PLAYSTATION2 少女義経伝 メーカー:WellMADE
月 様
流竜馬 様
>ストーリー

 時は現代。
 ある高校の京都修学旅行の夜…。
 ゲームに負け、罰ゲームとして「女湯のぞき」を強要された主人公は足を滑らせてしまい、女湯へ落下してしまった。
 しかし、気がついてみれば、目の前にいたのはクラスの女子ではなく、一人の見知らぬ女の子だった。
 怒って追いかけてくる彼女から逃げおおせた主人公は、休む間もなく謎の武者に襲われてしまう。
 もうこれまでか…と思われたが、彼は突如現れた謎の山伏と先刻の少女に助けられた。
 こうして難を逃れた主人公であったが、話はここで終わらなかった。
 何とこの山伏はあの「武蔵坊弁慶」であり、少女の方は「源義経」として平家と戦っている頼朝の妹「源九羅香」だと言うのだ。
 主人公は夢でも冗談でもドッキリでもなく、源平合戦の時代にタイムスリップしてしまったのである。
 しかも、この時の戦闘で死亡した弁慶の遺言で、彼の代わりに九羅香を守護することを頼まれてしまった主人公は、無下に断ることもできずに彼の名を継ぐことになる。

 果たして…歴史の流れに関わる羽目になってしまった彼の運命はいかに!?


>キャラ紹介

<源氏方>

・主人公(名前変更可能)

 ごく普通の高校2年生だったが、謎のタイムスリップ後、自分を助けて死んでしまった弁慶の願いを受けて、彼の名を受け継いで戦うことになる。
 当初は戸惑いまくりだったものの、基本的にトラブルを見過ごせない性格なようで、それが高じて次第にヒーローへと成長していく姿は見ていて気持ちが良い。


・武蔵坊弁慶(むさしぼう・べんけい)


 歴史上では牛若丸(源義経)に敗れて以来、彼の部下となった山伏で、この作品では冒頭で平教経・廉也の2人に狙われた主人公を助けるために戦い、何とか撃退に成功したものの、その時の傷が元で死亡した。
 だが、彼の魂は死んではおらず、常に主人公を加護していたことが終盤で判明している。
(鍛えていたとはいえ)ただの高校生であった主人公が、平家の武将や妖魔と渡り合えたのは、間違い無く彼のおかげであろう。


・源九羅香(みなもとの・くらか)


 普段は「源義経」と名乗っている少女で、源氏の棟梁・頼朝の妹。
 正体を隠して平家と戦い、数々の武勲をあげているものの、戦のない時は年相応の活発な少女である。
 また、多少ブラコンの気があり、毎度のように危険な任務を押し付けられているにも関わらず、頼朝のおだて一つで上機嫌になる程である(爆)。


・佐藤紅葉(さとう・もみじ)


 九羅香の副官で、彼女同様正体を隠して「佐藤継信」と名乗って平家と戦う少女。
 病弱というハンデを背負いながらも、武芸・学問・家事(特に料理)に優れた才能を見せる。
 九羅香ほどの男装はしていないのだが、何故か正体がバレていないのは凄いかも(核爆)。


・静御前(しずか・ごぜん)


 異国人の血を引く白拍子。
 普段はただの天然ボケボケお姉さんに見えるが、実は義経軍随一の切れ者であり、いざという時に最も頼りになる存在である。


・那須与一(なすの・よいち)


 義経軍唯一の眼鏡っ娘で、弓の名手。
 最初はクール&ドライ&毒舌に思われるが、実は内面は繊細で優しい。


・伊勢玲奈(いせ・れいな)


 伊勢忍軍の棟梁の娘だが、色々あって九羅香と共に行動している。
 外見・性格共に「やんちゃ坊主」そのものだが、根はしっかりしており、将来(結婚など)のことをメンバーで一番真剣に考えている。


・源頼朝(みなもとの・よりとも)


 源氏の棟梁。
 ゲーム中に姿は見せないものの、軍監の梶原景時を通して範頼や九羅香に命令を下している。
 …が、九羅香の事は相当疎ましく思っているらしく、
 武勲に相応しない冷遇を与えている。


