Natural2 〜duo〜  

 後藤夕貴、過去最大の攻略苦難ソフト登場!!
 まさか、最終的に6回も締め切りに間に合わなかったとは!!
 だ〜っ、こんなのはもうこりごりだあぁぁぁぁぁぁーっ!!


1.メーカー名:FAIRYTALE
2.ジャンル:攻略対象事前選択式ADV(PALETTEタイプとも言う)
3.ストーリー完成度:D
4.H度:これは意外! D
5.オススメ度:前作経験者“純愛派”はD。“鬼畜道まっしぐら”な人にはB。
       今回が初めてという人には、総合D。
6.攻略めんどくさい度:底知れず
7.その他:相変わらず、オマケモードのキャラクターの会話は爆笑もの。

(ストーリー)
 主人公・奈良橋翔馬(名前変更可)は、祖父の訃報から、昔一時的に住んでいた屋敷に戻る事になった。
 彼の遺産管理の名目で、10年振りに祖父宅へ帰った翔馬は、そこで二人の少女と再会する。
 彼女達は双子の姉妹で、かつて1ヶ月だけ住んでいた時、自分の事を兄と慕ってくれていた娘達だった。
 姉の鳥海千紗都に、妹の(くう)。
 二人は10年ぶりの再会を機に、それまでの自分たちの想いを、兄に捧げる。

 そして、再び屋敷での生活が始まろうとしていた…

 
 前作「Natural〜身も心も〜」をやった関係で、本作をやらされるだろう事は明白だったが、今回の攻略は、途中で「もう九拾八式やめたい!」と何度も思ったくらいに厳しい道程だった。
 いやもう、厳しいのなんの…

 まずは、根本的な構造の問題。
 今回はディスク3枚組みで、総容量1.5GBにも達する超重量級のもので、最低インストールでも800MBを強要される
 使う人間の環境を考慮しているとは、到底思えないスペックだ。
 いずれそういう時代も来るだろうとは思ったが、まだ時期尚早な気が拭えない。
 ましてや、それだけ容量がデカくなった理由が、あの程度では…(後述)
 そして18を軽く上回る膨大なエンディング数と(もう数えたくもない)、複雑怪奇に入り組んだエピソード、さらには同じ様な展開が何回もだらだら続くだらしない演出と、最低最悪の音楽が組み合わさって、これまで無数のゲームを完クリしてきた私ですら、音を上げるハメになる程の地獄を表現した。
 最終的にインターネットの攻略記事に手をつけてしまった私は、印刷総枚数40枚をブッちぎる攻略チャートを見て卒倒
 全然想い入れを持てなかった人間には、中学校の便所掃除と仙人の修行の次くらいにキツイですな、こりゃ。


 まず、前作最大の問題点が解決されていないばかりか、さらに増長されていたのに閉口
 拙の前作の評論に目を通してもらえると解るが、私は前回「登場女性キャラほぼ全員、モロにメインヒロイン・千歳のあおりをくらってしまっている」と書いた。
 千歳の描き込みが尋常じゃないくらい濃厚で良質だったため、他のヒロインが本当に添え物と化してしまったのだ。
 はっきり言って、エンディングや分岐シナリオなんか無い方が良いくらい。
 実際、千歳のファンは縦に積み重ねると太陽に届くくらいになるが、その他のキャラクターが好きだという人は、割合的にほとんどいなかったのだ。
 それどころかシステム上の欠点が災いして、満足に攻略すらできないという致命的欠陥すら生み出してしまった。
 他のヒロインを攻略するために、メインヒロインを調教(数値補正)していかなくてはならないという矛盾も目立っていた。 

