出来る。 しかし、実際の販売状況からそれをすべての顧客がかなえられたか、というとはなはだ疑問だ。 これは、後にまとめて記そうと考えている【個人商店におけるガオレンジャー商品の評判】で詳しく触れる予定だが、リアルタイムで購入し続けていたとしても、メーカーが推奨する順番通りに商品が手に入ったものか、疑わしい部分があるのだ。 いずれにしても、番組終盤前には所々で姿を消し始めたメインロボ・ガオキング… これが、ガオレンバブル(仮称)のキッカケとトリを受け持った事は間違いないのだろう。 |
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●ガオマッスルについて
番組開始当初からエンディング画面に登場していた“ガオキングを構成する5体以外の”PAによって構成される精霊王。ガオキングよりも二回りほども大きい体躯に、西洋の鎧騎士を連想させるマスク、そしてガオゴリラのボディカラーであるメタルグリーンの美しさが印象的である。 当初はガオキング用“百獣武装”として登場したガオベアー&ポーラーがメインとなった構成というのも、なかなかに面白い演出だった。 ガオキングの光線技・剣技に対して、ガオマッスルは砲撃技やパワーによる打撃系の技をメインに持つ。 必殺技は「剛力無双マッスルラリアット」と「氷牙炎滅ベアーストライク」。 なお、他の精霊王と比べて案外別バリエーション合体が少ない。
![]() ▲ ガオマッスル スピアー(と呼んでいいと思う) ●前評判
ガオマッスルは、剛龍神や牙大王などに並ぶ“換装合体によって登場する2台目ロボ”である。換装合体という言葉が明確にある訳ではないが、これはつまり“元のロボットのパーツの一部を取り替えるだけで別ロボット化する”というもので、これまでのものも腕や下半身等を共通としたタイプが多かった。 ガオマッスルのセット販売は6月下旬だったが、4月頃までにはすでに「ガオゴリラ」「ガオベアー&ポーラー」が発売されていた事もあり、3月末発売だったガオキングと併せて作り出す事が可能だったため、さほど需要が求められていなかったという感が強い。 ただし、バラ売りとセット売りはまったく別物…という考えを持つコレクターの方や、マッスル好きな方々(なんか違う表現のようだ…)など、一部のコレクターは目を光らせていたらしい。 一部ではこれのセット売りは限定版だったという噂もあるが、残念ながらそれについての確認はとれていない。 バラ売りとしては、どうだっただろうか? ガオキングとほぼ同時にデビューした単体商品「ガオエレファント」(実は一応、唯一の単体販売のみのPAだった!)や若干遅れて登場した「ガオジュラフ」などによって、さらなるプレイバリューの裾野は開かれている時期だった。 番組でも、次から次へと新型PAが登場するという状態であったため、ひょっとしたらこの時期が、一番集めるのが楽しかった時期だったのかもしれない。 個体の人気や完成度はともかくとして、全体的には至って好評だったようで、特別な競争などもなく、どこに行っても普通に購入する事が可能だったが、生産期が長期に渡ったためか品数もかなり多かったようで、年末期にも各所で余っていた。 年明け頃になって、ようやく姿を消し始めた…という印象がある。 |
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●概要
前述の通り、筆者はこれのセットを購入していないため、どうしてもバラ売り商品の個別紹介になってしまう事をまずはお許しいただきたい。
後述のガオベアー&ポーラーと比較して考えると、こちらが3,000円設定だった方がまだ納得できる…というのは言い過ぎだろうか? 通常姿勢で、ほぼ約11センチ〜12センチの立方体形状という大きさだが、腕や足を伸ばす事でもっと大きくなる。 ゴリラがモチーフのため、両腕の方が両足よりも大型で、さらに膝関節がオミットされている。 しかし、それを補って余りある可動が両腕部に秘められており、固定ジョイントを外してしまえば、かなりフレキシブルに動かせてしまう。 ゴリラといえばたいがいの人が連想する“ドラムアクション(胸を両手でドンドンたたく動作)”が、不自然さを感じさせる事なくこなせるのはおいしい。 手首の可動はないものの、肩・上腕・肘が可動。指も、多少ながら展開させる事が出来る。 上腕部にはガオマッスル時に他のPAをぶら下げるジョイントがあるため、胴体に固定するための凹ジョイントも設定されている。 