(ストーリー)
西暦2017年5月1日――午後12時51分 水深51mの海中に浮かぶ近未来の海洋テーマパーク”LeMU/レミュウ”。
ここになんの前ぶれもなく7人の男女が閉じ込められた。
徐々に失っていくもの:食料・水・酸素。 新たな脅威:深海に棲息する未知のウイルス。
さらに、苛烈な水圧にさらされたLeMUの隔壁は119時間以内に崩壊すると言う。
厚いガラス窓の向こう側は、濃紺の深い闇……。
この閉ざされた空間の中で、限られた時間の中で、次々と起こる危機を乗り越えながら、7人は脱出への道を探し続ける。
■キャラ
●倉成武
ザッピングシステムによる、主人公その1。
友人達とLeMUに遊びに来た大学生。
やがて彼は、友人とはぐれてしまい…この恐るべき事件に巻き込まれる。
●少年
ザッピングシステムによる主人公その2。
記憶喪失中の少年。
自分の名前も、住所も、生年月日も、もちろん年齢も覚えていない故に、便宜上"少年"と呼ばれる。
LeMUに、いつ、誰と、なぜ、どのようにしてやって来たのかもわからない。
●田中優美清春香菜
LeMUのバイト係員。
"優美清春香菜"という名前は、彼女の父親がつけた。
理由は"田中"という姓があまりにもありふれている為、せめて名前だけは独特のものにしたかったから、とのこと。
友達の多くは彼女のことを"優"または"なっきゅ"と呼ぶ。
サバイバル的な知識とオカルト関係の知識が豊富。
とにかくよくしゃべり、豪快、愉快、痛快、気後れしない性格。
●小町つぐみ
多くを語らない、謎に包まれた少女。
何のためにLeMUを訪れたのか、何を考えているのか…
―彼女は何者なのか。
心を見透かす冷徹な瞳、他人を拒絶する言動。
凍りついた心の扉は、容易に開くことはできない。
ただ、その先に微かに垣間見えたものは、
ほとばしるような灼熱の怒りと、慄然とするほどの狂気だった。
●茜ヶ崎 空
空はLeMUの専属スタッフとして働いている。
常に論理的で冷静で、感性や情によって動かされることはなく、あらゆる現象を記憶し分析し、合理性のみを基準として行動する。
●松永沙羅
修学旅行的な学校行事でLeMUにやって来た。
鳩鳴館高校に通う沙羅は優の後輩にあたる。
優は沙羅のことを可愛がっており、沙羅もそんな先輩(なっきゅ先輩)のことだけは大変慕っているようだ。
●八神ココ
無邪気で、いつも幸せそうなココ。
そのぶっとびぶりは放送コードすれすれであり、彼女の言動は聞く者・見る者の脳を揺らす…。
ココには、これと言った取り得は無い。
意味も無くスプーンを曲げれることぐらいが唯一の自慢だ。
しかし、それ故に彼女は、まわりのみんなに愛されている、憎めない、愛嬌のある少女。
ココの最大の取り得は、そんなところにあるのかも知れない。
■システム
業界でも評判のKIDシステム。
自分がやったのはPS2版で、オプション類はDCに劣ってるんですが。
なんか聞いたところによると、容量の関係でPS2の方がCGムービー音声等の解像度は上だとか。
何にしろ、スキップスピードの速さに加え既読スキップ、オートスキップ、選択肢毎のオートセーブ、音声再生も可のパックログと、インターフェイスの充実ぶりは火鷹の所持してるAVDでは最強かと。
演出面では、立ち絵の拡大縮小を用いた遠近感表現。
なにげに、背後に居るキャラの表情も変わったりして芸が細かいです。
■音楽
音楽というか音声。
自分はこの点でKIDを評価してるんですが、有名どころで固めるのではなく、よくもまぁ、これだけ役にあった声優さんを引っ張ってくるなぁ……と。
特に、このエバセブに関しては全員が全員はまり役なのではないでしょう。
もっとも評価が高いのは笠原弘子ですが、個人的にMVPをあげたいのは、電波と理知性が混在するというアンバランスなキャラをやった望月
久代に。
■シナリオ
なんというか、このゲームマルチエンドのゲームじゃないんですよ。
キャラごとのシナリオは存在し、一応のエンディングも存在しますが、これは、全体の構成の一要素という感じです。
このゲームは、最終章であるココ編をやらなければ評価不能だと思います。
事の真偽はともかくとして、YU−NOを超えたなんて声もちらほらと聞かれます。
これはシナリオの構造、叙述レトリックの巧みさから出た意見で、個人的にもシナリオのレベルは近年最強の出来じゃないかと思います。
問題としては、序盤〜中盤にかけての展開がタルイことと、SF的専門用語とそれに付随する説明がクドイことなどでしょうか。
とはいっても、これは個人の価値観の問題。
自分はSF好きなので、序盤〜中盤に頻出する専門用語、物理概念のオンパレードはむしろ楽しかったです。
ただ、これはあくまでゲーム的にデフォルメされたエセ科学なので、ハードコアなSFファンにはこれこそ苦痛らしいですが。
それにこのゲームって、SFではなく叙述サスペンスなんですよね。
SFという世界観は、あくまでそれを補助するオマケみたいなもの。
えっと、なんかレビューというより紹介文になっちゃったな。
まぁ、ネタバレが致命的になるゲームなので、普通にレビュー書くのが怖くて…
ちよっとだけネタバレすると、最初にココが言うコメッチョ、あれってものすごい複線なんだよなぁ。
ネタバレについてですが、この作品のネタバレは、『よほどまずいもの』に含まれるかと。
ネタバレしてしまうと、アノ衝撃のシーンが意味無しになってしまうので。
つか、作品の面白さの半分以上をスポイルしてしまうかも。
まぁ、あらゆる意味で超越した作品です。
(火鷹戒 様)
EVER17はちょうど先日クリアしたばかりです。
ストーリに関しては大した物とは思いませんでした。
武編の途中でB○の存在に気が付きましたから。
そして、私はこの手のネタは好きではないのです。
武編と少年編は、実は○○の○○があるというのはかなり後まで気づきませんでしたけど。
しかし良い話だったと思います。
何故ならつぐみんがいたから、たけぴょんがいたから。
「EVER17、それはこの2人を我々の前に送り出す為に在った」とか一人で言うてます。
そのくらいツボでした。
素直にカコイイ少年(しかも美形だ!)と無愛想な聡明ヒロイン。
元々大好きなんですよね〜。
EVER17は、つぐみんとたけぴょんの愛の歴史を綴った恋愛ADVだ!と言って憚らないエンジェル・ハイロゥでした。
(エンジェル・ハイロゥ) |