その他ハード メタルスレイダーグローリー・
 ディレクターズカット SFC版
メーカー:任天堂
流竜馬様
Mr.BOO
 この作品は「HAL研究所」からファミコン用ソフトとして1991年に発売され、ファミコン作品とは思えぬほど上質の内容でユーザーを魅了し、今では万単位のプレミアが付くほどのものでした。
 が! 2000年にNINTENDO POWER(コンビニ「ローソン」で売られているSFC書き替えソフト)で安価&容易に購入することが可能になりました!!

 ちなみに、この作品は「リングにかけろ」(メサイヤ)と同様、「書き換えのみの作品」で、製品版というものはないですが、「リンかけ」とは違って説明書も付いてました。


>ストーリー

 時は西暦2062年…
 主人公・日向忠(変更不可)は隣の中古機械販売店で店長のゲンに勧められた作業機械・メタルギアームを購入したが、その機体は忠をスキャンするやいなや戦闘用機械・メタルスレイダーに姿を変え、謎のメッセージを忠に伝えた。
 果たしてこの機体は一体!?そして忠の運命は如何に!?


>キャラ紹介

○日向忠(ひむかい・ただし)
 この物語の主人公で、両親を早くに失ってからは男手一つで妹のあずさを育ててきた頑張り者。
 そのためかシスコンの気がある。
 ゲーム本編では真面目で前向きな好青年だったが、後日談である漫画版では多少八方美人の気もあることが判明した(笑)。

○日向あずさ(ひむかい・あずさ)
 忠の妹で、いつも明るい天真爛漫な美少女。
 しかし、8年前に起こった戦争で父の死に際に居合わせたショックからその時の記憶を失っている。

○エリナ・ファーファ
 忠のガールフレンドで、あずさのよきお姉ちゃん的存在。
 気の強い跳ねっ返りだが、忠のことを一途に想っている健気な娘である。

○ゲン・ランクル
 中古機械販売店「ゲンズ・オート」店主で、忠の友人。
 普段はヘラヘラしているが、根は抜け目のないキレ者である。

○チャーミー・グリント
 「ゲンズ・オート」の看板娘で、眼鏡のおっとり美人。
 時にはケンカもする忠とゲンの仲をうまく取り持つしっかり者である。

○シルキーヌ・マルソー
 スペースコロニー「35区」の主任で、この物語の核心を握る美女 。

○小夜子(さよこ)
 シルキーヌの秘書である妖艶な美女。

○如月やよい(きさらぎ・やよい)
 月のレストラン「VIVACE(ヴィヴァーチェ)」のウェイトレスだが、この物語の重要な情報を握っている。

○キャティ・ヴィトレイ
 35区のハンバーガーショップ「マックベリーズ」で働く店員だが、上記のシルキーヌ主任や如月やよい同様の重要人物である。
 ちなみに忠のことが好きで、忠もまんざらではなかったため、漫画版(後日談)ではかなりエリナをやきもきさせていた(笑)。

○エンカイ
 メタルスレイダー技師兼パイロットで、真面目な頑張り屋である。
 漫画版(後日談)ではエリナに惚れ込んでいたが、果たして想いは通じたのだろうか?


>内容評価
 ゲームシステム自体はオーソドックスなAVGですが、グラフィックの美しさや演出はとてもファミコン作品とは思えないほど突出した出来です
 また、ストーリー展開もキャラとの交流や選択によって何通りも楽しめるマルチ展開で、発売当時(91年)には本当に画期的な仕上がりでした。
 欲を言えば「キャラ個別エンド」が欲しかったところですが、ここまで楽しませてもらったらそれも許せそうな感じです(笑)。

 本当に「今すぐ中古屋でSFC本体を購入してでもやるべし!!」な一本ですよ。
 あの出来には「感服」あるのみでした。
 高性能の本体に頼らなくても良いゲームは作れるといういい見本でしたね。

(PS)
 ちなみに、この作品の後日談がイラストレーターの「よしみる」先生の手でマンガ化されていたのですが、果たして完結したのでしょうか? 気になります…
 漫画版のタイトルは「メタルスレイダーグローリー 〜エイミアの面影〜」で、電撃の漫画でした。

 説明書の裏面イラストは、僕もFC版からのギャップに多少驚きはしましたが、先に漫画の方で馴れていたのでダメージは無かったですよ(爆)。

(流竜馬様)
 ファミコン版は確かHAL研のソフトハウスとしての遺作でしたっけ?
 これがきっちり売れていれば、任天堂の下で「星のカービィ」とかを作る事も無かったのかも、と思うとなかなか感慨深いものがあります(笑)。

 FC版は当時、おもちゃ屋を二桁を超える数を動き回ってようやく手に入れました。
 …家から二番目に近い店で、という落ちはありましたけど(爆)。
 いまでもパスワードを一個覚えてたりします(笑)。

 安く手に入れた機体が、実はカムフラージュされた親の機体だったというベタな展開でしたが、当時はそれよりも滑らかなアニメーションや特殊なチップを使った音源、戦闘シーン等に魅了されていました。
 パスワードもキャラのセリフを流用したもので、いつ中断したか判り易かったですし、プレイするだけでその努力の跡が伺えるほどでした。
 なんでも、職人芸のようなプログラムを組んだようで、同時期に発売されていた書籍にその苦労話が載っていたのを見た事があります。

 FCからSFCになったことでのパワーアップは、へたに何か増やすよりも洗練した出来である事の方が、喜ぶプレイヤーは多いはず。
 FC版の説明書に描いてあった漫画が面白かったから、せめてSFC版の説明書だけでも気持ち加筆とかして欲しかったんですが、それも無かったのでちょっと残念。

 しかし、FC版から間が開いているだけに、説明書よしみる氏のイラストが全然違うので、BOOはショックが隠せません(笑)。
 ああ、以前の素直なラインの絵が懐かしい…

 コミックスもありましたが、1巻だけかもしれません。
 推測になりますが、この頃の電撃の出版社「メディアワークス」は「主婦の友社」の傘下から「角川書店」の傘下へと移行をしています。
 それによる影響で、中途半端な状態の連載は打ち切られ、物によっては絶版にして整理をしたのかもしれません。
 「メタルスレイダー〜」は既に絶版扱いですから、おそらく整理された中の一つだったのでしょうね…
 氏は電撃文庫でカットを描いているという、メディアワークスとの関わりがいまだにあるのですから、半端なままにせず描き下ろしを加えてきっちり出してくれてもいいと思うんですけどね…
 ちなみに、同じく絶版ですが、唯一のファンブック「メタルスレイダーグローリーファンブック」(まんまですね)というのもあるようです。

(Mr.BOO)
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