ここに普通に腕をロックすると、ゴリラ特有の“両腕を前に伸ばして前半身を支える”スタイルになるように計算されている。 本編のように口が開かないのは残念ではあるが、表情の造形も非常によく出来ている。 背中から尻部にかけて伸びている金属パーツが、せっかくの好バランスを崩してしまっているのは残念であるが、これは合体時にガオイーグルを収納固定するのに必要なパーツで、どうやら本体内にどうしても収納できなかったため、ガオゴリラ自身の姿勢を支えるつっかい棒的な役割を与えられたようだ。 申し訳程度に畳む事も出来るのだが、彩色上の都合もあり、どうしても目立ってしまう。 ![]() 下半身全体を前にクルリと回すと、上半身との境の部分に新しいジョイントが展開するようになっており、これを引き起こしてガオイーグルの脚部固定(ガオライオンのブースター状パーツの内側のような役割)ポイントとして利用するが、先ほどの余り金属パーツが、これをさらに上から包むように倒れ込むため、ガオイーグルは“どんなに振り回しても絶対外れない”状態でロックされる事になる。(写真参照) このギミックの素晴らしさは、おそらくどんなに文章や言葉にしても伝わらないだろうと思う。 手にする機会があったら、是非一度驚愕していただきたい部分だ。 背中パーツを観音開き状に展開し、ゴリラの頭をクルリと回転させると、入れ替わりでガオマッスルのフェイスが登場する。 ガオゴリラの背中がガオマッスルの胸板になる訳だが、この観音開き部分が完全に閉じておらず、若干の隙間が生じてしまっている。 幅にしてわずか数ミリなので気にならない人にはまったく支障ない事ではあるが、どうやらここが気になって仕方ないという人も多かったようだ。 最初に折り曲げた両足が、ガオマッスルの隠し武器とも言えるバルカン砲になるが、その角度調整もなかなかに唸らせられる。 さて、DXガオキングのガオイーグルの項でも触れたが、ガオライノスとガオマジロを交えた合体「ガオマッスルストライカー」では、不自然な余剰パーツをガオイーグルの代わりに差し込んで、腹部を構成する。 これがなくても問題なく合体する事が可能だというのは前述の通りだが、実はこの余剰パーツの挟み込みが無駄に複雑なため、閉口させられる。 まあ変形そのものは単純なのだが、いちいちパーツを引き延ばしたり、元に戻らないようにロックを掛けたりしなくてはならない。 また何となくハマリも悪く、配色や形状のバランスも決して良いとはいえないため、不満が集中してしまう。 せっかくのガオゴリラのギミックで、こんなモンを挟まなきゃならないのかと思うと、涙が止まらない。 専用武器を持っている数少ないPAであるガオゴリラには、マッスルアンカーという(あんまり使われなかった)チェーンアンカーが付いてくる。 これは、ガオマッスルの胸板部分の観音開きパーツの内側に設定されたポケットに収納する事が可能だが、結構コツがいり、なかなか綺麗にしまえない。 しかもヘタな収納をすると鎖が痛んだりパーツが傷ついたりするので、これで泣かされた子供達も結構多いのではないだろうか? 説明書にもかなりぞんざいにしか触れられていないため、まったく参考にならないというオマケ付き。 損傷をおそれるなら、いっその事出さない方が賢明だろう。 ガオマッスルのフェイスは、中世の鎧騎士の装備するフルフェイスメット(バシネット)状のデザインで、かなり凛々しい。 ガオゴリラとのデザインのギャップも魅力なのではなかろうか。 一部では、ガオファルコン内蔵のイカロスヘッドよりも、こちらの方が「ガオケンタウロス」向けだという意見もあるようだ。 実は筆者も、ちょっとそれに賛同してたりする。 よくみると、額部分がちゃんとゴリラの顔を模した形状になっている所が芸コマだ。
正直、いくら2体セットとはいえ3,000円では高すぎる。 このあまりに情けない商品内容は、比較的初期に発売されたものであるにも関わらず番組終盤まで各所に残り続けた事実が証明している。 これは、とにかく徹底的に誉めるぺきポイントがない玩具。 ガオベアーもポーラーも完全同型で塗装処理のみが違うというものだが(ネジ穴まで同一)、
