この作品の「たっちー」というメーカー、えげつない鬼畜ゲーのメーカーとして知る人ぞ知る名。
その「たっちー」が、どういう風の吹き回しか、今回コメディー調の純愛ゲーと聞き、期待半分不安半分での購入。
(ストーリー)
異世界『魔法界』にて。
ヒロイン、キリは天才的な魔法の実力を持つ魔法界屈指の『黒の魔女』ながら、あるきっかけで逆賊とされ、魔法界の政府機関といえる『法王庁』に追われる事になる。
法王庁が差し向けた『ザインの双璧』とよばれる2人の『白の魔女』アイシャ&リン姉妹との激闘の末、とうとう人間の住む『物質界』へと追放される。
決められたルート以外の方法で物質界に来た魔女は、カラダが縮んでお子ちゃま姿になる上、人間と契約(=アレ)をしないかぎり魔法も使えなくなる。
魔法界に戻って法王庁へのリベンジを目論むキリは、倒れていたのを介抱してくれた主人公に強引に迫り、自分との契約(=性交)を結ばせる。
そんな折、アイシャ、リンの白の魔女姉妹が法王庁から、今度はキリの完全抹殺を命じられ物質界にやってくる。
(システム)
不具合満載。
回想モードでは見たはずのイベントCGが表示されないわ、その逆で見ていないのが表示されるわ、その時に喋っているキャラと違うキャラの立ち絵が出ている場面があるわ…etc。
極め付けが、メーカーのHPからDLしたアップデータを当てたら、エラーが出てゲームが起動出来なくなるという始末…
おまけに、セーブデータの流用不可。
正直参りました。
あとフルインストール時のHDDの容量使いすぎ。
フルボイスでもないのに3.5GB超って一体?……。
(絵)
立ち絵の方、もう少しどうにかならなかったでしょうか?
原画やハイレベルのイベントCGと比べて何か雑……。
顔など、イベントCGとまるで別人…。
何故にこうなる?
(音楽)
全体的にほのぼのとしたBGM。
曲数は少なめですが、場面場面には良くマッチしてたと思います。
EDのみボーカル曲。
(音声)
声優さんの名は非公開ですが、皆さん上手い方で安心。
サブキャラにも声が欲しかった。
(キャラクター)
システム面、立ち絵のショボさと逆にこれは実に良かった。
〇椎名 優輝(しいな ゆうき)
主人公。
両親を亡くした後、育ててくれた祖父も3年前に他界したため、色々とバイトを掛け持ちしながら一人で生活する苦学生。
実にお人好しな性格ですが、へタレではないので、受け入れやすいキャラです。
ただ、一度キレると手がつけられない狂暴な一面を持っていて、それが元で子供の頃、ある事故を起こし、現在もその事でトラウマを抱えている。
〇キリエルファン=アントレイ(通称:キリ)
魔法界屈指の『黒の魔女』。
いわゆる天才肌。
性格はワガママで攻撃的。
典型的ジコチュー。
序盤は結構ムカつきますが、物質界での生活に慣れてくるにつれ次第に、主人公を利用した事に罪の意識を感じたり、働き過ぎて過労で倒れた主人公を真剣に心配したり、口は悪いながらも、彼女なりに他人の事を気遣っている一面が分かってくると本当に可愛らしく見えてきます。
〇アイシャ=フローレンス
法王庁の『白の魔女』。
キリの抹殺を命じられて、物質界までやってくる。
キリとの戦闘中に主人公を怪我させてしまい、自分も魔力を失ってお子ちゃま姿に…
(※魔法で物質界の人間を傷付けるとそうなってしまうらしい)
魔法界に帰れなくなったため、キリ同様主人公の家に世話になる事に。
その後、彼女も主人公と契約(=性交)。
上品で落ち着いているようでいて、キリの挑発にすぐに乗ってしまうなど、結構単純で子供っぽい。