 対して今回は、メインヒロインを調教しなくても良い代わりに、サブヒロインのエンディングルートを数倍に増やすという暴挙に出た
 
 本作は、最初からのプレイ時に“攻略対象ヒロインを選択”するというシステムを採用している。
 どうやら「PALETTE」と同コンセプトのものらしく、千紗都か空かを選ぶ。
 しかしこれはそのヒロインの攻略が約束された訳ではなく、あくまでルート。それぞれに物語の分岐があるのだ。
 で、つまり…
 一人のヒロインのエンディングが、「千紗都ルートに2つ」「空ルートに2つ」ずつ存在しているのだ。
 さらに、それぞれのメインヒロインのエンディングが平均1ルートに3〜4くらいあるので、もう訳がわからなくなる。
 ここに加えて、ある程度ゲームを進めると展開する「DUO(姉妹同時)ルート」と「DARK(鬼畜)ルート」が展開し、さらに事態収拾を難儀にする。
 ここまで風呂敷を広げておいて、肝心のエンディングまでの行程が大して変化のないものばかりだから、やってられない。
 はっきり言って、最初の選択で双子のどちらを選んでも、他キャラのエンディング行程はほぼそのまんまの焼き増しと考えて良い。
 シナリオそのものも、いくつかの演出が変更されているだけで、ほぼ同じと思って支障はない。
 つまりは「あるだけ無駄」とも言える。この二つのシナリオは、DISK交換だってないんだから。
 どれくらい同じかって、たとえば空シナリオで、まだ初体験も済ませていない筈の千紗都がいきなり主人公から「口での奉仕」を指示されて事に及んでしまったり、また夜に千紗都の部屋を訪れると「今日はその気はない」などと、これまで散々ヤリまくってきたかのような会話を成立させてしまうくらいだ。
 いうまでもなく、千紗都シナリオのイベントが被ってしまっているために発生した矛盾現象だ。
 
 基本的にエンディングは「純愛エンド」と「鬼畜エンド」の2択で、前者ならHはせず(しても良い)、後者ならそれなりの事をし続けていれば問題なく達成できるので、シナリオ攻略そのものの難易度は高くはないのが救いか。
 
 前作の由羽みたいな、いてもいなくてもどっちでも良いというキャラクターはあまりなく、サブヒロインと言えどもそれなりの背景設定と活躍を見せてくれただけ、まだ少しマシなんだけどね。
 とはいえ、個別エンディングが必要になるほどのものではないんだな、これが…
 「未亡人」といえばこんな感じという、ベタベタな設定を引用しているお邪魔キャラ・久美子に、いわゆる“綾波系”お人形棒立ちキャラ・かのこ
 ついでに最終救済キャラ・日奈美に、なんと声優が千歳こと“歌織”氏というのでビックリした、レズ専鬼畜キャラ・彩音
 背景設定があればいいってもんじゃなく、只の“周辺の人々”で済ませばいいレベルを出ていないものだから「どうして、わざわざこんな奴らのエンディングまで見なくちゃならないの?」と悲しくなる。

 メインヒロインの千紗都と空は、さすがに描き込みが緻密で魅力あるキャラだと思うし、ヘタに千歳にかぶっていない印象があるので、なかなか良好だとは思われる(実際には空が結構かぶってはいるが、自立している感が手伝って、さほど気にはならない)。
 ヘタしたら、千歳よりも個々の完成度は高いのかもしれない。
 しかし、いかんせんストーリーやシステム中での活かし方に疑問がある。
 まず、純愛エンドが双方シナリオ共に同一の展開なのは勘弁してほしいし(ウェディングドレスを着て待っているのが、千紗都か空かの違いしかない)、鬼畜編に至っても、大方予想してしまえる範疇を出る事はない。
 空の奴隷化エンドは、ちょっと一筋悲しいものが残るが…
 むしろ、ハプニングイベントとして設定されている「空・幼児化」シナリオのエンディングの方が、純愛・鬼畜双方含めて面白く感じられる。 
 でも、空エンディングのバリエーションが千紗都ルートの方に多いというのは、何かのイヂワルのつもりだったのだろうか?
 私は、これのおかげで約3ヶ月も苦労するハメとなったのだ…(怒)

 基本展開は、前作から大きな差はない。
 10年前、たった1ヶ月一緒に過ごした姉妹が、ずーーーーーーーーーーーーーーっと主人公の事を好きなままで(姉妹当時10歳)、10年ぶりに再会した途端、畳み掛けるようにロスト・バージンという、恐るべき展開でスタートする。
 どうも主人公は、10年前の段階ですでに高校生くらいだったように感じられるのだが、もしそうだとすると、最低でも26〜7程の年という事になる。
 そんな“おっさん”が久しぶりにやって来て、懐かしいからハイ初体験…って、なんかヘンじゃないか?
 もちろん、これはゲームシステム上の都合だというのは解っている。
 前作同様のコンセプト「妹を好き放題調教」というのを始めから提供するため、早いうちにソレを済ませておかなくてはならないのだ。
 とはいえ、今回の違和感は凄まじい。千紗都も結構無理があるが、自分のアパートに引きずり込む空の展開は最悪だ。
 主人公は、どう考えても「彼女達にとっては、一時期一緒だっただけのオジサン」に過ぎない位置付けなのだ。
 数年とか、十年くらい住んでいたのではない。
 彼女達が、それぞれ個別で過ごした時間の方が百倍以上長いというのに…
 一応、彼女達が主人公を想い続けていた原動力みたいなものは表現されてはいる。
 しかし、かなりインナーワールドな感が強く、理解出来ない人には一生共感できないかもしれない程、一方的なものだ。
 
