PLAYSTATION サーカディア メーカー:SCE&有限会社アルヴィオン
流竜馬 様
 このゲームは言ってしまえば「マイナーゲーム」で、実を言うと僕も 「ファンロード」でこれを薦めた投稿マンガを見るまでは全然知りませんでした。
 そして…やってみればこりゃビックリ!! その出来たるや 「マイナーゲームを侮るなかれ!!」という言葉が相応しい脅威の作品でした!!
 今日は…この「サーカディア」についてレビューしてみます。

<ストーリー>
 時は我々の生きる時代よりも近未来…
 主人公「片山弘樹」は叔父「片山茂」の仕事の都合の為、海底都市「ブルージェネシス」へ引っ越した。
 ところが引っ越し当夜、弘樹はこの都市で度々目撃されているという謎の化物「ナイトメア」の突然の襲撃を受けることになる。
 いきなり生命の危機にさらされた弘樹だが、その時知り合った不思議な生物「ナビ」のおかげで不思議な力が覚醒し、ナイトメアの撃退に成功した。

 …が、話はここで終わらない。
 弘樹はホッとする間もなくナビから「世界崩壊の危機」とそれを阻止できる自分のような能力者を集めなければならないことを告げられたのだ。
 なし崩し的に学園生活を営みながらも「能力者探し」と「ナイトメア退治」に奔走する弘樹は、数々の事件に遭遇しながらも次第に仲間を増やし、自らも強くなっていく。
 しかし、一連の事件の核心に近付くにつれて、弘樹の失われた過去の記憶が蘇り、驚くべき真相を知ることになる。
 果たして弘樹達はその衝撃をも乗り越えて世界を救うことができるのか!?


<メインキャラ紹介>
片山 弘樹(かたやま ひろき)
 主人公。
  両親を失っていること以外は温厚な普通の少年…のはずでしたが、今回の戦いに巻き込まれることによって思いも寄らぬ能力と過去を知ることになります。

ナビ
 弘樹の力を覚醒させた謎の存在。小動物のような姿をしています。
 実はこのゲームの最重要キャラなのです。

●片山 茂(かたやま しげる)
 弘樹の叔父で、「ナイトメア」を追っているミステリー雑誌の記者。
 普段は極めてアバウトな性格のオヤジだが、実は物語の核心にかなり関わっています。

浅倉 優美(あさくら ゆみ
 弘樹&茂と同じマンションに住む女子高生で、弘樹のクラスメイト。
 家庭的で優しく献身的な「王道ヒロイン」(笑)で、弘樹に好意を抱いています。

保坂 良太(ほさか りょうた)
 優美を慕うヤンチャ小僧で、自称・優美のボディガード。
 実は彼も能力者で、子供とは思えない戦闘力を誇ります。

杉浦 泉(すぎうら いずみ)
 バンド活動を愛する勝ち気な少女で、学校の制服を着たことがないそうです。
 実は占いを得意としており、バンドよりも大繁盛だとか…

篠原 智美(しのはら ともみ)
 クラシックピアノの修行中の少女で、両親や周囲の期待という重圧や今の自分に対する疑問などで苦悩していましたが、弘樹に出会ったことで自立の意志を持つようになります。

五十嵐 啓介(いがらし けいすけ)
 弘樹の叔父・茂の友人で、腕利きカメラマン。
 実はナイトメアによって親友を失い、その際彼を救えなかったことから、恋人であった彼の妹と別れた苦い過去を持っています。

乾 沙夜香(いぬい さやか)
 弘樹のクラスの英語教師で、いつも露出度の高い服を着ている女王様タイプの人。
 実は五十嵐啓介の元恋人で、今でも彼のことを想っています。

大塚 守(おおつか まもる)
 物理学科で未知のエネルギー「リバースエナジー」の研究をしている学生。
 真面目な頑張り屋で、一見頼りなさそうな外見に似合わず芯は強いです。

速水 健吾(はやみ けんご)
 大塚の親友で、実直な空手家。
 師匠がナイトメアにとりつかれた事件が元で弘樹達と知り合い、協力するようになります。

如月 美海(きさらぎ みみ)
 飼い猫のビアンカを溺愛している記憶喪失の少女。
 どうやら今回の事件で何か相当のショックを受けたようです。

影守 聖(かげもり ひじり)
 17歳にして脳外科医の肩書きを持つ天才。普段は冷淡で毒舌なため、周囲からは疎まれてますが、(誰にでもという訳ではありませんが)根は優しい性格です。

