ぽこぽこ軍将〜棚からこぼれたストーリー〜
“バカゲー”を期待してやった訳だから、“ダメ”なのはかまわないけれど…。
1.メーカー名:ainos
2.ジャンル:アニメ+にせ軍人将棋
3.ストーリー完成度:DO(ダメオワッテルC:鷹風虎轍)
4.H度:B
5.オススメ度:DS(ダレニモススメナイ)
6.攻略難易度:なし
7.その他:おかしい、こんなのを何で本評論にあげなければならないのだ!
(ストーリー)
主人公・樹(いつき)はしがない浪人生。
日曜日だというのに、デートの相手も居ない。
母親に言われて部屋を掃除していた所、なぜか棚から宇宙人? がふってきた!
その宇宙人、テンとシバは「故郷の惑星の伝統的な遊び『軍将』を広めにやってきた。
『軍将』に勝てばHな事させちゃる」と言う。
…ま、全部夢の中の出来事だけどな!
ある日の出来事。
エルトリア:「こんばんは、柏木さん。これ、プレゼントです」
柏木悠里:「あ? こ、これは『ぽこぽこ軍将』。た、確かに“軍人将棋のゲームなんて珍しい。ちょっとやってみたいね。すぐ終わりそうだし”とか言っていた気はするけれど」
エルトリア:「でしょう(得意満面)! 評論対象にするゲームを探しているけれど、長いのはダメとの事でしたし。ベストなプレゼントでしょ」
柏木:「…でも、わざわざ買ってプレゼントしてくれなくても…。そうだ、誰か他の人にあげていいよ」
エルトリア:「ダメですよ! 九拾八式工房メンバーの中で、『軍人将棋』ができるの、柏木さんだけなんだから! さあ!」
柏木:「さあって…」
エルトリア:「まさか、僕の血と汗と涙の結晶の給料から、わざわざ買って差し上げたプレゼントを評論しないなんて事無いでしょうね?」
柏木:「ひいっ! や、やります、やりますよぉ…」
数日後。
ハナモゲラミミズ星人:「柏木〜、そろそろ何か書いてみみずんの出番増やしてよ〜。どこに行ったの?」
ひらり。
無人の部屋のテーブルから何かが落ちた。
「私はこのゲームには評論する価値を認められませんでした。わざわざ買ってくれたエルトリア君には申し訳ないのですが、旅に出ます。探さないで下さい」
ハナモゲラミミズ星人:「あ〜あ、“選ばれなかったソフト”へ送っちゃダメ! なんて無茶を後藤が言うから、すねて旅に出ちゃったよ。そんなにヒドイのかな〜?」
宇宙人の好奇心には際限も脈絡も無かった!
ハナモゲラミミズ星人:「パッケージはこれか〜。けっこう楽しそうだけどなぁ。ん? AAA(スリーエー)マークが入ってる。強気なメーカーだね。それ位、自信があるって事?」
※AAAマーク:アイ・アクメ・アニメと読む。
アイノス曰く、このマークは、揺れる心の動きから、愛欲に溺れる肉体の疼きまで描き出す高品質アニメーション仕様…らしい(この段階ですでに頭痛が…)。
「ぴこぴこ」
「ぽこぽこ」
「ああああああ」←無駄に可愛らしいボイス
(5時間後、ゲーム終了)
ハナモゲラミミズ星人:「…旅に出よう」
まずこのゲーム、“ご褒美麻雀”の軍人将棋バージョンを想像していましたが、さすがAAAマーク入りです。
凡百の“ご褒美”とは一味違います。
いわゆる“ご褒美麻雀”は、一番極端な物になるとADVパートなりアニメパートなりが進み、途中で「私としたいなら麻雀で勝負よ!」等となりますが、このゲームの場合、アニメパートが突然ぶった切れて『軍将』モードになります。
しかも、各キャラごとに何度もやらされます。
唯一の救い(兼欠点)は、ルールがアホな程単純化されている事と、うまくカンが働けば一手で勝負がつく、バカ思考ルーチンです。
7人+隠しキャラ3人の10人もいるのですから、何度もこんなつまらん『軍将』をやらされれば、こっちはキレて思わず「アイノスのばかやろーっ!」と叫びながら、高速をブッとばしたい気分になれます。
…無免許だけどな!
いや、しかし冷静に考えてみると、これでゲームが難しかったら、さらにキレる事請け合いだし、アニメパートのストーリーは一応オチがついてくる訳だし、なんだかんだ言っても、全部“夢”なのです。
夢なら脈絡が無くて当たり前だし、夢なんだから途中で妙な展開があっても仕方ありません。
…納得できるかーーーーーーーっ!
“バカゲー”なら“バカゲー”らしく、一勝負したら全部のストーリーやれよ!
ただでさえ短いんだから!
あとな、この全ての『軍人将棋』ファンを敵に回すような『軍将』ゲームやめろよ!
まだ「『軍将』ってオリジナルのテーブルゲームっすよ〜」とか言い張られている方がなんぼかマシ!
…て言うか(て言うかって言うな!)、アニメパートだけでいいよ、バカならバカらしく。
決して我が愛する『軍人将棋』なんか組み込まなくていいから。
…実際、『軍将』パートは丸ごと抜いてもOKな展開なんだし、どう考えても先にアニメパートを作って適当に『軍将』部分を突っ込んだとしか思えないし。
肝心の女の子にしても、幼なじみ・先輩・キャンギャル・女子大生・予備校講師・バイト先のお姉さん・友人の義母(実母で無い辺り、夢のくせに根性が足りん)・飲み屋で知り合った娘・電車で痴漢されているのを助けてあげた娘・図書館で一人Hしている娘…と一見バリエーションに富んでいますが、どの娘も、ちょっとさわられるとすぐ主人公とやりたがる謎の存在です。
あ、ちなみに処女率0%です。
「主人公の事がずっと好きだった&主人公しか見ていなかった」らしき幼なじみも最初からめちゃめちゃ気持ち良さそーです。
梢、どこで修行してきたの?
さすが夢。
よく言われる処女とやる時の面倒臭ささえ、主人公の夢ですから無視されてます。
この事に比べれば、修正の入れ方が奇妙だとか、何でキャンギャルのおねーさんはストーカーされているのに、あんな目立つ所でするのかとか、女子大生の下着が日をまたいでいるハズなのに同じだったり、図書館メガネのラストで唐突に現れる女性に何の説明も無い事など、些細な事です。
ブラボー、夢オチ。
は! いかん。
それでも何か誉めるべき所は絶対にあるハズだ。
でないと、「何で“選ばれなかったソフト”に送らなかったの?」と聞かれてしまう。
その理由が、“他にストックが無いから不許可”だという事がバレてしまうではないか!
…という訳で今から努力して灰色の脳細胞をフル回転させ、総評でいい点をまとめたいと思います。
(総評)
男側のやる気の無いグラフィックさえ除けば、かなり絵はキレイです。
また、取説のユーザーサポートシートはかなり丁寧な作りで、本当にユーザーサポートが丁寧かどうかはともかく好感が持てます。
以上、誉められる所、完。
やはり、こちらに来られたお客様が地雷と言っているだけの事はあります。
これは“バカゲー”ではありません。
なぜなら、「ゲーム」とは言えないからです。
まさに「地雷」。
それ以外の何でもありません。
決してどなたにもすすめませんが、キャラデザが気に入って、とりあえずHな画面を見たい人にはラクチンなので…
…いえ、やはりすすめません。
私、まだ死にたくないものですから。
(みみずん)