 家を出ていく直前、自分を事故から救ったために腕を怪我して、目指していた音楽の道を断念した主人公。それに対して自責の念を募らせている千紗都に、弱い自分を必要以上に意識し、弱さを打破するために主人公を理想とする事で乗り越えてきた空。
 なかなか立派な理由なのだが、根本がおかしいため、説得力が全く発揮できない。
 10年前、主人公が彼女達の識域下に何かを刷り込んででも行かなければ、まずこうはなるまい。
 
 あ、そうかわかったぞ!
 彼女達は、前世の前世の前世(推定、平安時代頃)で時の帝に宝剣を渡す義務を怠って前世×3の主人公と浮気したため、永久の輪廻の罰を受けたのか!
 だとすれば、きっと吉原にも水揚げされていたに違いない!!
 だから、主人公と会った時にはすでに「千年前から好きだった」状態なわけだね!?
 うーむ、我ながら素晴らしい推理!
 ……ボカッ!!(←鷹羽飛鳥、撲殺ニンジンソードで攻撃!)

 とはいえ、後述する「DUOシナリオ」になると、この辺はちゃんと補完されていたりする。
 主人公視点のモノローグで始まる本編は、いきなり千紗都に変質者扱いされる出会いだったり、初体験シーンでは空が乱入して未遂に終わったりと、徹底的にメインシナリオを茶化している。
 とりあえず「空」派の私だが(まて)、千紗都初登場時の四倍画くしゃみ「ぶうえっくしょんっ!!」で、好感度が30%アップ♪

 ただ過程はともかくとして、今回はあまりHシーンの存在意義が感じられない。
 純愛エンドを目指す場合は、このゲームは只の恋愛アドベンチャーに成り下がる。
 選択肢を選んでいれば、Hをしなくても純愛は果たせるのだ(イントロと、途中で自動挿入されるシーンは除く)。
 逆に鬼畜ルートは、いわゆる“ヒドい選択”を続けていれば良い。
 …あれ、そうなるとHシーン中のノーマルな選択肢って、全然必要ないんじゃない?
 空シナリオになると、二人とも突然奴隷化しにくくなるというのも、そういうプレイスタイルの人には辛いのではないかな?

 反面、「DUO」「DARK」シナリオは秀逸だったと言える。 エンディング直前のディスク交換がうざいけど。
 「DARK」についてはヌキンポピシパシもうこんなにしやがってシナリオに徹しているので、そちらの趣味の方には純粋に楽しめる作りになっているし、あまつさえストーリーが隔離されている訳だから、他に深く影響を及ぼすことはない。
 オマケシナリオとして、メインシナリオで条件が満たされた時のみ展開する形式にしたのも、そのためだろう。
 少々展開に無茶が多かった気がするが、多分気のせいだろう。
 個人的都合であまり突っ込んだ解釈に至れなかったが、陵辱物を内包するゲームとしては、理想の形態かもしれない。

