(ストーリー)
現神(うつつかみ)によって封じられた古神。
その中でも、お伽噺としてまで知られる神々の封印を調査する事になった、主人公”神殺し”セリカは水の巫女との盟約に従い、使徒である4人のメイドと騎士レヴィアを引き連れて魔神封鎖地へと向かった…
神がいる世界が舞台のファンタジーです。
エウシュリーデビュー作「戦女神(以下T)」の続編で、Tの半年後から始まります。
Tをやってない人でも、これにそのノベル版がもれなくついてるのでそれをやれば大丈夫。
私はTをやってますが、当初は買う気がそんなにありませんでした。
でも、近頃はAVG系ばかりやってたので、偶にはいいかと買うとこれが当たりでした。
一部地域では売り切れも続出し、評価も概ね好調のようです。
○原画、CG
原画は鳩月つみきさん。
同ブランドの前作「幻燐の姫将軍」の原画でもありますが、私としては可もなく不可もなく、といったところです。
ちなみに、Tの原画は麒麟麦酒さんですが、今回この人はゲーム監修として関わってるようです。
まぁ、TとUでそんなにキャラが違うことはないんで気にならないです。
CGですが…すいません、RPG部ばかりやってるからそんなに気にしてなかったです(汗)。
…まぁ、そんなにおかしなことはないです。
むしろいい部類かも、多分。
枚数は、パターン無しで194枚と多いと思います。
あ、モンスターの絵はいいと思います。
特に竜とか悪魔とか(どこ見てるんだ俺
)。
○システム
はい、これはRPGでは肝心要の部分ですね。
ですが、まずはAVG部分のものから。
画面構成は普通のものと大差ありません。
スキップ、バックログとありますが既読・未読の判別は無し、戻るとヴォイスがある部分はまた再生されるというのが難点かと。
んでは、RPG部のシステムです。
視点はクォータービューで、箱の中を移動しているような見た目になっています。
お好みで、歩く速さ、背景の柄、戦闘アニメの有無等が調整できます。
戦闘時のシステムですが、Tから引き続いてA.F.B.S(アクティブフレームバトルシステム)です。
詳しくは雑誌や公式HPを見れば分かり易いです。
簡単に言えば、キャラの速さによって行動順が決まり、各行動にも消費時間が設定されていて、入れ替わり立ち代り攻撃していく、って感じです。
でも、その操作方法はコンシューマのRPGに慣れた人にはやり辛いかもしれません。
各キャラに使える武器や必殺技、魔法が設定されてるんですが、それに熟練度があり、使えば使っただけ その系統でさらに強力な技が使えるようになります。
その他にも色々ありますが、ここで説明するより見たほうが早いです、上手いこと説明できませんし(苦笑)
全体的に見れば完成度の高いシステムですが、それだけに幾つか細かい点が気になります。
まず、システムアイコンを呼び出すと画面外から現れるという演出なんですが、これがやりこんでいくとうざったくなるのにショートカットできない事。
戦闘後、フィールド上で回復魔法を使うときは、システム呼び出し→キャラメニュー→各キャラ選択→魔法系統選択→魔法選択、と非常に操作が煩雑なこと。
そして、アイテム・魔法画面でキャラ切り替えができない点です。
最後の問題は既にバージョンアップで解決済みですが、フィールドからの魔法選択だけはどうにかならなかったか、と思ってしまいます。
あ、セーブ個数は百です。
○シナリオ
ぶっちゃけシナリオはおまけのような感もあるんですが、ちょっと端折って書いてみましょう。
遥か昔(数千年?)、この世界ではそれまでいた神々を別の次元からやってきた神々が駆逐・封印し、前者は古神(いにしえがみ)として邪神と貶められ、後者は現神(うつつかみ)として人々に崇拝されていた。
そんな世界で、主人公セリカ・シルフィルは古の女神アストライアを殺してその肉体を乗っ取り、神の力を手に入れたが、全ての神々・人間から”神殺し”として忌み嫌われていた。
そして現在、邪竜との戦いで力の大半を失ったセリカは、療養目的で訪れた辺境で巻き込まれた事件(Tの話)から半年、居を構えるレウィニア神権国の神「水の巫女」に依頼され、古神七魔神と呼ばれる伝説の 魔神の封印調査をすることになる。
だが、セリカと使徒たちが訪れた封鎖地では、既に魔神は謎の少年「ラプシィア・ルン」によって封印をとかれて移動した後だった。
そして他の魔神の封も次々解かれ、七人揃った魔神は魔導帝国メルキアの最新魔導戦艦イラストリアスを乗っ取り、移動するとともに大陸の五大国各国に謀略を巡らす。