本編内では両後ろ足で立ち上がり、いわゆる「グリズリーポーズ」を取っているが、残念ながらこの商品はこれを真似る事すらも叶わない。 もちろん、本編とまったく同様の動作を玩具に求める事が酷なのは承知の上だが、それにしたって限度ってもんがある。 この商品の両後ろ足は“尻部にスライド収納される”だけの動きしか取れない。 つまり、動物的な動作を取る事は100%不可能だという事なのであまりに悲しいのだ。 前足も同様で一応変形の都合で若干後ろ方向に曲がるものの、これは動物的な動きに反するものであるため、可動としてはまったく意味を成さない。 それだけならば造形上の都合としてやむを得ないかもしれないが、この2体が腕に変形する際、先に尻部分(ガオマッスル等の肩パーツ)を上にはね上げないといけないのだが、この際うっかり後ろ足を縮め忘れていても、あるいは先に前足を曲げようとしてもパーツ干渉が起こってしまい、大変ゆとりがない。 指定された変形行程を踏めば一応問題がないとはいえ、これではあまりに堅苦しいと思うのは私だけではないだろう。 ガオベアー&ポーラーは、口の中にキャノン砲の砲塔が内蔵されており、本編ではこれがグリッとせり出してくる。 これがなかなかにいい感じなのだが、商品ではこれはまったく再現されず、ただ口の中にミサイルを突っ込むだけ。 まあそれは許容するにしても、まずいのはまともに発射させる事ができないという事だ。 ガオベアー&ポーラーだけは、口の開閉の理屈が他のPAと大きく異なる。 上顎と下顎が別パーツなのはいいのだが、他のように関節による開閉ではなく、“頭頂部のボタンを押す事によって下顎が下にスライドする”という、なんだかよくわからないものだ。 さらに、これとは別に顎の下側にもボタンが付いており、これがミサイル発射のボタンとなっている。 顎ボタンを充分に押し切れていないと口が完全に開かず、結果ミサイルが引っかかって発射に支障を来すが、これはやたらとひんぱんに発生してしまう。 否、ミサイルはまだ良いのだが、ガオゴリラ付属のマッスルアンカー(グリップ部分がミサイルの末端と同形状)をはめ込んだ際には、なかなか取り外しにくい。 肝心のミサイルボタン自体が押しにくいというのも致命的だ。 ![]() 本編での変形シーンをよく見ると、尻部分を跳ね上げた直後に胴体をブルブル震わせる動作があるのだが、実はあの動きは、前足収納の時にどうしても生じてしまう動作なのだ。 つまり、片方の前足を収納するために胴体関節(ガオマッスルにとっての肘関節)を反対方向に一度曲げ、もう一方の足を収納するために、さらにもう一度逆方向に曲げてやらないとならない。 この行程が“胴体ブルブル”という訳だ。 こんな動作は、胴体を前後に引き延ばしてしまえれば解決する単純な問題で、実際ガオマッスル(またはダブルナックル)の腕は妙に短い印象が強い。しかも、ほとんど肘は曲がらないに等しい。 もう少し肘関節部分が延長されていれば、より良いポージングが可能だっただろうに、まことに残念だ。 以上の事から、マッスルラリアットなんて間違っても再現なんか出来ない。 ここまででもかなり問題が多いが、“TVに登場するものとあまりに似ていない”というのもかなり醜悪な欠点だ。 他のPAは全体的にかなり造形のバランスが良く、多少の問題があっても飲み下せる程の魅力があるのだが、この2体にはそれが皆無。 顔の造形だけでなく、全体的なスタイルラインすらも似ていない。 合体時にはかなり違和感が薄れるものの、なまじ他が良い分、見劣りしてしまうのは否めない。 否、それ以前にどう見ても熊には見えないというのも致命的にマズイ。 私がこれらを指して「ガオピッグ(白)&ガオポーク(黒)」と称すると知っている人はたいてい笑ってくれるが、そう言われても仕方がないくらいの“ブタ体型”は、いかんともしがたいのだ。 もはや悪口しか出てこないのだが、ホントお粗末。 これがあまりに高価だと言われる理由も、納得できるというものだ。 実際、私はこいつらのおかげでガオマッスル形態で飾る気がどうしても起こらない。 どうしても飾りたい場合は、イレギュラーを覚悟でガオシャークとタイガーをぶら下げている。 でも、それってほとんど「ガオナイト」と変わらないスタイルなんだよな〜(汗)。 |
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●展開
当初ガオマッスルのセット販売はされないものだと、多くの人は考えていたようだ。それは過去の換装合体系ロボットのセット売り商品が存在しなかった事が理由なのだが、実際には(若干時期が遅れた感があるとはいえ)発売されてしまった。 しかも、価格はDXガオキングの1.4倍。 大して売れないだろうと高をくくっていたら、商品そのものがあまり流通しなかったという事実もあり、結構あっさりと姿を消してしまって驚かされたという人も多かったらしい。 よほど売れる自信があったのだろうか。 さて、この段階でのメーカーの趣旨としては