 「DUO」は、「本当は元々こういう風なシナリオにしたかったんじゃないかな?」とも思われる、メインシナリオのパラレルパロディバージョンであり、本作シナリオの事実上完成作品だ。
 本編ではいまいち不明瞭だった主人公自身の境遇も描かれ、さらに作品世界を広げる事に貢献している。
 本編以上に密度の濃い演出も、新鮮な感覚を与えてくれて、プレイが純粋に楽しい。新規の画像もたっぷりあるしねー。
 一部、キャラクターの設定が変わっていたり、人間関係がふくよかになっていたりと、根本的な物語は変わらない代わりに微妙な変更点が多い。
 これが、どーしてメインよりも面白いのか…要は、Hシーン簡略の美学だ。
 このシナリオでは、他キャラとのHシーンは比較的早く登場する割に、メインの二人とのHシーンは終わり間際まで一切出てこないという、本格的恋愛ゲームと化している。
 さらに、メインで出来なかった展開(というより、本当はこうしたかっただろう演出)が適度に組み込まれていて、攻略も全体的に難しくない。
 これらがすべて良い方向に向かっているのだ。
 本編では、とうとう双子からチョコレートを貰えず仕舞だったバレンタインイベントも、こちらではちゃんと貰えている展開になっている事から、それが伺える。
 「DUO」の二人同時にモノにするというエンディング各種も、まぁ完全に納得できるものではないかもしれないが「こういうのもアリ…なのかな」くらいの気分にはしてくれる、それなりの出来だ。
 本当に、キャラクターに対する思い入れがたっぷりと感じられて、ここだけは個人的な評価が高い。
 彩音が、ものすごーく良いキャラになっていて、別な意味でド肝を抜かれたが…

 ただし、やはりこれもメインシナリオあってこその物だ。
 本編を知った上でないと納得できない“行程を省いた展開”が多い上に、色々な意味で既成のキャライメージを破壊しようと試みている部分が、面白味をかもし出しているに過ぎないのだ。 
 「DUO」千紗都の性格は、本編をプレイしていないと結構鼻につくかもしれないし。
 これだけでも独立させられるくらいのボリュームがあるというのに、それがオマケとして収まっているという度量には感心させられるが、全体から考えると、やはり物足りなくなってしまう。
 ある程度の割り切り…メイン後のお楽しみ番外か、“パラレルワールド上の別展開”という解釈が必要になってくるだろう。
 そうすれば、本編以上に不条理なHシーン各種にも、それなりに納得ができるというものだ。

 これを見ていて確信したのだけど、一見千紗都が「陰」で空が「陽」に見えて、実はその逆だったという表現はうまい。
 ちょっと専門的な話になるけど、双子というものは必ず“陰性と陽性”というのが性格や顔に現れる。
 だから慣れている人は、初対面でも「どちらが明るい性格か」が、容易に判断出来てしまう。
 その双子自体が明るい傾向でも、どちらかはもう一方に比べるとネガティブが入っているのだ。
 そういうのって、無意識に皆さんも理解しているものと思う。
 本作の鳥海姉妹にしても、当然この条件が当てはまる。
 定番所として、家事に専念している家庭的な方が「陰」で、もっぱら外に出て活躍している方が「陽」という印象が強いが、これを逆手に取り、しかもちゃんと活かした演出を施しているのには心底感心した。
 まぁ、子供の頃を見れば一発なんだけどね。 
 主人公に対する想いばかりの畳み掛けにならず、それぞれに想うところを作り、その描写に各々の性格の特性を組み込むとは、なかなかやるもんだ。

 い部分ばかりでは、決してないのだよ。


(総評)
 ちょっとヘンな例えを出すけど。
 このコーナーをメインで訪れる方はほとんど読まれていないだろうが、このHPの「オリジナルノベルズ」のコーナーには、私が執筆する連載小説『美神戦隊アンナセイヴァー』というものが掲載されている。  
 実はこの中にも“一人の青年(兄)を愛する、双子の姉妹”という展開要素が入っている(決してそれがメインではないが)。
 そう、設定はモロに「Natural2」に似ている。
 以降の話を簡単にするため、これらの諸設定は、「Natural2」と同様とあえて考えてもらって構わないとする(もちろん実際は全然違うが。SFだし)。

 これは相当昔、私が企画として考えて売りこもうとした“双子少女対象恋愛ゲーム”のネタを応用したものだったりする。
 ちなみに、こちらの方は「Natural」よりもずっと前の話だ。
 結局お流れになってしまった企画ではあったが、これを考えている段階で最大の難点だったのが、

「主人公が二人ともそれなりに好きであった場合、二人からの愛情表現にどういう答えを出すか」というものだった。

 双子ネタだけに限った話ではないが、複数の恋人を持つ男が最終的な決断を迫られた時、どの様に動いていくかというのは、一番難しいポイントだ。
 そこまでどんなに丁寧に人物描写をしていても、最後の最後で“最低の男”になってしまう可能性があるからだ。
 