だがセリカ達の活躍、また人間たちの思惑によって謀は破れた。
そしてセリカ一行は、ついにイラストリアスを捕捉し半壊させる。
しかし、魔神の力で戦艦は巨大樹へと変化、それを登り魔神と対峙するが、これまで暗躍していたラプシィアが現れセリカに執着を見せる。
魔神を裏切るラプシィアに対し、魔神レアが自爆でこれを倒そうとするも叶わず、セリカはラプシィアに捕らえられ、仲間は散り散りに飛ばされた。
不安の中、セリカの無事を信じる使徒たちは仲間を再び集め、セリカを救出する。
セリカの回復後、残る魔神を倒し、或いは仲間にし、残るは魔神ランジェリーとラプシィアのみとなった。
セリカ自身、女神を殺したときの記憶はないが、ラプシィアはそれも含めセリカの全てを知っているという。
神殺しとは何なのか。
その罪とは何であるのか。
そしてそれらを知るラプシィアは何者なのか。
それらの謎が明らかになる。
… うっわ、端折った割にすげぇ長い。
でシナリオの評価は普通よりはいい、ただし秀作とまではいかない、ぐらいです。
が、全ての謎が明かされラプシィアを倒した話の最後に、セリカと使徒たちは月を見ていて、使徒たちに指摘されセリカは自分が笑顔で笑っていることに気づく。
そして終わるんですけど”神殺し”として永い時を生きているセリカは感情が殆どないし、表にも出さない。
それが、最後に見せるこの笑顔はCGのよさも相まって、長くセリカを見てきたプレーヤーにじ〜んとさせるんです。
これだけでシナリオの評価はワンランクアップしますね。
○総プレイ時間
RPGだから当然多いです。
一周目、短くても45時間くらいはかかると思われます。
ですが、一度やると時間が気にならないくらいのめりこむ事請け合い。
○総合評価
シナリオは基本的には一本道(中でイベント分岐はある)だけどそれなりにいいし、なによりRPG部がやり込める作りになってる(アップデートで敵の強さ2〜5倍にできる)から、周回を重ねても暫くは楽しめる。
最近のゲームとしてはかなり長い時間やり続けられるゲームです。
点数をつけるなら85/100ってところでしょうか。
このゲームでは、2周目以降は公式HPではあくまでおまけ扱いと書いています。
しかしその仕様たるや、レベル&アイテム(重要アイテム以外)の引継ぎ・フィールド上でのエンカウント敵の有無の選択と、非常に有難いつくりになってます。
2周目以降、エンカウント無しにして一切索敵せずに進めると、恐らく全部で5〜10時間ぐらいでクリアできると思います。
時間に幅があるのは、シナリオをまともに読むかどうかで違うだろうから。
18禁ゲーである以上、忘れちゃならぬエロ部分。
つーわけで、エロシーンは多くあります。
でも、大体がそんな長くないし、主人公の性質上、大半が女神の体を自分の体として維持するための「性儀式」としてするのでそんなに濃くもないです。
とはいえ、エロゲーとしての及第点は満たしている、と。
(山科海音様)
前作が出てからもう3年になりますか。
それなのに話は半年後…(笑)
今作は前作に比べて人数だけでなく話の規模や、システム面の強化、HCGの増加など、色々な面で時間がかかっている。
間が空くのも当然といえば当然ですね。
それに、ノベルをつけたのは正解ですね。
間隔が空いたフォローにもなる上に、HCG満載。
ギャルゲー、Hゲーでも、女の子ばかりがよければ言いというわけではありませんから、そうしたサブ的な部分に目を引くものがあるということは、それだけ丁寧な作りをしていると言えるのではないでしょうか。
3年がかりの大作ですから、話も大きくなろうというものです。
感情のないキャラクターに生まれる不思議な感覚を、いかに表現するかがライターの腕の見せ所ですよね。
「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイで脚光を浴びたといってもいい、無表情・無感動で任務遂行に忠実な、道具あるいは兵器としての価値しかない存在。
それが、主人公との接触によって変化していくというのは、もはや王道パターンといえるでしょう。
もっとも、このゲームでは主人公がこのタイプなので、周囲の人々が接触するという逆パターンが珍しい。
感情を持った者の結末は多岐に渡っていますが、ここではさすが主人公、自分が犠牲になることはありませんでしたね(笑)。
エッチのほうですが、確かHPには80%がHCGとか書いてありましたっけ。
CGのピンキリはともかく、枚数が多いのは良いことです。
(Mr.Boo) |