本来ならばAのルートがもっとも望ましいのだが、すべての購入者がこれを辿れるとは限らない。 DXガオキングが発売当初かなりの品不足を起こした事もあり、やむなくガオマッスルセットから購入せざるを得ない場合もありえただろう。 しかし、よく見るとBはかなりの無理を購入者に強いるスタイルである事がわかる。 これだと、前述の通りガオライオン一体だけが足りないという状態になってしまうからだ。 コレクターやマニアの人ならば多少の無理を納得した上で購入し続ける事が可能だが、一般家庭ではそうはいかず、そのたびに選択を強制される事になるケースがほとんどとなるだろう。 まさかPAが25体以上も発売されるだろう事を見越していたご家庭はほとんどなかっただろうから、「全部集めたい」と願う子供達との願望との折り合いを見計らって、厳しい状況選択をしていかなくてはならなくなった。 これが、後に紹介する【PA最大の問題】に繋がっていくのだが、とにかくここから、どこか怪しげな商品展開がスタートし始めたという事は間違いないだろう。 |
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●前評判:
やっぱりまた出てきた限定ブラックバージョン。98年『星獣戦隊ギンガマン』のDXギンガイオー(総重量1キロ以上で話題になった)から毎年必ず発売され続けている系列商品で、玩具に詳しい人なら誰もが登場を予想していたようだ。 限定ブラックバージョンが定番化する背景には「超合金魂」がある事は間違いないが、とにかくそういう事(笑)。 問題は、この商品販売直前に流れた“デマ”だ。 「ガオキング・ブラックバージョンは、1カートンに1つのみ。そして、個人経営店には最大1つしか入荷しない。大型店でも2つくらいしか入荷しないから、競争率はかなり高くなる」 こういった噂が、某所を中心に各方面へ蔓延した事があった。 1カートンにいくつ…という売り方は、主にブリスタートイの色替え限定版等の販売時に行われた手法であるが、過去にも一度、バンダイは「DX超合金 ブラックゴッドライディーン」でこれを実践した事がある。 そのためかどうかは知らないが、すでに戦隊ロボのブラックバージョンは“限定とは言えない限定版”である事を熟知していた筈の人々までが踊らされてしまった。 確かに初期出荷数は少なかったようだが、二次出荷以降でかなりの在庫が流通し、店によっては十数個も山積みになっている事もあった。 もちろんモノがガオレンジャーであるためか、過去の同様の商品よりは好評の元に売り切れたようであったが、一時期はこの噂のため、他店で定価で買えるというのに“売値15,000円”なんて付けている業者もいた程だ。 パッケージは、DXガオキングのモノクロ印刷バージョン。そこに「ブラックバージョン」のロゴ文字が追加印刷されている。 白が多いためあまり「黒」という印象はないが、筆者はなかなか好みだったりする。 発売時期は、2001年9月頃。 後に同様の配色で「ガオハンター ブルーリゲーターバージョン」というものも発売される。 |
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●概要
基本的構成は「DXガオキング」とまったく同じなので、それについた詳細は割愛。代わりに、ノーマルガオキングとの色彩比較を中心にまとめてみよう。 ・全体的な印象:
![]() これまでにもいくつかのブラックバージョンを入手してきた筆者だが、今回はさほど商品画像情報を重視していなかったため、具体的にどういった配色が成されているのか全く知らなかったのだ。 ガンメタル塗装だとばっかり思っていたら、所々に僅かな茶色風味がかった灰色が…(^^; 最初は目を疑ってしまった。 後にこれの商品写真を見る機会を得たが、灰色の部分は認識しにくいようだ。 とにかく“灰色”。グレーというよりは“灰色”。 これが認知できるかどうかが、商品評価の分かれ目だろう。 ちなみに私は、手に取る度にいまだに唸ってしまう。 いや、購入した事に後悔はしてないし、今ではかなりお気に入りアイテムになっているんだけど。 ただし、飾って長時間眺めていると、これはこれでなかなか味が出てくる。 灰色部分はもっと別な色が…という考えは変わらないかもしれないが、やはり黒とダークシルバーの調和、そしてその中間色に位置するグレーは結構渋い。 下半身つま先部分だけが金色だったり、各PAの目が真っ赤だったりするのは好みが分かれる所と考えられるが、“遊ぶより飾る”主義でブラックバージョンが好きだという人には、とりあえずお奨めしておきたい。 ・関連商品(?!):