・源範頼(みなもとの・のりより)


 頼朝の弟で、平家討伐軍の総帥。
 説明書では「気弱で凡庸」「九羅香に同情してくれるがただ同情しているだけ」など散々な書かれようだが、ゲーム中では「現場に理解のある上司」といった感じで、九羅香の進言をちゃんと聞き入れてくれる良い人。


・梶原景時(かじわら・かげとき)


 元平家の武将だが、頼朝を助けて軍監という要職を得た経歴を持つ。
 性格は「厚顔無恥」「卑怯卑劣」など誉める所が一つもなく、将としての力量も「極めて無能」。
 しかも、憂さ晴らしのように九羅香たちに嫌がらせや妨害を繰り返す「将としても人としても最低の男」である。
 ああ…コイツにロイエンタールやミッターマイヤーの爪の垢でも煎じて飲ませてやりてえ…!!


・巴御前(ともえ・ごぜん)


 木曽義仲の妻で男勝りの女丈夫。
 義仲が九羅香達に討たれてからは腐れ縁ともいえる戦いを続けているが、根は「人の良いアネゴ」である。


<平氏方>


・平知盛(たいらの・とももり)


 平家の総大将。
 御所暮らしであった静御前とは旧知の仲。
 優れた知将ではあるものの、平家復興の為に非情にならねばという思いと、戦を嫌う己の良心の挟間で悩んでいる。


・平敦盛(たいらの・あつもり)


 知盛の従兄弟で、笛の名手である美男子だが、性格は源氏方の梶原景時と双壁を成すほど腐りきっており、自分のためならどんな汚い手でも使うゲス野郎である。


・平教経(たいらの・のりつね)


 敦盛同様、知盛の従兄弟で、平家最強の武将。
 典型的パワーバカタイプだが情に厚く、なかなかの武人である。


・観月(みつき)


 平清盛の孫娘だが、幼少時に清盛に施された呪法によって、視力と引き換えに人間離れした超能力を使えるようになっている。
 ちなみに、主人公をこの時代へとタイムスリップさせたのは彼女。


・廉也(れんや)


 平家に拾われ、観月の遊び相手として育てられた従者。
 そのため、観月を何よりも大切に思っており、彼女のためなら命も賭けるほどである。


>内容評価


(ストーリー)

 最初は「武蔵坊弁慶となった主人公が、歴史の知識を頼りに義経(九羅香)達を助けていく」というものでしたが、話が進むにつれ、「主人公が歴史をなぞるだけでなく、己の意志や判断で皆を支えて、導いてゆくヒーロー的存在へと成長する」展開となっていき、本当に見応えのある内容でした。
 最近は「萌え」主流のマンガやアニメでヘタレ主人公を見飽きているだけに、なおさら燃えましたね!!


(キャラクター)

 ストーリーがやや短かったものの、主役・脇役・悪役どれもが良く立ってましたし、声優陣にもハズレはありませんでした。
 特に「九羅香(義経)」を演じた山本麻里安さんはPS2版「イース1・2」のリリア役の名演で結構気に入ってただけに、これからも頑張って欲しいですね。


(システム)


 基本はアドベンチャーパートと戦闘パート(シミュレーション形式の陣取りと、RPG風の戦闘)を
繰り返し、全10章の物語(ヒロインは9章で確定)を楽しむわけですが、結構バランスが悪いです。
 地雷「ゲートキーパーズ」ほど、ムチャクチャではなかったのですが、とにかく「陣取り(簡単)と戦闘(相性を見極めないと結構難しい)の落差が大きい」ことが不満ですね。
 また、ボス戦では、ボスが必ずザコを連れているため戦闘が長期化しがちなこともネックでしたよ……。


>最終評価


 あちこちに多少のアラはあったものの、自分達には許容範囲でしたし、特にハズレと言える要素が
無かったことは評価できますので、このメーカーにはこれからも期待ですね。


(PS)

 ネタバレになりますが、主人公が歴史を変えたおかげで義経達は悲劇の英雄にならずに済みましたが、現代に戻ってきた後で歴史の本を見たら相当ビックリしてるでしょうね(爆)。
戻りマース