〇リファーニ=フローレンス(通称:リン)
法王庁の『白の魔女』。
アイシャの妹。
この姉妹は魔法界では『ザインの双璧』と呼ばれる、白の魔女の超エリート。
彼女も魔力を失ってお子ちゃま姿になり、姉とともに主人公の家に世話になる事に。
そんでもって契約(=性交)。
人懐っこく、気も利く。
姉よりもしっかり者。
〇橋野 響(はしの ひびき)
主人公の幼なじみでお隣さん。
屋根づたいに窓から主人公の部屋に入ってきたりと気心知れた間柄。
本作品中では希少な一般人。
不幸にも、あまり目立たない。
〇霧崎 ありす(きりさき ありす)
主人公の後輩でバイト仲間。
オカルト少女。
昔から怪現象に巻き込まれる事が多く、気味悪がって誰も近付かない。
主人公と同じく、両親も友達もいない。
実は、重要なキャラだったりする。
正体は……〇〇〇〇(ネタバレ自粛)
〇ネージュ
火を操る『赤の魔女』。
アイシャ、リン姉妹のキリ抹殺失敗を受けて、法王庁が次に、魔女3人と契約した主人公を抹殺するために差し向けてきた魔女。
(※契約者を先に殺ってしまえば魔法は使えなくなるため)
ちなみに攻略可のヒロインです。
〇サイガルト
法王庁を仕切る魔法使い。
主人公と魔女3人の抹殺を命令した張本人。
〇エルカ
魔法界の女王。
人前に姿を見せないのと、姿を色々変えるらしく、本当の姿は一部の者しか知らない。
(エロ)
回数は多いですが、薄い。
生々しさが無い。
いくら魔女達の方から求めてくるとはいえ、見た目幼稚園〜小学校低学年のお子ちゃまと本番をやるのは道徳上、如何なものか?
下手な凌辱ゲーよりもある意味罪悪感が……。
大の男が、見た目5歳児と騎乗位プレイなど、過去プレイしたエロゲーを振り返ってもあまり覚えがありません(汗)。
まあ、魔女達が大人の姿に戻ってからのHもちゃんと複数回あるので、ノーマルな方も安心(爆)。
(総評)
キャラ立てが実に上手い。
食事しながら、毎日喧嘩しつつもにぎやかな団欒シーンの描写などが頻繁にあって、まったりと穏やかな生活感が漂っていて個人的にツボ。
主人公以外のヒロインやサブキャラ同士の日常会話で、自然に違和感なく物語を引っ張っていけてる作品。
ムダの無いテンポの良さもマル。
しかしどのルートでも、ほとんど(全く?)展開は同じ。
要するに一本道。
もう少し捻りがほしかった。
そのために、どうしても2周目以降になると、チープさを感じてしまいます。
もっと何とかできたはず。
勿体無い。
欠点も目立ちますが、キャラ立てが出色なので敢えて擁護したい。
ただし、バグの方、もう少しどうにかして…
ちなみに、本作の設定を魔女から宇宙人に変えたら『天地〇用!魎皇鬼』な世界に…。
キリとアイシャの日常でのケンカなんかは、さながら魎〇と阿〇霞のノリ。
こういうノリは個人的に好きです(ただ私は、OVA版しか天地は認めていません)。
とりあえず鬼畜たっちーがその気になれば、それなりのキャラ萌えゲーを作れる事は分かりました。
やればできるじゃん、たっちー!
この分なら、次回も充分期待は持てます。
次は、また鬼畜に戻る可能性も大ですが…
〔お気に入りヒロイン〕
〇キリ……やっぱりメインヒロインです。
(PS)
このゲームのEDのボーカル曲が始まったら、サッサと飛ばしてその後のエピローグまで行ってしまいましょう。
そしてフルコンプまでは絶対に見ない方がよろしいかと…。
見事なまでに、ネタバレかましてくれてますので、2ndプレイ以降、興ざめする事は必至。
もう少しその辺配慮してほしかったです。 |