 もう一つ、先にも触れたが“過去の共有”という要素が、兄妹ネタには必要になってくる。
 キャラクター達が“兄妹”であった事に説得力を持たせるため、「想い出」等の形で、それらを表現する手法だ。
 それがないと「必然性のない“血の繋がらない兄妹”という設定」に成り下がったり、「兄妹である必要がない演出」になってしまうのだ。実際、そう感じてしまう兄妹ネタゲームは山ほど存在する。
 私も、こういった事を散々考えて、練りこんで、ようやく形にしていったものだ。
 当初の想像を遥かに上回る頭脳労働で、心底閉口した覚えがある。
 没になった後も、もったいなくて小説の中に組み込んでしまったくらい、腹を痛めて産んだものだったのだ。
 
 対して本作は残念な事に、これらの要素をどちらも充分に消化し切れていなかったとしか思えない。
 そのため、せっかくの良点が全然活きてこない。これが、最大級の弱点だったのではないかと思う。
 
 はなから難しいポイントなんだから、もっともっと練りこむ必要があったのだ。
 正直な話、すべてのエンディングを見た現在としても「万人を納得させられる(姉妹に対しての)結末」というのは、描ききれていない気がしてならない。
 もともと無茶な事なんだから、それなりの…否、余計にカタルシスが欲しいのだ。
 
 前作から引き継いだシステム各種の存在が、これらを阻害していた感もある。
 前作は「対象キャラが一人」だけであったため、多少の無理があってもイメージ創造に補正がかかり、またキャラクター描写が集中的に行えるために個の存在が活きてきて、そのためプレイヤーの思い入れも濃厚になる。
 千歳が稀代の名ヒロインとなりえたのは、そのためだ。
 今回の千紗都も空も、さらには他のキャラクター達も、個々を眺めると非常によく出来たキャラ達であったのに、それらの使い方・ストーリーへの乗せ方が不充分で、さらにはむやみやたらと展開のバリエーションを作る方に邁進してしまったため、プレイヤーが苦痛を感じる原因となってしまったのだ。

 前回、確かに私は「メインヒロインのエンディングバリエーションを増やしたほうが良い」とは書いた。
 だがそれは、単純にエンディング数を増やせば良いというものとは違うのだ

 「良いキャラのいる、駄目なゲーム」。
 ある意味、それは単なるクソゲーよりも辛い立場に追いやられる。
 発売前はあれだけ盛り上がっていたファンも、いざ発売されてしばらく立ったら、話題に上げる事すらしなくなってしまった。
 なのにも関わらず、意外とキャラ人気は高い。
 こんな怪現象を呈している理由は、この分析とさほど変わらないものであろうという確信がある。
 
 サービス心が旺盛だった事は、「DUO」「DARK」各シナリオを見れば良くわかる。
 しかし、その割り振りが悪かった。
 あまりに多過ぎるエンディングに根を上げたのは、私だけではなかった様だし。
 いっその事、「DUO」だけでも良かったのでは…? なんて事まで、仕舞には考える様になってしまうのよ。
 せっかく、あそこまで作りこんだ作品だと言うのに…もったいない。
 そうプレイヤーに感じさせてしまった時点で、このゲームの敗北は決定したいたのかもしれないなぁ。
 決して、駄作ではなかったんだからさ。


 そうそう。
 次回作は「Naturalゼロ」?!
 おいおい、ストリートファイターじゃあないんだからさ。
 しかも、歴代ヒロイン総登場って、どうすんのよ。調教で対戦でもさせる気かよ?
 どうやってストーリーの統合性を持たせるのかね?

 さらにシナリオ数とエンディング数増やしました! なんて言ったら、東京に血の雨が降るぞ…(怒)
  
(後藤夕貴)

PS:最後に、本編中の空と主人公の会話に一言だけツッコミを。
 大酒飲んでヘロヘロ状態の時にスポーツドリンクを飲むのは、危険なんだよ。
 体液に近い吸収率のスポーツドリンクは、本来より余計にアルコールを吸収する手助けをしちゃうから、さらにベロベロになっちゃうのさ。
 さっぱりさせたいだけなら、かえって水の方がいいんだよ。
 これって、間違えて覚えるとマジヤバな事もあるんだよ。
 
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