>ストーリー
世界各国の紛争の和平交渉人を専門とし、滅多に家に帰らぬ父を持つこと以外は平凡な高校生活を送っていた主人公「秋庭こうき」(変更不可)のもとに1年ぶりに父からの連絡が入ってきた。
父が久方振りに帰国するということで、空港に出迎えたこうきはそこで父だけでなく父の傍らにいる見知らぬ美少女「サンディ」を目撃する。
彼女は内戦状態にある中東某国の姫君で、和平が実現するまでの間、身の安全確保のために秋庭家でお忍び生活をすることになったというのだ。
彼女との共同生活がきっかけとなって、次々と起こるトラブルに巻き込まれることになった。
彼の運命は如何に…!?
>キャラ紹介
○秋庭こうき(あきば・こうき)
この物語の主人公。
一見普通の高校生だが合気道を習っており、肉体能力はズバ抜けている。
実は、幼少時にテロで両親を殺された過去を持っており、今の両親は実父の親友。
○サンディ
母国の紛争のため極秘亡命してきたお姫様で、性格は天真爛漫で活発。
また食欲旺盛で、その食べっぷりは見る者の食欲を確実に減退させるほどである(笑)。
本名は何と「サンディア・クロイフォント・テル・アビ・エルメリク・アントランテスタ・ゲンテロフ・トロイムヤホ・テラス・ルフルフ・キャオラ・アルフ=アマリク」(大汗)。
デートでも色気より食い気を発揮して、特に麹町さやちゃんのシナリオでは彼女と仲良くなるキッカケにもなった。
「うな丼恐るべし」です(笑)。
○音成あかね(おとなり・あかね)
こうきの幼馴染みその1でクラス委員長。
「最初から主人公が好き」「家庭的で料理上手」など幼馴染みの王道を突き進んでいるキャラだが、泣き虫で落ち込みやすい面もある。
○鮎瀬鏡子(あゆせ・きょうこ)
こうきの幼馴染みその2で、あかねの親友。
サバサバして男勝りだが内面は繊細で、こうきの事をあかねに劣らず想っている。
また、拳法など格闘技をたしなんでおり、実力(戦闘力)はこうきより上である。
○麹町さや(こうじまち・さや)
大金持ちのお嬢様。
両親が仕事一筋ゆえに愛情に飢えている。
寡黙なパソコンヲタクであったものの、こうきやサンディとの出会いが彼女に変化を与え始める。
○瀬戸なつき(せと・なつき)
あかねの行きつけの喫茶店でウェイトレスをしている女性で、スタイル抜群。
大人の魅力溢れる優しくて面白い人だが、ギャンブルとなると性格が豹変する(笑)。
>内容評価
基本は「2択アドベンチャー」で、話の大筋の展開は
1.こうき&サンディを中心としたドタバタ生活
2.こうきの心に好きな人の存在が芽生えた頃、サンディを狙う暗殺者達が出現する
3.暗殺者撃退後、程なく内戦終結。サンディ帰国&個別EDへ
となっており、お目当ての女の子狙い&その相手を思いやった選択肢を選んでいれば楽々グッドエンドを迎えることができ、1キャラにつき大体1時間あれば攻略可能です。
各シナリオはどれも短いながらも、これといった破綻もなくまとまって終始楽しめましたし、声優陣も全員無名ながら頑張ってました(鏡子役の方はイマイチでしたが…)し、CG(萌えから燃えまで)やBGMも十分「合格点」でした!!
…が、ギャルゲー経験豊富な者の目から見れば悪いところも結構ありました。
1.OP&EDソング(&挿入歌)がない。
特にサンディルートで、彼女が母国の「月の伝説」をこうきに歌い語るシーンは作中屈指の名シーンで、「このシーンで歌があればどんなに良かったか…!」と何度も思いました。
「FF10」などでも同様の「絶妙のタイミングでの歌使用」があっただけにこの作品でもそういう心憎い演出が欲しかったですね。
2.オートスキップが存在しない。
スキップは「Rトリガー押しっぱなし」でしか行えません。
そのため、プレイ後は指が疲れました(笑)。
3.主人公&女性陣以外の脇役は明らかに”手抜き”な描かれ方である。
その差はまさに「天地の差」です(汗)。
4.攻略対象ヒロイン以外声無し。
こうき、こうきの両親(育ての親の方)、さやの両親など、いい味出してるキャラは多いのに、全員声が無いので以前レビューした「水夏・DC版」同様の悔しい思いをしましたね。
>最終評価
上記のように難点は結構ありましたが、そのどれもが「もうちょい手を加えていれば克服できていた」レベルだっただけに、「あと一歩で良作になれた惜しい作品」でしたね。
「女の子達との萌え展開」だけでなく「こうき対暗殺者達の燃え展開」も楽しめて、僕的には気に入っていただけに、できればリメイク希望ですね。
PS:
相手の「油断(慢心)」があったとはいえ、拳銃などを持った暗殺者達相手にひるまず立ち回り、特にサンディルートでは「己の力のみで奴らを全員倒せた」主人公・秋庭こうきには「ギャルゲー最強の一般人主人公」の称号を与えたいです(核爆)。
アンタ本当に「漢(おとこ)」だよ…!!
彼は「色々あって体を張ることになる」ギャルゲー主人公でも、逃走車との勝負、素手(独力)対銃(多数)の対決などかなり凄まじいシチュエーションを経験しましたからね〜(汗)。
「人外の技や能力」とかを一切持たないだけに、なおさら彼を凄いと思いましたよ。 |