PLAYSTATION ドリームキャスト THE恋愛アドベンチャー『おかえりっ!』 メーカー:HuneX&ディースリー・パブリッシャー
流竜馬 様
Mr.Boo
ストーリー
 かって天の姫君が漁師と恋に落ちながらも、悲恋で終わってしまった伝説の残る故郷「姫神島(ひめかみじま)」に教育実習に帰ってきた主人公・大平洋平(変更不可)は、この島で出会った女の子達と共に4週間の実習生活を過ごすことになったが…
  洋平は、島を離れていた間に起こり、深く静かに進行していた「島の行く末をめぐる争い」に、否応なしに巻き込まれることになってしまう。
 果たして彼の運命は如何に!?


キャラ紹介
平洋平(おおひら ようへい)
 この作品の主人公で、東京の教育大学実習生。
 典型的3枚目キャラではあるものの「熱意」と「誠意」は強い。

篠原渚(しのはら なぎさ)
 洋平の幼馴染みで、宿泊先「民宿しのはら」経営者の長女。
 明るく真面目な性格で、ちょっと短気だけどいい子である。

篠原緑(しのはら みどり)
 渚の妹で、洋平の教え子となる小学4年生。
 何かと洋平の世話をやきたがるおませさんで、しっかり者である。

姫神澪(ひめかみ みお)
 島を統べる「姫神家」のお嬢様で、不思議な力を持つ。
 厳しい家のしきたりに従順ではあったものの、洋平との出会いがキッカケとなって、外の世界に憧れるようになる。

藤崎晶(ふじさき あきら)
 親の都合で東京から島に引っ越してきたコギャル
 そのため周囲の環境や人々に馴染めず、常に反発している。

板東光(ばんどう ひかる)
 島の研究に来た父親と共に町外れの北の浜辺の小屋に住み、自給自足の生活を営む超ワイルドでナイスバディな女の子。
 義務教育を辛うじて受けていた程度であり、読み書き算数に関する興味ゼロである。

高倉波美(たかくら なみ)
 姫神小学校と中学校の養護教諭兼島唯一のの女医。
 優しくて魅力的な大人の女性である。

小山田由美子(おやまだ ゆみこ)
 港の売店でアルバイトしている女の子。
 情報通ではあるものの、かなりそそっかしい。

嵐山時夫(あらしやま ときお)
 洋平の幼馴染みで島一番の漁師。
 外見は「ポニーテールの美少女」だが、れっきとしたである。
 ちなみに洋平に少なからず好意を抱いている(汗)。

お婆さん
 洋平の宿泊先「民宿しのはら」の仲居さんで、ギャグ担当キャラだが、渚シナリオでは意外な活躍を見せる。


シナリオ評価
1)篠原渚シナリオ(島の謎の解明:なし)
 この作品のメインヒロイン(しかも幼なじみ)だけあって展開は「最初からラブラブ傾向」であったが、トラブル発生によって2人の仲に亀裂が生じる…が、洋平達の頑張りでトラブル解決後に結ばれるというものでした。
 しかし、僕はこのシナリオが後述の晶シナリオに次いで嫌いです
 なぜなら…このシナリオで生じたトラブルの大半は「渚の暴走」のせいだったからです。
 はっきり言えば、トラブルの原因を知ってしまった渚が、それを一人で背負いこんで独走しさえしなければややこしい事態にはならなかったのです。
 しかも、緑ちゃん・由美子さん・時夫・お婆さんといった脇役が見事に立ち回っていただけに余計に「渚のバカ〜!」という思いが強くなってしまったのがネックでしたね。
 流はFF8のリノアFF10のユウナみたいに「独走した結果トラブルを増やすヒロイン」は基本的に嫌いなのです…。

2)姫神澪シナリオ(島の謎の解明:あり)
 まさに「捕らわれのお姫様を救い出す」シナリオです。
 島の因習に固執し、半ば暴走していた名家・姫神家に対しても臆せず立ち向かっていき、(脇役達の助けありとはいえ)澪を救うことができた主人公はまさに漢でした。
 また、このシナリオでは光シナリオや波美シナリオほどではありませんが、島の謎(特に暗部)が判明します。
 あと余談ですけど、彼女のシナリオ以外でも彼女は最終的に自由の身になれています。
 良かった良かった……。

