強烈な猟奇殺人:

 似たような事をたまに書いているんだけど、本作も、そのタイトルとは裏腹に“猟奇性”というものは薄い。
 そもそも猟奇ってのは、「死体を変な形にしちゃったぁ! てへっ」というものではなく、むしろ犯人がその行為に至るまでにどの様な精神状態にあったか…の方が重要となる。
 そういった見地から考えると、今回の本格猟奇殺人というのは、なんと小谷紗江子の生首飾りBY森田琴美だけとなってしまうのだ!
 犯人の、被害者に対する憎しみだけでなく、「ここまで喰らわさんとワスの気がスまね!」という、山形出身者・森田琴美の訛りのこもった情念が爆発した結果と見れば、“猟奇”と冠するに相応しい仕事と言えるだろう。
 まぁ、猟奇というものの捉え方は様々だから、一概に決定付けられない物だけども。
 
 とにかく「駐車場の路面をダイビング頭突きで砕こうとして失敗したデコっパチ響子」や「屋上からの首バンジー大失敗・愛」は、犯人が琴美であれ未紅であれ、あまり猟奇とは言えない気がする。
※↑文中、事実と大きく異なる表現箇所がある事をお許し下さい。
 

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