実はブラックバージョンはこれだけではなく、あと3つ存在している。一つは、ガオレンジャー・キャンペーンとして番組放映当初に開催されたプレゼント企画の商品。 カラー違いのガオライオン(DXガオキングのものと同型)が、一月ごとに1種、合計3種類プレゼントされるという企画があり、これの2回目がブラックガオライオンだった。 もちろん筆者は未入手だが(プレゼント品にははじめから手を出してないです…)、一応ブラックガオキングとは別の彩色が施されていたらしいという話を聞いた事がある。 ブラックガオキング版のガオライオンは、下半身全部が例のグレー一色塗りで個人的にはちょっと難を感じているのだが、これがプレゼント版ではどうなっていたのか、ちょっと興味があったりする。 もう一つのブラックバージョンは一応一般販売されたもので、トイザラス限定セット『DXガオナイト』の中に含まれている“ブラック・ガオエレファント”だ。 これについては次回詳しく触れてみたいと思うが、とにかくこれは「ガオナイトよりはブラックガオキング行きでしょう!」と誰もが納得してしまうような存在&配色だ。 事実、ブラックガオキング版各PAと、同様のコンセプトによる配色が成されている。 合体させたブラックガオキングとの百獣武装は、さすがにベストマッチングとなっていて、なんか嬉しい。 さらにもう一つ、今度は書籍限定販売オリジナルPA「ガオエイプ」というものがある。 「スーパー戦隊アートコレクション」という戦隊ロボのデザイン画などを中心に扱ったムック本は、このガオエイプの販売を売りに大々的に宣伝されていた。 つまりは「ガオコング(ガオゴリラにあらず)のブラックバージョン」で、これを用いれば「ガオナイト・ブラックバージョン」が組めるようになるというのが売りだった。 もちろん、その場合は「ガオキング・ブラックバージョン」と「トイザらス限定DXガオナイト」の両方が必要になるわけだが。 なかなかのハイコストだ(笑)。 |
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●展開
インパクト大の先行情報(結局嘘)と、実際の販売数の差にきりきりまいさせられた感の強い商品。安売りこそほとんどされなかったものの、かつての「超合金魂 マジンガーZブラックバージョン」の時を彷彿とさせる現象だったと言えるだろう。 ガオキングブラックバージョンが発売された後、従来の玩具販売ペースを大幅に覆す商品展開が繰り広げられ、あらゆる収集目的の人々(マニアも一般人も含めた意)が、事実上の限定版の連続発売に注目していく事になる。 この後「ガオハンター ブルーリゲーターバージョン」(11月)「DXガオライオン」(12/8)「DXガオゴッド一般販売版」(12/15)と続いていく新商品ラッシュは、ブラックガオキングを忘れさせるのに充分過ぎるインパクトがあったのだ。 |
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●総括
ガオレンジャーの超合金関連の商品は、多少のムラはあれどいずれも高い完成度とプレイバリューに溢れている事は先に触れた。そして、番組内でもふんだんに用意されたPAの活躍場面により、これらはいずれも高い人気を獲得し、結果シリーズ過去最大規模の売れ行きに至ったと言われている。 途中まで話題をさらっていた『仮面ライダーアギト』すらも寄せ付けなくなるほどの勢いに達したのは、驚異と言う他はない。 動物モチーフの玩具は、子供に受けがいいと良く聞く。 そういった傾向の象徴として『トランスフォーマー ビーストウォーズ』という例があるが、実はこの作品は同時期にもう一つ用意されていた『トランスフォーマーG2』という“従来通りの、メカが変形する”パターンの作品を圧倒的な人気差で追い抜き、シリーズ化に至ったという経緯がある。 アメリカでは、テスト放映期間内にある程度以上の支持が得られなかった場合、その作品の続編またはシリーズ化を行わないらしい。 逆に、長期シリーズまたは続編が登場したという事は、それだけ需要があるという事なのだそうだ。 (後にG2登場の商品群は、サイバトロンの敵側キャラクターとして新金型アイテムも含めて再商品化された) またスーパー戦隊でも、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』が売れたのは動物モチーフだったから…だとよく言われるようだ。 だが、本当にそうだろうか? かなり野暮なツッコミになる事を覚悟で触れると、これは決して正しくない。 スーパー戦隊でも過去に『忍者戦隊カクレンジャー』の隠大将軍に合体する“ゴッドサルダー以下4体”のメカがあり(ホントは忍術なんだがこの際それは無視)、『星獣戦隊ギンガマン』でも“ギンガレオン以下4体”の、PAのペーシック的存在が登場している。 『超獣戦隊ライブマン』の“ジェットファルコン以下4体”は、どちらかといえば動物型搭乗戦闘機であるから対象外かもしれないが、つまり他にも沢山の動物モチーフメカが登場する作品はあったのだ。 しかし、これらはそこそこの人気は確保したとはいえ、決して「凄く売れた」と評価できるレベルではない。 実際の販売実績はともかくとして、ガオレンジャー関連のように“誰もが認める大人気”という程ではなかったのだ。 よくよく考えてみれば、これら人気を獲得した商品は、本編内で充分な活躍をしていたものばかりだ。 大獣神などは、個人的には描写に失敗していた存在だと思っているが、少なくともそう思わせるだけの活躍の舞台は多かった。 という事は「活躍」というカテゴリーで見れば、あれが好きだった人達にとってはまったく問題がなかったという事になる。 合体前の活躍の印象がほとんどない隠大将軍などは、モチーフがどんなのだったかとっさに思いつかない事があるから、合体前としては多分そんなに目立った活躍はなかったのだろう(確認していないので印象論になるが)。 ガオレンジャーでは、これでもか! というくらいにPAが活躍していた。 PA全部が平均的な活躍をこなしていたとは言い切れないが、少なくとも、存在が希薄になりそうなPAがあると新規パーツ組み替えで復活させたり(比較的初期に登場したガオジュラフが、後期メカのガオイカロスのデフォルトパーツになったのは意外だった)と、適度にかき混ぜてくれていた。 この辺の調整が非常に絶妙だったため、全体的にPAは“非常に活動的”というイメージを得る事に成功した。 少なくとも、毎回終盤近くにバンクフィルムの如き活躍しかしていない、という印象ではない。 そういった意味では、成功した事は間違いないのかもしれない… しかし、これらは明確に成功した…とは言い切れない部分もあったりする。 例えば番組全体の印象が“PAが活躍する”方向にシフトしてしまい、肝心のガオレンジャー6人の活躍場面が減少、またストーリー展開も「ピンチになったらPAが駆けつけてすべて解決」という方向にほとんどロックされてしまった。 これにより本作での等身ヒーロー性はかなり希薄になり、また独特のキャラクター描写も相まって(緊迫状態の筈なのにだらけていたり、こたつで寝そべっていたり…)、益々情けなさが際立ってしまった。 精霊王自体ガオレンジャーが操縦しているように感じられない描写だった事もあり(事実上コクピット内から呼びかけているだけ)、途中から“PAが事実上の話の中心”となってしまった感すらあった。 これのため、全体的なヒーロー的人気が下落した事は否定できない。 ヒーロー自身に関係する商品は、ごく一部の商品(「ガオハスラーロッド」等)を除いてはあまり売れなかったようで、生産期が本来よりも長かったなら、大量に余っていた可能性も否定できない、という意見も直接耳にした。 まあ、これだけならいつもの戦隊と同様の状況だったと判断できる場合もあるので、さほど重要ではない。 最大の問題は、PAの入荷や新商品の告知などに、個人商店がさんざん振り回されてしまったという事だ。 これらについては、次回以降に詳しく掲載してみたいと思う。 ![]() |
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| さて、次回予告…と言いたいところですが、今回は2回分連続掲載なので、必要ありませんね。 わはは☆ そういう訳で、パワーアニマル編第2回もどうぞ引き続きお楽しみくださいませ♪ |
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| ・DXガオキング | ・DXガオマッスル | ・DXガオキング・ブラックバージョン | ・総括 |
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