3)藤崎晶シナリオ(島の謎の解明:なし)
 典型的な「最初は最悪の関係だった2人が色々あって仲良くなる」シナリオですが、その内容は正直言って…「怒りゲージが限界突破する」ものでした。
 彼女が周囲に対して反発しまくる理由は「馴れ親しんでいた東京から何もない田舎へ移り住むことになった不満」や
「彼氏に捨てられたことに対する心の傷」が原因だったわけですが…そんな彼女の所行はとても許せるものではありませんでした。
 口を開けば出てくるのは相手を確実に激怒させる悪口雑言の数々。
  「大人の態度」と「誠意」を持って接する洋平に返す暴力と暴言。
  まさに「自己中心的」で「傍若無人」極まりない態度には「ガンパレ」や「魔人学園」などのキャラ設定を知っている身としては、「その程度の不幸でそこまでするんじゃねえ!!」と鉄拳付きの説教でも食らわせてやりたい気分にさせられましたよ。
 最後は洋平の頑張りが実を結び、彼女の心を癒すことができ、見事結ばれたわけですが、序盤〜中盤に至るまでとことん彼女の酷さを見せつけられたので、僕的には「後に見せる良い所(プラス)で極悪さ(マイナス)を帳消しにできなかった」ため、「作中で一番お勧めできないシナリオ」でしたね…。

 …物語やキャラに何かしらのインパクトを与えるため、ぶっ飛んだキャラを作ることはよくあることですが…悪い意味で印象に残るキャラを作られるのも困り者ですよ…(汗)。

4)板東光シナリオ(島の謎の解明:あり)
 偶然知り合った板東親子と楽しい会食&光への読み書き教育を交えながら、姫神島の謎に挑むシナリオ。
 波美シナリオほどではありませんが、謎の解明はされますし、光達との心温まる交流話も相まっているため、かなり出来が良かったシナリオですよ。

5)高倉波美シナリオ(島の謎の解明:あり)
 最初に言っておきますが…このシナリオは文句無しで「作中ベストシナリオ」であり「最後に回すべきシナリオ」です。
 なぜなら…このシナリオでは「恋愛成就」だけでなく、「姫神島の伝説」に関する謎が全て解明されるからです。
 謎の詳細はあえて伏せておきますが…このシナリオを先にやってしまうと他のシナリオ展開があまりにも「読めすぎて」しまい、旨味が半減するので絶対に最後までとっておくべきです!! (経験者は語る(爆))

  一発目でこのシナリオだったために、他のシナリオを進める時の意欲がかなり減退しちゃいましたよ(大汗)。


総合評価
 「藤崎晶」という(悪い意味で)強烈なキャラを抱えていたり、OP&ED曲がないとはいえ、内容は全体的にかなり素晴らしく、「萌えキャラや特典がいくら良くても、中身がスカスカな作品を買うくらいなら、こういった安価で内容の充実した作品を買うべきだ」と言い切れる秀作ですね。
 これからもこのシリーズが楽しみです。

(流竜馬 様)
 篠原渚が一人で何とかしようとするのをいじらしいと感じるか、疎ましいと感じるか。
 彼女が独走してしまう上に、島の解明がされなかったりすると、ヒロインに対していったいどこに力を入れたかったのかが不明瞭に見える。
 シナリオ作りの甘さ、キャラクター作りの弱さ、ゲームの幅の広げすぎ、考えられることは色々あるが、他のゲームに比べて値段相応だと考えれば「実験」かなと思えてしまう。

 安いってオトク♪

 高倉波美は明らかにヒロインよりも比重が大きい(笑)。
 彼女のシナリオで謎が全て解明されたり、他のシナリオが読めてしまうなら、スタッフはプレイヤーに対してこれを最後にプレイさせるための細工をしなければいけない。
 そうすれば、最初に彼女をクリアしてしまうというもったいない状態が発生しないだろうに…
 歌が無いのは経費削減の一環だろうが「安いから」の一言で納得できる所がコワイ(笑)。
 
 ただ気になることが一つ。
 DCでも「SIMPLE2000」シリーズで出ていたけど、あっちは2000円でPSは1500円。
 この値段の差は一体?
 内容に差があるのだろうか?
 もし同じならDC、そんなところで自分の首を絞めてどーする(笑)。

(Mr.Boo)
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