これは「スーパーロボット大戦」シリーズの基本システムや設定を作り上げた「ウインキーソフト」が考案したオリジナル作品「魔装機神サイバスター」の設定を元に練り直して作り上げた「もう一つの魔装機神」です(これとは別に「真・魔装機神」という作品がありますが、現在ノータッチなので機会があればこちらもレビューしたいです)。
<ストーリー>
テロ事件によって両親を失った過去を持つものの、友達や幼なじみ・蘇芳佳澄美(すおう かすみ)の存在によって平凡ながらも穏やかな日常を過ごしていた主人公・風見透夜(かざみ とうや)は突如学校の校庭で起こったロボット同士の戦闘に巻き込まれた。
なし崩し的に、パイロットの放り出された機体でもう一方の機体と戦う羽目になった透夜は何とか勝利したものの、その事件以降、彼の身辺で奇妙な事態が勃発し始めた。
そこへ現れた謎の男・フォルゼンの話によれば、これは「因果率の変調」によるものらしい。
しかも、このままいけば変調に巻き込まれた透夜の存在も危ないそうだ。
唯一の助かる手段として、フォルゼンの住む異世界「アガルティア」に向かうことを決意した透夜だが、ここでも彼はあの謎のロボットの正体「聖霊機」をめぐる争いに巻き込まれることになる。
激動の運命の流れに巻き込まれ続ける彼の運命はいかに!?
<キャラ紹介(半端じゃなく多いので、メインキャラ限定です)>
●風見透夜(かざみ とうや)
やや暗い雰囲気を持つが、内面は熱血的な主人公。
ぶっきらぼうで口も悪いものの、基本的に他人思いで優しい。
●天王寺亜衣(てんのうじ あい)
透夜より先にアガルティアに来たお気楽極楽女子高生で、考えるより先に行動するタイプ。透夜とは口喧嘩が絶えないが彼の事は憎からず意識している。
●蘇芳佳澄美(すおう かすみ)
透夜の幼馴染みで、家庭的で控えめな眼鏡っ娘。
透夜のことが好きなのだが、彼にはなかなか気付いてもらえない。
透夜と同じく因果率の変調に巻き込まれたため、アガルティアに来た。
●クロビス
元・ブラジル空軍兵士で、陽気で人なつっこい兄貴分。
オーレリィにアプローチ中だが、肝心な所でバカな一面を見せてしまうためいつもいい所までいって失敗する。
●アーサー
ジンバブエ人で、冷静沈着なインテリ。
「縁の下の力持ち」を地で行くキャラで、ぶっ飛んだキャラの多い透夜たち一行を影でうまくまとめている。
●セリカ
アガルティア王国の姫だが、名うてのエンジニアでもある。
アーサーと並ぶ影の実力者だが、メカヲタクなのが困りもの。
●フェイン
アガルティア王国の騎士で、良くも悪くも熱血バカ。
登場シーンの前口上で特撮キャラの台詞を使うこともある(笑)。
ユミールや佳澄美に惚れているが、両者に全く意識されていない。哀れ…
●シィウチェン
生真面目な中国人拳法家で、とっつきにくい性格だが実は「愛する人を守るため」に戦う熱いやつである。
●メリッサ
シィウチェンの恋人だが、現在行方不明。
彼とは夫婦同然の付き合いであったようだ。
●ユミール
アガルティアでも屈指の天才で、フェルゼンの妹。
29歳のナイスバディだが、性格は少女のようにウブな可愛い人である。
●メルヴィ
フェルゼンの娘で、ユミールの姪。人見知りの気があるそうだが、透夜に惚れたのか、すぐに懐いてしまった。
実は聖霊機操縦の天才で、大人顔負けの腕前である。
●オーレリィ
クロビス、アーサー、シィウチェン、メリッサ同様アガルティアに召還されたフランス人女性で、一見キツそうに見えるが、大の猫好きである(榊さん!?)。
クロビスに熱烈にアプローチされ、幾度か傾きかけたものの、彼のおふざけのせいで毎回プッツンし、結局うまくいってない。
●レオーネ
物語中盤から登場する謎の少女で、性格は陽気。
実は物語の核心にかなり関わっている。
●クルル
アガルティアとの対立国・ジグリムのとある村に住む天真爛漫な少女。
メルヴィ同様、幼いながらも聖霊機操縦の素質に優れている。
●ヤマト
透夜の家で家族同然に暮らしている猫。
アガルティアの技術でしゃべる事が可能になってからはパートナー度が増している(笑)。
<内容評価>
綿密な設定と主役から脇役までしっかり立ったキャラを作り上げたスタッフの力量は流石で、恋愛要素ありでも軟派な展開にならない骨太のシナリオはかなり良かったです。
また、ゲーム自体は「サクラ大戦」や「魔人学園」同様「シミュレーション」&「恋愛アドベンチャー」の融合型で、特にシミュレーション部分はモロ「スパロボ大戦」(特に「魔装機神」)なので経験者だけでなく、初心者でもすぐに馴染めると思います。
それに、恋愛部分も特に難しい選択支はないので、八方美人にやらない限り大丈夫です(八方美人にするとクリアに必須フラグが潰れやすくなります)。
ただ…このゲームはスパロボ全シリーズ経験者の僕から言わせてもらえば「戦闘バランスはシリーズでもワースト3に入る」と思います。
その理由は…
1.主人公機「ライブレード」の性能がズバ抜けているが、他の機体性能はドングリの背比べ。
2.修理(回復)機能を持つ機体が序盤にいない。
3.どの機体も回避能力は皆無に等しい(ほとんど防御でしのぐしかありません)。
4.武器改造ができないため、後半の戦闘は攻撃力の高い機体任せになってしまう。
だからです。「撤退」コマンド(経験値&資金継続で現在のシナリオ再プレイが可能)というフォローがなければ「地雷」の烙印を押していたかもしれません。
<総合評価>
戦闘バランスが大きなマイナスだったものの、それ以外はかなりの出来でした。
シミュレーションゲーム好きでない方には勧め辛いですが、好きな方ならかなりハマれる作品だと思います。
PS
ちなみにこの作品にはキャラボイスはありません(ビックリ)。
その代わり、読み込みの苦労が全く無いのでプレイ自体は快適でしたよ |