矢沢 麻衣(やざわ まい)
 スポーツ(特に水泳)大好きな元気少女で、弘樹を兄のように慕ってます。
 しかし親友のヤキモチのため、中々恋に進展できないのが悩みです。

桐生院 綾彦(きりゅういん あやひこ)
 名門・桐生院家の御曹司ですが、家自体と一族に伝わる能力を好ましく思ってません。
 また、家庭のことがあって人付き合いも嫌い、静かな場所を好む性格です。

桐生院 深雪(きりゅういん みゆき)
 綾彦の妹で、かなりの箱入り娘だったため、極度の世間知らずのお嬢様です。
 ブラコンの気がありますが、弘樹にも好意を抱いている為、優美ちゃんとの「女の戦い」が展開されたこともありました。(爆)

竜門 要(りゅうもん かなめ)
 天真爛漫な性格で、誰にでも明るくフレンドリーに接する男です。
 お金に困っているため、色々なバイトに奔走している彼ですが、そのために教師からはよく思われてないそうです。

御剣 恭太郎(みつるぎ きょうたろう)
 ブルージェネシスを牛耳る「科学庁」の長官で、「権力をカサにきた卑劣漢」を絵に描いたような男です。普段はブルージェネシス内でふんぞり返っている存在ですが、その実態は「タナトス」の傀儡で、結局最期は用済みとして始末されました。

御剣 晃(みつるぎ あきら)
 表向きは御剣恭太郎の養子ですが、その正体は片山弘樹の兄である片山弘一(かたやま こういち)が「タナトス」に精神を乗っ取られた存在です。

タナトス
 「ナイトメア達の親玉」で、御剣晃の体を入れ物代わりにして行動し、世界の破滅を目論む存在です。
 しかし……(これ以降のネタバレは秘密です)。


<ゲーム内容>
 ゲームはブルージェネシス内を移動し、情報やイベントや交流を求めるアドベンチャーパートとドラクエやポケモンのように敵と戦う戦闘パートの2つで行われます。
 戦闘時にはこれまでに仲間にしたキャラ(最大14人)のうち、7人までがランダムで助っ人に来てくれます。そして、勝利時にメンバーの能力値がランダムに上がります(これはまさに運次第で、皆が上がることもあれば、そうでない時もあります)。

 また、アドベンチャーパートでは会ったメンバーとの交流を深めることができ、個別イベントまでクリアできれば、最終決戦時に必ず同行してくれます (個別イベントを最後までクリアしないと、最終決戦に同行はしてくれません)。
 しかし、ここで気をつけねばならないのは、交流を怠って疎遠になってたメンバーは「タナトス」(御剣晃)によって精神を食われ、彼の部下になってしまい、彼との 最終決戦時に敵として立ちふさがってきます(泣)。
 つまり、最終決戦までには「戦力保持のために何人か見捨てる」「助けるために戦力を捨てる」かの究極の選択を迫られるのです。
 これがこのゲーム最大のキモと言えるでしょう。

 そして、こういう「サクラ大戦」や「魔人学園」のようなゲームのお約束としてキャラ個別EDも用意されています。この作品は後半の展開が結構ハードだっただけに EDのおかげで「地獄から天国へ」気分を味わえましたよ…。


<最終評価>
  檜山修之さん、置鮎龍太郎さん、速水奨さん、緑川光さん、関俊彦さん、井上和彦さん、三木眞一郎さん、田中真弓さん、白鳥由里さん、紗ゆりさん、勝生真沙子さん、矢島晶子さん、長沢美樹さん、安達忍さん、井上喜久子さんなど、超豪華声優陣…
 ハードでしたが、最後までハマれたストーリー…
 どんなヌルゲーマーでもコツコツやってれば確実にクリアできるバランス…
 随所に用意された楽しいミニゲーム(「サクラ大戦」同様キャラ別)の数々…
 どれをとっても「何故こんな作品がマイナーで終わったのだっ!!」「買って良かったあっ!!」と言いきれる名作でした。

 キャラデザは好みが分かれそうですが、たとえデザインがダメだとしても「そんな事は些細な事よ!!」と言いきれる作品だと思います。
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